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暗の使い魔‐19


ラ・ロシェールの町並みが灯りを灯し、人の出入りが静まる夜。
薄暗く狭い空間に、息を潜める気配が二つあった。
その二つの気配は、微動だにせず乱雑に置かれた荷物の物陰に蹲る。
頭上でゴトゴトと、足音が行き来するのが聞こえてきた。
ふと見上げると、そこには木で仕切られた天井がある。足音はその上を移動しているのだ。
しばしの間、呼吸が止まらんばかりに神経を尖らせ、足音の動向を窺う。
すると、やがて遠くへ行ったのか、足音が小さくなって聞こえなくなった。
「いったかい?」
「ああ」
二人の人影が、短く囁きあった。たがいに頷きあうと、二人ははぁ、と小さく息を吐いて喋りだした。
「まったく、こんなコソコソした旅行なんていつ振りかしら?まるで盗賊やり始めた頃みたいだよ」
「んなこと言やあ俺なんて初めてだぜ。こんなコソ泥みてえな真似はよ」
先程の緊張はどこへやら。その二人、長曾我部とフーケは木で仕切られた小部屋に足を投げ出して座り込んでいた。
小部屋は数十メイル四方の広さで、辺り一面にぎっしり中身の詰まった木箱や樽が置かれていた。
カビ臭い臭いとともに、つんと鼻を突く腐った卵のような臭いも漂ってくる。硫黄の香りだった。
ここは一艘の船の船室。アルビオン行きの連絡船に設けられた積荷を置く倉庫、その一つだった。
「はぁ、この船室ったら臭いし狭いし最悪じゃないのさ。これならレコン・キスタとやらに着いて行った方が良かったかしら?」
「あぁん?あの時監獄で助けた俺が悪いってか?」
フーケの言葉に眉をひそめながら、長曾我部が言った。それに対してフーケが笑いながら言う。
「冗談だよ。あんな胡散臭い連中についてたら、そのうち使い捨てられそうだしね。まあニオイは我慢するよ」
私みたいな美人が台無しだけどね、と付け加えるフーケ。そんなフーケを小突きながら長曾我部が笑った。


暗の使い魔 第十九話 『白の国を目指せ』


ラ・ロシェールで追っ手を撒いた長曾我部とフーケは、訳あってこの連絡船に忍び込んでいたのだ。
ことの始まりは三好三人衆から逃げ切った後である。
二人は一刻も早く追っ手を振り切るため、アルビオンへの密航を急いでいた。
そこでフーケは、官兵衛達に捕まる前に利用していた、ある『店』を利用することにした。闇のルートと情報を扱う店である。
その店はこの日、桟橋付近のボロい酒場の一室にあった。
日ごとに場所が変わるため、フーケのように裏の世界を知り尽くした人間でなければ縁のない店である。
フーケと長曾我部は、酔っ払いとならず者であふれたその酒場に足を踏み入れた。
バーにいた何人かの男が、ニヤニヤしながらフーケを見る。美女がこんな場所に訪れるのが珍しいのだろう。
しかしすぐ隣の碇槍を担いだ長曾我部に睨まれると、男達は慌てて視線をそらした。
「いつ来ても小汚い酒場だねぇ」
「そうかい?活気があっていいじゃねえか」
店内を見回しながら、長曾我部は薄く笑みを浮かべた。
二人は人目を避けるように酒場を抜け、二階のある小部屋に入る。
すると小汚いフードで顔を隠した痩せぎすの男が二人を迎えた。情報屋だ。
フーケはまずアルビオンへの船の密航船の有無、それと白い仮面の貴族について尋ねた。
懐の袋からエキュー金貨を、多めに取り出し情報屋に握らせる。
「まいど」
情報屋の男はこすずるい笑みを浮かべると、白仮面の目撃情報と船の状況を話し出した。
それによると、アルビオンの内乱のせいで、密航の為の船は現在手配できる状況ではないらしい。
そして白仮面は桟橋付近で出入りしており、何者かを探すそぶりをしているとの事だった。
さらに詳しい情報を、上乗せした金で得たフーケは表情を曇らせる。
「お手上げかい?あの仮面に見つからずにアルビオンへ渡りたいんだけどね」
アルビオンへ渡るには定期船に乗るしかない。しかし、どこで仮面が目を光らせているか分からない。
堂々と定期船に乗れば、即座に見つかり狭い船内で命を狙われることになるだろう。
「あの仮面をのしちまえばいいじゃねえか」
「バカだね、相手は組織だよ?アイツをどうにかした所で次の追っ手がやってくるだけじゃないのさ!」
それに今この港町にいる追っ手は、あの得体の知れない三人もいるのだ。
長曾我部の強引な意見に呆れてため息も出ないフーケ。彼女が腰に手をやり考える。その時だった。
「そんなあんたらのためにいい情報があるぜ?」
悩む二人を見て、情報屋の男が笑みを浮かべだした。フーケが情報屋に顔を寄せる。
「なんだって?」
「その仮面の旦那に見つからないで、船に乗り込める手段があるんだって」
それを聞いて、長曾我部とフーケは顔を見合わせた。情報屋が黄ばんでボロボロの歯を覗かせる。
「ただしちょいと値が張るぜい?なにせ、『仲介料』も含まれてるんでね」
「へぇ?」
フーケが興味を示したようにテーブルに身を乗り出した。その懐から、袋一杯の金貨を取り出しながら。

「でだい!あんだけ払っておいてなんだこの方法は!あの情報屋ッ、いつも以上に足元見やがって!」
「まあいいじゃねえか。これで何とか向こうに着くんだろう?」
隣でキリキリするフーケを嗜める長曾我部。
フーケ達は、情報屋と繋がりがある一人の船員の元へ案内された。
四十半ばで濃いひげの、大柄の男が二人を迎える。二人は、桟橋から遠く離れた、積荷を保管する倉庫へ案内された。
そこにはいくらかの積荷が保管されており、船員はそれらすべてをアルビオン行きの連絡船に積み込む監督だという。
そしてその船員の監督する船が、丁度あさって出港する予定だったのだ。
用意された空き樽に乗り込む二人。なにやらかび臭いニオイがしたが、背に腹は変えられない。
すでに情報屋から金を受け取っていた船員は、その樽に蓋をして確認済みの旨を告げる札を張ると、他の積荷と一緒に船へと運び入れた。
そうして二人は、泥臭いながらも密やかに船に乗り込むことに成功したわけである。

「おいフーケよ」
「なんだい?」
狭い船室の中、足を投げ出したままの姿勢で座り込んだ長曾我部が、不意に呟く。それをフーケが顔を見ずに聞き返した。
「この船。こいつァ空飛ぶってのは本当かい?」
「しつこいね、またその話かい?そりゃそうだよ、アルビオンへは飛ばないと行けないからね」
フーケが、何を当然な事をといわんばかりの表情で彼をみやる。
「空飛ぶ船、ね。まあそのアルビオンとやらが『空』にあるのはいいとしてよ、こいつは一体どんな原理で飛んでんだ?」
まさか、落っこちたりしねえよな?と落ち着かない様子で言う男に、フーケは呆れながら言った。
「なんだいアンタ、そんな事も知らないのかい?『風石』を使ってるんだよ。そいつがある限り落ちるわけないじゃないのさ」
『風石』すなわち風の力のこめられた魔法石だ。それが船底にいくつも取り付き、風を吹かして船を浮かしている。
ハルケギニアの人間であれば、知らぬものなどいない常識だ。
それを一から説明しなければならない事に、彼女はうんざりした。
「全く、どこの未開の地から来たんだか。アンタ本当にハルケギニアの人間かい?」
それを聞いて、長曾我部が思わず声を荒げる。
「だぁからよ!日ノ本の四国から来たって何度いわせりゃあわかりやがる!俺はこの訳わかんねえ田舎の――」
その時、フーケははっとした顔でその口を塞いだ。
口元を手で押さえられ、元親も思わず押し黙る。頭上を乾いた足音が通り過ぎていくのが聞こえた。
足音が遠くへと行く。
それを確認したフーケは、押さえていた手をどけながら、長曾我部を睨みつけた。
だがそんな視線を意に介さず、長曾我部は手を広げて悪びれもせずに言う。
「コソコソすんのは俺の性に合わねえってんだ」
フーケの細い手が元親の頭をはたく。スパン!といい音が鳴った。
フーケは切なげな気持ちになって虚空を見つめる。そしてため息をつくと、チラリと長曾我部を見た。
長く通った鼻筋に、強い意志を思わせる瞳。
顔半分を覆う紫の眼帯に目をつぶれば、中々の男前である。
顔はいいんだけどねぇ、とぼんやり考える。
しかし、その分熱血で大雑把なのが長曾我部である。彼ほど隠密に向かない男はいないだろう。
正直、この船に乗り込むまでに何度騒ぎを起こしそうになったことか。
衛士やレコンキスタの刺客に狙われるたびにフーケは思うのだった。
なんでアタシこんな奴と一緒に脱獄したんだろう、と。
成り行きもあった。しかしフーケはなによりも、チェルノボーグで見せた、この男の得体の知れない力に興味があったのだ。
一瞬で石壁を吹き飛ばし、焼き尽くしてみせた男の槍技。
こいつと共に居れば、少なくとも並みの追っ手には遅れを取るまい。自分も安全に行動できようものだ。
それに牢屋でのこの男の口ぶり。どうにもあの天海や黒田官兵衛を知っているようだった。
もしかしたら、あの天海とやらに『礼』をする機会にめぐり合えるかもしれない。
そう考えると、まあ一緒に行動するしかないか、と彼女は諦観せざるを得なかった。
再び深いため息をつくフーケ。それを見て声をかける長曾我部。
「どうした?なんか気に病む事でもあんのかい?」
「誰のせいだと思ってんだい」
正直もう一発はたいてやりたい気分になったフーケだが、思いとどまる。
下手に騒いで見つかったらことだ。船が出港するまでの時間もある。
彼女は、座ったままの姿勢で静かに目を閉じた。
朝の出航まで睡眠をとるつもりなのだ。
隣でなにやら物思いにふける長曾我部を背に、寝転がる。と、その時だった。
ガクン!と一瞬、謎の浮遊感が二人を襲った。
「な、なんだ一体?」
いきなり落ちるような感覚を味わった長曾我部があわてて言う。フーケも身を起こし周囲を見回す。
部屋全体が、いや船そのものが揺れ動いている。そしていつのまにか、部屋の外が掛け声と足音で騒がしくなっている。
一体どうしたことか、と長曾我部は立ち上がった。
「おいおい!まさか、落ちる予兆だってんじゃあ――」
「バカだね。そんなんじゃないよこれは」
フーケが彼の服をつかんでそれを制す。彼女は落ち着いた様子で言った。
「どうやら、出航したみたいだね」
船の動きにより、身体がよろめく。長曾我部はドスンと座り込むと、落ち着き無く辺りを見回しながら言った。
「出航?随分早いじゃねえか、まだ真夜中だろ」
「そうだね、あの船員の話じゃあ出るのは朝方のはずだけど……」
二人は首をかしげながら、かなり早い船の出航を怪しんだ。
「怪しいね……。ちょっと待ってな」
フーケは立ち上がると、倉庫の出口に近づく。その急な行動にオイ、と呼び止める長曾我部。
しかし彼女は、扉の向こうに人の気配が無い事を確認すると、静かに倉庫を出た。
長く続く通路に、甲板へと続く階段が見える。船員は航行の為、ほとんどが甲板に出ているようだ。
彼女は猫のように素早く、気配を隠して階段に駆け寄る。そして階段の裏側に回ると、息を殺して階上の様子を窺いはじめた。

「アルビオンにはいつ着く?」
「明日の昼過ぎにはスカボローの港に到着しまさあ」
ワルドと船長が会話をする。それをよそに、官兵衛は船の舷側から遠ざかるラ・ロシェールの灯りを見下ろしていた。
隣にはルイズがいる。彼女は落ち着いてはいるが、どこか不安な様子を隠せずにそこにいた。
おそらく桟橋に残してきたキュルケらが心配なのだろう。
官兵衛達はあの後無事船に乗り込み、船長との交渉の末に船を出航させた。
出航してそれほど時間は経っていないが、ラ・ロシェールはすでに雲の遥か下だ。追っ手の心配はないだろう。
しかしキュルケ達が無事かどうかはわからない。
ルイズは唇を固く結んでいたが、しばらくすると官兵衛に話しかけた。
「カンベエ……」
「何だ?」
ルイズのおずおずとした声に、官兵衛はゆっくりと首を向けた。
しかし、官兵衛の視線に、ルイズは言葉を途切れさせた。
何を話したらいいだろうか?任務の事か、仲間の心配か、それとも――
そこまで考え、ルイズは官兵衛に言わなければならない事を思い出した。
謝るべき事があった。あの時、宿屋で怒りをぶつけた事を。気を遣ってくれた官兵衛に怒鳴り散らした事を。
意を決したように彼を見上げる。
ひとまず危機が去った今だからこそ、言わなければならない。
しかし、ルイズがその気持ちを言葉にしようとした、その時。
「二人ともいいかな?」
不意にワルドが話しかけてきた。官兵衛がワルドの方を向く。
「船長の話では、ニューカッスル付近に陣を配置した王軍は、攻囲されて苦戦中のようだ」
「成程な。お目当ての皇太子は?」
「わからぬ、生きてはいるようだが……」
官兵衛とワルドが会話を始める。二人とも、宿でのいざこざとは無縁のように話を続けていた。
ルイズは仕方なく二人の会話に入る。
会話は、スカボロー港に着いてからどう動くか。敵の動向にどう注意するか。ウェールズ皇太子との交渉をどうするか、といった内容だった。
一通りの打ち合わせが終わると、官兵衛は手ごろな場所に座り込み、目を瞑る。
やがて間を置かずに、官兵衛は寝息を立て始めた。
「ちょっと……」
ルイズは慌てて話しかけようとした。会話が終わるなり、彼に宿での事を詫びようと思っていたからだ。
ゆすり動かそうと彼の目前に座り込むルイズ。しかし彼女のそんな行動は、目前で無防備に眠る彼の様子に遮られた。
思えば彼もここに来るまでに、かなりの襲撃を掻い潜ってきた。ひどく疲れていたのだろう。
そんな自分の使い魔の安息を遮る事はできない。
「カンベエ……」
ルイズは彼を起こさないよう、ゆっくりとその隣に座る。
真横から彼の寝顔を覗き込みながら、彼女はじっと考えた。
あの宿で、官兵衛に言った事。自分がしてしまった過ちを。
官兵衛からしたら訳のわからない癇癪であっただろう。
ワルドとの確執を問いただされ、それを詫びたと思えばあの騒ぎだったのだから。
『あんたみたいなのが居るせいで私は結婚に踏み切れないんだわっ!』
なんてひどい言い様だろう。自分を守ってくれ、今回の旅にも何も言わず着いてきてくれた使い魔に対して。
「(貴族、いいえ人として恥ずべき事だわ)」
しかし彼は、そんな自分にも関わらず、追っ手相手に戦ってくれた。こんな我侭な娘に命を張ってくれたのだ。
そう思うと、彼女は胸が詰まるような気持ちだった。
ルイズは、すっかり寝入った官兵衛の横顔を見つめながら呟く。ポツリと。
「ありがとう」
大空を疾走する船の上。その言葉は吹き荒れる風にさらわれた。
この場の誰にも聞こえないだろう、微かな言葉。
だが今はこれで十分、というよりこれが精一杯。
いつか、そう遠くないうちに伝えよう。この言葉を、気持ちを。
甲板にはいつの間に乗り込んだのか、ワルドのグリフォンが大人しく鎮座しており、二人のそんな様子を見つめていた。

翌朝、官兵衛は甲板の隅に寝転がり、船上を吹き荒れる風に肌をなでられていた。
「アルビオンが見えたぞーっ!!」
その掛け声に目を覚ました官兵衛は、眠い目を擦りながら辺りを見回した。
船の外には、真っ白い雲海が広がっている。青空と強い風が、肌寒さを感じさせる。
すっかり夜は明けており、爽やかな朝の空気を胸に吸い込んだ。
「アルビオン?とうとう着いたのか?」
官兵衛は伸びをしながら、何気なく空を見上げる。そして、その方向に浮かんだ巨大なソレを見て、言葉を失った。
「な、何だ、ありゃあ……!」
頭にかかっていたもやが跡形も無く吹き飛ぶ。ポカンと口が空いて閉まらない。
彼にとって目の前の光景は、それ程までの衝撃だった。
それは、雲の合間にのぞく巨大な陸地。
雲海に巨大な影を落とし、空を旅する大陸そのものだった。
「あれが――」
「そう、あれが浮遊大陸・アルビオンよ」
いつの間にか隣に立つルイズが、官兵衛を見上げて言った。
「どう?驚いたでしょ」
「ああ。こんな光景が存在するとはな……」
巨大という表現が陳腐に聞こえるほど、それは圧倒的な存在感を示していた。
黒々とした岩肌、その上には山脈が連なり、大陸の端から滝が流れ落ちる。
滝の上には大河が流れるのだろう。
ルイズの話では、大河から流れ落ちる滝が霧を作り、大陸の下半分を覆うのだそうだ。
その雄大な様からついた呼び名が『白の国』
白の国を覆う霧は、恵みの雨となってハルケギニアに恩恵をもたらすらしい。
呆然としていた表情が、見る見るうちに感動で塗り替えられる。
日ノ本ではまず見られない神秘の光景に、彼はしばらくの間見惚れていた。
官兵衛が感動に打ちひしがれていたその時、鐘楼に上った船員が大声をあげた。
「右舷上方の雲中より船が接近!」
官兵衛とルイズは急いでその方向を見やる。なるほど、そこには確かに一艘の船があった。
こちらより二倍も大きい、重厚な船である。それが真っ直ぐにこちらに向かってくるのが見えた。
「いやだわ、アルビオンの貴族派かしら?」
ルイズが不安そうに船を見上げた。
船長がすぐさま船員に指示を飛ばす。
あれがアルビオンの貴族派なら話は簡単だ。この船は貴族派のために積荷を運び、商売しているのだから。
しかし船員が手を振っても、相手から返答が無い。船長が妙に思っていると、船員が青ざめた顔で言った。
「あの船は旗を掲げていません!空賊です!」
船長の顔も蒼白になる。
「なんだと!このタイミングで!」
「間違いありません!内乱に乗じて活動が活発になってると聞きます!」
船長は急ぎ全体に指示を飛ばす。取り舵いっぱい、空賊船から逃げ切れ!と。しかし遅かった。
いかづちのような轟音を立てて、一発の砲弾が交易船を掠めた。黒金の弾が、ぶおん!と風を切り、目前の雲を突き抜ける。
雲を吹き飛ばした大砲の威力に、船全体が緊張した空気に包まれた。そして。
「う、うああ……」
船長はうめき声をあげる。
自分らの目と鼻の先。そこにはいつの間にか、無数の砲口がこちらを睨んでいたからだ。
こちらの船がうろたえる間。漆黒の空賊船は、恐るべき速度で接近していた。
敵船から四色の旗が上がる。停船命令だ。
「船長!どうしましょう!?」
「ぐう……」
額を手で押さえながら、船長は決断をせまられた。
武装が無い訳ではなかった。しかし相手は方弦二十門の大砲が並ぶ軍艦。
真横につかれ、いつでも貴様らを粉々にしてやる、とも言うほど相手は攻撃手段を構えている。
逃げることも、抵抗することも不可能。
船長は、隣で船を操作しているワルドに視線を送る。
いや、もしかしたら、このスクウェアクラスの貴族様ならば無数の大砲などものともしないのでは?
彼こそが、この状況を切り抜ける唯一の突破口では?
船長は子犬のようにワルドを見つめた。しかし、帰ってきたのは非情な答えだった。
「僕はこの船を浮かすので手一杯さ。あきらめたまえ。」
首を振るワルドに船長は絶望する。
そして船長は、船員に停船を指示すると、小さく諦めた口調で「これで破産だ」と呟いた。

こちらの船が停止して黒船がピタリと張り付いてから、船が制圧されるのに時間は掛からなかった。
銃や弓を構えた賊がこちらに狙いを定める。鉤つきのロープがこちらに投げられ、それを伝って男達が続々と乗り込んできた。
ルイズが怯えた様子で官兵衛の影に隠れる。
しかし官兵衛はというと、船が賊の襲撃にあったのが自分の不運のせいだと思い、申し訳なさそうに頭を抱えていた。
全部で数十人程の男達が、交易船を踏み荒らす。次々と船員が捕まり、やがて船長が連れてこられた。
賊の中から一際派手な格好の男が進み出て、船長の前に立つ。どうやらこの男が、空賊の頭らしい。
「おめえが船長かい」
「そうだが……」
交易船の船長をじろりと眺めながら、賊の頭は尋ねる。
「船の名前と積荷は?」
「トリステインのマリー・ガラント号。積荷は硫黄だ」
頭はそれを聞いて笑った。賊達もニヤニヤと薄気味悪く笑みを浮かべる。
「よし、船ごと全部買った。料金はてめえらの命だ」
頭は愉快そうに大笑いすると、今度はルイズとワルド、そして官兵衛の一行に向き合った。
「よう、貴族のお客とは珍しい。奴隷まで引き連れて物見遊山かい?」
「だれが奴隷じゃ」
官兵衛はそっと呟いた。ルイズの顎を持ち上げながら、頭は言う。
「おめえ中々別嬪だな。俺達の船で使ってやってもいいぜ?」
下卑た笑みを浮かべる賊達。しかしルイズはその手をぴしゃりと跳ね除けると頭を睨みつけた。
頭は笑みを崩さず言う。
「中々いい度胸じゃねえか、だがそれもいつまでもつかねえ?」
頭は背を向けると、賊に命じてルイズ達を連行させた。
「こいつらは大事な人質だ。身代金がたんまりもらえるだろうさ」

ルイズ達は、黒船の一船室に放り込まれた。ワルドとルイズは杖を、官兵衛はデルフリンガーを取り上げられている。
官兵衛はともかく、ルイズとワルドはもうそれだけで手も足も出ない。杖を取り上げられたメイジは無力なのであった。
「はぁ、ここに来てツキに見放されたか……」
官兵衛は鉄球に座り込んで、俯いていた。もうじき目的地に到着だというのになんという事か、と。
見るとワルドは興味深げに置かれた積荷を物色。ルイズは床にうずくまって膝を抱えていた。
よほど恐ろしいのか、時折肩を震わせているルイズ。
それはそうだろう。慣れない船旅に、度重なる襲撃、そして挙句空賊のお出ましと来たものだ。
歳若い娘にはとんでもない苦痛に違いない。
「おいご主人」
官兵衛はルイズの隣に移動すると、静かに座り込んだ。ルイズが顔を上げる。
官兵衛が前を向いたままで喋りだした。
「ま、あれだ。こうなった以上なるようになるしかない。小生が言っても説得力は無いが、天運を信じるこったな。
それに小生はともかく、人質のお前さんらは下手な真似はされんだろう。貴族様なわけだからな」
「カンベエ……」
膝を抱えていたルイズがそんな官兵衛を見た。
「だからしゃんとしろ。重要な任務を背負ってるお前さんが震えてちゃあ、締まらないだろうが」
その言葉に、ルイズの瞳に強い光が宿る。
そうだ、官兵衛の言うとおりしっかりと気を持たなければ。
これは姫様直々の依頼、そして祖国の命運を握っているのだ。
ルイズはグッと唇を噛むと、顔を上げた。
その時船室の扉が開かれ、一人の男が現れた。
「おい、おまえらに聞きてえ事がある」
やせぎすの男が、三人を見回しながら質問する。
「おまえら、もしかしてアルビオンの貴族派かい?」
ルイズとワルドは答えない。官兵衛も、相手の質問の意図が見えないうちは、口を閉ざした。
そんな三人の様子を見て、男は続ける。
「おいおいだんまりじゃあわかんねえよ。だが、もしそうだったんなら悪かったな。俺らは貴族派と対等に商売させてもらってる立場でよ。王党派に与する輩を捕まえる密命を帯びてるのさ」
「なんですって?」
ルイズが思わず聞き返す。
「どうなんだい?おまえらは貴族派かい?もしそうだってんなら港まで送ってやるぜ」
やせぎすの男はじっと三人を見据えた。しばしの間が空く。
どう出るべきか、と官兵衛は思考をめぐらす。
ここで貴族派と答えれば、たやすく港へと着け、さらには連中の襲撃を免れる隠れ蓑になりうるかもしれない。
逆に王党派と答えれば、自分らの命運は尽きる。捕らえられた人質のまま、悪くて命を奪われかねない。
いずれにせよ任務など遂行出来なくなる。ここは賢く、立場を偽るのが正解だろう。しかしルイズは。
「バカ言わないで!私達は王党派の使いよ!だれが薄汚い反乱軍なものですか!」
彼女は男を睨みつけると、正々堂々と言い放った。
「アルビオン王室はまだ負けてないわ!だから正当な王室は王党派よ!私達はそこに大使として赴くの!だからそれ相応の待遇を要求するわ!」
「おいおい!」
官兵衛はルイズの肩をたたいて言った。
「正直すぎるぞ!」
官兵衛が声を荒げる。しかしルイズは官兵衛を睨みつけると言った。
「こいつらに嘘ついて生き延びるくらいなら、死んだほうがマシよ!」
官兵衛は深くため息をついた。
一通り話を聞いた賊の男は、そんな二人の様子を見て笑った。
「正直は美徳だが、お前らタダじゃあすまないぞ?頭に報告してくる。それまでゆっくり考えるんだな」
バタンと扉が閉められた。あとに残った三人は、静かになった空気の中、立ちすくんだ。
「おいご主人。ひとつ聞くが、お前さんの答えで小生らが破滅するかもしれない。あれはそういう覚悟の上での言葉か?」
「当然よ!」
毅然としてルイズが言う。
「私は貴族よ!誇りと引き換えに生きながらえるなら、喜んで死を選ぶわ!」
「それで小生や婚約者が死んでも、か?」
「……そうよ」
それを聞いて、ルイズは一瞬黙ったが、やがて強く頷いた。
「それに私は諦めないわ。地面に叩きつけられる瞬間まで、ロープが伸びると信じるわ。あんたもワルドも死なせない、そう信じて!」
「そうかい……」
官兵衛はそれだけ言うと、ドカンとその場に座り込んだ。その顔に表情は無く、何かを考え込んでいるようであった。
「いいぞルイズ、流石は僕の花嫁だ」
ワルドはルイズの肩を叩いて言った。
その言葉に、ルイズは複雑な思いを抱きながら、顔をしかめた。
やがてしばらくすると、扉を開けて先程の男が現れる。
「頭がお呼びだ」
三人は言われるがままに導かれて、船室を出た。


「……状況はどうだい?」
「ああ、まだここはバレちゃいないよ」
硫黄の香りが立ち込める船室内で、二人の男女が囁き合った。
商船が空賊に占拠されてから、何時間が過ぎただろうか。
フーケはその手に杖を、長曾我部は碇槍を担ぎながら、占拠された『外』の様子を窺っていた。
「しかし、こんな状況で賊船に出会うとは。とことんついてないね」
フーケが肩をすくめながら言う。
せっかくレコンキスタの追っ手から逃れ、快適とはいかないがわずかな空の旅を楽しんでいる所。
そうしたら今度は空賊の襲来ときたものだ。
まったく、あの学院で捕まってからろくな事がないではないか。
どこかで厄でもうつっただろうか。そんな事をボヤキながら、フーケは長曾我部に向き直った。
「これからどうするんだい?」
今は見つかっていないとはいえ、この狭い船の上じゃあ見つかるのは時間の問題である。
早いうちに手を打たないと面倒だ。
「なあ、どうするんだって!」
フーケが語調を強めた。
しかし長曾我部は、それに対してなんの反応も返さなかった。
フーケが妙に思い、彼の肩を叩く。
「ちょいとアンタ、なんだい渋い顔して。腹でも痛いの?」
「ち、違げえ!ちょいと気になることがあってよ」
慌てて顔を上げた長曾我部の言葉に、フーケも繰り返した。
「気になること?」
「ああそうさ」
長曾我部はふう、と息を吐くと、後ろに詰まれた積荷にどすんと腰掛けた。
「アイツら……あの空賊ってやつらだがよ、どうにも妙だ」
「妙?」
フーケが首をかしげる。妙、どこかおかしなところがあるだろうか?
この戦時中、空賊が船を襲うのは日常茶飯事だ。先程聞こえたが、貴族の連中らしき一行も人質にとらわれたらしい。
金目当ての賊らしい手段だ。別段おかしいところは無い。
「別に普通じゃないかい?あの連中の何が気になるってのさ」
「仕草よ」
フーケの言葉に、長曾我部が即座に答えた。
「仕草?」
フーケもそれを繰り返した。
「俺はこっちに来てまだ日も浅ぇ。よくわからねえ常識も多い」
やや間をおきながら、長曾我部はゆっくりと語る。
「だが俺だって長年海賊の長やってきた身だ。一目見りゃあそいつらがカタギなのかそうでないのかくらい良くわかる」
その瞳に一つの確信を抱きながら。
「でだ!」
語調を強め、くいと顔を上げる。
「あいつら、賊にしちゃあ変だぜ。まるで全員新米みたいだ」
長曾我部は、迷い無くその言葉を発した。
「ほう?」
「どう思うよ、フーケさんよ?」
長曾我部の言葉にフーケはややあっけにとらわれていた様だが、彼女も即座に思考を巡らす。
しばしの黙考。それと同時に、長年盗賊に身をやつしてきた彼女自身の勘が、頭を抜ける。
「なるほど、ねえ……」
突如空に現れた、賊徒ども。しかしそれが上っ面の皮で覆われてるとしたら。
その理由は?正体は?
ここまでで、彼女は一つの可能性に辿り着く。そして。
「もしかしたら、面白いものが見れるかもねぇ」
「どういうことだ?」
フーケの眼が、猛禽類のごとく釣りあがった。
「いいかい?これからアタシが言うように動くんだ。そうしたら活路が開けるかもしれないよ?」
フーケは長曾我部と顔を合わせると、ニヤリと唇の端を傾けて見せた。


ルイズ、官兵衛、ワルドは、豪華なディナーテーブルが備えられた、広い船室に案内された。
扉を開き中に入る。すると十数人の空賊が突っ立った中心に、甲板で見た派手な格好の頭が座っていた。
どうやらメイジらしく、水晶のついた杖を片手にじっとこちらを見据えている。
「頭の前だ、挨拶しな」
痩せぎすの男に小突かれるも、ルイズは敵意をあらわに頭を睨みつける。それを見て、頭は歯を覗かせて笑った。
「ガキだが、気の強い女だな。悪くねえ。さてと、名乗りな」
頭がルイズに促す。しかし彼女はそれを無視して言う。
「大使としての扱いを要求するわ!でなければあんた達なんかと、一言だって口をきくもんですか」
そういうと、室内にいた全員が笑った。頭が言う。
「王党派と言ったな?奴らに何の用だ。あいつらは明日にも消えちまうぜ?」
「あんたに言うことじゃないわ」
ルイズは毅然とした態度を崩さない。頭はさらに続ける。
「貴族派につく気はないかね?あいつらはメイジを欲しがってる。礼金をたんまりもらえるぜ?」
「死んでも嫌よ」
ルイズの手が小刻みに震える。堂々としたように見えて、彼女は怯えていた。
これから起こる事の恐怖に。自分らが死ぬかもしれないという想像に。
しかしルイズは前を向いて、頭を睨みつける。決して怯えの表情を表に出さない。
官兵衛は、隣でそんな彼女の態度を見ていた。全く、小娘が無理しやがって、と。
そして、そろそろいいか、と官兵衛はルイズを押しのけた。
「カンベエ?」
「そろそろ茶番は終いにしないか?」
官兵衛が気だるげに言う。その言葉に、頭の目の色が明らかに変わった。
「なんだと?」
頭が驚いた様子で言う。官兵衛が続ける。
「考えてみりゃあ不自然だった。貴族派と対等な空賊が、貴族派のための商船をわざわざ襲い、人質を取るなんざな。それに――」
周りの空賊も、なにやら落ち着きがなくなっている。
「お前さんらは、小生の知る賊とは随分違う。動作の端々に規則正しさが見受けられる。
本物はもっと粗雑で、統率も取れてない」
ルイズもその言葉に呆気にとられる。
「つまりはお前さんらは、貴族派でも空賊でもないってこった。正体は、小生が言うよりお前さんらからバラした方が、格好がつくんじゃないか?」
そういうと、官兵衛はニッと笑った。
それに呼応するかのように、頭も杖をおさめ歯を覗かせる。
「ハハハ!まいったな。まさかこうも容易く見破られようとは!」
頭が大声で笑い出す。心底愉快そうに、口を空けて。
ルイズはまだ思考がついていかないらしく、頭の豹変に首をかしげている。
「失礼、貴族に名乗らせるならばこちらから名乗らなければな」
その言葉に、周囲の賊が一斉に直立する。まるで軍隊のように。
頭は黒髪を剥ぐ。付け髭をはがし、眼帯を取り払う。するとその変装の下から、凛々しい金髪の青年が姿を現した。
「私はアルビオン王立空軍大将、本国艦隊司令長官……、といってもすでにこのイーグル号しか存在しない無力な艦隊だがね。
それよりはこちらのほうが通りがいいだろう」
そういうと青年は、威風堂々と名乗った。
「アルビオン王国皇太子、ウェールズ・テューダーだ」
ルイズは驚き目を見開いた。ワルドもほうと興味深げに皇太子を見つめる。
官兵衛は、自分の推測が当たっていた事がわかり、薄く笑みを浮かべた。
ウェールズはにっこりと魅力的な笑みを浮かべると、ルイズらを席に招いた。
ウェールズ達が空賊を装っていた理由、それは貴族派の補給路を断つためだった。
貴族派に気取られぬよう変装し、空賊になりすましていたのだ。
そして、ルイズらを試したのは、まさか国外に王党派の味方がいるとは思っていなかったかららしい。
その為、ああまでして自分らを見極めようとしたのだ。
ウェールズにそんな事情を一通り説明されても、ルイズはポカンとしているだけであった。
いきなり目的である皇太子に出会った為、心の準備が出来てなかったのだ。
「アンリエッタ姫殿下より密書をことずかって参りました」
ワルドが進み出て、優雅に頭を下げる。
「ふむ姫殿下からとな?きみは?」
「トリステイン王国魔法衛士隊、グリフォン隊隊長、ワルド子爵。そして――」
ワルドが一礼すると、ルイズと官兵衛を皇太子に紹介する。
そして一通りの挨拶の後、ルイズは懐から密書を取り出した。
ウェールズが受け取ろうと歩み寄るが、ルイズはおずおずと皇太子に尋ねる。
「あの、本当に本物の皇太子様?」
ルイズの言葉に笑いながらウェールズは言う。
「僕は正真正銘、ウェールズだよ。なんなら証拠をお見せしよう」
そう言うとウェールズは、自分の薬指に嵌っていた指輪を外し、ルイズに手に光る水のルビーに近づけた。
すると、ふたつの指輪の宝石が共鳴し、虹色の光を振りまいた。
「その指輪はアンリエッタの水のルビー。そして僕の指輪はアルビオン王家に伝わる風のルビーだ。
水と風は虹を作る。王家の間にかかる虹さ」
「大変失礼をばいたしました」
ルイズは慌てて頭を下げ、手紙を差し出した。
ウェールズは愛しそうに手紙を見つめると、花押に接吻した。
そして封から手紙を取り出すと、真剣な表情でそれを読み出した。
「姫は結婚するのか?あの愛らしいアンリエッタが。私の可愛い……、従姉妹は」
ワルドが無言で肯定の意を示す。ウェールズは最後の一文まで手紙に目を通すと、微笑んだ。
「了解した。姫は、あの手紙を返して欲しいとこの私に告げている。なにより大事な姫から貰った手紙だが、姫が望むならそうしよう。」
ルイズの顔が輝いた。
「しかしながらあの手紙は手元には無い。ニューカッスルの城にあるのだ。少々面倒だが、ニューカッスルまでご足労願いたい」
ウェールズはそう言うと、乗組員に指示を飛ばした。空賊の変装を取っ払った乗組員は、きびきびとした動きで部屋を出ようとした。その時だった。
「そいつは困るぜ!!」
どおん!と、突如轟音とともに船室の扉が吹き飛んだ。
「何だ!?何事だ!!」
「殿下をお守りしろ!」
船員が即座にウェールズを囲む。
ルイズはいきなりの出来事に顔を覆った。ワルドは素早く身を翻し、弾け飛んだ扉の破片から身を守る。
そして官兵衛は。
「お、おいおい。冗談だろ?」
目の前に現れた人物を、口をあんぐり空けて見ていた。
吹き飛んだ扉と、その跡に燃え盛る炎が辺りに煙を撒き散らす。火を消せ!と怒号を飛ばす船員。
それに目もくれず、その男は煙の中から姿を現した。
紫の上着をたなびかせ、肩に担いだ巨大な槍を光らせたその男は、ウェールズを見据えた。
「急ぎのところわりぃがよ、この船は俺達が貰うぜ」
槍をぶん回し、風で煙を払う。その男の姿を見て、官兵衛は声を荒げた。
「なんでお前さんがここにいる!西海!」
官兵衛の目の前には、四国・鬼ヶ島の鬼とうたわれた武将、長曾我部元親が立ちはだかっていた。



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