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第六十八話「恋するレギュラン」


ウルトラマンゼロの使い魔
第六十八話「恋するレギュラン」
熔鉄怪獣デマーガ
悪質宇宙人レギュラン星人 登場



 トリステインの一画の平原で、グレンファイヤーが大地を破り出現した怪獣の相手をしていた。
「グバアアアア! ギャギャギャギャギャギャ!」
 典型的な恐竜型の怪獣で、背中にはサメのものに似た背びれが縦に並び、頭頂部には一本角が
黄色く光っている。この怪獣の名はデマーガ。肉体の79%が溶けた鉄という特異な体質の怪獣で、
そこにいるだけで大気が熱せられて水が沸騰するほどの高熱の持ち主なのだ。
「グバアアアア! ギャギャギャギャギャギャ!」
 デマーガの背面が赤熱化すると、そこから火山の噴火を彷彿とさせる勢いで火炎弾が発射された! 
火炎弾は辺り一面に降り注ぎ、瞬く間に平原を火の海に変える。
『うおッ!? こいつはやっべぇ怪獣だぜ!』
 咄嗟にデマーガの攻撃をよけながら、グレンファイヤーは焦りの言葉を発した。これほどの破壊を
巻き起こす怪獣が市街地に入り込んだら、甚大な被害が出ることは確実。絶対に食い止めなければならない。
『だが、熱さでこのグレンファイヤー様が負けてたまるかぁ―――――! うおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!』
 対抗心を駆り立てられたグレンファイヤーは真正面からデマーガに挑んでいき、取っ組み合った。
「グバアアアア! ギャギャギャギャギャギャ!」
『ぐぅッ!』
 だがデマーガの腕力は高く、さしものグレンファイヤーも押され気味になる。デマーガには
これといった特殊能力はないが、その代わりに筋力に優れたパワー型の怪獣なのだ。
「グバアアアア! ギャギャギャギャギャギャ!」
 そしてデマーガは至近距離からグレンファイヤーに口からの熔鉄光線を食らわせた!
『ぬおおぉぉぉッ!?』
 デマーガ必殺の一撃により大きく弾き飛ばされるグレンファイヤー! しかし、さすがは炎の戦士。
その攻撃を耐え切った!
『何のこれしきぃッ! ファイヤァァァァァァッ!!』
 胸のファイヤーコアを熱くたぎらせて、グレンファイヤーは再び突っ込んでいく。そして今度は連続パンチ!
『おらおらおらぁぁぁ―――――!』
「グバアアアア! ギャギャギャギャギャギャ!」
 炎のパンチの猛攻にデマーガはなすすべがない。ボディに、顔に拳を浴びて大きくひるむ。
『こいつでとどめだぁぁぁぁぁぁぁッ!』
「グバアアアアッ!!」
 そうして強烈なアッパーが炸裂した! それが決め手となってデマーガは大爆発を起こして倒れた。
 今日も怪獣を撃破したグレンファイヤーは、縮小して人間のグレンの姿へと戻っていく。
「ふぅ、いっちょうあがりだぜ。……にしても、ゼロとサイトの奴はどこに行っちまったんだ……。
本当に死んじまったなんてことはねぇよな……」
 グレンが一向に行方の知れない才人、そしてゼロのことを案じたその時、近くの水たまりに
ミラーナイトの顔が映り込んだ。
『グレン、グレン。大事なお知らせがあります。ゼロとサイトのことです』
「何!? あいつらが見つかったのかミラーナイトッ!」
 グレンはすぐさま水たまりに飛びつくようにした。それだけ聞きたかったことなのだ。
『ええ。心して聞いて下さい……』
 ミラーナイトはそんな彼に、アルビオンのウエストウッド村で発見した才人のことを全て話した……。
「な……何だってー!?」

 その肝心の才人は、たった今絶体絶命の窮地に陥っているところだった。
『グハハハハハ! さぁ~て、覚悟はいいかなぁ~!? よくなくても殺すがなぁ~!』
 才人はレギュラン星人に踏みつけられて、全く身動きの取れない状態。デルフリンガーも
弾かれてしまい、完全なる丸腰。もうレギュランの気分一つで命が絶える、どうしようもないありさまだった。
(ゼロ、ごめん……。せっかく命をつないだのに、俺が弱っちぃせいで、こんなことでまた
死んでしまうなんて……)
 才人は己の弱さを恥じた。後悔した。しかしもう、何もかもが遅すぎる。
 最早ここまでと、反射的に目を閉ざした、その時、
「サイト、どうしたの? さっきから変に騒がしいけれど……」
 小屋の陰からティファニアがひょっこりと顔を出した。そして現状を目の当たりにして、
ハッと息を呑む。
「これは……!」
『んん~? むッ! これは何とも美しい娘がいたものだ! 全く驚きだ!』
 ティファニアに目を向けたレギュラン星人は、その美貌に思わず釘づけとなった。
『こいつは宇宙の好事家に高く売れそうだな! ガッハッハッ! 思わぬ収穫だ!』
「ぐッ……テファ、逃げろ……!」
 レギュラン星人はティファニアにまで手を出そうという。才人は必死にティファニアへ警告を向ける。
 しかしティファニアはそれに従わず、驚くべき行動に出た。懐から小さく細い杖を取り出すと、
朗々と呪文を唱え始めたのだ。

 ナウシド・イサ・エイワーズ……
 ハガラズ・ユル・ベオグ……
 ニード・イス・アルジーズ……

「こ、この呪文は……!?」
 才人は驚いた。ティファニアはメイジだったのか。
 しかもただのメイジではない。この呪文の響き……ルイズの『それ』に酷似している! ということは……。
『ぬぅ? 魔法を使うつもりか? 馬鹿めッ! この宇宙一の嫌われ者ヅヴォーカァに、
この星の貧弱な魔法など効かぬわ! 受け切って、力の差を見せつけてくれようぞ!』
 レギュラン星人はティファニアが唱えている呪文の正体に気づいていない。余裕を見せつけている。

 ベルカナ・マン・ラグー……

 呪文が完成し、ティファニアが堂々とした態度で杖を振り下ろした!
 その瞬間、レギュラン星人を包む空気が歪み……元に戻った時には、レギュラン星人に
大きな変化が起きていた。
『……ぬ? ここはどこだ? 私はどうしてこんなところにいるんだ? 何をするつもりだったのか……
まるで思い出せない』
 魂を抜かれたかのようにぼんやりと立ち尽くし、そんなことをつぶやいたのだ。才人からも
足をどかし、ポカンとする。
「ど、どうしたんだ……?」
 才人は何が起きたのか理解できずに、同じように呆ける。
『そこの綺麗なお嬢さん、何か知らないかな?』
 レギュラン星人はティファニアに尋ねかけた。彼女はこう答える。
「早く故郷に帰らないと、って言ってましたよ」
 あろうことか、レギュラン星人はその嘘を真に受けた。
『何、そうだったか! それはいかんな。お嬢さん、教えてくれてありがとう! お礼にこの
レギュラン人形をあげよう』
 どこから取り出したのか、レギュラン星人は風車を片手に持った小さなレギュラン星人の人形を
ティファニアに差し出した。
「あ、ありがとう……」
 ティファニアはすごく微妙な笑顔を作った。
『それではさらば! 急げ急げ~』
 そしてレギュラン星人は空へ飛び上がり、本当に帰っていってしまった。唖然としてそれを見送る才人。
 ティファニアの方を向くと、彼女は恥ずかしそうな声で言った。
「……あの亜人の記憶を奪ったの。“森に来た目的”の記憶よ。しばらくしたら、わたしたちのことも
すっかり忘れてるはずだわ」
 才人はこれと似たようなことがあったのを思い出した。戦死したと思われたルネ隊がひょっこり
帰ってきて、それまでのことを何一つ覚えていなかったことだ……。
「じゃあ、竜騎士たちを助けて、その記憶を奪ったのも……」
「そう。あの人たちは知り合いだったのね」
 ティファニアは肯定した。
「……今のは、どんな魔法なんだ?」
 才人が聞くと、ティファニアに代わってデルフリンガーが答えた。
「虚無だよ。“虚無”」
「虚無?」
 意外にもティファニアが聞き返した。
「……なんだ、正体も知らねえで使ってたのかい。とにかく……、お前さんがどうしてその力を
使えるようになったのか、聞かせてもらおうか」
 デルフリンガーの提案で、才人たちはティファニアから詳しい事情を教えてもらうこととなった。

 夜になって、才人とデルフリンガーは居間でティファニアと向き合った。
「待たせてしまってごめんね。夜にならないと、話す気になれないものだから」
 いいよ、と才人は言った。
 ティファニアは自身の生い立ちをゆっくりと語り始める。
「わたしの母はね、アルビオン王の弟の……、この辺りは、サウスゴータっていう土地なんだけど、
ここを含むさらに広い土地を治めていた大公さまの、お妾さんだったの。大公だった父は、王家の財宝の
管理を任されるほどの偉い地位にいたみたい。母は財務監督官さまって呼んでたわ」
 その妾というのは、ティファニアがハーフエルフである以上、エルフであることは確定だ。
「なんでエルフが、その大公の妾なんかやってたんだ?」
 デルフリンガーのもっともな疑問。人間と敵対しているエルフが、よりによって大公の妾というのは、
まずありえないことだ。
「そのあたりのことは知らないわ。エルフの母が、どんな理由があって、アルビオンにやってきて、
父の愛人になったのか、わたしは知らない。母も決して話そうとはしなかったし……。でも、この
ハルケギニアで、エルフのことを快く思ってる人はいないから、何か複雑な事情があったことは間違いないと思う」
 エルフの外見を持つティファニア母子は表に出られなかったものの、穏やかな生活を送っていたという。
しかし、
「そんな生活が終わる日がやってきた。四年前よ。父が血相を変えてわたしたちのところにやってきたの。
そして、『ここは危ない』と言って、父の家来だった方の家に、わたしたちを連れて行った」
「どうして?」
「母の存在は、王家にも秘密だったらしいの。でも、ある日それがバレちゃったらしいのね」
 大公がエルフと愛し合っているなど、前代未聞のスキャンダルだ。当然王は許さず、
ティファニア母子の行方を血眼になって捜した。そして……。
「今でもよく覚えてる。降臨祭が始まる日だったわ。わたしたちが隠れた家に、大勢の騎士や兵隊が
やってきた。母はわたしをクローゼットに隠して、兵隊たちに立ちふさがった。母はこう言ったわ。
『なんの抵抗もしません。わたしたちエルフは、争いを望みません』。でも、返事は魔法だった。
恐ろしい呪文が次々母を襲う音が、聞こえてきた。追っ手たちは、次にわたしの隠れたクローゼットを
引きあけた……」
 ティファニアは、苦しそうな顔でワインを一口飲んだ。
「それで、捕まったのか?」
「ううん……」
「じゃあ誰かが助けてくれたのか?」
「いいえ。さっきの呪文。あれがわたしを助けてくれたの」
「どうして、あの魔法に目覚めたんだ?」
「わたしの家には、財務監督官である父が管理している財宝が、たくさん置いてあった。
その中に、古ぼけたオルゴールがあった。父の話では王家に伝わる秘宝だそうだけど、
音が鳴らないの。だけど、わたしはある日気づいた。同じく秘宝と呼ばれていた指輪を
嵌めると、曲が聞こえることに。不思議なことに、その曲はわたし以外の他の誰にも
聞こえなかった。たとえ指輪を嵌めても」
 才人は息を呑んだ。ルイズの時と状況が酷似している。
「その曲を聞いているとね、頭の中にね、歌と……、ルーンが浮かんだの」
「それが、さっき唱えたルーン?」
「そうよ。クローゼットを兵隊たちにあけられたとき、頭に浮かんだのはそのルーンだった。
気づいたら、父から貰った杖を振りながらその呪文を口ずさんでいた」
 それが“虚無”の魔法の一つ、『忘却』の呪文だったのだ。兵隊は先ほどのレギュラン星人同様、
目的を忘れた。だからティファニアだけは助かったのだった。
 それからティファニアは、紆余曲折あってウエストウッド村に流れ着いた。しかしここは、
村とは名ばかりの親を亡くした子供しかいない孤児院。ティファニアは彼らの世話を焼きながら
生活するようになった。
 村を狙う野盗などは、ティファニアの『忘却』で全て追い返していた。そのためウエストウッド村は
世間から忘れ去られ、戦争の際にも戦火に巻き込まれずに済んだのだという。
「そう、わたしの魔法は“虚無”っていうのね。不思議な力だと思ってたけど……」
「そのことは、あんまり人に言わないほうがいい」
 才人は釘を刺した。
「どうして?」
「“虚無”は伝説なんだ。その力を利用しようとするヤツがいないとも限らない。危険だよ」
「伝説? 大げさね!」
 ティファニアは笑った。
「こんなできそこないのわたしが、伝説? おかしくなっちゃうわ!」
「ほんとなんだよ」
 才人が真顔でそう言ったら、ティファニアは頷いた。
「わかったわ。あなたがそうまで言うなら、誰にも言わない。というか話す人なんか元からいないし、
バレたところで記憶を奪えばいいだけの話だし……」
 世間から外れた場所で育ってきたティファニアには、ことの重大さがよくわかっていないようだ。
今時、侵略者のこともよく知らないようでもある。才人は若干心配したが……今まで誰にも
見つからなかったのなら、そうそう簡単に見つかることはないだろう。
 彼らが話していたところ……いきなり家の扉が外からダンダンッ! と荒々しくノックされた。
「あら……? こんな夜更けに誰かしら。子供たちじゃないわね……」
 怪訝な顔をするティファニア。ノックの音はやたら力強く、また位置が高かった。子供たちの
背丈からは考えられない。
 家人の返事を待たずに、扉は勝手に開け放たれた。
「すいませーん! ここにヒラガ・サイトっていう奴がいるって聞いて来たんですがー!」
 扉を開けた者の顔を見て、才人は目を丸くした。
「グレン!」
 才人の顔を見つめ返したグレンは……一直線に彼に近づいて思い切り抱き締めた!
「うおおおぉぉぉぉぉ―――――――――! サイトぉぉぉぉ――――――――――! 
ホントに生きてたんだなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!」
「うわぁぁッ!?」
 歓喜するグレンはそのまま才人の決して小柄ではない身体を抱え上げ、グルグルと振り回す。
才人は軽く悲鳴を上げた。
「よかったぜぇ! ホントによかったッ! ずっと心配してたんだぞ! ミラーちゃんの
言った通りでほっとしたぜぇッ!」
「ちょっ、グレン、苦しいって……」
 才人が目を回している一方で、ティファニアはグレンの顔を見て唖然としていた。
「えッ……!? ウェールズさま……!?」
 ハッ、と焦る才人。ティファニアの言ったことが全て本当なら、彼女はウェールズの従妹となる。
グレンの正体がバレてしまうか!? と思ったが、
「いや、違う違う。俺はグレンって言うんだよ。ウェールズってのに似てるってよく言われるんだけどよー、
単にそっくりなだけだぜ。関係ねぇから」
「そ……そうですよね。ウェールズさまはとっくに亡くなられたんだし、本人のわけないですよね……」
 グレンのすっとぼけをあっさり信じた。従妹と言っても、ウェールズの顔をよく知っているわけではないようだ。
「おっと、いきなり上がってすまなかったな、お嬢ちゃん。つい興奮しちまってよ。俺はこいつの友達でな」
 才人を下ろしたグレンが謝ると、ティファニアはあっさりと許した。
「構いませんよ。……それより、さっきサイトのことを聞いて来たって言ったけれど……
誰に聞いたんですか? サイトのことは誰も知らないはずなのに……」
「えッ!? あ……い、いやー、あれだよ、風の噂って奴だよ! 噂ってのはどこからともなく
流れるもんだからな! 不思議だよなぁー!」
 冷や汗を垂らして強引にごまかしたグレンは、話題をすり替える。
「そ、それよりサイトのことだ。サイトお前、身体は大丈夫なのか? 今日まで何か危ない目に
遭ったりとかしてねぇか?」
「危ない目……は、昼にあったかな……」
「何!? そりゃマジか!?」
 才人はレギュラン星人の件をおおまかにグレンに話した。とりあえず、ティファニアの
“虚無”の魔法の件は伏せて。
「そうだったのか……。けどお前が無事で何よりだぜ」
 安堵したグレンに、才人はこう頼んだ。
「ちょうどいい機会だ。グレン……お前の旅に、俺を連れてってくれ」
「何?」
 ティファニアは若干驚いた顔で才人を見た。
「サイト、行っちゃうの? でも、トリステインに戻るんじゃ……」
「いや、今の俺にはトリステインに戻る資格がないよ。使い魔じゃなくなったから……。
けれど、ここにずっといるわけにもいかない。昼の奴は、元々俺を狙ってたんだ。
今後もああいう奴が現れるかもしれない。今回は追っ払えたけど、いつも上手く行く
保証なんてないし……。ここに残ってたら、テファたちに迷惑をかける。だから、
ここから離れないといけないんだ」
 と語った才人は、再度グレンに頼み込む。
「そういうわけだから……グレン、頼むよ」
 しかし、グレンは難しい表情で腕を組み、首を横に振った。
「いいや、そいつは駄目だな」
「えッ!? 何で!?」
 グレンは指を差して、才人に指摘する。
「サイト、今のお前はひっでぇ顔だぜ。打ちのめされて自信をなくしちまった、哀れな男の顔だ」
「うッ……」
「そんな奴を喧嘩だらけの俺の旅に連れてくわけにゃいかねぇよ。そもそも俺、暗いの嫌いだしな」
 ばっさりと断れた才人はますます落ち込む。が、
「……けど、どうしても連れてってほしいってんなら、俺が言うことを出来たら連れてってもいいぜ」
「え? それって何だ?」
 顔を上げた才人に、グレンは不敵に笑いかけた。
「よぉっく聞けよ。明日から、俺がお前を鍛える!」
「えぇ!?」
「そんでお前が立派な男に生まれ変わったと俺が判断したら、それでオーケーだ! どうだ?」
 唐突な申し出に、才人は目をパチクリさせた。
「な、何でそんなこと……」
「俺はな、ずっと思ってたんだよ。お前はちゃんと鍛えりゃ一人前の戦士になれるってな。
こっちこそちょうどいい機会だ。みっちりと鍛え込んで、お前のウジウジした空気を
ぶっ飛ばしてやるぜ! デルフ、どうよ?」
「俺には何の異論もねえぜ。相棒が強くなるのは、こっちとしても願ったり叶ったりだ」
 デルフリンガーは賛同する。そして肝心の才人は、
「……わかった。やるぜ!」
「おぉしッ! よく言ったな!」
 承諾した才人に、ティファニアがやや不安そうに尋ねかけた。
「サイト、大丈夫なの? あの人、何だか無茶しそうなんだけど……」
「大丈夫さ。ダラダラしててもしょうがないって考えてたところだし」
 そう答える才人。実際、才人は己の弱さについてずっと悶々としていたのだ。それを解消できる
というのであれば、望むところだ。
「そうと決まれば、嬢ちゃん、わりぃけど今日から俺も厄介になるぜ。よろしくな!」
「は、はい……」
 ビッとサムズアップしたグレンに、ティファニアは若干引きながらうなずいた。どうもグレンの
暑苦しい雰囲気に押されている様子だ。
 何はともあれ、才人は急な話ではあるが、グレンの指導の下に自身を鍛え上げることになったのであった。


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