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Louise and Little Familiar’s Order-18


Louise and Little Familiar's Orders 「He needs water, and I need love.」

「マンタイン!!」

ミーは叫んでいた。何処にそんな声を出せる余裕があったのか分からないが、とにかく目の前に現れたポケモンを見て驚きのあまり声を出したのだ。
それも……大きい。普通マンタインは体長2m程の筈なのだが、今ミーの前にいるそれはゆうにその3倍以上はありそうな大きさをしている。
盗賊達はいきなり現れた見た事もない動物の姿に一瞬怯んだが、能天気そうな顔立ちと無力そうにばたばたしているのを見て次第に笑い出した。

「は……ははははっ!驚かしやがる!何だぁ、この生き物は?」
「魚か?いや、違うな。魚なら鱗がねえとおかしいぜ。するってえとこいつぁ……」
「どっちでもいいぜ。この世に物好きな貴族はたんまりいるんだ。そいつも一緒に貰おうじゃねえか!」

相手がそんな風に好き勝手言い合っている内、ミーは体を起き上がらせマンタインに近付いて触ってみる。
するとその瞬間、嘗てピンチになった時ヒメグマに触った時のように、様々な情報がミーの頭の中に一種の奔流として流れ込んできた。
レベルは10。能力値は全体的にそこそこ。使える技はたいあたり、ちょうおんぱ、そしてなみのり。現在の状態は健康そのもの。
だからこそ余計に疑問に思えた。まだ卵から孵ってそんなに経っていなさそうなのに、何をどうしたらこんなにも大きく育つのか。元々のトレーナーは相当の腕があったに違いない。
そしてミーはこの状況を何とかする方法を考えた。ポケモンの技を人間相手に繰り出すのは気が引けるが、今はそんな悠長な事を言っている場合ではない。
それからミーはマンタインを優しく撫でて落ち着かせる。不思議な事にどこをどう触ってやれば十分に落ち着かせられるのかも、さっき触った時に頭の中に入ってきた。まるで長年一緒だった相棒のように。
そしておぼつかない足取りで上に乗る。何かすると思ったのだろう盗賊達とやり合っていたヒメグマも遅れまいと乗っかった。
盗賊達は逃がすものかと飛びかかろうとしたが、次の瞬間驚くべき事が起きた。

「きゃあああっ!!」
「な、何だこりゃぁーっ?!!」

ミーの前方と後方で絶叫が響き渡った。
それもそのはず。それまで池はおろか水溜りさえも無かったマンタインのいる場所に、地面から大量の水が吹き出してきたからだ。
しかもただ噴き出すだけではない。水は地面に浸み込む事無くだんだんその場に溜まりだし、更には小さいながらも波を起こし、まるで海の一部を切り取ってきたかのような光景を作り出している。
こうなると盗賊達の思考は完全に停止してしまう。何が起きているのか全く分からないために最早声をあげる者すらいない。無論武器を掲げて攻撃しようなどという輩もいなかった。
そしてミーはマンタインにしっかりとしがみ付きながら前を見据え、たった一言だけ命令を下す。

「マンタイン……なみのり!!」

言うが早いかマンタインは両の鰭を二、三回ばたつかせた。すると地面に広がっていた波の淵が50サント程音も無くスーッと退いていく。
だが次の瞬間、その淵はフワッと盛り上がり、次いで波高がゆうに5メイルはあろうかという波が起きた。マンタインはその波の表面を勢い良く滑走し、文字通り「乗りこなして」いく。
盗賊達はその波を見るや否や、訳の分からない言葉を絶叫したり、獲物を放り投げるなどして一目散に逃げ出した。
しかしフネの何倍もあるスピードの波は盗賊達を一人残らず足元から掬って飲み込み、あっという間に森の奥の方へと流していった。
そして実に不思議な事にミーの後方にいるルイズ、シエスタ、そして子供達や馬車は少しも水に浸かることは無かった。
あまりの光景に全員が呆気に取られていたが、マンタインが起こした波も水も引いてきた頃、ルイズが叫んだ。

「今よ!全員馬車に乗りなさい!トリスタニアまで急ぐわよ!」

言われずともと言わんばかりに、子供達が我先にと馬車の荷台に乗っかる。シエスタはルイズの隣に乗り馬車を走らせるため手綱を手に取る。
ミーはマンタインを取り敢えず一旦ボールに戻し、ヒメグマを連れて荷台に乗っかる。
それから程無くして馬車は走り始めた。

馬車はトリスタニアに続く街道をひた走る。道中で人と会う事は殆ど無かったが、馬車の荷台は賑やかなものだった。
ルイズが食料を調達していたおかげで、シエスタとその兄弟達は何とか飢えを凌ぐ事は出来た。馬車の荷台が大きく横になる事が出来もしたのでこれまでの道中を考えれば天と地ほどの違いがあった。
ルイズは素直に感謝された。そして子供達の歓声を聞いて、ほんの少し人助けも悪くないと思うようになっていた。そんな時、彼女は同じく御者台にいたシエスタに抱かれていたミーに話しかける。

「ねえ、ミー。さっき聞こうとしてたけど忘れてたわ。ポケモンってあんたが最初に持ったのもそうだけど……その、あんたはヴィンダールブなんでしょうけど、どんなポケモンでも操れるの?」

市場での競り、そしてフーケとの一戦を見て、そして先程の一件。今更伝説云々を聞くつもりは無かった。
突然の質問にミーは少し黙ってしまう。自分はどんなレベルのポケモンでも手なづけられるバッジを持っているわけではない。それを得る為にはフスベシティまで行き、強力なポケモンでもってジムリーダーを倒さなければならないのだが。
それ以前にミーはポケモンを持って良い年齢に達していない。それにはあと5年も待たなければならないのだ。

「分からないです。ミーはまだバッジを持っていないですから……」
「バッジ?それがあるとどうなるの?」
「えっと……ポケモンに言う事を聞かせられるようになるとか、数は少ないけど決まった技が使えられるようになるとか……」

それを聞いてルイズは考えた。ミーがヴィンダールブというのであれば、そのバッジというものが必要不可欠な物なのだろうか?何しろヴィンダールブはあらゆる獣を操る事が出来る能力を有しているのであるから。




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