第17話 砂漠の女王と熱砂の迷宮-1


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引越しも完了し、新しい生活が始まった。
ようやく中断したままの島の探索が再開できる、と喜んだのも束の間。
私は何でも屋になってしまった。
毎日何かしら頼まれるので忙しい事この上無い。
今日も私は近所の子供達の勉強を見ていた。

・・・・よし、じゃあ今日はここまでとする。
私はテキストを閉じて子供たちに終了を継げた。
ハーイ!と元気に子供たちが返事をして帰り支度を始める。
ケン、君は算術に弱いんだからちゃんと家に帰ったら復習するんだぞ。エマ、君の読解力は素晴らしい。もっと本を読んで知識を深めなさい。ハンス、君は食べすぎだ少しおやつの量を減らしなさい。
一人一人に声をかける。子供たちは皆元気良くうなずいた。
まあ素直なので可愛いし、教えるのも楽ではあるのだが・・・・。
改めて何でこんな事になったのかと私は内心首をかしげていた。
「DD!サッカーやろうよ!」
ケンがソファで漫画雑誌を顔にかぶせて昼寝していたDDに声をかけた。DDが目を覚ます。
「えー? だってさケン、私のシュート1回も止められないじゃん。つまんなーい」
「うっせー! 今日は止めてやる!」
2人はわいわいやりながらオフィスから出ていった。
それを待ってーとエマが追いかけて行く。
「・・・・ケンはさー。DDの事が好きなんだよ」
残ったハンスが袋からクッキーを出してむしゃむしゃ食べながら言った。
だろうな、見ていればわかるよ。・・・・初恋か。
後ハンスほんと君おやつやめなさい。
「・・・・自分と関係無いと気がつくのね」
エリスがキッチンから出てきた。
ん? 自分と関係ない??
「何でもありません。おじさまお買い物お願いしていい? 晩御飯に使うものをいくつか。私はこれからお掃除だから」
いいとも、行ってこよう。
昨日から外へ出ていないし、ちょうどいい少し外の空気も吸っておきたい。
商店街に行って頼まれた物を買う。
滞りなく買い物を済ませた私は夕暮れの町をオフィスへと戻る。
途中、冒険者らしき3人連れとすれ違った。
一瞬彼らがこちらを伺った。明らかに私が誰なのかわかった上で微かに身体を緊張させたのがわかった。
全員鎧や衣類に鮫のマークがある。・・・・「シャーク」か。
以前ヒビキにシャークについて聞いた内容を思い出す。
シャークは現在200人程の集団となっており、ヘッドと呼ばれる「ヴァーミリオン」という男の下で全体が3部隊に分かれ、それぞれを部隊長が率いているらしい。
彼らの目的はわからないが、警戒しておく事にしよう。

オフィスの前まで戻ってきた時、えらい怪しい覆面の2人組と行き会った。
「お。先生どーも」
「ちぃーす、ご苦労さんです」
何故か挨拶される。ど、どうも・・・と動揺した私はどもって挨拶を返した。
そのまま2人組は建物へ入っていく。
この建物の関係者なの!? 誰!?
そこへサッカーを終えたらしいDDが戻ってきた。
「快勝快勝、今日もDDは無敵なのでありましたーっと・・・・どしたの?ウィルそんなとこでぼーっと突っ立って。伝説のプロレスラー・ボンデージ和馬でも見えた?」
誰だよボンデージ和馬。
そうではない、と私は今しがた見た二人組の事を説明した。
「なーんだエレベーターさん1号と2号じゃん。スタッフなんだからちゃんと仲良くしなくちゃダメだよウィル」
ええええええええええええええええええええええええええええ!!??
うちのエレベーターって人力なの!!??
「当ったり前だよー。あの二人がいつも地下で滑車回して上げ下げしてくれてるんだよ。動力なんだと思ってたの?」
いやゲンジの作るものだからまた何か得体の知れない動力で動いているものだと!!
てかこれもある意味充分得体の知れない動力だけど!!!
3階までしか無い建物にそんな仕組みのエレベーターって・・・・・。
ちなみに3階には書道の大家、爆惨先生が住んでいらっしゃる。

「そういえばさ、砂漠に新しい遺跡が見つかったみたいだよ」
夕食時、DDが突然話を切り出した。
「何でも砂の下から出てきて見つかったんだって、ケンがお父さんから聞いたって言ってた。エマのうちでも言ってたって」
ほう、砂漠はまだ探索した事がないな。
・・・・砂の下から見つかった遺跡か・・・・。
その調子ではまだ手付かずの部分が多いんだろうな。未発見の遺物とか沢山あるかも。
・・・・・・・・・・・凄く行きたい。
「暑さ対策と、遠出の支度が必要みたいね」
エリスが苦笑してそう言った。
善は急げというので、我々は早速翌日準備を整えて砂漠へのマナトンネルをくぐった。
早くしなければ他の冒険者達が中を探索し尽してしまうかもしれない。
「あぢゅいよー」
「文句があるのなら留守番していればよかったでしょう!付いて来ておいて文句言わない!!」
早速DDとエリスが始まった。
「留守番ヤダ。砂漠でウィルと二人きりとかえりりんエロいー」
「エロくないっ!!!」
こらこらそのへんでー・・・・と、言いかけた瞬間我々3人は同時にその場を大きく飛び退いた。
バーン!!と爆発音のような音を響かせて、一瞬前まで我々が立っていた場所から大量の砂を巻き上げて何かが飛び出してきた。
天をつく巨躯、長い虫のようなボディ。
サンドワームか!! 砂漠の王たる魔蟲!!!
・・・・・・いや?しかしちょっと・・・・・違うぞ・・・・・?
シルエットは確かにサンドワームなのだが、全身が妙に金色にキラキラと輝いている・・・・そして何だか時代劇スターのような顔にチョンマゲ・・・・。
『・・・・オーレッッ!!!』
サンバワームか!!!! 別名「砂漠の暴れん坊将軍」!!!!
不思議な音波でオバちゃん達を吸い寄せて食うという恐ろしいモンスターだ。
オバちゃんでは無いので吸い寄せられはしなかったが直に遭遇してしまった!!