あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

ゼロの双竜-01

「出力ッ、全ぇぇん開ぃぃぃッ!!!」

暗黒の大決戦。
ZX-06が呼び出した巨大な隕石を押し戻すため、彼らはESウィンドウの彼方に消えた。
だが、彼らは仲間たちと再会を約束した星の海ではなく、木星の中心にたどり着いてしまう。
いかに彼らの強靱な装甲でもこれには敵うはずもない。彼らは死を覚悟した。事実、彼らはその場で消滅してしまうはずだった。
しかし、彼らはそこで出会った。
その不思議な力、「ザ・パワー」と。

ザ・パワーはESウィンドウを貫くほどのエネルギーで、隕石ごと彼らを押し戻した。
彼らは、ザ・パワーの持つ力によって空間を飛び越え、次の瞬間には何と地球圏に戻っていた。
地球の重力に捕らわれ、落下を始める巨大隕石。彼は落下を食い止めようとするも、力及ばず共に落下してしまう。
そして、落下のさなか彼らが見た物は、自分たちの生まれた星の遙か昔の姿。
6500万年前。白亜紀後期の恐竜時代だった。

舞い上がる塵によって太陽の光は遮られ、長い冬が訪れ、恐竜たちは絶滅していった。
そして、彼らもまた岩肌に背を預けながら、その機能を停止しようとしていた。
だが、彼らは願った。「生きたい」と、「生きてもう一度皆に会いたい」と。
強く、強く願った。
彼らの体内に残留していたザ・パワーは、その願いを叶え、その力を持って彼らを保存した。

数え切れないほどの月日が経ち、長い冬もとうに去ったある日の朝、彼らの背に光る鏡のような物が現れた。
だが、機能を停止している彼らは気付かない。
彼らの体は、そのまま鏡の中に沈み込み、その場から姿を消した。

高速を越え、次元を越え、時間さえも超えてしまった彼らは、ある一人の少女によって世界をも越えることになったのだった。



ゼロの双竜
第一話 その名は超竜神



「おおおおおおああああああアアアアアアァァァァァァァァァッ!!!」


ルイズたちは、目の前で起きた事態に圧倒されていた。
朽ち果てていたはずのゴーレムが、謎の光に包まれ完全に再生したのだ。
にわかには信じられないような光景だった。

そして、時間の経過と共に溢れていた光は徐々に消えてゆき、そこには見事な青と赤の装甲を持つ鋼のゴーレムが残った。
ゴーレムの頭部がルイズたちへ向く。

「――、――――?」
「…え?」

ゴーレムが何かを話しているが、ルイズたちには何と言ったのか分からなかった。

「何?何て言ってるの?」
「知らない言語」
「ふむ、私も聞いたことのない言葉ですな」

使っている言葉そのものが違うと、タバサは無表情に、コルベールは興味深そうに言った。
それならば言っている意味が分からないのも当然である。

「フレイム、あなた分かる?」
「シルフィード」
「きゅるきゅる……」
「きゅい……」

使い魔同士なら分かるかもと思ったのか、キュルケとタバサが自らの使い魔に問うが、二匹ともそろって首を横に振った。
どうやら分からないらしい。

ふと、ゴーレムは何やら考え込むような仕草を見せた。
そして視線を再びルイズたちの方に戻すと、

「失礼……君たちの言葉はこれで合っているだろうか?合っているなら……済まないが、ここが何処か教えて貰えないか?」
「「「「喋った!?」」」」

先ほどの謎の言語ではなく、ルイズたちの使用する言葉で流暢に話しかけてきたのだ。



私の呼び出したこの巨大な使い魔は、どうやらここがどこなのか分かってなかったらしい。
ここはハルケギニアのトリステイン魔法学園であり、貴方は使い魔として
私が召喚したのだと伝えても、当初首をかしげて今一納得する様子を見せなかった。
キュルケやミスタ・コルベールも交えて暫く話し合った結果、何と彼は魔法の存在しない遙か遠くの地から来たということが分かった。
しかも何かの事情があって化石化して数千年も眠っていたという。

討論の末、どうにか彼は魔法の存在を認めてくれた。
コントラクトサーヴァントが成立している以上、使い魔になってもらうしかないということも説得して、何とか使い魔になる事への了承ももらうことが出来た。
研究好きのミスタ・コルベールは彼の構造を知りたいと言いだしたが、さすがにその了承はもらえなかったようだ。
そして、彼の大きな掌の上に乗って、私は学園に戻った。

程なくして学園にたどり着いた。
ミスタ・コルベールと別れた後、女子寮の前で降ろしてもらい、寮内の階段を駆け上がる。
嬉しい!私が、ゼロのルイズと馬鹿にされ続けていたこの私が!あんなに強そうな使い魔を呼び出せたなんて!!
広場で見た、他の連中の使い魔たちを思い出す。
あんなの、束になってかかってきたって彼には敵わないだろう。
キュルケのサラマンダーなんて目じゃない。『洪水』のカエルや『風邪っぴき』のフクロウなんか問題外!
今年一番の当たりじゃないかと囁かれてた、あのタバサって娘の風竜だって、30メイルもの大きさを誇る彼には手も足も出ないだろう。
え?ギーシュの使い魔?見てないわよそんなもん。

階段を上り終え、早足で自室へと戻った。
そして、備え付けの大きな窓を開け放ち、彼を呼ぶ。
彼と話がしたい。あの強大な使い魔ともっと親睦を深めたい。
彼がこちらへ来るのを待ちつつ、そんなことを考えていると、ふと、あることを思い出した。

『ねぇ、貴方の名前は何というの?』
『私の名前はルイズ。ヴァリエール家が三女、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールよ!ねぇ、貴方の名前は?』

しまった、何でこんな重要なことを忘れてるか私。こういう事は会ってまず初めにすることなのに。
彼が窓の前までやってくる。私はその重要なことを話すために、口を開いた。

「私はルイズ。ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。ねぇ、貴方の名前は何というの?」

「……超竜神です、マスター」

「チョウ…リュウ……ジン……!」

こうして私は、ようやく彼の名前を知ることが出来たのだった。



ルイズはしばらくの間、超竜神との会話を楽しんでいたが、興奮して疲れていたのか、超竜神に朝の目覚ましを頼むとすぐに寝てしまった。
それから幾らか時間が経った頃……

「……シンメトリカルアウト!」

突然、超竜神が左右に分かれた。両肩のSPパックがパージされ、音を立てて地面に落ちる。
左右に分離した体は倒れながらそれぞれ変形し、一回り小さい二体のロボットになって立ち上がった。

「大変なことになっちまったな、氷竜」
「そうだな、炎竜」

GGG機動部隊所属の超AI搭載ビークルロボット、氷竜、炎竜。
世界最高の人工知能である彼らの頭脳は、現在彼らが置かれた状況を分析し、理解するに至っていた。

「わたくしの計算が正しければ、99.87%の確率でここは地球ではない別の惑星だということになるな。
大気中や地面、また太陽光などに含まれる成分をはじめとした、あらゆる物の細部が地球のそれとは異なっている」
「ああ……ま、アレを見れば、そんな計算しなくてもすぐに分かったんだがな」

炎竜は夜空を仰ぎ見る。夜空では、地球ではありえない二つの月が、それぞれ色の違う月光を放っていた。

「それともう一つ。僕たちの中に存在していなかったはずの」
「この謎のプログラム」

そう。いつの間にか、彼らの中にはインストールし覚えのないプログラムが組み込まれていた。
それは、何と『ハルケギニア言語対応の翻訳プログラム』だったのだ。
先ほど、データ上地球には存在しない言語を使用するルイズたちとの会話を失敗した超竜神は、自身のAI内にこのプログラムを発見し、
なにやら翻訳プログラムであることだけは確認できたので、駄目元で起動してみたらこの事実が発覚した次第である。

「履歴を検索した結果、このプログラムが追加されたのは今から遡って5時間47分前。わたくしたちのAIがまだ休眠状態だった時だ」

実はこれは彼らに刻まれた使い魔のルーンによる効果である。
ルーンの『ハルケギニアの言葉が話せるようになる』という効果が、翻訳プログラムの追加という形で現れていたのだ。

「プログラム自体にバグやウィルスは検出されなかったし不具合も見つからなかった。本当にタダの翻訳プログラムらしいな」
「おそらく、マスターたちの言う『召喚』か『契約』の際に、何らかの原因で追加された物と見て間違いあるまい」
「契約……か」

そうつぶやき、炎竜は自らの左手の甲を見た。
そこには、氷竜の左手の甲や、自身の愛銃『メルティングガン』に内蔵された超竜神の左手の甲にもある『使い魔のルーン』がはっきりと刻まれていた。

「これが『契約の証』だっていうのか……ん?」

ふと炎竜が隣を見ると、何故か氷竜がルイズの部屋の窓を開けていた。
朝になったら起こしてもらうため、ルイズが鍵を開けておいたのだが、まだ真夜中だ。明らかに子供の起床時間ではない。

「氷竜?何を」
「しっ……静かにしろ炎竜。起こしてしまっては不味い」
「お前、まさか……」

氷竜は、背中に装備されたクレーンの先をルイズの部屋に向けた。
凶悪な形をした銀色のフックが、二色の月明かりを受けて鈍く輝いた。

「よ…よせ、やめろ、考え直すんだ氷竜!」
「いいや!限界だッ!『やる』ねッ!今だッ!!」

炎竜が止めようと手を伸ばすよりも一瞬早く、氷竜はそのクレーンを、ルイズの部屋めがけて突き入れていた……。



「………でだ。いきおい取り出してみたのは良いが、一体これをどうしたものか」

氷竜は困ったようにそう言いつつ、その手にした…と言うよりその指でつまんでいる物を炎竜に見せる。

「どうしたものかじゃねぇよこん畜生……!だからどう考えてもマスターが寝ぼけて間違えただけって言ってんじゃねえかバカ氷竜!」
「バカとはなんだバカとは。もし勘違いだったとしても、こういう細かなことで信頼を得ておくことに損はないだろう。
それに、もし本当にわたくしたちに頼んだのだったのであれば、どうするつもりだ」
「だがよぉ、こんなのは『勇者』の仕事じゃないぜ!こんな、こんな……」

炎竜は氷竜がつまんでいる物を指さして言った。

「こんな『衣服の洗濯』だなんてよ!」

そう、氷竜がつまんでいたのは、ルイズの部屋にあった『洗濯物かご』である。先ほど氷竜がクレーンで凄く頑張って釣り上げた物だ。
何故こんな物で二人は争っているのか。その理由は、数時間前のある出来事だった。


「ふぁ……あ、そろそろ眠くなってきたわね……。それじゃあ、私は寝るけど、朝になったら起こしてね、チョウリュウジン」
「了解しました。他には何かありませんか、マスター」

名前を聞いてから、暫く超竜神と話していたルイズだったが、夜も更けさすがに眠くなったのか、超竜神に目覚ましを任せてベッドに潜り込んだ。

「……ぇ?それ………な、ら………………すぅ……」

ルイズは超竜神に何か答えようとしたようだったが、布団に入った少女の体は完全に寝る体制に入っていたらしく、言い終わる前に寝てしまっていた。
しかし、超竜神は見逃さなかった。
布団からはみ出たルイズの手が、人差し指を伸ばし他の四指を丸めた俗に言う『指を指す』形をとっていたことを。
そして、その指が示す先にあった物こそが―――

「こ……これはッ……」

そう、例の『洗濯物かご』だったのである。

「………………?」

それを見た超竜神は、正直首をかしげるしかなかった。



氷竜と炎竜は完全同型のAIを持ちながらも、全く異なる性格を持つ。
同じ機種であり、同じ基礎データを持ち、同じように育てられながら何故こうも違いがでたのか、その原因や理由は不明だが、
とにかく割と頻繁に二人の意見は食い違うのだ。
そして今回も、合体してAI同士を結合し、超竜神という一つの人格になっていたにもかかわらず、彼らの意見は真っ向から対立していたのであった。

「つーか冷静に考えてみろ!超竜神に手洗いの洗濯任せるバカが一体何処にいるって言うんだ!」

炎竜の言うことももっともである。そもそも、指一本の太さだけで洗濯物の大きさを
上回りかねない超竜神が洗濯を行うこと自体が土台無理な話なのだ。

「だが、帰る方法が分からない以上、我々は最低でも帰る手段が見つかるまでの間ここで暮らさなければならない!
そして、情報の多いこの学園を方法を探す拠点とするためにも!居場所を提供してくれているマスターの信頼を確保しておく必要があるッ!!」

だが、氷竜も引き下がらない。
彼の意見もまた、正論と言えば正論なのであった。

「それに炎竜。これは『勇者』の仕事ではないと言ったな」
「あ?」
「だが、逆に考えるんだ。
このような、絶対に出来ないような困難極まる任務こそ『勇者』の仕事だと。
この任務を達成することが出来てこそ『勇者』だと考えるんだ」
「けど、俺たちに『洗濯』はプログラムされてないぜ!」
「わかっているはずだ。『洗濯』に必要な物は、プログラムじゃない!」
「そ、そんなこと言ったって!!」
「何もしないで諦めるのか!!」
「ッ!」
「忘れたわけではあるまい!GGG憲章、第5条、125項!!『GGG隊員は、如何に困難な状況であろうとも』……!」
「『けして諦めてはならない』ッ!!」
「わたくしたちは紛れもなく、GGGの隊員だ!」
「『「あのぅ……」』なんて言葉はメモリーから消去してやるぜ…………え?」
「む?」
「その……何かあったのでしょうか?」

二人の舌戦が何だか妙な方向に転がりだしたところで、横から第三者の声が入った。
二人が声のした方へ振り返ると、そこにはメイドの少女がいた。



「そう言うことでしたら、私にお任せ下さい。朝になったら、まとめてやっておきます」
「すまない、助かった」
「いえ、これも仕事ですから」
「何か困ったことがあったら言ってくれ。出来ることなら手伝うぜ」
「ありがとうございます。では、これで失礼しますね」

シエスタと名乗ったメイドの少女は、二人の話を聞くと、快く洗濯物を引き受けてくれた。
なんでも、うまく寝付けなかったので気を紛らわせるために散歩をしていたらぎゃあぎゃあ言い争っていた二人に遭遇したのだとか。
ともかく、これで議論の元となっていた問題は解決したのだが、二人の心はあまり晴れていなかった。

「さて……あらためて、大変なことになったな炎竜」
「ああ。召喚されたのもそうだが、もう一つ……この力」

そう言った炎竜の体が、薄く発光する。
それは、紛れもなく超竜神が復活した時の、あの山吹色の光だった。

「僕たちの体に残留している、木星で出会った謎のエネルギー」
「わたくしたちを木星から6500万年前の地球へ送り、」
「僕たちのAIとGSライドを何千年もの間守り続け、」
「そして、使い物にならなくなったはずの体を一瞬で再生させた」
「まだ……かなりの量が僕たちの中に存在しているみたいだ。今みたいに、少しは僕たちの意志で制御できるようだが……」
「炎竜」
「わかってるよ、氷竜。この力、使い道を誤れば……」
「……ああ、間違いなく、破滅に繋がる」

炎竜の体が、発光を停止する。力を押さえたのだ。
氷竜と炎竜は、共に夜空を見上げた。
夜の闇に染まった空では、二人を象徴するような青と赤の二つの月が、静かに二人を見下ろしていた。





第一話[その名は超竜神]完
NEXT[聖なる左腕]にシンメトリカルドッキング承認!
これが勝利の鍵だ![使い魔のルーン]
To be continued....

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