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STEALTH & Aegis-02

STEALTH & Aegis  :2-1   ストレンジャーズ(1)




エディはその夜1晩、着陸した中庭の片隅で過ごし、そのチタン合金製の羽を休めた。

もっとも機能を停止したのは飛行に必要な動力部や兵装のみで、センサー球体はずっとこの世界に来てからについての己の変化を調べる働き続けている。
人間で言えば、ベッドに横たわって身体を休めているだけで頭はしっかりはっきり起きている感じだろう。



おかしい。

着陸後、再度自己診断プログラムを働かせた際のエディの感想はこれに尽きた。

1つは兵装。
主兵装の20mm機銃の弾薬はフル装填済み、兵装ベイの中には燃料気化弾頭搭載の空対地ミサイルが6発。
それに併せて<スロート・リッパー><ショック・ハマー><ブルー・フェレット>がそれぞれ2発づつ、計6発。


タジキスタンでの爆撃任務の際の装備がいつの間にか、そっくりそのままエディに搭載されていたのだ――全て使い切ったにも関わらず。






更にもう1つ。
草原から学院への広場へと移動した際、エディ自身がサイトとルイズを乗せて飛行したのだから、少なからずタンク内の燃料を消費した筈。
現に中庭への着陸時、満タンを表示していたタンク内の燃料は約2.1%の消費を示していた。

それが…時間が経つと、勝手にタンク内の燃料の量は満タンを示していたのだ。

中庭への着陸後、誰もエディの元へとやってきた者は居ない。
基地への着陸の度に受けていた筈の点検、ならびに燃料の補給作業もエディは受けていない。



つまり、『誰の手』も、『何の作業』も受ける事無く、『自然』に燃料が補給されたという事。



…その原因についての確実な結論をエディを出す事はできない。
だが己の身体《機体》がこうなった原因となる最も高い可能性は、簡単に想像がついた。





ルイズの召喚。


それによって破壊された機体の構造が分子レベルで変貌、再編成された事による副次的産物という可能性が、一番確率が高い。
しかしそれは科学的根拠があまりに無さ過ぎて説明が――――否、科学的に説明できないからこそ、『魔法』なのか。

人間並みに柔軟で、機械ならではの冷静さでもって、エディは一応そう結論付けた。

とりあえず、少なくともこれで補給の心配は当面大丈夫だろう。
今後の課題はスクラムエンジンのなど飛行に必要な機器の整備についてだ。
だがその辺りはこの世界の技術レベル、ならびに魔法の種類や汎用性などを考慮に入れるべきなので後回しにすべきか。

自己の生存の為にしばらくの間は、サイトと共にルイズの使い魔として情報収集に専念すべき。

そう、エディは結論付けた。





……正直言って人間であるサイトより、曲がりなりにも機械であるエディの方が、よっぽど前向きな思考かもしれない。






そして翌日。


広大に広がる透き通るような青色の大空の中、エディはトリステイン王国領空―領空という概念があれば、だが―3000mを飛行していた。

燃料が自然に補給されるとは言ってもまだどれくらいの時間でどれだけの量が回復されるのかははっきり結果が出ていない。
だから最も消費効率が良くて長い時間飛べる速度で、50%を消費したらまっすぐ魔法学院へと帰還するようにしている。
それでも、風竜の数倍の速度で飛行しているのだが。


魔法学院の位置を中心にプログラムし、各種センサーをフル稼働させながら渦巻状に旋回。
徐々に旋回範囲を広げながら、センサーでスキャンした地理的データや建物の構造をスキャンし、細部に補正を加えながら記憶していく。
国境線などに関しては詳しく把握するのは不明だったが、その点はルイズからハルケギニアの地図を見せてもらって、倍率などの補正を加えていけば瞬時に把握できる。


エディはまだ知らないが、既にこの数時間の作業でトリステイン王国全体、そしてガリアやゲルマニアの一部の詳細な地形図までも調べ終えている。
タンク内の残存燃料、現在飛行中の空域と魔法学院までの距離を換算し比較。
そろそろ、戻り始めたほうが良策だろう。


そう判断し、エディはかつてロシアのSu37<ターミネーター>とのドッグファイトで見せた20Gを超える無人機ならではの急旋回で、回れ右してまっすぐ魔法学院への帰路へと着いた。





数十分で魔法学院に辿り着いた時、サイトが生徒の1人と決闘騒ぎを起こして魔法相手に立ち向かったと聞いて魔法に関する新しいデータを収集出来なかったと嘆くのは余談だ。



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