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第七十五話「怪談・ミノタウロス」


ウルトラマンゼロの使い魔
第七十五話「怪談・ミノタウロス」
オイル超獣オイルドリンカー 登場



 それは、ゼロが命の光を引き替えにゼロキラーザウルスを消滅させてから、才人が発見されるまでの
間の出来事だった。

「キャアアアァァァ!」
『うっらぁぁぁッ!』
 夜の帝政ゲルマニアの、地球で言うところの工業地帯が設けられた湾岸。今この地でグレンファイヤーは、
立ち並ぶ工場を襲おうとした怪獣……いや、超獣と戦いを繰り広げていた。
 超獣の名はオイルドリンカー。アルビオンの死闘での超獣軍団の中にはいなかった超獣だ。
「キャアアアァァァ!」
 オイルドリンカーは口から高熱火炎を吐く。そして場所はあちこちに火石や油など可燃物が
充満している工業地。かわしてしまったら非常に危険だ!
『ふんッ! こんなもんかよッ!』
 だがグレンファイヤーはかわそうなどと微塵も考えず、火炎を真正面から受け切った。
そして炎の戦士の彼にダメージを与えられる威力はなかったようだ。
『ヤプールのみじめったらしい置き土産が! とっととケリつけてやるぜぇッ!』
 グレンファイヤーは火炎を受け止めながら前進。オイルドリンカーに肉薄して強烈な炎の
アッパーを食らわせた!
「キャアアアァァァ!!」
 巨体が軽々と空へ吹き飛んだオイルドリンカーは、炎の拳が体内の可燃物に引火、大爆発を起こした。
しかしはるか上空まで飛ばされていたので、工業地に被害はなかった。
『よっとぉッ!』
 オイルドリンカーを一蹴したグレンファイヤーは空を飛んで工業地を離れていき、適当な人のいない
場所でグレンウェールズの姿に戻った。
「ふぅ……あいつを見逃してたらハルケギニアにでけぇ被害が出てたとこだった。ったく、ヤプールめ、
消滅したってのにまだこっちを苦しめようとしやがるとは。ほんとに始末が悪い奴だぜ……」
 悪態を吐くグレン。先ほどのオイルドリンカーは、ゼロキラーザウルス=巨大ヤプールが
消滅間際に密かに飛ばしていた自身のマイナスエネルギーの結晶が成長して誕生したもの
なのであった。しかも地球では名の通りオイルを食らう超獣だったのが、ハルケギニアの
主要エネルギーである火石や風石などを食らう性質に変わっていた。ミラーナイトが、
結晶が浮遊大陸から地上の大陸へと放たれるのに気づいていなかったら、オイルドリンカーが
ハルケギニアのエネルギーを奪い尽くしてしまっていたところだった。被害が出る前に
発見できて、本当によかった。
 そして勝利したというのに不機嫌そうなグレンである。この時点ではゼロと才人の行方が不明で、
彼らを心配するあまり気が気でない状態が続いていたのだった。オイルドリンカーをいつにもまして
荒々しいやり方で倒したのも、そこが影響していた。
「ミラーナイトの話じゃ、放たれた結晶は二つってことだったな。一つは今のでぶっ飛ばして、残り一つは……」
 ミラーナイトはヤプールの結晶の行方もちゃんと確認してくれていた。一つはここゲルマニア、
そしてもう一つは……。
「ガリア王国だったな」

 そういうことでグレンがガリア王国に移り、結晶の落下地点と思しきある一地方で調査を
行っていたところ、身長がデコボコの二人娘に出会った。
「あッ、あなたは!」
「おぉー、お前たち。久々じゃねぇか。魔法学院での戦い以来だな」
 それはタバサとシルフィード。学院がメンヌヴィルと、超獣軍団の襲撃を受けてからずっと
顔を見ていなかった。何故かコルベールの遺体を実家に持ち帰ったキュルケについていった
ということだけは聞いていたが。
 今のシルフィードは人間の姿に化けている。そしてシルフィードの正体が風韻竜イルククゥと
いうことは秘密のはず。なのだが……。
「タバサも、シルフィードも元気そうじゃねぇか。よかったぜ」
 グレンはひと目で、タバサのお付きがシルフィードだと見抜いた。これにより、タバサは
シルフィードにきつい視線を向けた。
 その視線には、何故彼がそのことを知っているのか、という疑問が非難とともに乗せられていた。
「お、お姉さま! これは、その、違うのね! シルフィからバラした訳じゃないのね! 
何て言うか、その……!」
 非難の視線から逃れようとするかのように、必死に弁明するシルフィード。その額は冷や汗
だらだらだった。
 シルフィードを擁護するように、グレンはカラカラ笑った。
「だーいじょうぶだぜ、タバサ。シルフィードのことは誰にも話したりしてねぇからよ。
こいつと男の約束をしたからな!」
「だから、シルフィは女の子なのね……」
 果たしてグレンはいつ、どのようにシルフィードの秘密を知ったのか? それはまたの機会に
語るとしよう。今回の話は、それが主題ではないのだ。
 タバサたちと遭遇したグレンは、ともに場末の酒場に入って、食事を取りながら会話することにした。
と言っても、タバサは無口なのでグレンとシルフィードばかり話しているが。
「ふーん。お前たちは今、キュルケんとこに身を寄せてんのか」
「そうなのね。でも戦争が終わったから、もうしばらくして落ち着いたら学院に戻るつもりなのね。
今はお姉さまのお仕事でこっちに来てて、終わったからあの赤毛のお屋敷に戻るとこだったのね」
 タバサは例の如く、イザベラから言い渡された任務をこなしたのであった。だが厄介になっている
ツェルプストーの屋敷に帰る道中でシルフィードが、お腹すいた、街でご飯食べたいと駄々をこねたので、
仕方なく街にやってきたという経緯であった。
「なるほどねぇ。……しかし、お前たちといると思い出すな、あの時のこと……」
 グレンは沈んだ表情を見せた。超獣軍団との戦いで死なせてしまったコルベールのことを思い返したのだ。
「くそッ、悔やんでも悔やみ切れねぇぜ。俺がもっとちゃんとしてりゃあ……」
「あッ、そのことなんだけど……」
 シルフィードが何かを言いかけたが、その瞬間タバサが素早くシルフィードの脇腹を小突いた。
「ん? 今何か言ったか?」
「あっ! な、何でもないのね!」
 慌ててごまかしたシルフィードは、話題をすり替える。
「そ、それより、グレンはこんなところで何してるの?」
「ああ、実はな……」
 グレンがヤプールの結晶の調査の件を話そうとしたその時、店の片隅にいた痩せこけた老婆が
タバサの元にすがりつくようにすり寄ってきた。
「ん? どうしたのね?」
 シルフィードがそちらに気づくと、老婆はタバサに涙声で訴えた。
「騎士さま! 騎士さまをこれと見込んで、お頼みしたいことがありますのじゃ!」
 奥から店主が出てきて、老婆の肩を掴んだ。
「おいばあさん! そういうことは他所でやってくんな! 商売の邪魔だ! 失礼しました騎士さま。
このばあさん、頭が少しアレなんで」
「お前に話しているわけじゃないよ! 黙ってておくれ! ごほ! ごほごほ!」
 クソババア……、と、咳き込む老婆に店主が腕を振り上げたのを、グレンが腕を掴んで遮った。
「やめな。お年寄りには優しくするもんだぜ。ほらばあさん、これ飲んで一旦落ち着きな」
 グレンが差し出したワインの杯を、老婆はすするように飲んだ。ゆっくりとその呼吸がおさまっていく。
「おお、この婆の頼みを聞いてくれますか……」
「ほっときなせえ! このばあさん、昨日ふらりとやってきたと思ったら、来る客来る客に
同じことを話すんでさ! まったく薄気味悪いったらありゃしねえ!」
 店主の言葉をタバサが無視して、老婆を促した。
「話して。なにがあったの」

 タバサたちのテーブルで、ドミニクと名乗った老婆はとつとつと自分たちの村、エズレ村に
起こった悲劇を語った。
「ミノタウロス?」
 最近、村の近くの洞窟に、ミノタウロスと呼ばれる牛頭の怪物が住み着いた。ミノタウロスは毎月一人、
若い娘を要求しているのだという。要求に応じなければ、村人を皆殺しにすると脅しているとのことで、
老婆はタバサにミノタウロス退治をお願いしたいのであった。
「十年ほど前にも、一度ミノタウロスは住み着いたのです。そのときも、こうして行きずりの
騎士さまにお退治願ったんでございます」
「領主様に訴えな! それが筋ってもんだ!」
「エメルダ様にはもう訴えただよ! だが、多忙を理由に断られちまっただよ! まったく絞るだけ
年貢を絞るくせに、いざとなるとナシのつぶてだわさ! こんなちっぽけな村一つ、どうなっても
いいってことだわさ!」
 すると店主は、困ったように言葉を返した。
「なんだね、まぁ、気の毒だが……、それがお上ってもんだ。というかなぁ、知ってるだろ? 
この辺りじゃ最近、質の悪い牛泥棒が流行ってて、酪業に無視できねえ被害が出てんだ。
ミノタウロス退治どころじゃねえんだよ」
「なんだい、わたしらみたいな貧乏人は、黙って娘がとられるのを我慢しろっていうのかえ?」
「いや、そうは言ってねえが……、物事には順番ってものがあるだろうよ」
 老婆はそれ以上、店主の言葉に耳を貸さずに、タバサに向き直った。
「重ねてお願い申し上げます。なにとぞ、あの化け物を退治してくだされ。最初に生贄に選ばれたのは、
わたしの孫娘なのでございます……。可愛い可愛い娘なんです。まだ嫁入り前だってのに、この世の
幸せをなに一つ知らんで死ぬなんて、ほんとに可哀想な話じゃありませんかえ」
 それを傍から聞いていたグレンが膝を叩いた。
「全くその通りだッ! 安心しな婆さん。ミノタウロス退治は俺がやってやるよ!」
「へ?」
 タバサに頼んでいたのにグレンが返事したので、老婆はきょとんとしてしまった。
「なぁーに、自分で言うのも何だが、俺はメイジじゃねぇが百戦錬磨の傭兵よ。怪物牛なんかにゃあ
負けはしねぇぜ!」
「グレン、ミノタウロスはまずいのね。ただの怪物じゃないのよ」
 シルフィードが忠告した。ミノタウロスは首をはねてもしばらくは動くことのできる生命力を持ち、
巨大ゴーレム並みの怪力を誇る、恐ろしい怪物だ。おまけにその皮膚は刃や矢弾など受け付けないぐらいに
硬いのである。小型の怪獣と呼んでも差し支えないだろう。
 だがそれで怖気づくグレンではない。
「なぁに、素手じゃ敵わんごついやでかいかもしれねぇが、こちとら人間様だい! 知恵比べで
参らせてやるぜ!」
 知恵比べからは最も縁遠そうな男がそう言った。
「ミノタウロスは悪知恵も働くのね……」
 シルフィードは呆れてため息を吐いた。しかし、グレンが真の力を解放すればミノタウロスなんかに
絶対負けはしないだろう。もっと大きくて力が強い敵と戦う日々なのだから。そのため、そこはあまり
心配していない。
 一番心配しているのは……タバサがどう返事するかだ。その肝心のタバサは、老婆にこう
尋ねたのであった。
「どこ?」

 ということで、タバサたち三人はミノタウロス退治のためにエズレ村に赴いた。エズレ村は、
なるほど領主が見捨てたのも頷けるような、わずかな畑が広がるばかりの寒村であった。
 ミノタウロスは獣の毛皮に血文字で、『次に月が重なる晩、森の洞窟前にジジなる娘を用意するべし』
と要求したという。だがタバサはここで疑問を抱いた。食べるために娘を要求するミノタウロスは、
普通名指しなどしないはずである。実際、十年前の事件の時はただ“若い娘”とだけ書いてあったという。
これは一体?
 それはともかく、タバサはミノタウロス退治のための作戦を講じた。まずは、相手を見極める
必要がある。そのための策とは……。
「こんなことだと思ったのね」
 指定の晩に、洞窟の前にジジと同じ服を着て、同じ色に髪を染められたシルフィードが縛られて
転がされた。彼女を囮にして、ミノタウロスを観察するという算段であった。タバサやグレンでは
体格が違いすぎるので無理だったので、シルフィードにやらせた。
 そうして現れたミノタウロスは……かなり奇妙だった。洞窟に住み着いているはずなのに
茂みから現れ、シルフィードをすぐに食らおうとせずに抱え上げてどこかへと連れ去り始めたのだ。
しかも、シルフィードはそのミノタウロスから獣の臭いがせず、代わりに汗の臭いを嗅ぎつけた。
決定的だったのは、首の皮が胴体とつながっておらず、腕に生えた毛が完全に人間のものだったことだ。
 ここまで説明すればお分かりだろう。このミノタウロスは本物ではない。大男が、牛の首の
被り物を被っただけのものであった。
 にせミノタウロスが向かった先には、五人のならず者がいた。そういうことだったのだ。
ならず者の集団が、エズレ村の過去の事件を利用して人さらいをしようとしていたというのが
真相だったのだ。
「剣を持った人が二人に、銃が二人。槍まで持っちゃってからに……。ミノタウロスの人は
大きな斧なのね。ああ、怖いのね。あう、恐ろしいのね」
 シルフィードはさりげなく、いや、わざとらしく、尾行してきているだろうタバサとグレンに
ならず者たちの得物を教えた。が……。
「お前……、よく見りゃ、ジジじゃねえな?」
 カンテラの明かりで観察されて、シルフィードの変装がばれてしまった。
「こいつなんだか怪しいぜ。おいお前、何者だ? ……領主の手の者じゃねえのか?」
「違うのね」
 シルフィードはとぼけたが、ミノタウロス役だったならず者は追及する。
「おい、エズレ村の村長の名前を言ってみろ。お前があの村の者なら、言えるはずだな」
 そんなの知らない。シルフィードが窮した、その時!
「うらあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!」
「な、何だ!?」
 グレンが一気呵成に飛び出してきた! ならず者たちが動揺している隙に、まずは一番危険な
銃持ちの二人に当て身を食らわせて昏倒させる。
「ち、ちくしょう! やっぱ領主の差し金だったんだな!?」
 残る三人が武器を構え直したが、その手にタバサの氷の矢が正確に突き刺さり、武器を
落としてしまった。その武器も全てグレンが素早く投げ捨てて、ならず者の手の届かない
ところへやった。
「動かないで。次は心臓を狙う」
 あっさりと決着はついた。ならず者たちは降参して手を上げる。
「縛り上げて」
「はいなのね!」
 シルフィードに巻きつけていたロープで、三人を一まとめに縛り上げた。これで完全に無力化だ。
シルフィードが男たちを問い詰める。
「誰がリーダーか言うのね!」
「私だ」
 振り返ると、捕まえたならず者たちとは別の男がこちらに杖を向けていた。メイジの盗賊だ!
 しかし一流の戦士であるグレンは、その攻撃の気配に既に気づいていた。
「危ねぇッ!」
 彼はタバサとシルフィードの手を引き、男の放ったウィンディ・アイシクルから逃れさせた。
「何!? 小癪なッ!」
 男は新たに呪文を紡ごうとしたが、その瞬間にグレンは踏み出していた。電光石火の踏み込みで
男との距離を縮める。
「はッ!?」
「おせぇッ!」
 グレンは男の反応を許さずに杖を奪い取り、ベキリと力ずくでへし折った。それにより
男は一気に青ざめる。杖を失っては、痩せ気味の彼では屈強な肉体のグレンに敵う訳がない。
 グレンは拳をポキポキ鳴らした。
「女相手に後ろから襲いかかろうなんざ、ふてぇ野郎だ。性根叩き直してやるぜ」
「……」
 メイジの男はダラダラ脂汗を垂らすと……背中を向けて一目散に暗闇の中へと逃走し出す。
「待てこらぁッ! 逃がすかよ!」
 当然すぐに追いかけるグレン。足でも彼に敵うはずがない。すぐにとっ捕まえて、それでこの
にせミノタウロス事件はおしまい……。
 そう思われたが、事態は意外な方向に進んだ。
「ぎぃやああああああああああああああああ!」
 男が暗闇に飛び込んですぐに、男の声が轟いた。悲鳴として。
「ああ!? な、何が起きた?」
 さすがに動じるグレン。男に追いつくと、何とメイジの右腕が肩からなくなっていた!
 メイジの男は激痛と失血で、瞬く間に気絶して倒れ込んだ。その傍らに立っているのは……。
「なッ……!? こいつは……!」
 高さは二・五メイルはあるだろうか。丸いボールを繋ぎ合わせたかのような筋肉が身体中に
盛り上がり、見る者を圧倒する。その右手には、子供の大きさほどもある大斧を握り締めていた。
今まさに、メイジの右腕を切り落とした大斧であった。
 そして、異様なのはその頭である。
 太い角が巻貝のようにねじれながら生えていた。
 突き出た口からは涎が垂れ下がる。
 鼻と口から吐き出された息が夜風に当たり、白くにごる。
 首の上に存在するのは、紛れもなく雄牛のそれであった。
「ミノタウロス! しかも本物だ!」
 エズレ村を脅すミノタウロスはならず者の変装だったはずなのに……グレンの目の前に現れたのは、
確かに本物のミノタウロス! さすがに度肝を抜かれたグレンだが、即座に警戒して格闘の構えを取る。
 ならず者を全員眠らせてから彼の後に続いてやってきたタバサとシルフィードも絶句した。
タバサは咄嗟に杖を構えて臨戦態勢に入り、シルフィードは震えて立ち尽くした。
 突っ立っていたミノタウロスはやおら動きを見せる。グレンとタバサはより緊張で強張ったが……
ミノタウロスは彼らに襲いかかったりせず、何故かメイジの男の腕を拾い上げ、元の肩に押し当てた。
「?」
 その行為に呆気にとられるタバサ。ミノタウロスは獰猛な食人の亜人。人間は食い物としか
見ておらず、その行動に一切の慈悲はない。それなのに、このミノタウロスは何をやっているのか?
 ミノタウロスは腕を肩の切り口に押しつけたまま、喉から野太い声を発した。獣の咆哮ではなく、
れっきとした人の声。だが、どことなくぎこちなかった。ミノタウロスの喉を使って、無理やり
声を絞り出している、そんな感じだった。
「イル・ウォータル……」
 しかも出てきた言葉は、確かに人間の使う魔法の呪文だった。
「じゅ、じゅ、呪文?」
 面食らうシルフィード。呪文を使うミノタウロスなど、聞いたこともない。
 メイジの腕が、みるみるうちに繋がっていく。なんとも見事なヒーリング。ミノタウロスの、
人間の真似事という訳でもなさそうだ。
「こいつをロープで縛りなさい」
 ミノタウロスが丁寧な口調で言った。グレンがその通りにすると、タバサがミノタウロスへ尋ねる。
「……あなたは?」
「そうだな。この姿では、わたしが何者なのか気になるだろうな。まあいい、説明しよう。
こっちに来たまえ」
 ミノタウロスに促されて、タバサたちは前にシルフィードを寝かせていた洞窟まで戻ってきた。
果たしてこの奇妙なミノタウロスは何者なのだろうか?
 よく見たら、ミノタウロスの右腕には何故か鼻ぐりが嵌められていた。


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