あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

バハムート『ゼロ』式

少女ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールは唖然として目の前の存在を見ていた。
目の前の存在は……とてつもなく巨大で……神秘的で荒々しい竜だったからだ。
事の発端は、春の使い魔召喚の儀式。
学年進級がかかったこの行事は、非常に大切な行事だった。
学年進級もそうなのだが、召喚した使い魔により己の基本属性の固定に加え自分の進む道の道標となるからである。
そして儀式当日……次々と召喚され使い魔として契約される光景を見てルイズは、
自分も素晴らしい使い魔を召喚できるに違いないとその小さく綺麗な手で握り拳をつくる。
とうとうルイズが使い魔を召喚する番になる。

ルイズは、呼吸を整え心を落ち着かせ使い魔を召喚する呪『サモン・サーヴァント』をゆっくりと唱える。
そしてサモン・サーヴァントの呪が完成し発動させた。
それは、盛大で強烈で激しすぎる爆発。
それと伴って盛大に巻き上がる砂埃。
失敗したのか? 成功したのか? 余りにも砂埃が酷く視界を塞ぎそれすらもわからない。
ルイズは、祈った。どうか成功しているようにと。
蛙でも鼠でも犬でも猫でも、それが例え植物だろうとなんでもいい成功して欲しい!
結果的にその願いは、叶う事となるただ前例が無いと言う形で。

砂埃が風に流され晴れた時其処に存在したのは白に近い灰色のローブを着込んだ
男性とも女性とも分からない人間が悠然と立っている。
右手には、一番先に漆黒の石が埋め込まれた1.5メイルほどあるロッドを持っていた。
パッとみて、ルイズは自分はもしかして高名なメイジを呼んでしまったんじゃないか?
何て事をしてしまっただろう……と、ルイズは泣きたくなってくるのだが……
今し方ルイズが召喚した存在が、口を開き言葉を紡いだ。
しかし、それは口からと言うよりも丸で空間全体が言葉を紡いでいる様。

『我を呼びし者よ……我に何用か……』

淡々として威厳ある声が、ルイズの目頭に涙を薄らと浮かべさせる。
怒られるだけならまだいい……もしかしたら、消されるかもしれない。
と、目の前のメイジ(?)を見てそう思うルイズ。
何も声を出せず、口から小さな嗚咽が漏れるルイズに変わり引率として着いてきた教師
コルベールが、ルイズの召喚してしまったメイジ(?)に対し謝罪の言葉を述べるのだが……

『使い魔……其処の小さき者がか?』

その言葉に、コクンと小さく頷くルイズ。
その様子を見てさらに目の前のメイジ(?)に謝罪の言葉を述べようとコルベールが口を開く前に……

『ならば、我を見事使い魔にしてみせよ!』

その言葉と同時に、メイジ(?)の体はメキメキメキと鈍い音を立てて変化する。
そして冒頭で紹介した巨大な竜がルイズの目の前に存在するという訳である。

『さぁ我に、己が力を示せ! 己が信念を貫け! 己が魂の輝きを見せ、我を屈服させよ!!!』

竜は、言葉を紡ぎ咆哮を上げる。
その咆哮は空気を震わせ大地を揺るがす! 大半のクラスメイトがソレにより吹き飛び使い魔達も混乱に陥る。
逃げ惑うクラスメイト達、引率のコルベールは、失神していたりする。
しかし、その中で二名のクラスメイトがルイズの横に立つ。

「やっかいなの召喚しちゃったわねぇ? ルイズ?」

そう告げるのは、紅の髪を持ち褐色肌の女性キュルケ。

「……手伝う」

目の前の竜を見て、淡々とした表情を浮かべてそう告げるのは、蒼の髪に翡翠の瞳を持つ少女タバサ。
そんな二人を見てルイズは、何故と言う表情を浮かべるとそれをみたキュルケは笑いながらにこう告げる。

「友人と書いてライバルと読む。それが私と貴女の関係よ。ならば……共闘してもいいじゃない?」

キュルケは、愉快そうにそう告げ

「……友人の手伝いをする事に理由などない」

そう告げ杖を構えるタバサ。
二人の言葉を聞いた後でルイズは、目の前に存在する巨大な竜を見る。
どう考えても勝てる要因はない。
キュルケが召喚した使い魔サラマンダーの炎だってあの巨大な竜に効くだろうか?
タバサが召喚した使い魔ウィンドドラゴンの攻撃だってあの巨大な竜に効くだろうか?
そして、最大の要因は私が魔法を使えないと言う事だ。

「なぁに時化た表情してるのよ。まったく私のライバルなら覚悟決めなさいよ」
「……物事には逃げて良い時と逃げてはいけない時がある。私は逃げない」

二人は、杖を構え凛として前を見てそう言い放つ。
……そうだ、私は貴族だ。いや……貴族とかそんなの今は関係ない。
私は、そう……敵に背中を見せない! それが! 私の信条!
例え勝てなくとも! 例え負けようとも! 絶対に敵に背中は見せない!
それが私だ!
ルイズは、杖を構え凛とした表情を浮かべ竜を見た。

『さぁ……来い! 人の子よ!』

三人と二匹は、その巨大な竜と戦いを始め、その戦いは日が沈み二つの月が昇り沈みまた日が昇る頃に終わりを迎えた。
結果的に、三人と二匹はその巨大な竜を倒す事は出来なかった。
魔力が尽きても体がボロボロになり凄まじい疲労があっても三人は、しっかりと己の足で大地にたち竜を見据えていた。
其処には、覚悟があった。
其処には、信念があった。
其処には、絆があった。
其処には、砕けない魂があった。
酷く大きな音を立てて依然立ち続けるルイズたちに歩み寄る竜。
三人にはもう魔法を撃つ為の魔力は無い。キュルケとタバサの使い魔も当の昔に地に伏して気絶している。
また一歩、竜は近づいてくる。
そんな竜を三人は、まけちゃぁいない! とばかりに睨む。

すると竜は、淡い光を放ちその巨体をまるでガラスが砕ける様にして消えて行き……
その光が終えれば、其処にはあの白に近いは灰色のローブを着た存在が居た。

『その力みせてもらった。その信念みせてもらった。その魂の輝きをみせてもらった……
 だが、我を屈服させるには至らん……しかし、人の子よ。お前が何処まで成長するか見届けたくなった。
 お前が死に果てるまでの時間など、我にとっては短き時間。
 さぁ、契約しようではないか我を呼びし者』

足音無くルイズに近づく者。
わけのわからない展開に、安堵しつつルイズは言葉に従う事にした。
魔力が空っぽなのはわかってる。でも、大丈夫。出来る。
何故か、確信めいた思いが脳裏を駆け巡った。
そして、ルイズは契約の呪を紡ぎ……

『今此処に、お前と我の契約は成った……我が名はバハムート。
 幻獣にして無が竜の王なり! お前の生き様見届けようぞ!』

「もうルイズと共闘したくないわぁ~」
「……時と場合による」

かくして、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールは、竜の王と契約した。
竜の王は、ルイズの成長を見守り時には助言し、時には力を貸しルイズの生き様を見守った。
ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールが、天寿を真っ当するまで……
ルイズは、数多くの伝説を生み出し……人々から尊敬の意を込めてこう呼ばれ後世に語られる。

『無(ゼロ)と竜の魔法使い』

 と………




そして、何処か別の世界にて

「おっゼロと竜の使い魔の新刊か買って置こうっと」

ノートパソコンを抱えた少年が、一冊の小説を手にとりそんな事を呟いたとか呟いて無いとか……

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