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第九十八話「恐れていたレッドキングの出現報告」


ウルトラマンゼロの使い魔
第九十八話「恐れていたレッドキングの出現報告」
どくろ怪獣レッドキング 登場



 ……ルイズとキュルケの喧嘩から端を発した、二人の決着の舞台となるミスコンの本番当日が
遂にやって来た。出場する選手は、他の人はルイズとキュルケの熾烈な争いに割って入るのを
躊躇ってしまったからか、この二人だけ。……イベントとして大丈夫なのか?
 そんな俺の懸念をよそに、ミスコンはつつがなくスタート。第一審査の学力対決――二人が一時間
延々とテスト問題を解いているという内容で、恐ろしく地味だった――はルイズに分がありそうでは
あったが、第二審査の体力対決――普通の体力測定で、こっちも恐ろしく地味だった――は体格が
上のキュルケの方が勝っている感じだ。
 そして多分勝負の分かれ目となる、肝心の水着審査! と自己アピール。キュルケはやはりと
言うべきか、この勝負に一番の力を入れてきていて、とんでもなく際どい水着とよく纏まった
アピールを披露したのだった。これはルイズ大分不利なんじゃないか?
 心配する中、壇上に立ったルイズは――先日買い物に行った際に、俺がルイズに似合うと
言ったあの水着を着ていた。
 な、何だよ。結局、あれを買っていたのか。俺の意見なんかどうだっていいみたいな顔を
しておきながら……そういうの、かわいいじゃんかよ。
 そしてルイズは、何故このミスコンに出場したのかという質問に対して、こう答えた。
「そ、それは……。一番の動機は、クラスメイトから勝負を挑まれたからです。わ、わたしは、
挑まれた勝負から逃げることはしません。そして、その決断をする勇気は……ある人がくれた
ものです。だから、わたしは……こうして、この場に立っています。り、理由は、その二つです」
 ……ルイズに勇気を与えた人、か。それってどんな人なんだろうな。……まさか、俺……
じゃあないよな。そこまで行ったら嬉しすぎるんだけどなぁ。
 ともかく、ルイズのアピールはたどたどしいところもあったが、真摯な気持ちがありありと
こもっていて、情熱の点ではキュルケにも負けないものだった。観客からの感触も悪くない。
 勝負の行方はいよいよ分からなくなってきた。果たして、投票の結果は――。

「栄えあるミスに選ばれたのは……ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール!」
 結果は、僅差ながらもルイズの勝利であった!
 よかった……キュルケには悪いけれど、ルイズはかなり不利な勝負に向けて、あれこれと
努力を積み重ねていたからな。俺も立場上は両方の応援代表だったけれど、内心ではどこかに
ルイズに勝ってほしい気持ちがあった。それが叶って、すごく嬉しい気分だ。
「優勝したルイズさんには、トロフィーとティアラが贈られます」
 再び壇上に上がったルイズは、司会進行からトロフィーとティアラを授かる。トロフィーを抱え、
ティアラで着飾ったルイズの姿は……普段のつっけんどんな態度が嘘みたいに、とても輝いて見えた。
「さぁ、勝者としてのお言葉をどうぞ」
 自分の勝ちなのに、どこか信じられないという風にポカンとしていたルイズだったが、
司会に求められて慌てて口を開いた。
「あの、その、ありがとうございます! う、嬉しいです……!」
「この優勝に自信はありましたか?」
「自信なんて……なかったです。だ、だから、信じられなくて。本当に、本当に、嬉しいです!! 
ありがとうございます!」
 ルイズ、心の底から感激しているって感じだ。本当、よかったな、ルイズ……。
「おめでとう、ルイズ!」
「おめでとーう!」
「おめでとう、ルイズさん!」
 クリスやギーシュ、春奈たちの学校の仲間たちもルイズに称賛の言葉を贈った。
「あれが優勝のコメント? まるで子供ね。けど、ルイズらしいわ」
「……ん」
 モンモランシーは少々手厳しいコメントだったけれど、嫌味らしさは微塵もなかった。
タバサもそれにうなずく。
「まさか、ルイズに負けるなんて……」
 キュルケは少なからずショックを受けていたようだったけれど、悔しさは見せずに勝者へ向けて
惜しみない拍手を送った。他のみんなも手を叩き、ルイズは万雷の拍手で勝利を祝福された。
 色々大変だったけれど、ミスコンもこれで大団円ってところだ――。
「ピッギャ――ゴオオオウ!」
 しかしその時、体育館の外から耳をつんざく何かの雄叫びが聞こえてきた!
 今のは、経験から言うと……また!
「ピッギャ――ゴオオオウ!」
 気がつけば、いつの間にか外の町の真ん中に大怪獣がそびえ立っていた!
 あいつは、図鑑を開かなくても知っている! 怪獣の中でも一、二位を争うほど有名な奴だ! 
その名はレッドキング! ……何だか写真で見たのとちょっと違うような感じもするけど。
「ピッギャ――ゴオオオウ!」
 レッドキングは雄叫びを発しながら、足を振り上げて家屋を踏み潰し始める!

 ――深夜のトリステイン、一地方の村にて。
『ピッギャ――ゴオオオウ!』
「うわぁぁぁぁッ!」
「み、みんな起きろー! 怪獣だー!」
 寝入っていた村が、今は大パニックに覆われている。突如として大怪獣が出現し、村の破壊を
始めたからだ。村人たちはたまらず飛び起き、大慌てで避難していく。
 怪獣の名はレッドキング――限りなく本物に近い、イミテーションではあるが。
 レッドキングは人間など到底及ばない暴力を以て村を蹂躙するが、正義を守るチーム、
ウルティメイトフォースゼロがそれを見過ごしはしない。ほどなくして村にミラーナイトが
駆けつけたのだった。
『とぁッ!』
 池の水面から飛び出したミラーナイトは、すかさずレッドキングに飛びかかっていき飛び蹴りを
仕掛ける。相手の先手を奪う、華麗ながら速い攻撃である。
 だが。
 スカッ。
『な、何ッ!?』
 ミラーナイトの飛び蹴りは、レッドキングの身体をそのまま突き抜けてしまったのだった。
空を切って着地したミラーナイトは言葉を失う。今のはどういうことなのだろうか。
 今度は手の平を広げて掴みかかるも、やはり手はレッドキングをすり抜ける。全く触れることが
出来ないのが、これで確定した。
『ピッギャ――ゴオオオウ!』
 そうだというのに、レッドキングの方からは物体に干渉し、今もまた家屋を崩したのだ。
それはつまり、このレッドキングが単なる幻影の類ではないことを意味している。
『こ、これはどうなってるんだ……? こちらからは指一本触れることすら出来ないのに……
向こうは建物を破壊しているなんて!』
 怪奇現象に直面してミラーナイトは混乱して叫んでいた。

「うわあああああッ!」
「怪獣だぁーッ!」
 祝賀ムードだった体育館は一転、悲鳴の合唱が発生して生徒たちが一斉に避難していく。
「ゼロ!」
『おうよ!』
 そんな中、俺はこっそりと人の間から脱け出て、物陰に隠れた。もちろん、変身して
レッドキングと戦うためだ!
「デュワッ!」
 ウルトラゼロアイを装着し、ゼロに変身! 飛んでいったゼロは、レッドキングの前で
巨大化して着地した。
『やめな! こっからは、このウルトラマンゼロが相手になってやるぜ!』
「ピッギャ――ゴオオオウ!」
 構えを取って挑発するゼロに気がついたレッドキングは、持ち前の好戦さを発揮してすぐさま
こっちに向かって突っ込んできた!

『ピッギャ――ゴオオオウ!』
 ミラーナイトをまるで無視して村を破壊していくレッドキング。ミラーナイトは一切の手出しが
出来ずに見ているしかない悔しさを味わわされていたが、ここでレッドキングに異変が発生。
 唐突に挙動を変え、何もない虚空に振り返ったかと思うと、そっちに向かって駆け出したのだ。
『な、何だ?』
 呆気にとられるミラーナイト。更にレッドキングはパンチやキックを繰り出すが、そこにはやはり
何もないのだ。

「ピッギャ――ゴオオオウ!」
『くッ! ぬおッ!』
 レッドキングの繰り出すパンチやキックをガードするゼロだが、レッドキングはパワー型怪獣を
代表するような奴。一発一発の重量が尋常じゃなく、食らう度にゼロはふらつく。
『何の! やられたままじゃいられねぇぜ!』
 しかしゼロは気を取り直すことで態勢を立て直し、レッドキングに肉薄。そして素早く
相手のつま先を踏みつけた!
「ピッギャ――ゴオオオウ!?」
 これは痛い! どんな生物もつま先までは頑丈ではない。レッドキングも同じなようで、
悶絶して動きが止まる。
 ゼロはその隙を突いて相手の首を脇に抱え込み、そのままひねり投げた!
『でぇぇぇりゃあッ!』
「ピッギャ――ゴオオオウ!」
 レッドキングの巨体が地面に激しく打ち据えられる!

『ピッギャ――ゴオオオウ!』
 ミラーナイトの見ている前で、レッドキングがいきなり前転して大地に仰向けに倒れ込んだ。
当然、ミラーナイトは何もしていない。
『さ、さっきから何が起こってるんだ……?』
 さっぱり理解が出来ないミラーナイト。彼の視点からだと、一人相撲をしていたレッドキングが
自分から地面に投げ出されたようにしか見えないのだ。

「ピッギャ――ゴオオオウ!」
 起き上がったレッドキングは尻尾を横に振り回して攻撃してきた。その一撃はまるでハンマーの殴打。
ゼロも受け止め切れずに殴り飛ばされた!
『うぐあッ!』
 負けるな、ゼロ! レッドキングを倒せるのはお前だけなんだ!
『言われるまでもねぇさ! せぇぇいッ!』
 立ち上がったゼロは再度飛んでくる尻尾を見事キャッチ。相手の勢いを逆に利用して、
ジャイアントスウィングを掛ける!
『おおおおおおおッ!』
「ピッギャ――ゴオオオウ!」
 レッドキングの足が地面から離れ、宙に浮いて猛スピードで回転する!

 とうとうレッドキングは宙に浮き上がって高速回転を始めた。しかも回転軸はレッドキング
自身にはなく、虚空の一点を中心に大きく回っている。
 これにミラーナイトは、レッドキングは自分の力で回転しているのではなく――そもそも
レッドキングに浮遊能力はない――何かに振り回されているようだ、と感じた。
『こいつ……さっきから、見えない何かと戦っている、というのか……?』
 つぶやくミラーナイト。普通ならちょっと考えにくいことであるが、先ほどからのレッドキングの
奇行はそうでもないと説明がつかないものであった。

 レッドキングを地面に叩きつけたゼロは、いよいよとどめの必殺光線を発射する!
『これでフィニッシュだぁぁッ!』
 腕をL字に組んで、ワイドゼロショット! 光線は綺麗にレッドキングに命中した。
「ピッギャ――ゴオオオウ!!」
 この攻撃にレッドキングも耐えられず、一瞬にして大爆発を引き起こした。

『ピッギャ――ゴオオオウ!!』
 最終的に、レッドキングはいきなり爆発を起こして消滅した。事態を一切呑み込めていない
ミラーナイトは、レッドキングの再出現を警戒してしばらく周囲の様子を伺っていたが、それ以上
何事も起きる気配がないので、構えを解いた。
『……結局、何だったのだろうか……』
 ミラーナイトはそんなひと言を漏らしていた。突然現れたレッドキングに対して何も出来ないかと
思いきや、レッドキングは奇行の果てに爆散した。この訳の分からない事態に、混乱するのも当然というもの。
 ミラーナイトは思わず、今回の戦いとも呼べない戦いで感じたことをそのまま口にした。
『まるで、夢でも見ていたかのようだ……』

 レッドキングを倒し、学校からの帰り道。俺はルイズと一緒に歩いていた。
「ルイズ、改めて優勝おめでとう。ホントにお前、よく頑張ったよ」
「あ、ありがとう……」
 あの後ドタバタしたので直接言えていなかった称賛の言葉を伝えると、ルイズは控えめに
お礼を言ってから、
「あ、あの、サイト? その、優勝のこと、だけど……」
「ん? どうした?」
「……わたしがキュルケに勝てたのは、サイト、あなたが色々手伝ってくれたからよ。あなたの
アドバイスがなかったら、きっと無理だった……。だから、その……ほんとに感謝してるわ……。
ありがとうね……」
 二度目のお礼。な、何かルイズ、急にしおらしくなることが最近多いよな……。そういう
かわいいところを見せられると、ルイズのことを意識してしまって何だか気恥ずかしくなる……。
「あ、あの、ルイズ?」
「何よッ!」
「あ、ごめん。やっぱ、何でもない」
 何か言おうかと思ったが、今回も変にルイズを意識して、結局言うことが思いつかなかった。
「じ、じゃあ、わたしの話を聞きなさい」
「何だ?」
 ルイズの話? ミスコンが終わって、まだ何かあるのだろうか。
「わ、わたし、ミスコンのために水着、買ったわよね」
「あ、ああ。そうだよな」
「そ、それだけに着て終わりってもったいないでしょ? そう思うでしょ?」
「確かに。かわいい水着だったし、一度着たきりじゃもったいないよな」
 そうだな、今年の夏は過ぎたけれど、また次の機会にでも泳ぎに行く時とかに着るのも
いいだろうな。と思っていると……ルイズは言った。
「だ、だから……ここ、こ、今度、海に……つ、連れていきなさいよ!」
「海に?」
 え? お、俺が、ルイズを……?
「そうよ! で、でで、でも、言ったでしょ!? これは水着がもったいないからって! 
だ、だから仕方なく、あんたと行ってあげるんだからッ!」
 そ、そういうことか。でも……女の子から泳ぎに誘われるなんて、すごくドキドキするな……。
夏休みには、シエスタたちと遊びに行ったはずだが……。
「お、俺は別にいいけど。……じゃあ、いつ行こうか」
「そ、それはあんたが決めることでしょ!? ちゃんと計画立てて、それにせっかくだから、
た、楽しませてよね!」
「分かったよ。がんばってみます」
 ルイズと泳ぎに行くプランか……。俺に上手に立案できるかな?
 更にルイズは要求する。
「……じゃあ、とりあえず。この場は、わたしを家までエスコートしてちょうだい」
「はいはい。んじゃ、行きますか」
 ぶっきらぼうに呼びかけたら、ルイズは怒鳴り声を出した。
「『行きますか』じゃないわ! エスコートなんだから、もっと優雅に!」
「優雅って……。お前、いつもそればっかだな」
 やっぱり、育ちがいいとそういうの気にかかるもんなんだろうか。まるで貴族みたいだよな。
 ……いや、ルイズが「優雅」って言うの、これが初めてだったじゃないか? 何だかよく
言われているような気がしたけど……。
「サイト?」
「あ、ああ、何でも。んで、優雅な誘い方って?」
「『レディ、こちらです。お手をどうぞ』。これくらい考えつかないの?」
 おいおい、無茶言うなよ。俺は日本の一般庶民だぞ。ってルイズ相手に言っても、しょうがないか。
「はいはい。ではレディ、こちらです。お手をどうぞ」
「……ありがとう、ジェントルマン」
 俺が差し出した手をルイズが取り、俺たちは再び歩き出す。いい歳して手をつないで歩くのは
恥ずかしかったが……ルイズが横にいると、何故だか周りの目はそれほど気にならなかった。
 ……つい最近、似たようなことがあったような気がしたのも、その理由かもしれない。

 家に帰ると、リシュが俺を出迎えてくれた。
「ただいま、リシュ」
「お帰り、お兄ちゃん! 今日がお兄ちゃんの学園のミスコンだったんだよね。楽しかった?」
 と尋ねてくるリシュに、俺はぐっと親指を立てた。
「ああ、バッチシな! 当初の目的だった、ルイズとキュルケの仲も多少なりは改善できたみたいだし」
 その本来の目的が達成できただけでも、苦労した甲斐があったというものだ。
「これからは、平穏な日常が送れるだろうな。久々に明日が来るのが楽しみな気分だぜ!」
 ルイズといつか、泳ぎに行く約束もしたしな! またルイズやみんなと楽しい時間を過ごすんだ。
そう、明日から……!
 ……そう思っていたら、クス、といった音がした。
「そうだね……平穏な明日が来るよ……。これからは、もう何にも苛まれない……」
「……? リシュ、今何か言ったか?」
「ううん! 何も言ってないよー!」
 ニコッと笑いかけたリシュは、クルリと背を向けてそのままパタパタと家の奥へ走っていった。
 ……その姿はいつものようにあどけない、無邪気なもの、のはずなのだが……俺は何故か……
妙に不安なものを感じた。どうしてなんだろうか……。
 平穏な明日……明日は、来るよな。当たり前のことなんだが……。


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