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第百三十二話「二冊目『わたしは地球人』(その2)」


ウルトラマンゼロの使い魔
第百三十二話「二冊目『わたしは地球人』(その2)」
地球原人ノンマルト
復活怪獣軍団
守護神獣ザバンギ
カプセル怪獣ウインダム
カプセル怪獣ミクラス 登場



 『古き本』に精神を囚われたルイズを救うため、本の世界への旅立ちを決意した才人。
一冊目の『甦れ!ウルトラマン』を完結させ、次に入ったのはウルトラセブンの世界。
……だがそこは正史の歴史から枝分かれした、地球防衛軍が過剰防衛に走ってしまって
いる危うい世界であった。更に中国奥地から発掘され、何故かトップシークレットとして
封印されたオーパーツを巡り、セブンの周りにノンマルトを名乗る女の影が見え隠れする。
果たして才人は……ゼロは、己の父ではないセブンを導き、この世界を無事完結に至らす
ことが出来るのだろうか。

 地球防衛軍に宇宙人であることが知られてしまった、カザモリの姿を借りているセブンは、
一度はゼロに助けられるものの、己の潔白を証明するために自らウルトラ警備隊に捕まった。
カザモリは防衛軍の隔離施設で、シラガネ隊長に地球の未来を救うには、地球人自身の手で
オメガファイルの封印を解き、侵略者の過去から文明人に進化したことを宇宙に証明する他は
ないことを訴えた。
 しかし、そのカザモリ=セブンに命の危機が迫っていた……。

「カザモリ隊員の処刑が決定した、だと……!?」
 防衛軍基地の周辺で、身を潜めながら超感覚で防衛軍の動向を見張っていた、才人の身体を
借りているゼロが、基地内の発表を盗み聞きして愕然とつぶやいた。
 オメガファイルの秘密を隠し通そうとしているカジ参謀は、相手が何度も地球人を守ってきた
ウルトラセブンと知ってなお、秘密を闇に葬ることを優先したのだ。残念ながら、ゼロの危惧した
通りになってしまった。
 才人が焦り気味にゼロに呼びかける。
『ゼロ、これはまずいぜ! セブンが処刑されたら、ルイズも助けられなくなっちまう……!』
「ああ、分かってるぜ……!」
 ゼロは固い決意を表情に示し、踵を返した。
「それがなくても……本の中の別人といえども、俺の親父は殺させやしねぇぜ!」
 ゼロが向かう先は、カザモリの囚われられている隔離施設――ではなく、ウルトラ警備隊基地であった。

 ウルトラ警備隊の司令室では、カザモリの処刑を知らされた隊員たちが重苦しい空気の中、
相談をし合っていた。
「わたしたち、これでいいの? このまま、仲間を見捨てて……」
 ルイズが声を絞り出すようにつぶやくと、シマが奥歯を軋ませながら言う。
「奴はカザモリじゃなかった……。侵略者だったんだ……」
「それはカジ参謀の下した結論でしょ!? わたしたちは、もっとカザモリ君のことを知っている
はずじゃない!」
 ルイズが立ち上がって反論した。すると、
「ああ、そうだ。他人から与えられた結論じゃなく、あなたたち自身で答えを出してもらいたい」
 司令室の扉が開き、ゼロが当然のように入ってきたことに隊員たちは仰天した。
「君は、北海道の……!」
「お、お前! どうやってここに入ってきた!?」
 シマが血気に逸ってウルトラガンを抜こうとしたが、それをゼロは手で制する。
「待て! あなたたちに危害を加えに来たんじゃない。今防衛軍に捕まってる……カザモリ隊員を
一緒に助けてほしいと、お願いしに来たんだ」
「助けてほしい? 俺たちに侵略者の手助けをしろって言いたいのか!?」
 敵意を向けてくるシマを正面に置いて、ゼロは冷静に隊員たちに訴えかけた。
「口で侵略者ではないと言うのは簡単だ。けどそれじゃあ納得しないだろう」
「当たり前だ!」
「だから、あなたたち自身で考えてほしい。カザモリ隊員のこれまでの行いを振り返って、
彼が本当に侵略者なのかどうかを」
 ゼロの頼みに、シマたちは戸惑いを見せる。
「俺たち自身で、考えろと……?」
「仮にあなたたちの助けがなくとも、俺は一人でもあの人を助けに向かうつもりだ。だがその前に、
確かめたいんだ。あの人の気持ちが、あなたたちの心に届いてるかどうかを」
 ゼロの言葉を受けて、最初に口を開いたのはミズノだった。
「……僕は、カザモリを信じたい」
「ミズノ!」
 振り返るシマ。ミズノは続けて語る。
「カザモリはいい奴だ。あいつに、何度も命を救われたよ……。カジ参謀がどう言おうと、
あいつが侵略者だとは信じられないんです」
 ミズノに続いて、ルイズもこう言った。
「その子の言う通り……カザモリ君が宇宙人だったとしても、侵略者だとは限らないわ」
「このまま上に任せとくんですか!? それで後悔しないんですか!」
 ルイズとミズノの説得を受けて……シマは、デスクの上のヘルメットを手に取った。
「シマ隊員……!」
 一瞬身を乗り出したゼロに、シマが告げる。
「俺は、お前やカザモリを信じた訳じゃない。しかし仲間として、カザモリ自身から本当の
ことを聞きたいんだ」
 隊員たちは互いに顔を見合わせると、重い表情から一転して、微笑みながらうなずき合った。
「ありがとう……!」
 ひと言礼を告げたゼロが踵を返したところ、ルイズがその背中に問いかけてきた。
「一つだけ教えて! あなたはカザモリ君の仲間なの?」
「……いや、そういう訳じゃない」
「だったら、どうしてそんなにカザモリ君のことに執着するの? あなたは一体……」
 それにゼロは、次のように答える。
「……あの人は、俺の大切な人なんだ。あの人自身も知らないことだが……」
「それはどういう……」
 ミズノの聞き返しを最後まで聞かず、ゼロは司令室を飛び出していった。

 防衛軍の隔離施設では、拘束されているカザモリが防衛軍兵士に連行されながらどこかへと
向かわされていた。
「極東基地に輸送されるんじゃないのか? 軍法会議に掛けられるのなら、あそこに行くはずだろう」
「違うわ!」
 カザモリが聞いたところ、ルイズの声が響いて、彼らの行く先から姿を出した。
「この通路の行き止まりは、粒子レベル分解システムルーム。どんな物質も、分子、原子に
バラバラに分解して破壊してしまう!」
 驚くカザモリ。ルイズは小銃を向けてきた兵士たちにウルトラガンを構えるが、
「銃を捨てろ」
 横から、こめかみに拳銃の銃口を向けられた。カジ参謀だ。
「異星人に美しい友情など必要ない」
「――それがあんたの出した結論かよッ!」
 その時ゼロがバッと跳躍しながらカジに飛びかかり、拳銃を叩き落とした!
「何ッ!?」
「あんたみたいな人間がいるからッ!」
 兵士も反応が出来ていない内に、ゼロは当て身を食らわせてカジを昏倒させた。
「ぐあッ……!」
 更に兵士たちは、シマとミズノが撃った麻酔弾でバタバタ倒れていった。
「大丈夫ですか!? 危ないところだった……!」
「君は……!」
 ゼロはカザモリの拘束を手早く解いていく。そこに騒ぎを聞きつけた警備兵が駆けつけて
くるのを察知して、シマがゼロとルイズに首を向けた。
「ここは俺たちに任せろ! お前とサトミ隊員はカザモリを!」
「分かりました!」
 シマとミズノが警備兵を足止めしている間に、ゼロとルイズはカザモリを連れて防衛軍施設から
脱出していく。
 外にも防衛軍の兵士が待ち構えていたが、ルイズとゼロの手によって無力化されていった。
ほとんどはゼロの格闘技によるものであった。
「はぁッ!」
「ぐッ!?」
「ぐあぁッ!」
 瞬く間に兵士を気絶させていくゼロに、ルイズとカザモリは驚いていた。
「やるわね。屈強な防衛軍の隊員を、まるで子供扱い……」
「すごい腕前だな……」
「……あなた譲りさ」
「えッ?」
「いや、何でもない」
 ポツリと漏らしたゼロがごまかした。
 空が夕焼けに染まり出した頃、外の兵士を全員無力化すると、シマとミズノが追いついてきて
合流した。
「大丈夫だったか?」
「はい。そっちこそご無事で」
 落ち着いたところで、ルイズがカザモリに呼びかける。
「あなたが何者であっても、わたしたちはあなたを信じるわ」
「ウルトラ警備隊は家族みたいなもんだ。何があっても、一蓮托生さ」
 ミズノも、シマもカザモリにうなずいてみせた。
「ありがとう、みんな……!」
 礼を述べたカザモリに、ゼロが告げた。
「シラガネ隊長の方も、オメガファイルの封印を解き、真実を突き止める努力をしてます。
どうか、地球人をまだ信じてやって下さい」
「ああ。君もありがとう……。僕のために、また力になってくれて」
 カザモリがゼロにも礼を言った直後、ルミからの通信をシマのビデオシーバーが着信した。
『外部からの通信が入ってます! ビデオシーバーにつなぎます!』
 ビデオシーバーの映像が切り替わると、覗き込んだカザモリとゼロの目の色が変わった。
「君は……!」
 映っているのはノンマルトの顔だった。ノンマルトはカザモリに向かって告げる。
『あなたなら、秘密を探り出してくれると思った。でも……あなたの力は頼らない!』

 ノンマルトはテレパシーで、防衛軍の首脳部に呼びかけた。
「地球防衛軍に要求する! 隠蔽している証拠を解除せよ! さもなくば、我々は実力を以て、
これを全宇宙に公開するだろう!」
 その言葉の直後に、オメガファイルを封印している秘密施設の周辺区域の地面が突然裂け、
地中から鳥型の怪獣が出現した!
「キャッキ――――イ!」
 翼の部分は鋭利な刃物状になっているが、眼光はそれ以上に鋭く、憎悪に煮えたぎっている……。
地球人の惑星破壊爆弾の最初の犠牲となったギエロン星、その星の生物が放射能で変異してしまった
再生怪獣ギエロン星獣である!

 ゼロは険しい目つきで、防衛軍の秘密施設に向かっていくギエロン星獣をにらんだ。
「怪獣にオメガファイルを暴かれたら、地球人は……!」
 地球人の手ではなく、ノンマルトによって真実を公開されれば、今の地球人は侵略者のままに
なってしまい、地球に留まる権利を失ってしまう。それだけは何としても阻止せねばならない。
 そう考えたゼロは、カザモリに向き直って申し出た。
「ここは俺が時間を稼ぎます! あなたは、どうか地球人の助けになってあげて下さい! 
……ウルトラセブン!」
「えッ!?」
「カザモリが、セブン……!?」
 ルイズたちはカザモリの顔に振り返った。その間に、ゼロはギエロン星獣の方向へ駆け出していく。
 その背中を呼び止めようとするカザモリ。
「待ってくれ! 君は……!」
「……」
 ゼロは一瞬だけ立ち止まったものの、すぐにまた駆け出して彼らの前から離れていった。
 そしてウルトラゼロアイを顔面に装着して変身を行う。
「デュワッ!」
 才人の身体からウルトラマンゼロに変身を遂げて、巨大化しながらギエロン星獣の正面に着地した。
「シェアッ!」
「キャッキ――――イ!」
 戦闘の構えを取ってギエロン星獣に立ちはだかったゼロに、ノンマルトがテレパシーを向けてきた。
『青き戦士よ、この期に及んでまだ我らの障害になろうというのか。その怪獣を見ろ!』
 ノンマルトはギエロン星獣を示す。
『その怪獣は、今の地球人の横暴な行いによって理不尽に故郷の星を奪われた。それが地球人の
真の姿なのだ! それでもかばおうというのか!』
 見せつけられる、地球人の残酷性を前に、ゼロは答える。
『たとえそうであっても……俺は、あの人が信じる地球人を、最後まで信じるぜッ!』
 覚悟を決め、ゼロスラッガーをギエロン星獣へと飛ばした!
「セアァッ!」
「キャッキ――――イ!」
 だがスラッガーは刃状の翼によって弾き返された。ギエロン星獣は翼を閉ざすと、手と手の
間をスパークさせてリング光線をゼロに放つ。
「グッ!」
 ギエロン星獣の攻撃を素早く回避するゼロだが、ギエロン星獣の口から黄色いガスが噴射された。
ギエロン星を爆破したR1号の放射能が大量に含まれたブレスだ。
「グゥゥッ!」
 ギエロン星獣のガスを浴びせかけられたゼロが胸を抑えて苦しんだ。そのガスには放射能のみ
ならず、ギエロン星獣の苦痛の記憶と憎悪の感情も乗せられている。その負の力がゼロを苛む。
 だが、ゼロはここで退く訳にはいかないのだ。
『おおおおおッ!』
 スラッガーを片手にして、全身に力を入れ、毒ガスを一気に突き抜けていく。そしてギエロン
星獣の喉笛を見据えると、
『すまねぇッ!』
 すれ違いざまに、喉をひと太刀で切り裂いた!
「キャッキ――――イ!!」
 仰向けに倒れ込んだギエロン星獣は、そのまま目を閉ざし、再びの永遠の眠りに就いていった。
 地球人の所業のせいで、散々に苦しみ抜いたギエロン星獣をこれ以上苦しませることはないと
考えた、急所の一点のみを狙った捨て身の一撃であった。
 これでギエロン星獣は倒されたが、ノンマルトの攻勢はこれで終わりではなかった。
『あくまで地球人の側につくというのか。だが我々とて諦めはせん! 地球人によって葬られた
ものたちの、怨念の声を聞け!!』
 その言葉の後にまたしても地割れが発生して、今度は一気に五体もの怪獣がゼロの前に
姿を現してきた。
「キイイイイイイイイ!」
「ギャ――――――ア!」
「グルゥゥゥゥゥゥ!」
「ウオオオオッ!」
「グオオォォォ!」
 トリステインにも現れたことのあるエレキングを中心に、発泡怪獣ダンカン、硫黄怪獣
サルファス、太陽獣バンデラス、植物獣ボラジョが出現してゼロと対峙した。
『ちッ……! どれだけ怪獣を復活させようと、こっちだって負けるつもりはねぇぜ!』
 一度に五体を前にしてもひるむことはないゼロだが……離れた場所で土煙が柱のように立ち上った。
「ギャアアアアアァァァァァ!」
 そしてまた新たな怪獣が地上に姿を現した。今度のものは再生させられた怪獣ではなく、
棺と一緒にあった石碑の壁画の生物とほぼ同じ姿をした怪獣であった。胸には棺にもあった
紋様――ノンマルトの印が刻まれている。
 ノンマルトの直接の配下であり、守り神でもある神獣ザバンギである。
『! あっちが本命かッ!』
 一心不乱に防衛軍施設に向かい始めるザバンギの方へ回り込もうとしたゼロだったが、
それをエレキングたちにさえぎられた。こっちが足止めされてしまった。
『くそッ、邪魔だお前ら!』
 どうにか怪獣たちのディフェンスを抜けようとするゼロだが、五体の怪獣はしつこくゼロの
前に立ちふさがる。このままではザバンギが施設を襲ってしまう。
 しかしその時に、カザモリの声が響き渡った。
「ウインダム、ミクラス、行け!」
 同時に二つの光がザバンギの前で膨らみ、二体の怪獣の姿に変化した。
「グワアアアアアアア!」
「グアアアアアアアア!」
『カプセル怪獣……!』
 ゼロもよく見覚えのあるウインダムとミクラスの姿。しかしゼロが出したものではない。
彼のカプセル怪獣は、デルフリンガー同様に連れてこられないので現実世界に置いてきている。
 このカプセル怪獣は、本の世界のセブンのものだ。ゼロの応援として、送り出してくれた
ものに違いない。
「デュワッ!」
 そしてカザモリ自身もまた、ウルトラアイを装着してウルトラセブンに変身したのであった。
 変身を完了したセブンは等身大のまま一旦空に飛び上がり、垂直落下して防衛軍施設の
地下に突入。そのままオメガファイルの元まで向かっていく。
 これを見届けたゼロが、一層の活力に溢れて怪獣軍団に向き直った。
『ウルトラセブンが頑張ってるんだ……。そいつを無駄にはさせねぇぜ! 来るなら来やがれッ!』
 ザバンギにぶつかっていくウインダム、ミクラスとも同調するように、ゼロは一気に怪獣たちの
間に切り込んでいった!


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