あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

ゼロと獅子-05


 スコールがハルケギニアに来て三日目の朝。
 スコールはルイズと共にバハムートの背に乗っていた。

「凄い早い!」
「これでも、抑えている方だがな。人間は軟弱過ぎる故の配慮だ」
「こ、これで? もっと早くできるの!?」
「容易いことだ」

 目をキラキラとさせたルイズに、スコールは何度目か分からないため息をついた。
 事のいきさつはこうだ。

1、虚無の曜日(休日のことらしい)だから、街まで行くわよとルイズに言われる。
2、この世界の事については情報収集をした方が良いと判断して承諾するスコール。
3、だったが、馬がチョコボとは違いとても乗り心地が悪い為、仕方が無いとバハムートに乗る事になる。
4、ルイズが喜んだ。うるさい。

 正直、先ほどから横でキャーキャーとうるさいルイズに何度ため息を吐いたか分からない。
 バハムートも調子に乗ってきており、「(ラグナロクがあれば……)」とどうしても考えてしまう。
 そうこうしているうちに街に着いたので、高度を落としたバハムートからルイズを抱えて飛び降りる。

「きゃっ!」
「……ふぅ…バハムート、ありがとう」
「ワレは貴様の力。貴様に呼ばれるままに使役される力だ」

 そう告げて、スコールの中へ帰っていく。

「もう着いちゃった……本当、デタラメね、あなたの使い魔」
「…竜の王と呼ばれる奴だからな」
「そんなバハムートに勝っちゃうあなたも大概だと思うけど」
「………行くぞ」

 ルイズの買い物とはスコールとルイズの分の服のことらしく、まず女性物の服ということでルイズの行きつけの店へ入って行った。
 もちろん女性服専門店だったので中には女性しかいなく、スコールは入って早々に出て行こうとしたがルイズに止められて、渋い顔をしたがなんとか中に入る。
 視線が集まり、「(どこも変わらないな、これは…)」と腕を組んで眉間に皺を寄せる。
 そんなスコールにお構いなくルイズは試着をしたり服を見たりと楽しんでいる。
 まったくこっちの事を気にしてくれないルイズに「(……リノアとセルフィと行った時は、アーヴァインがいてくれて助かったんだがな…)」と普段気にもしてなかった男の友人のありがたみを思い知った。

「あなた、平民かしら?」
「………」

 声をかけられて視線を上げると、目の前に明らかに私貴族です、みたいな宝石や高級そうな服で自分を装飾した三人組がいた。

「……そうだが」
「まぁ! 聞きましたか? この神聖な場に平民の、それも男がいらっしゃいますわ!」
「汚らわしい……」

 明らかに歓迎されていないことはよく分かる。
 むっ、として睨むように見るが、余裕そうな顔を見て、視線を逸らす。厄介事の予感しかしないからだ。
 そんな態度のスコールにしつこく絡んで行く三人。

「ご主人様の付添いですの? 忠犬も大変ですわねぇ」
「(忠犬……サイファーのことか?)」
「あら、外で待つ分、犬の方がまだ利口というものですわ」
「そうですわね!」
「(ゼルが聞いたらキレて地面を殴りそうだな。あいつのパンチを見たらどんな反応をするんだ?)」
「………どこを見ていますの?」
「別に」

 こっちに来てからよく絡まれるな、と思ったが、よく考えたら向こうでも色んな人間に絡まれたもので、もしかしたら自分がそういう運命にいるんじゃないかと思う。
 もちろんスコールの態度は貴族としてのプライドに傷をつけるもので、三人の顔が怒りの色で染まる。

「………ここの貴族ってのは、一々何かに突っかからないと気が済まないのか?」
「なんですって!?」
「平民がこの場に相応しくない? なら人を無遠慮に犬扱いするあんたらはこの場に相応しいのか? 貴族とかいう存在の底が知れたな」
「あなた! 自分の言っている意味が分かっていますの!?」
「なら聞くが、黙ってこの場をやり過ごしてやろうとした俺と、それでもしつこく平民と言うだけで絡んで馬鹿にしたような発言を繰り返したあんたら、この場合人として正しいのはどちらだ?」
「…………」
「あぁ勿論、貴族というだけでやることの全てが正しくなるんなら構わん。勝手にそう思っていろ。だが俺には関係ないな」

 黙ってしまう三人。
 当然だろう、言われて考えてみても、目の前の平民が言っていることは正しいし、貴族というだけで自分達の行為が正当化されるとは思えなかったからだ。

「言われなければ考えることすらしないなんてな。魔法の勉強をする前に人としての常識を弁えたらどうだ?」
「………ッ!」

 キッ、と睨んでくる。
 スコールも見つめ返す。
 30秒間くらい見つめあい、やがて貴族の女性は顔を赤く染めて走り去っていった。他の二人もあわてて追いかけていく。

「……………はぁ」

 こんなのばかりなら、この国に何度喧嘩を売るか分からないな、というため息だ。
 いつの間にかルイズが横に立っていた。

「な、なにしてるのよあんた…」
「別に…」
「別に禁止!」
「……なんでもない」
「もおおお! 貴族に喧嘩なんて売るんじゃないわよ馬鹿! 何されるか分からないのよ!?」
「そうなったら力づくで押し通す」
「なんでよ!?」
「そもそも権力の暴力で来る相手だ。それならこちらも腕力の暴力で通っても、何も問題は無い」
「あんたクールなフリして意外と沸点低いわよね…」

 キスティスとアーヴァインに同じことを言われたことがあったので、なんとなく図星を突かれた気分になってしまう。

「(俺ってそんなに怒りっぽいか?)」

 キスティスが近くにいたら確実に心を読まれて笑われただろうな、とまたため息を吐いてしまった。

「買い物は終わったのか?」
「え、えぇ。後でまとめて寮に届くようにしてもらったの」
「そうか」
「今度はあんたの服よ」
「………」
「なによ?」
「いや……なんでもない」

 少し街を見て分かったがスコールの服の趣味に、この世界の衣服はまったくと言って良いほど合致していない。
 衣服やアクセサリーに拘りがあるスコールにとっては、できるだけ避けたいものだ。
 シエスタには、何を来ても似合っているというようなことを言われたが、似合っているか似合っていないかではなく、好みか好みじゃないかの話である。
 スコールの反応を見て、ルイズは、「あぁ…」と納得した。

「そうね、あなたの服のようなのは売ってないかも」
「だろうな」
「うーん……とりあえず行ってみない? 色々探せば良いのがあるかも知れないし」
「………あぁ」

 男性服専門店に来たは良い物の、やはり見合ったものはなかった。
 どれもこれもシュミ族の服のようなばかりで、動きにくいことこの上ない。

「やっぱりダメ?」
「………我が儘を言っていられる状況でもないんだが、これなら自分で服を作った方がマシかも知れないな」
「もう…どうするのよ?」
「……………。ルイズ、今日は俺の服は良い。そのうち俺が勝手になんとかする」
「あぁ……うん。じゃあその時にまたお金を渡せばいい?」
「…思うんだが、給料制にした方が良いんじゃないか?」
「え?」
「必要になった時にいくらくれ、となると、そちらが不利になるかも知れないし、こちらも面倒だ。それなら一日いくらの給料を支払うことで契約とするようにした方が良いんじゃないかと思うんだがな」

 言われて、うーん…とルイズは唸る。
 使い魔に対して決まった給料をあげるということは聞いたことは無いし、ルイズだってお金を持っている訳ではない。
 スコールは有能な戦士であり、下手な金額で雇う訳にもいかないし、仮にこちらの金銭が切れたら契約終了ということになるだろう。
 それでスコールが離れてしまっては、かなり痛い。
 どうしようどうしようと頭がグルグルしてくるルイズ。

「………いや、すまない、忘れてくれ。俺もそっちの方が気が楽だと思っただけで、お前がそういうのが無理ならどっちでも良い」
「あ、うん。ごめんなさい…」
「ただ、必要になった時に頼む」
「あまり高くしないでね?」
「善処する」

 少しお腹が減ったということで、どこかで外食をすることにしたルイズ。
 何を食べようかという話にスコールは「なんでもいい」と一言だけ返し、仕方なくルイズがどうしようかと考え始める。

「(あ、あそこのご飯は安くて美味しいのよね。あそこにしよ)」

 と後ろを振り返ると、そこにスコールはいなかった。
 慌てて周りを見るとナンパされているスコールが。

「ねぇ、どこに仕えてるの?」
「何歳?」
「かっこいいですぅ」

 ボインな女三人に言い寄られて、嫌そうな顔をしているスコール。
 ボインがボインボインでイラァとしたルイズが、滅茶苦茶に怒鳴り散らして追い払う。

「何してるのよあんた!」
「………べ」
「別に禁止って言ったでしょ!」
「……アクセサリー屋が無いか探していたんだ」
「アクセサリー?」

 ルイズが、チラリとスコールのつけているネックレスを見る。

「改めて見るけど、凄いわね、これ……こんなの見たこと無いわ」
「………だろ?」
「これ、マンティコア? 凄い似てるけど」
「マンティコア? いや、これはライオンという架空の動物だ」
「へぇ……スコールはアクセサリーが好きなのね」
「まぁな」
「あ、そうじゃなくて、行く所決まったから離れないでよ!」
「気を付ける」

 ルイズはスコールの手を取って、先ほど見つけた食事場まで向かう。

「(何故手を握っているんだ?)」

 疑問を浮かべていると、叫び声が聞こえてきた。

「泥棒よ! だ、誰かー!」

 辺りがざわめきだす。咄嗟にルイズを背中に守るようにして端の方に後ずさる。
 男が向こうの方に走り去っていき、女が地面に倒れている。
 ドンッ! と言う音やバチッ! という音が響いてきて、交戦中であることが分かった。

 良く見ると倒れている女はスコールに先程の店で絡んできた女だ。
 横には不安そうな表情をしたルイズがいる。

「それで、どうする?」
「…………」

 ルイズとしては、スコールに絡んでいた女性の態度が気にくわなかったので、痛い目見て反省でもしなさい! という感情があった。
 だが貴族として見てみぬフリをしたくもない。
 少しだけの間眉間に皺を寄せる。

「……貴方なら、捕まえられる? 見たところトライアングルクラスのメイジもいるけど」
「敵は三人、一人は強力だが、他二人はライン……だったか? そのレベルだ。手こずるかもしれないが、やれないことはない」
「そう、じゃあ、お願い」
「報酬は?」

 スコールの顔がいたずらっ子のように笑っていたので、ルイズは冗談を言ってることが分かった。

「じゃあ、好きなもの一つ買ってあげる」
「了解」

 片手を上げて、ガンブレードを取り、一気に跳躍する。
 他の通行人や兵士が足止めをしていたが、どうやらそろそろ押し負けそうな勢いだった。
 その二つの勢力の間に降り立った。
 そんなことをすれば当然二方向からの魔法攻撃の板挟みになるが、剣で軌道を反らし、片方のは半歩下がって避ける。

「な、なんだお前は?」
「……下がってろ。俺が仕止める」
「はぁ? 平民風情が何を!」
「問答するつもりはない。巻き込まれたくなければ、下がれ!」
「ふざけるな!」

 交戦していた貴族側からは罵倒が浴びせられる。
 プライドの塊である彼らの前に、でしゃばってくる平民がいれば当然だろう。

「へへ、武功を挙げて士官したり貴族に取り入ろうって腹か?」
「なんなら俺らが飼ってやろーか? 色男!」

 盗賊の連中にすら煽られる始末で、沸点の低いスコール的には皆蹴散らしてやろうかとも思うが、流石に不味いか……。
 面倒だったので、イフリートを召喚した。

「……主よ、何をすれば良い?」
「そうだな、騒いでる奴から排除してくれ。いつか静かになるだろ」

 その言葉に貴族たちは絶句し、押し黙る。
 平民かと思ったら使い魔を使役し、しかもその使い魔は強大な力を有していることが見るだけで分かるほど。
 つまるところスコールが強力なメイジに見えたのだ。

「テメェ……国の衛士か!」
「答える義理は無い」
「ナメやがって! 死ね!」

 風の刃が襲いかかる。
 だがスコールに襲いかかる直前でそよ風へと変わった。
 空中で予めシェルをかけておいた為、霧散したのだ。

「な、なんだその魔法は!?」
「殆ど無効化されるなんてな……手加減でもしてくれたのか?」
「クソ!」

 炎の塊が突っ込んでくる。
 今度はシェルを通過してスコールを殴るが、それでも威力はかなり抑えられている。
 イフリートはその炎を見て、フンと鼻を鳴らす。

「それは……炎のつもりか? やはり人間は弱い……」

 そう言うとイフリートが炎を纏って突進した。
 炎を吐き出したメイジが一撃で吹き飛ばされると、その炎が体を燃やす。

「ぎゃぁぁぁぁぁ!」

 断末魔が聞こえ、周りが熱風に数歩後ずさる。
 燃える盗賊にウォータをかけてやると、ショックで気絶をしたようだ。


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