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第八十七話「怪獣よ地底へ帰れ!」


ウルトラマンゼロの使い魔
第八十七話「怪獣よ地底へ帰れ!」
噴煙怪獣ボルケラー 登場



 クリスとクラスメイトの仲を取り持つために、パーティーを開催しようということになった後日、
才人は自分一人だけでは一向に良い案が思い浮かばなかったので、学院での友人たちに相談してみる
ことにした。デバンに言われたことも考慮したが……やはり、結果がどうなるにせよ、このまま何も
しないで終わりにするのはどうしても納得できないのだ。
 そうして放課後の食堂に言いだしっぺの才人、ルイズと、タバサ、ギーシュ、モンモランシー、
そして問題の渦中のクリスが集った。
「さぁ、お集まりの諸君! 皆の親睦を深めるパーティーの内容について考えようじゃないか!」
「何でお前が仕切るんだよ」
 会議の始まりを告げたギーシュに、才人が冷静に突っ込んだ。まぁ、テンションが上がると
無駄にノリの良くなるギーシュだから仕方ない。
 最初にモンモランシーが才人に尋ねかける。
「いきなりパーティーの内容を考えようって言われても、具体案なんて思い浮かばないんだけど……
サイトはそういう皆の親睦を図る行事を経験したことがあるの?」
「まぁ、俺のところの学校でいくつかな」
「じゃあ、それを参考にしてみるのはどうかしら。こういうのは、過去の経験を参考にするのが
一番手っ取り早いわ」
「さすがモンモランシー! いい考えだ。ではサイト、君の経験したことを説明してくれたまえ」
 モンモランシーの意見に賛同したギーシュに求められて、才人は林間学校、臨海学校、
合唱コンクール、体育祭、文化祭などの思いつく学校行事を説明した。すると、皆はやや渋い顔になる。
「……じゃ、意見を纏めよう。まず、リンカンガッコウとリンカイガッコウは論外だ」
「え? 何でだよ。面白いぞ、キャンプ」
「僕たちは貴族だよ。ましてや戦争が終わったばかりだというのに、野宿なんて出来やしないよ。
戦時の野営を思い出すじゃないか」
「ああ、それもそうか……」
 ギーシュの反論で、才人はやり込められた。
「それと同じ理由で、タイイクサイも却下だ。今更汗水流して動き回りたくない」
「ガッショウコンクールも微妙よ。わたし、歌は聞く方が専門なの」
「ん」
 モンモランシーの言葉にタバサが小さくうなずいた。才人は、タバサの歌うところは、
それはそれで見てみたいけどと一瞬思った。
 続けざまにルイズが言う。
「ブンカサイは漠然としてて、参考にしづらいわね」
「だから、演劇とか屋台とかやるんだって。演劇なら経験あるだろ?」
「経験あるのは、ここにいるのだとわたしとサイトと、後はタバサだけじゃない。わたしたちは
人に物を教えられる性質でもないし、たった三人でどんな劇をしようっていうのよ」
「うッ、それは……」
 問い返されて、才人は返答に窮してしまった。
「……せめてキュルケがいればなぁ。そういえばタバサ、キュルケはどうしたんだよ。あいつだけ
まだ学院に戻ってないみたいだけれど、キュルケの奴は今何やってるんだ?」
「……」
 ふと気になって問いかけたが、タバサは黙したまま何も答えなかった。
 結局、才人の意見はあれこれ難癖つけられて参考にならなかった。才人は改めて、貴族って
面倒くさいと思った。
「クリスは、何か意見ないのか?」
 にっちもさっちもいかなくなったので、才人はそれまで全くしゃべっていないクリスに尋ねかけた。
「あ、ああ、そうだな……。どういったことを行うかの提案なのだが、平民に向けた舞踏会はどうだろう?」
「平民に向けた? どういうこと?」
 モンモランシーが聞き返すと、クリスははっきりと答えた。
「我々が自ら準備した舞踏会に平民を招くということだ」
「おお! それって文化祭って感じ!」
 才人は評価したが、ギーシュとモンモランシーは冷めた目を向けた。
「……何言ってるんだい、クリス?」
「あり得ないわ、平民を舞踏会に招くなんて! それに平民に施しを与える行事が、どう親睦に
つながるというのよ」
 強く反発する二人を、才人がなだめる。
「待てよ。クリス、今のは何か考えがあって言ったんだろ?」
「ああ。常日頃から思ってるんだが、わたしたち貴族はいずれ平民を纏める立場だ。しかし我々は、
その平民の暮らしや様子をよく知らない。そこで思い切って平民の立場になって、彼らのことを
知ろうと考えたんだ。貴重な機会になると思うが」
 クリスの意見に、才人は感心を覚えた。自分はとりあえず楽しく出来ればそれでいいくらいにしか
考えていなかったが、さすが王女ともなると、こういう機会も後学につながるものにするよう
思案する。発想が違う。
「そうは言ってもねぇ……」
「やっぱり抵抗が……」
 しかしギーシュとモンモランシーは難色を示す。すると、ルイズが口を開いた。
「わたしはクリスに賛成するわ」
「ルイズ!」
 才人がルイズへ喜びの目を向けた。
「わたしもさる用事で、一時平民の仕事を経験したから分かるけれど、平民の間には貴族の
立場からじゃ見えないことがたくさんあるのよ。わたしたちの暮らしぶりの根底は、平民の
働きに支えられてる。その源を理解するのは、学院を卒業してから大いに役立つ経験になるはずよ」
 ルイズもかつては、ギーシュらのようなトリステイン貴族の価値観で平民を下に見ていた。
しかし『魅惑の妖精』亭での経験から始まり、シエスタやアニエス等の非メイジの人たちに
何度も助けられたことで、その価値観を改めたのであった。
「それにクリスの言ったことは、平民との集団行動においての連携を取る練習にもなるわ。
有事の際には平民との連携も重要って戦争の時に感じたでしょう? その点を視野に入れたと
言えば、学院側の許可も取りやすくなると思うし。違うかしら?」
「ふーむ、なるほど。それは一理あるな……」
 ルイズに諭され、ギーシュたちもやっと賛同を示してくれた。
「まぁ、他にいい案も出そうにないし、その方向で行きましょうか」
「……」
 タバサも無言で賛成の意を表し、クリスの意見が採用されることとなった。
「ありがとう、ルイズ。お陰で助かった」
「べ、別にお礼を言われることじゃないわよ。わたしはわたしの思ったことを口にしただけよ」
 クリスに正面から礼を言われ、ルイズは照れ隠しにそう返した。

 その後、皆で舞踏会の細かい部分の案を出し合った。そして夜になってお開きとなってからも、
才人はルイズに紙とペンを借りて、ちゃぶ台で会議で決まったことを纏めていた。そこに
デルフリンガーが尋ねかける。
「相棒、何だか楽しそうじゃねえか。まだ何やるか決まっただけだってのによ」
「へへ、まぁな。みんなで催し物をするなんて久しぶりだし、個人的にも楽しみなんだよ。
祭りは準備の方が楽しいっていうし」
「サイトさん、お茶を淹れました。どうぞ」
 返答した才人の手元に、シエスタがすっとティーカップを置いた。
「おお、ありがとシエスタ! いただきます」
「ふふ、どうぞ召し上がれ」
「ちょっと待ちなさいよ。何でシエスタが自然な感じにわたしの部屋にいるのよ!」
 ルイズが突っ込むと、シエスタが不敵な笑みを浮かべながら返した。
「あら、わたしにサイトさんの召使いとなるよう女王陛下がお命じになったこと、お忘れですか? 
ミス・ヴァリエール。召使いが主人の傍にいるのがおかしいことでしょうか」
 そう言われると、ルイズはぐっと言葉を詰まらせた。
 ボーグ星人との戦い後、シエスタはいつの間にかアンリエッタに、貴族には使用人がつきものだし、
貴族の世界について右も左も分からない才人をサポートする役目の人が必要と理由をつけて、自分を
売り込んだのだ。それにアンリエッタは説得されてしまい、シエスタは晴れて才人の使用人となったのである。
ルイズにとってはかなり納得のいかないことであるが、アンリエッタの決定には、さしものルイズも逆らえなかった。
 それにシエスタが才人の専属になるというのも、生活面では悪いことではない。才人が鍛錬を
日課に入れてから、家事が滞り気味になっているからだ。それを代わりにやってくれる人がいれば、
才人もルイズも助かる。
「そうそう、異動という形になりますので、今日からはわたしもミス・ヴァリエールのお部屋に
ご厄介にならせていただきますね」
「は、はぁ!? どこで寝るっていうのよ!? ベッドは一つしかないのよ!」
「シエスタもいっしょに寝ればいいじゃん。ベッド大きいんだからさ」
 才人がさらっと言うが、ルイズは大声で反対する。
「だめ! だめ! だーめ! 狭いわ! それにシエスタは……」
 平民だから、と言いかけたが言葉を呑んだ。放課後に平民のための舞踏会に賛成した手前、
舌の根も乾かぬ内にそんなことは言えない。
 それでも一緒に寝たりなんかしたら、シエスタが才人に何をするか分かったものではない。
それで反対し続けていると……。
「じゃあいいよ。俺が畳で寝るから。お前ら一緒に寝ればいいだろ」
 再び才人がさらっと言った。するとシエスタが大きく首を振る。
「そんな! サイトさんは今じゃ騎士さまですよ! 床で寝るなんてダメですッ! じゃあわたしも
おともしますッ!」
「……え?」
 才人とシエスタが見つめ合って頬を赤くする。それにルイズはわなわなと震えて、言いたくなかった
言葉を発した。
「わ、分かったわよ。い、いいわ。一緒に寝ましょう」
「そんな……、でも、貴族の方と一緒になんて……」
「サイトだって今じゃ貴族よ」
「でも、サイトさんはサイトさんだし……」
 身をくねらせるシエスタに、ルイズは引きつった笑顔を向ける。
「いいから」
「はい……」
 恥ずかしそうにうつむくシエスタ。そんなことをしていたら、急にゼロが声を張り上げた。
『才人、学院の近くに怪獣出現だ! こっちに近づいてきてるみたいだぜ!』
「えッ!?」
 ゼロの知らせに、三人が驚きの声を上げた。ルイズが聞き返す。
「ちょっと、また学院の近くに怪獣なの? ついこの間、同じことがあったばかりじゃない!」
『そんなこと言われても、事実だからしょうがないぜ』
 ゼロが身も蓋もなく言い返した。
『そういうことだから才人、出動だ!』
「よし、分かった!」
 ペンを置いた才人が窓を開け放ち、ゼロアイを取り出す。
「サイトさん、ゼロさん、お気をつけ下さい!」
「しっかりね!」
 シエスタとルイズの応援を受けながら、才人は変身。青と赤の輝きが猛スピードで学院から離れていく。
 そして飛んでいった先に、怪獣の巨体を発見した。頭部の左右に折れ曲がった二本角と、
鼻先の長くとがった角が特徴的で、両手は三日月のような形状。どんな生物とも似ていない
容貌の、おかしな怪獣であった。
『あれは……噴煙怪獣ボルケラーか!』
 才人は端末の怪獣図鑑から、地上の怪獣の情報を引き出した。
 ボルケラーは半分だけ開いた目つきで、まっすぐ魔法学院の方角へ進んでいる。それを見てゼロが言う。
『やっぱり、あいつも学院を狙ってるのか……そうはいかないぜ!』
 実体化したゼロはボルケラーの面前に降り立ち、その進行方向に立ちはだかった。
『ここから先は通さねぇ!』
「キャアアァァ!」
 するとボルケラーは腕を振り回し、猛然とゼロに襲いかかってくる。ゼロは相手の腕を抑え、
突進を止めた。
『この感じ……やっぱりこいつも正気じゃねぇってことか! なら!』
 ボルケラーの胸部に素早く掌底を入れて突き飛ばすと、ルナミラクルゼロに変身。ティグリスや
ホオリンガにやったのと同様、フルムーンウェーブを浴びせかける。
『フルムーンウェーブ!』
 最早慣れたもので、光の粒子を一身に浴びたボルケラーは覚醒し、辺りをキョロキョロと見回した。
「キャアアァァ……?」
『ここはお前の世界じゃねぇんだ。さぁ、早いとこ帰りな』
 立ち尽くすボルケラーに優しく呼びかけるゼロ。だが、
「キャアアァァ!」
 ボルケラーはいきなり口から黄色いガスを噴出して、ゼロに浴びせてきた!
 しかもガスが当たると、ゼロは爆発に襲われる!
『うおああぁッ!?』
 不意を突かれる形となったゼロはなす術なくやられ、仰向けにばったり倒れる。そしてその上に
ボルケラーが馬乗りになり、ゼロをボコボコに殴り始める。
「キャアアァァ! キャアアァァ!」
『うぐおぉッ! こ、この野郎ッ!』
 ボルケラーはティグリスやホオリンガと違い、元の気性が荒いようだ。そのため覚醒させても、
そのまま大人しく帰らずにゼロに攻撃を仕掛けてきたのだ。
 これにプッツン来たゼロは、通常形態に戻ってボルケラーの腹を蹴り、自分の上から蹴り飛ばす。
『やってくれるじゃねぇか……一旦お灸を据えねぇと駄目みたいだな!』
 やられっぱなしではいられず、エメリウムスラッシュを発射。が、ボルケラーは見た目にそぐわぬ
軽快な跳躍でレーザーから逃れた。
『ちッ、思ったよりも身軽じゃねぇか……!』
「キャアアァァ!」
 着地したボルケラーとジリジリ睨み合うゼロ。先に痺れを切らしたボルケラーの方が動く。
「キャアアァァ!」
 口から再度爆発性ガスを吐き出して、ゼロを狙う。するとゼロは、
『そう来ると思ったぜ! はッ!』
 迅速な動作でウルティメイトブレスレットからウルトラゼロディフェンダーを出し、ガスを全て
盾に吸収した。
『さて、お返しだぜ!』
 そうして蓄えたガスは逆流させ、ボルケラー自身に浴びせた。
「キャアアァァ!?」
 自分の身体の上で炸裂が発生し、ボルケラーは大いにひるんだ。その隙をみすみす逃すゼロではない。
『ストロングコロナゼロッ!』
 青と赤の姿から赤一色の姿へと変化し、ボルケラーに詰め寄って拳の連撃を食らわせてやる。
『うっらあああぁぁぁぁぁッ!』
「キャアアァァ!」
 重い打撃を連続で受け、ボルケラーはたちまちグロッキーとなってその場に倒れ込んだ。
『よぉしッ!』
 転倒したボルケラーをゼロは頭上に高々と持ち上げると、超視力で出現した地点と思しき
大地の裂け目を見やった。そして、
『てぇぇぇぇぇぇいッ!』
 ストロングコロナの超パワーで、そこに放り込む! 見事シュートは決まり、ボルケラーは
頭から裂け目の中に突っ込んだ。
 さすがにたまらなくなったのか、ボルケラーは慌ててそのまま地中へと潜り込んでいった。
全身が地面の下に隠れると、裂け目がぴったりと閉じる。これでボルケラーがまた地上に
出てくることはないだろう。
「ジュワッ!」
 怪獣を地底に帰したゼロは両腕を空に向けて伸ばし、飛び上がってこの場から去っていったのだった。

 学院に帰り、変身を解いたゼロだが、ルイズの部屋に戻る前にゼロと話をする。
『しかし、ここのところ妙だな……。おかしな怪獣の出現が連続してるぜ』
「ああ、そうだな……。これで三度目だ。三度続けば偶然じゃないって言うよな」
 ゼロも才人も、そのことを訝しんでいた。ティグリス、ホオリンガ、そして今回のボルケラー……。
明らかに普通ではない様子の怪獣が、短期間に三回も出現した。普通では考えられないことだ。
『しかも奴らは全員、この学院に一直線に向かってきてた』
「え? ティグリスもそうだったか?」
『思い出せ。あいつは俺たちが通った、学院とトリスタニアをつなぐ道のちょうど反対側から
進んできてた。きっと、目的地はトリスタニアじゃなくて、その先の学院だったんだ』
 そう言われてみれば、そうだ。あの時はそこまで気がつかなかったが、こうしてみたら、
三種の怪獣に正気ではないこと、学院を目指していたことの二つが共通点となる。
「でも、誰が何のために怪獣たちを学院にけしかけてるんだ?」
『分からないのはそこだ。この前も言ったが、仮に侵略者とかが学院を狙ってるなら、こんな
回りくどい手をわざわざ取る必要性が理解できねぇ』
 確かに、今まで学院を狙った者はもっと直接的な手段に訴えてきた。今更こんな迂遠な方法を
採用する者が果たしているのだろうか。
『もう一つ分からないのは、怪獣を操るやり方だ。あいつらが普通の状態じゃないってのは
散々言ってるが、もっと具体的に言うと……そう、寝ながら動いてるって感じだ。動きがいちいち
単純なのも、そこが原因だと思う』
「寝ながら……?」
『どうせ操るなら、何で普通に起きてる状態で操作しない? あるいは、それが出来ないのか……』
「寝てる怪獣だけを操る……そんな能力ってあるのか?」
『少なくとも俺は、聞いたことないけどな……』
 悩む二人。しかしいくら考えても、答えは見つからない。
『あー、判断材料が足りなすぎる。しょうがないから、一旦置いとこう。問題はそれより、
怪獣の出現地点がだんだんとここに近づいてきてることだ』
「そう言えば、確かに……」
 ティグリスの時はトリスタニアを挟んだ遠方だったが、ホオリンガ、ボルケラーと続くにつれ、
ゼロの言う通りに学院に接近している。次は、もっと近くから出現してしまうかもしれない。
『そうなったら事だ。ここは本腰入れて、怪獣出現の原因に探りを入れる必要があるぜ』
「分かった。明日はとりあえず、この学院を一番に調べてみよう」
『だな。目的のここに、何かしらの手掛かりがある可能性が一番高いだろう』
 明日の行動方針を決定すると、才人はようやくルイズの部屋へと戻っていった。


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