あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

無から来た使い魔-3

「なっルイズが飛んできた!?」
「俺、夢見てるのかなぁ?」

 ルイズ達が学園に着くと先に戻っていた生徒達の多くは驚きの声を上げていたが、
赤い髪の生徒が、何故かいまだ浮かんだままのルイズに近づく、
「あら、ヴァリエール何時の間にフライを覚えたの?」
「こ・こんな、簡単なコモンルーンなんて最初から使えたわよツェルプストー」
「あら? それは初耳ねそれならなんで、今まで使わなかったの?」
「そ、それは、そう! 魔法に頼りっぱなしだと、体が鈍っちゃうからわざと使わなかったのよ!」
「じゃあ、なんで今は飛んでいるの?」
「それは、さっき呼び出した使い魔になめられないために、わたしの実力を示すためよ!」
「ふ~ん」
「な、なによ! 本当なんだから!」
「まっ、いいわ。そういうことにしてあげるわ、そろそろ次の授業が始まるわよヴァリエール」
「解ってるわよ!」

 ルイズ達がそのような会話をしながら教室へ向かおうとしたが、ルイズはふと思いついたように、追いついてきたバッツに声をかける。
「あ、バッツ次の授業は使い魔と一緒に受けることは出来ないから、使い魔達の待機部屋に行っといて」
「あぁ、いいけど俺場所知らないぞ?」
「それならそこらへんにいる人間以外の、生き物追えば着くから適当に行きなさい」
「そんなアバウトで良いのか?」
「いいの! ああ、わたし時間無いんだから!」

 ルイズは言いたいことを言うと、他の生徒達の後を追い教室に入って行く。
取り残されたバッツは周りを見渡し、恐らく他人の使い魔であろう生き物達が集まっていく部屋へと向かった。
バッツが部屋に入るとそこには、使い魔であろう多くの幻獣、動物、魔物がひしめきあっていた。
比較的大きな部屋のはずなのだが、部屋にいるの使い魔達の中には大きい者も多く、全体的に窮屈そうになっていた。
バッツはできるだけ他の使い魔を刺激しないように、部屋の隅で休もうとするが部屋の隅にあった【あるもの】を見つけ、
子供のように目を輝かせ、その【あるもの】の元へと向かった。

 一方ルイズ(地面ギリギリに浮かんでいるため、先生はルイズが飛んでいることに気づいていない)は、召喚した使い魔との付き合い方の授業を受けていた。
元々召喚前からこの手の授業はあったのだが、実際に召喚が終わらないと、使い魔の世話のやり方を習っても
習った種類と違う使い魔が召喚されれば意味が無い事、また実際に召喚しないとわからない使い魔と視覚や聴覚の共有なども今回の授業で習うのだが、
ルイズが召喚したのは【人間】である、特に習わなくても使用人と同じ扱いで十分だと判断し、前半の授業はいつも真剣に学んでいる彼女にしては珍しく、
聞き流しながら受けていたが、授業の内容が使い魔との感覚の共有のやり方に移ったとき、周りの様子に変化が起きた。
「なんか音楽が聴こえるぞ?」
「え? お前もか? 俺も聴こえるんだけど?」
「でも、このピアノのパートいいわね」
「私は竜の鳴き声の所が良いと思うわ」
と、聴覚の共有に成功した生徒達は、なぜか自分の使い魔から音楽が聴こえ、そのままうっとりと聴き続ける。

しかし、ルイズや先生、元々音を聞けない種族や感覚の共有をしてはいけない種族を使い魔に召喚した生徒は、何が起こってるのか理解できない。
「えー、一部聞いていない生徒もいますが、今日の授業これで終了します。この後は使い魔に彼らの住む場所をきちんと教えてあげてください」

 担当の先生は面倒になったのか言うだけ言うとさっさと教室から出て行ってしまった。
音楽を聴いている生徒達は、聴こえなかった生徒達に授業が終わったことを教えられ、生徒達は自分の使い魔迎えに行くのであった。
そして生徒達が使い魔達がいる教室の近くに行くと、使い魔達が待っている教室の中から使い魔達の鳴き声とピアノの音が合唱のようになって聴こえてくる。
「一体あの教室の中はどうなってるんだろうね?」
「ああ、視界を共有しても他の使い魔の姿しか見えないから、あのピアノの音源はわからかったしな」

 思い思いのことを言いながら教室に入るとそこには合唱をしている使い魔達とその先頭で杖を指揮棒のように振るっている先生の姿があった。
しかもその先生が学園の中でも不気味な雰囲気と冷たい態度で生徒達から嫌われている疾風のギトーであった。
その光景に生徒達は一瞬フリーズたが、あわててギトーに声をかける。
「ミ、ミスタ・ギトー一体何を?」
「ああ、いや、使い魔たちが暴れないように監視しに教室に入ったら、
何故か使い魔達が合唱をしていたのでつい、楽師隊の指揮者のまねをしていたのだよ、ははは。
今年の使い魔たちはどうやら素晴らしい者達のようだな」

 ギトーは、ごまかすように生徒達を褒めると教室から出て行った。
また、使い魔達の合唱も自分達の主人を見つけたためすでに終わっていたが、ピアノの音は鳴り止まない。
そして生徒達は滅多に褒める事をしないギトーに褒められたことに喜び、そのきっかけとなった自分達の使い魔たちを褒めた。
 ルイズはそんな中自分の使い魔であるバッツを探す。
そして、バッツを見つけたルイズは唖然とする。
ルイズの視線の先には、何故か椅子に座らずにピアノを弾くバッツの姿があった。
「バッツ! あなた何やってるのよ!?」
「ん? ルイズか? いやピアノがあったからつい引いていたんだけど・・・もしかして勝手に弾いたらまずいんか?」
「ま、まぁ本来はダメだと思うけど、この周りの反応なら今回は特別に許されると思うけど・・・
ってそうじゃなくて、あなた何でピアノを弾けるのよ!?」
「いや、旅をしている時に酒場でなんとなく興味があって、弾いていたら自然と美味くなったとしかいえないが・・・」
「なっ、ピアノが酒場にあるってどんな大きな都市よ!?」
「へ? ピアノが無い酒場なんて探す方が大変だろ?」
「一体どんなところ旅すればそんな常識になるのよ!?」
「いや、どんなところと言われても、今まで旅していたところ、としか言いいようがないんだが・・・」
「じゃあ! 今まで旅していたところを教えなさいよ! 旅していたんだから地図くらい持ってるでしょ!?」
「あ、ああ、いいけど・・・」
「けど、何よ?」
「いや、みんなこっち見てるぞ?」
「な!?」

 ルイズが周りを見渡すと、生徒達が自分達に注目していた。
元々ピアノ音源に対して興味があった事とルイズの声の大きさが合わさったためこの場にいる生徒達は全員ルイズ達を見る形になっていた。
「そ、それを先に言いなさい! は、話の続きはわたしの部屋でするわよ!」

 ルイズは顔を真っ赤にしながら、バッツを引っ張り走り去っていった。
ルイズの部屋に移動したルイズは床にバッツを座らせ、地図を出させる。
バッツが取り出した地図は国境線などは書かれていないが森や山などはとても正確に描かれており、
未開の土地であるはずの東の土地や【聖地】の正確な地形が描かれ、さらにアルビオンの大陸はリアルタイムで動いていた。
「な・な・な・・・」
「な?」
「なんなのよ! この地図はー!? 何で東の正確な地図が出来てるのよ!? それにアルビオンもちゃんと動くなんて、どんな魔法よ!?」
「いや、俺もこの地図は拾いもんだから、詳細は知らないんだが・・・」
「ま、まぁ知らないならいいわ。それよりもあなたが旅をしてたのはどこら辺なの?」
「ん~たぶん、ルイズの言う未開の土地当たりだと思うぞ」
「たぶんって何で断言できないの?」
「ああ、今まで自分でも気がつかなかったけど、俺少し記憶が無くなってるみたいで、この地図のどこら辺を旅してたか覚えてないみたいだ」

 無論このバッツの発言は嘘である。なぜ彼がこのような嘘をついたかはきちんと理由がある。
まず自分がこの世界の人間でないと自分で納得いく理由があっても、それがルイズが信じさせれるだけの証拠ならないことがあげられる。
 彼がこの世界が自分の居た世界でないと確信を持っている証拠は、今ルイズに見せている、彼が元いた世界の船の墓場で拾ったこの地図である。

 この地図は何故かガラフの世界に行った時、2つの世界が合体した(正確には戻った)時も、何故かその世界の世界地図に変化しており、
今回も自分が今まで旅をしていた世界とは似ても似つかない地図に変化していることこそ、この世界が彼が居た世界と別世界である証拠なのだが、
この事実を知っているのは彼だけで、たとえこの世界の人にこのことを説明してもこの事実を信じてもらえるどころか正気を疑われるだろう。

そして、記憶喪失と言ったのは、この世界の常識と自分の常識が食い違っていても、これを記憶喪失ということでごまかせると思ったからである。
「え、じゃあ薬とかの知識とか大丈夫なの!?」
「ああ、何故かそういった技術面の記憶は残ってるんだが、それをどうやって身に付けたか、どの村や町を旅してたか、とかが、ちとあやふやだな」
「ちょと!? それって大変なことじゃないの!?」
「いや、あやふやな記憶だけど、一緒に旅していた仲間の一人は名前だけしか憶えていない状態だったけど、そいつは旅に支障はでてなかったぞ?」
「旅に支障が無くてもわたしの使い魔として支障が出るじゃない!?」
「ん~、確かにそうかもしれないな、なぁルイズ」
「な、なによ。いきなり真剣な顔して」
「ああ、取りあえずここら辺の地域の常識を教えてくれないか? 俺が旅していた地域と違うかもしれないしな」
「え、ええそれくらいいいわよ。わたしだって使い魔が変な行動取られるよりも先に釘させれるから丁度いいわね」

 そしてルイズはバッツに(ルイズの独断と偏見の多分に混じった)常識を教える。
バッツに教えた常識を大まかにまとめると、
1.世間の評価は魔法>>越えられない壁>>魔法以外の技術 である。
2.そして魔法が使えるのは貴族だけである。
3.その為、平民では貴族に決して勝てない。
4.またここは魔法学院ので貴族が多いが、身の回りを世話するための平民もいる。
5.キュルケという女性には近づいてはいけない。
と言った感じである。
 ルイズは説明を終えると、眠そうにしながらバッツに声をかける。
「ふぁ~あ~、そろそろ寝るから、脱がして」
「はぁ? ルイズ、何言ってるんだ!?」
「だから、寝巻きに着替えるんだから手伝え、って言ってるのよ? 身の回りの事を使用人がいるなら、頼むのは当然でしょ?」
「いやいや、おかしいだろ!? 普通そういうことを任せるにしても、女性の使用人だろ?」
「? 何言ってるの貴方は、わたしの使い魔でしょ? 使い魔なら犬とか猫とかと大差なんだから、犬や猫に裸を見られても恥ずかしくないでしょ?」
「いやいや、その理屈はおかしいだろ!? なら逆に聞くけど、変な触手とか一杯付いた使い魔に着替えとか手伝ってもらいたいか?」
「そりゃ、嫌に決まってるじゃない!でも貴方はただの人間でしょ? もしかしてわたしに変な感情とか抱いてるの?」
「いや、それは無いけど・・・」
「なら問題ないじゃない?」
「・・・はぁ、了解しました」

 バッツはがっくりとうなだれながらルイズの着替えを手伝う。流石に下着を脱がすよう言われたときは断固拒否したが・・・
 そして着替えが終わると、
「じゃあ、わたしはもう寝るからその服と下着は明日バッツ洗っといてね」
「ああって、おい!服はともかく下着は無いだろ!?」
「じゃあわたしの下着は汚いままで、いいというの?」
「いや、そうじゃなくて、それって使い魔の仕事でもないし、ましてや男の俺に頼むものじゃないだろ!? それこそ女性の使用人に頼めよ!」
「じゃあ、貴方が頼めばいいじゃない、洗濯の場所くらいなら明日教えてあげるから」
「っ解ったよ。で、俺は何処で寝ればいいんだ?」
「そこの床」
「はぁ?」
「だからそこの床で寝なさい」
「ルイズ、いくらなんでもそれは無いだろ?」
「じゃあ外で野宿する?」

 これらの行為はルイズが自分とバッツに上下関係をはっきりさせるための作戦であったのだが、
「ん、その方が床よりも休まりそうだな。
 洗濯物は明日の朝とりに行くから俺は外で寝るな」

 バッツはそう言うとそのまま外に出て行ってしまう。
「へ?何で・・・ あ!
 ・・・そういえばバッツって冒険者だったのよね、そりゃ野宿を選ぶじゃない! わたしのバカー」

 一人部屋に残されたルイズはベットの枕をポカポカ殴りそのまま疲れて眠るのであった。
一方バッツは学園の外に出ると適当な広場で道具袋からテントを出し組み立ててその中で横になる。
 バッツはルイズから説明を受けたことを思い出すと、へたに自分が魔法使えることがばれると色々厄介なことになりそうだな、
と思い出来るだけ人前での魔法の使用は控えることを決心するのであった。

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