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帝王(貴族)に逃走はない(のよ)!-13b


翌朝。
馬の蹄や怒号が振動となって宴の余韻の残るニューカッスル城を揺らす。
岬の向こう側からニューカッスルへ進撃するのは傭兵が主力の部隊。
数はおよそ五千と言ったところ。
城の一角が崩れ、門が破れているのを見て、あわよくば城に雪崩れ込もうというつもりだろう。
レキシントンが制圧された事を知らずにいるため、遊弋するサザンクロスを見て空軍に獲物を横取りされるものかと焦ったのかもしれない。
だが、城の中には何も残ってはいない。
あるのはマチルダが贋作であると鑑定した物ばかりだ。
後は、女子供といった非戦闘員が脱出用の船に乗り込むのを待つのみ。
それまで敵兵を一兵たりとも中に入れるわけにはいかない。
傭兵と言っても貴族から身を落した者も多く、門が破れている以上は三百では物量に抗いきれず破られてしまう。
進入されてしまえば戦利品欲しさの傭兵に虐殺を許してしまう事になるが、この城の中に慌てふためく者は誰一人としていなかった。


マチルダと数人の貴族を引き連れサウザーが門の上に立ち、向かってくる集団を一瞥する。
向かってくるのが五千とはいえ、その後ろの四万五千の軍勢の威圧感は凄まじい。
やや強張った顔付きで反射的に杖を出したマチルダを手で制止すると、何時もの笑みを浮かべたまま言った。

「構わぬ。あの程度ならば、俺一人で十分だ」
その言葉だけで、サウザーの周りに居た者の緊張が和らぎマチルダも自然と杖を下ろした。
味方である限りは、これ程頼もしい相手もそうは居ない。
あの大軍を相手にするよりも、この男一人を敵に回す方が余程恐ろしい。

「出過ぎた真似を致しました。吉報をお待ちしております」
「ふっ……、無論だ」
その言葉が放たれた時にはサウザーの姿は無く、その姿はすでに天空へと移っている。
鳳凰が狙う獲物は、軍隊という生物の胴体部分。
直上に辿り着くと、食らいつくべく降下を始める。
運悪く着地点に居た兵を文字通り粉砕すると、その勢いのまま闘気が込められた拳を地面に叩き付けた。


      南斗鳳凰拳

南 斗 剽 斬 功



叩き付けられた闘気が地面と大気を伝わり、無数の衝撃波となって周囲の兵士を襲った。
集団の中にぽっかりと穴が開き、アルビオンの大地が赤く染まっていくのが門の上のマチルダからはよく見える。
たった一撃で百余りもの兵が肉片と化したのだ。
あまりに凄惨な光景に五千もの軍の進軍が一人の男の手によって止まった。
そしてこれはほんの始まりにすぎない。

地面に叩き付けた拳を離しながらサウザーがゆっくり顔を上げ仁王立ちの姿勢を取る。
かつて、皆殺しの色里と呼ばれ、難攻不落を誇っていたアスガルズルを支配していた南斗水鳥拳前伝承者ロフウは、ユダが引き連れていた千の軍をたった一人で皆殺しにした。
聖帝とは南斗の頂点に君臨する者の名。
水鳥が千ならば、鳳凰は万の軍勢すら屠ってみせよう。
今までも血の河は幾度と無く越えてきた。
新たにそこを進む事には何の躊躇いも無い。
ただ一つ違うのは、この双肩には南斗の先人達や師からの想いを全てを背負っている事。
もう何からも逃げはしない。
周りを囲み武器を向ける無数の兵を一瞥すると、この大陸全てに轟かんばかりに宣言した。

「俺は聖帝サウザー!兵を進めよ、大地を奪い尽くせ!我が聖帝の旗を全ての地に靡かせよ!!」


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