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第八十話「君がウルトラマンゼロだ」


ウルトラマンゼロの使い魔
第八十話「君がウルトラマンゼロだ」
甲冑星人ボーグ星人
熔鉄怪獣ツルギデマーガ 登場



 執務室に侵入してきたボーグ星人に対し、才人、ルイズ、アンリエッタ、アニエスはそれぞれの
得物を手にした。皆臨戦態勢に入り、ボーグ星人を強くにらむ。
『ボーグ星人……宇宙人連合が壊滅したってのに、このハルケギニアの侵略をやめないってことかよ』
 問いかけるゼロ。宇宙人連合はヤプールの消滅により、まとめる役割がいなくなったことで
自ずと解散となった。だが先日才人を急襲したレギュラン星人やバルキー星人のように、
連合がなくなっても侵略をあきらめない者が少なからずいるようだ。
『フッフッフッ、当然だ。ヤプールは元よりこの宇宙に来るために利用しただけ。奴を葬ってくれて、
むしろお前たちに感謝してもいいくらいだ。この星をいただくための一番の邪魔者がいなくなったのだからな』
 そう語るボーグ星人。ヤプール自身がそうだったが、宇宙人たちもヤプールに対して利用価値以上のものを
見出していなかった。連合など所詮、利害の一致だけの薄っぺらい結束だったのだ。
「けッ! 相変わらず侵略者ってのは胸くそわりぃ性格だぜ」
 グレンが吐き捨て、ミラーがボーグ星人に指摘する。
「私たちを抹殺するつもりとのことですが、この女性を利用した奇襲が失敗しておいて、
あなた一人で私たち全員を相手にするつもりか?」
 ウルティメイトフォースゼロは全員が一流の戦士。才人もまた強くなった。そこにルイズたちもいる。
どう考えても、ボーグ星人単体に勝ち目などない。
 しかしボーグ星人は余裕の態度であった。
『フッフッフッフッ、お前たち全員に私と戦う暇があればの話だ』
「何?」
『先ほど、私が仕掛けた爆弾が炸裂しただろう』
 前置きをして、ボーグ星人は恐ろしいことを説明し出した。
『それの何倍もの威力がある時限プレート爆弾を八個、この王宮の至るところに仕掛けた。
一つだけでも王宮を吹き飛ばすのに十分な威力を、八個だ!』
 その言葉にギョッと驚愕する才人たち。
『フッフッフッフッ、一個でも逃したら何人の人間が死ぬだろうなぁ? フッフッフッフッフッ……!』
 脅迫の文句を言い残したボーグ星人は窓へ飛び込み、ガラスを突き破って外へと逃走した。
「待ちやがれ、この野郎!」
 それを追いかける才人。
「サイト!」
 ゼロはルイズらに言いつける。
『俺たちはボーグ星人を倒してくる! みんなは手分けして爆弾を回収して、爆発を阻止してくれ!』
「頼んだぜ! デュワッ!」
 才人は窓から外へ飛び出すと同時に、ウルトラゼロアイを装着した。
 残された執務室の者たちは、アンリエッタを中心に行動を起こす。
「こうしてはいられません! いつ爆発するかも分かりません、役人や使用人たちは直ちに
王宮外へ避難させ、兵士を総動員して爆弾を捜索しましょう!」
「陛下も避難して下さい! 総指揮はわたしが行います」
 アニエスが申し出たが、アンリエッタは首を横に振った。
「いいえ、人の上に立つ者が逃げるのは常に最後です」
「陛下……了解しました!」
「ルイズとウルティメイトフォースゼロの皆さまは、ゼロを助けてあげて下さい」
 アンリエッタはそう言ったが、ミラーたちは次の通りに返す。
「いえ、ボーグ星人の言葉が真実とは限りません。八個以上の数が仕掛けられてる恐れもあります。
王宮中をくまなく探すには、私たちの力が必要となりましょう。私たちも協力します」
「ボーグ星人ならゼロとサイトに任せときゃ大丈夫だぜ! あいつらが負けるもんかよ!」
『うむ。私たちはゼロとサイトを信頼している!』
「姫さま、わたしも手伝います! 人手は一人でも多くあるべきでしょう」
「わ、わたしもジャンボットさんと一緒に!」
 五人の言葉を受けて、アンリエッタは固くうなずいた。
「分かりました。では、皆さまのお力をわたくしたちトリステインにどうかお貸し下さい!」
「おうよッ!」
 グレンが代表してうなずき返し、一同は直ちに爆弾捜索に取りかかっていった。

 外へと逃走したボーグ星人は、城下町の真ん中で巨大化を果たす。
 その直後に変身したウルトラマンゼロもまた巨大化。ボーグ星人と向かい合って宇宙空手の構えを取った。
「あッ! 侵略者がまた現れたぞ!」
「それに……ウルトラマンゼロも!」
 トリスタニアの民たちはボーグ星人出現に驚く以上に、久々のゼロの勇姿に大きく沸き上がった。
「ゼロは生きてたんだ! よかった!」
「また私たちを救って下さるのね! ああ、ゼロさま!」
「ゼロー! 頑張ってー!」
「侵略者なんてやっつけろー!」
 ゼロの生存を知った人々は歓喜し、こぞってゼロに熱い声援を送る。それを一身に受けるゼロは、
勇んでボーグ星人に立ち向かう!
『俺のこのカラータイマーが輝く限り、ハルケギニアはお前みたいな連中の好きにはさせないぜ! 
行くぜッ!』
『ふんッ! 来るがいい!』
 ゼロとボーグ星人双方が踏み出し、格闘戦を開始した!
「ジュワッ!」
 ゼロの先制の拳を腕一本で防御するボーグ星人。ボーグ星人は見た目の通り、全身が甲冑並みに強固。
生半可な打撃では少しのダメージにもならない。
 頑丈な肉体が生み出すのは防御力だけにあらず。ボーグ星人のカウンターのパンチは文字通り鉄拳で、
打たれたゼロの頬がジンジンと痺れる。
『ぐッ! せぇいッ!』
 だがゼロはダメージをぐっとこらえ、突き出されたボーグ星人の腕を捕らえて素早く背負い投げを決めた。
地面に叩きつけられるボーグ星人だが、打たれ強さもなかなかのもので、すぐに起き上がる。
 そこからボーグ星人はゼロに向けてパンチのラッシュを繰り出す。しかしゼロは全てさばき切り、
鋭い掌底を相手の胸の中央に入れてボーグ星人を吹っ飛ばした。
 武術には『気功』というものがある。体内の力の流れを制御して、効率よくパワーを発揮したり
相手に一層のダメージを与えたり出来るのだ。宇宙空手の達人たるゼロも気功を扱える。それにより、
今の掌底から生じた衝撃をボーグ星人の肉体の内側へと行き渡らせたのだ。体表は鉄のように強靭な
ボーグ星人も、体内まで頑丈とはいかず、無視できないダメージを受けて一瞬ふらつく。
 格闘戦で劣勢のボーグ星人は、頭部の中央のトサカから細いレーザーを発射した!
「シャッ!」
 だがゼロは即座にウルトラゼロディフェンサーを展開し、レーザーを防御。バリアを消すと
間髪入れずにエメリウムスラッシュをお返しして、ボーグ星人を撃つ。
 よろめいたボーグ星人だが、押されているというのに焦りを見せずに言い放った。
『フッフッフッ、聞きしに勝る実力だな、ゼロ。ボーグ星一の戦士である私をこうも容易く
追い詰めるとは。やはり、アレを用意しておいて正解だった』
『アレ、だと?』
『真の勝負はここからということだ。さぁ、出てこい!』
 ボーグ星人の呼び声に応じるように、ゼロの背後の地面が下から一直線に切り裂かれ、
裂け目が広がって巨大怪獣がせり上がってきた!
「グバアアアアアア! ギャギャギャギャギャギャ!」
 以前にグレンファイヤーが倒した怪獣、デマーガと同種。しかし両腕からは長大な剣が生え、
両肩からも反り返った禍々しい刃が伸びている。全身から発せられる威圧感も、デマーガよりも
ひと回りもふた回りも大きい。
『そいつはツルギデマーガ。ヤプールが強化改造を施し、リザーブしていたのを私がいただいたのだ。
さぁツルギデマーガよ、ウルトラマンゼロを八つ裂きにしてしまえ!』
「グバアアアアアア! ギャギャギャギャギャギャ!」
 ボーグ星人の命令でツルギデマーガが咆哮し、ゼロに向かって突き進み始める。
「シェアッ!」
 ゼロはツルギデマーガに向けてゼロスラッガーを投擲。だがふた振りのスラッガーはデマーガの
腕の剣に難なく弾かれてしまう。
「デェヤッ!」
 スラッガーを戻したゼロは次にワイドゼロショットを発射。が、デマーガが振るった剣によって
真っ二つに切り裂かれてしまった。
『くッ、伊達に剣がある訳じゃねぇってか……!』
 必殺技が二連続で破られたゼロが舌打ちする。
「グバアアアアアア! ギャギャギャギャギャギャ!」
 今度はツルギデマーガの攻撃する番だった。口から熔鉄光線を発射! あまりに膨大な熱量で、
大気が歪むほどであった!
 ゼロはウルトラゼロディフェンサーで防御しようとしたが、熔鉄光線はバリアをも溶かして
ゼロを弾き飛ばした!
『ぐわあぁぁッ!』
「グバアアアアアア! ギャギャギャギャギャギャ!」
 投げ出されたゼロに詰め寄っていったツルギデマーガが斬撃を振るう。両手にスラッガーを
逆手に持ったゼロが受け止めようとするが、ツルギデマーガの凄まじい剣圧に押されて防御を崩され、
剣をその身に食らう。
『うぐわぁぁぁぁぁッ!』
 剣は深々とゼロの身体を切り裂き、ゼロは一旦後退を余儀なくさせられる。
『つぅッ……何てパワーだ……!』
 ツルギデマーガを警戒するゼロだが、そこにボーグ星人が飛び蹴りを仕掛けてきた!
『うわッ!』
『フッフッフッフッ、私がいることも忘れるんじゃないぞ!』
 掴みかかってくるボーグ星人を対処している間に、ツルギデマーガが接近してきて剣を薙いでくる。
「グバアアアアアア! ギャギャギャギャギャギャ!」
『ぐッ……!』
 その攻撃をどうにかかいくぐるゼロだが、ツルギデマーガに意識が向いている隙をボーグ星人に
狙われ、みぞおちに鉄拳をもらった。
『ぐはッ!』
 ボーグ星人とツルギデマーガに挟み撃ちにされたゼロは、一転して窮地に立たされてしまった。
カラータイマーが赤く点滅し出す。

「あった! これで四つ目だな……」
 王宮では、グレンたちによる爆弾捜索が大急ぎで行われていた。たった今グレンが四個目の爆弾を、
回廊に飾られている絵画の裏から見つけ出す。発見された爆弾は随時、ミラーが解体して信管を抜いていく。
 だがここで、彼につき添うアンリエッタが窓からゼロの苦戦を目撃し、両手で口を覆った。
「グレン、ゼロが危険な状態に陥ってます!」
「何ッ!?」
「侵略者は怪獣も出してます!」
 グレンは新たに出現したツルギデマーガの姿を確認し、ギリッと歯噛みする。
「そうか、爆弾で俺たちを抑えつけてる間に二対一でゼロを倒そうって作戦だったんだな……」
「グレン、あなただけでもゼロを助けに行ってあげて下さい! いくらゼロでも、一人だけでは……」
 魔法衛士隊も爆弾の捜索に駆り出されているため、現在のゼロは孤立無援の状況だ。
焦るアンリエッタはグレンにそう要請したのだが、
「いいや、ゼロは一人なんかじゃねぇぜ」
「え?」
 グレンがそう返したので、思わず変な声を出してしまった。
 グレンは力強い表情で、こう告げる。
「ゼロにはサイトの奴がついてる。サイトはアルビオンで、男として見違えるぐらいに成長したんだ。
それは鍛えた俺がよく知ってる。あいつがゼロの力になってくれるぜ!」

『ぐっはぁッ!』
 ゼロはツルギデマーガとボーグ星人の同時攻撃で吹き飛ばされ、背中から地面に叩きつけられた。
彼を見下ろしてボーグ星人が豪語する。
『フッフッフッフッフッ! たとえお前とて、このヤプールの秘蔵のツルギデマーガと私を前にして、
たった一人では勝ちの目はない!』
 だが、なおも立ち上がったゼロは言い放つ。
『俺は、一人じゃねぇんだぜ……!』
『何だと?』
 そしてゼロは、己の内の才人に呼びかける。
『才人、俺は知ってる。俺が眠ってる間に、お前は前よりもずっとずっと強くなったってことを。
意識がなくとも、お前の頑張りは俺にしっかりと伝わってたぜ』
『ゼロ……』
『お前のその強さと勇気が、俺にも力をくれる! 才人、俺と協力してくれ! 一緒に俺たちの、
みんなの未来を切り開こうぜ!』
『ああ、もちろんだ!』
 ゼロと才人は今、心を重ねる。
『何をごちゃごちゃ言っている! ツルギデマーガ、早くやってしまえッ!』
「グバアアアアアア! ギャギャギャギャギャギャ!」
 業を煮やしたボーグ星人にけしかけられ、ツルギデマーガがゼロに迫っていく。恐るべき切れ味の
凶刃がゼロに向けて振るわれる……!
「フッ!」
 しかし、ゼロは二本の指でその刃をはっしと止めた!
『な、何だとぉ!?』
 それまでツルギデマーガに手も足も出ていなかったゼロが、突然剣を受け止めたことに
衝撃を受けるボーグ星人。ツルギデマーガはより凶暴になって両腕の剣を滅茶苦茶に
振り回し出したが、ゼロは全て見切り無駄のない動きでかわし切った。
『とぉうッ!』
 ツルギデマーガが疲労で動きの鈍ったところで、ゼロはひねりをつけながら相手の頭上を
跳び越えて背後に回り込み、尻尾を抱え込んだ。
『でりゃあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!』
「グバアアアアアア!」
 そこからジャイアントスウィング! ツルギデマーガの巨体が軽々と宙を舞い、真っ逆さまに
地表に落下した。
『おのれぇッ!』
 まさかのゼロの盛り返しに焦りを覚えたボーグ星人が背後から突撃をかけたが、すかさず
放たれた後ろ蹴りで返り討ちにされた。
『ごはぁッ! ど、どういうことだ……あれだけのダメージを受けながら、動きに磨きが
かかっただと……!?』
 混乱するボーグ星人。そこには、才人の存在があるのだ。
 今の才人とゼロは一心同体。ゼロは才人の影響を受ける。才人の心が弱まればゼロは力を
発揮できなくなるが、逆に才人の心の高まりがゼロに一層の力を与える。
 才人はグレンの鍛錬によって心身ともに見違えるほどに鍛えられ、戦士の風格を得た。
また、ポール星人の仕掛けた試練を乗り越えたことで、大きな勇気がその胸に宿った。
彼の鍛え込まれた熱い魂がゼロの精神とシンクロし、彼の実力を以前よりも一段も二段も
高く引き上げているのだ!
 ゼロは才人へ呼びかける。
『才人、お前の強さが俺に流れ込んでくるのが分かる。お前と一緒であることで、俺はもっと
強くなっている! 俺たちはもっと高みへ行けるぜ!』
『ああ! 俺も前よりずっと、お前が近くにいることを感じるよ、ゼロ!』
『相棒たち、俺のことも忘れるなよ!』
 デルフリンガーが声を上げた。
『もちろんだぜ。デルフ、お前も一緒に戦おうぜ!』
 ゼロはスラッガーとデルフリンガーを結合し、ゼロツインソードDSを作り上げてツルギデマーガへと
肉薄していく。
「グバアアアアアア! ギャギャギャギャギャギャ!」
 ゼロツインソードDSと斬り結ぶツルギデマーガだが――その途端に、腕の刃が粉々に砕け散った!
「グバアアアアアア!?」
 武器を破壊されたことで大きく狼狽えるツルギデマーガ。先ほどまでの勢いが嘘だったかのように、
ゼロによって追い詰められていく。
 デルフリンガーが叫ぶ。
『相棒、ガンダールヴの力は心の震えで引き出される! その力も、ゼロに影響してるんだぜ! 
ガンダールヴのウルトラマン、ウルトラマンのガンダールヴ! へへッ、こりゃ無敵の組み合わせだぜ!』
『その通りだな! 行こうぜ、ゼロ!』
『おうよッ! プラズマスパークスラッシュだぁぁぁッ!』
 ツインソードDSを真正面に構えたゼロが、一直線にツルギデマーガへと飛んでいく!
「グバアアアアアア! ギャギャギャギャギャギャ!」
 ツルギデマーガは熔鉄光線を吐き出してゼロを撃ち落とそうとしたが、ゼロは先ほどとは逆に、
熔鉄光線を真っ二つに切り裂きながら直進していった。
「セェェェヤァッ!!」
 そしてツルギデマーガも一刀両断! ツルギデマーガは壮絶な大爆発を起こして消え去った!
『なぁぁッ……! お、おのれぇぇぇぇぇッ!』
 切り札のツルギデマーガを討ち取られたボーグ星人は、最早自棄になってゼロスラッガーを
戻したゼロへ殴りかかっていく。が、拳を易々と止められて当て身で迎え撃たれた。
『ぐふぅッ!』
『うりゃあぁぁッ!』
 ゼロは更にボーグ星人の背後を取り、ゼロドライバーを決めた! ボーグ星人は脳天から
大地に打ち据えられる。
『ごふぅッ……!』
『さぁ行くぜ! フィニッシュだぁぁぁ――――――――ッ!』
 一足飛びで距離を取ったゼロは、スラッガーをカラータイマーに接続してゼロツインシュートを発射! 
ちょうど起き上がったボーグ星人は、光の奔流に呑み込まれる!
『うぎゃあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!? こ、この力は何だ!? その強さはどういうことなんだッ! 
お、お前は何なんだぁ……!』
『ウルトラマンゼロ! 俺の、俺たちの名前だッ!』
 颯爽と背を向けるゼロ。それと同時に、ボーグ星人は爆裂して紅蓮の炎を遺した。

 ゼロが逆転勝利を収めた頃、グレンたちも八個の爆弾全部を発見し終えていた。
「これで全部みたいだな……。他にも爆弾がなくてよかったぜ」
「爆弾も解体し終えました。これでもう安心ですよ」
 もう爆発の恐れがないことが分かり、ルイズたちはほっと胸を撫で下ろした。だがアニエスは
もう一つ、心配があった。
「しかしわたしの部下が、敵の手で機械にされたままだ。あれは元の人間に戻れるのだろうか……?」
 それについては、ジャンボットが答える。
『大丈夫だ。私の設備があれば、彼女を本来の生身の状態に戻すことも可能だ。後で彼女を
引き取ろう。一日もあれば治せるはずだ』
「私も手伝いましょう。アニエスさん、すぐにあなたの部下をお返ししますよ」
「かたじけない……!」
 ジャンボットとミラーに頭を下げたアニエスは、安堵して微笑みを浮かべた。
 王宮の問題が片づいたところで、変身を解いた才人が戻ってきた。
「みんな、敵はやっつけたぜ! そっちも解決したみたいだな」
「サイトさん! よかった、ご無事だったんですね!」
 シエスタとアンリエッタが才人の無事の帰還に喜びを見せた。ゼロはミラーたちに告げる。
『今回の勝利は才人がいてこそだったぜ。こいつの勇気が俺に力をくれたんだ』
「そうですか。やりましたね、サイト」
『君はもう立派な戦士だ! 実に素晴らしい』
 ミラーとジャンボットに称賛されて、才人は照れくさそうにはにかんだ。
「俺も誇らしい気分だぜ! なぁ、ルイズもそうだろ? 何たってお前さんの使い魔なんだしな」
 グレンが呼びかけると、ルイズは若干つんけんとした態度で才人に告げる。
「まぁ、姫さまから賜ったシュヴァリエの称号に恥ずかしくない程度には頑張ったんじゃない?」
「むッ、何だよ、その言い草。もっと他に言うことないのか? よく頑張ったわねーとか、
すごいわサイトーとか」
 ルイズのぶっきらぼうな言葉に顔をしかめる才人。
「調子乗るんじゃないわよ。全く、あんたってすぐそうなるんだから」
 鼻を白けさせたルイズだが……すぐにやんわりと表情を緩めて、才人に言った。
「……お帰りなさい。これからも、改めてよろしくね、サイト」
「……ああ。こっちこそよろしくな、ルイズ」
 一瞬面食らった才人は、すぐに同じように微笑を見せて返答した。
 その背にかかったマントが、どこか誇らしげに翻った。


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