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幕間その三「春奈と光の国」


ウルトラマンゼロの使い魔
幕間その三「春奈と光の国」
宇宙犬ラビドッグ 登場



 M78星雲。それがどんな星なのか、今更説明するまでもないだろう。そこは我らがウルトラマンゼロの故郷。
M78ワールドの全てのウルトラ戦士の家。地球人の誰もが憧れる、光の国が存在するウルトラマンの星だ。
 その星に今、予定外の地球人の来客が滞在している。彼女の名前は、高凪春奈。ヤプール人と
宇宙人連合の陰謀により別宇宙のハルケギニアにさらわれ、紆余曲折あった末にゼロの手で
このM78ワールドに送り帰されてきて、そしてウルトラ戦士たちに保護されて光の国に招待されたのだ。

 光の国、宇宙警備隊本部。その名の通り、宇宙の平和を守るウルトラ戦士たちが所属する組織、
宇宙警備隊の本部となる施設であり、光の国の上空を常に浮遊している。全てが透き通ったクリスタルで
出来ているような、非常に美しく幻想的な建物だが、その特徴は光の国の建造物としては当たり前の
ものである。光の国の街並みはそんな建物で出来上がっているのだ。
「うわぁ、すごい……。話に聞いてた以上に、美しい世界なんだ、光の国……」
 ウルトラ族にはもちろん見慣れた光景だが、本部の一室の窓から見渡しているところの
春奈にとってその美しさは、心の底から感動できるものであった。彼女もまた、ほとんどの
地球人と同様に光の国に憧憬を抱いていた一人なので、感動もひとしおである。
 彼女は宇宙人連合に利用され、ゼロを闇討ちするための駒とされたのだが、そのことが逆に幸運となって、
一時的に宇宙空間でも生存できる肉体となった。そのため侵略者への対処のためにハルケギニアを離れることが
出来ないゼロでもM78ワールドに送り帰すことが出来るようになり、つい先ほど故郷の宇宙空間に
放り出されたところだった。いくら生存できるとはいえ、どこまでも暗い宇宙に一人漂っている間は
不安な気持ちになったが、ゼロの出したウルトラサインによってすぐに宇宙警備隊員が駆けつけてくれ、
こうして光の国へ運んでくれたのである。
「まさか、ただの高校生だった私が、あの光の国に来ることになるなんて……夢にも思わなかったな……」
 大宇宙に進出した地球の技術水準でも造れそうにない世界の光景をぼんやりとながめながら
一人ごちる春奈。と、その時、彼女の足元に真っ白い毛で覆われた小型犬が纏わりついてきた。
「ワンワンッ!」
「きゃッ!? な、何? こんなところに、犬?」
「驚かせちゃったかな。その子はラビドッグ。タロウ兄さんのペットだよ」
 目を丸くしている春奈の元に、凛々しいながらもどこか可愛らしさを残した顔立ちの青年が歩いてきた。
それにより、ラビドッグという宇宙犬は春奈から離れて、青年の元まで駆け寄る。
「あなたは……?」
 春奈がラビドッグを抱えた青年に尋ねると、青年はこう答えた。
「僕は高凪春奈ちゃん、君を地球まで送り届ける役目を引き受けた者さ。名前はメビウス。
地球では、ヒビノ・ミライという名前を名乗ってた」
「メビウスって……あのウルトラマンメビウスですか!?」
 春奈は目を見張った。ウルトラマンメビウス。地球がまだ怪獣に対抗し切れるほどの力を
持っていなかった時代、通称「怪獣頻出期」に最後に地球を守護したウルトラ戦士だ。
「す、すごい! 歴史の授業で習いました! ここはウルトラの星なんだし、当たり前といえば
当たり前なんだけど……その英雄が目の前にいるなんて! あ、握手してもらってもいいでしょうか!?」
「いいよ。でも、僕が英雄なんて、ちょっと恥ずかしいな。僕は自分にやれるだけのことをやっただけなのに」
「とんでもない! 闇に包まれそうになった地球を救った張本人じゃないですか!」
 感激した春奈はメビウス=ミライと握手してもらう。才人にウルトラマンゼロが一体化していると
知った時も驚きだったが、メビウスは小さい頃から名前を聞いていた相手だけに、興奮はそれ以上だった。
「春奈ちゃんは、侵略者たちの悪しき陰謀のために大変な思いをしたみたいだね。でももう大丈夫だよ。
僕が責任を持って、君を護送するから。まぁでも色々あって疲れてるだろうし、今日はこの本部で
ゆっくり休んでいって。出発は明日にするよ」
「ありがとうございます」
 ミライの気遣いに礼を告げた春奈は、彼としばし談笑する。
「それにしても、サーペント星人が憑依か……懐かしいな。サーペントと戦ったウルトラ戦士は僕なんだよ。
あの時も、地球人がサーペントの支配を打ち破ったんだ。やっぱり、地球人はすごい力を持ってるんだね」
「いえ、そんな。メビウスさんたちの方がずっとすごいじゃないですか。こんなに大きな街を作れるんだし。
私に貸してくれたこの部屋だって、こんなに広い」
「これでもまだ小さい方なんだけどね。まぁ、大きいのは当然のことだよ。だって、40m大が
僕たちの通常サイズなんだから。ちなみに、僕たちの先祖が今の姿になって一番大変だったのは、
巨体のサイズに合わせて建物を作り直すことだったらしいよ」
「ふふッ、面白いお話ですね。ウルトラマンも、そういうことで悩んだりするんだ」
「日常って、どこの世界でもそういうものだよ。あッ、そうそう、念のために言っておくけど、
本部に張ったバリアから外には出ないでね。この星の光は、地球人の身体には強すぎるんだ。
今は星人の力を宿してるとはいえ、影響が全くないとは言い切れないから」
 そんな風に話し込んでいると、部屋にまた四人の男性がゾロゾロとやってきた。
「むッ。メビウス、もう高凪さんと話をしていたのか」
「俺たちも混ぜてくれないか。こうして地球人と会話をするのは久しぶりのことだから、ちょっと楽しみなんだ」
「兄さんたち」
 全員、ミライと異なり年配の姿をしている。ミライは春奈に、彼らの紹介をする。
「春奈ちゃん、この人たちは左からウルトラマン兄さん、セブン兄さん、エース兄さん、レオ兄さんだよ」
「ご紹介にあずかりました。私がウルトラマン。地球での名前は、ハヤタだ」
「ウルトラセブン。地球ではモロボシ・ダンと名乗ってたよ」
「エース。地球人としての名前は北斗星司さ。よろしく!」
「ウルトラマンレオだ。地球での名前はおゝとりゲンと言う」
 四人の男たちが名乗ると、春奈は再び感激する。
「み、みんな地球を守ったウルトラ兄弟じゃないですか! それが、こんなに私に会いに
来てくれるなんて、信じられない!」
「むしろ当然さ。私たちはみんな、地球に強い愛着を持っている。だから、光の国を訪れた
地球人に会いたいと思うのは自然なことだ」
 と語るハヤタ。北斗は他の兄弟について言及する。
「ジャック兄さんやタロウたちも会いに来たがったんだが、最近は宇宙中で怪獣の活動が活発になってる。
それを鎮圧するための仕事中なんだよ。実に残念そうだったな」
「本当に、タイミングの悪いことだ。いや、もしかしたら怪獣の活発化も、ゼロたちが向かった
ハルケギニアという星に悪しき気配が侵入したことと関係があるのかもしれないな……」
 危惧するダンとゲンの顔を、春奈がじっと見つめる。
「そういえば、セブンさんとレオさんって……ゼロさんがお父さんと宇宙空手の師匠って言ってましたけど」
「む。ゼロから私たちの話を聞いてたか」
「はい。親父たちに会ったら、よろしく言っといてくれって出発前に頼まれました」
 春奈からの言伝を聞いて、ダンとゲンは顔をほころばせた。
「そうかそうか、ゼロも元気でやっているみたいだな。安心した」
「俺たちは君から直接ゼロの話を聞きたくて、ゾフィー兄さんにお願いして面会を許可してもらったんだよ。
そういう訳だから、もっと詳しい話を教えてくれないかな?」
「あッ、はい! いくらでもお話ししますとも!」
 春奈はハルケギニアに連れさらわれてから、この宇宙に帰ってくるまでのことを全て話した。
ハヤタたちは、ゼロが向こうで大活躍していることに喜び、平和が守られていることに安心したが、
同時にいくつかの事項を気に病んだ。
「ゼロは今、平賀才人君という少年と命を共有しているのか。私たち兄弟も経験があることだが……
地球でない場所でそうなっている例は初めてだ」
「そのために、少年を戦いに巻き込んでしまっているのか。私の息子がすまないことをしている。
どうにかしてやりたいものだが……さすがに命を別の宇宙まで運ぶのは困難なことだからな……」
 ハヤタとダンは才人のことを気に掛ける。一方で北斗、ゲンはヤプール人の存在を知って険しい顔をした。
「ヤプールめ……今度は別宇宙の星に魔の手を伸ばしたのか。俺たちが容易に手出し出来ないのを
いいことに……。相変わらず卑劣な奴だ!」
「怪獣の活動に対して、侵略者の動向が少なかったのは、ヤプールがその宇宙へ連れ込んでいたからだったか。
真に許せん!」
 ミライもヤプールの名を聞いて考え込むと、ハヤタに尋ねた。
「兄さん、僕もそのハルケギニアに向かわせてもらえないでしょうか? 幸い、ハルケギニアでも
僕たちは活動できるようです。ヤプールが相手なら、戦力は少しでも多い方がいいはずです!」
「いや、ヤプールが相手なら、その役目は俺の方が適してる。兄さんたち、是非とも俺を派遣させて下さい!」
 ミライと北斗が頼み込むが、ハヤタは却下した。
「いや、それは駄目だ。ゾフィーもそう言うだろう」
「どうしてですか!?」
 北斗が聞き返すと、ダンがそれに答えた。
「さっきも言ったが、最近になって宇宙各地で怪獣の被害が増加している。何か、恐ろしいことが
起きる前触れかもしれない。そんな中で、お前たちという戦力を減らす訳にはいかない」
「しかし、いくらゼロでも、ヤプールは危険な相手です! ご存知でしょう!」
 ヤプールの怨念の恐ろしさを知るミライや北斗はなおも主張するが、ダンはこう返した。
「私の息子を、ゼロを信じてほしい。あいつと仲間たちの力は、ヤプールの怨念にも屈しないはずだ」
「……セブン兄さんが、そこまで言うなら」
 ダンの力強い視線を受け、北斗たちはようやく引き下がった。
「……私たち地球人の知らないところで、そんなことになってたんですね」
 話を横から聞いていた春奈が、眉間に皺を寄せてつぶやいた。それを耳に留めたハヤタが
我に返って、彼女に向き直った。
「ああ、心配を掛けてしまったかな? しかし、安心してくれ。宇宙の平和は、私たちウルトラ戦士が
必ず守る。君は気にせず、元通りの生活に戻るといい」
 ここですっかり話し込んでいたダンが、手を叩いて兄弟たちに呼びかけた。
「さて、みんな、気は済んだか? あまり長い時間、任務から離れている訳にはいかないし、
何より彼女をあまり疲れさせるのは忍びない。この辺で面会は終わりにして、また任務に
戻るとしようではないか」
「そうだな。それでは高凪さん、私たちはそろそろお暇させてもらうよ」
「今日はとても楽しかったよ! もう会うことはないかもしれないが、俺たちのこと、どうか覚えていてくれよ!」
「君の同級生の件は、宇宙が落ち着いたら我々でどうにか対処しよう。だから彼の帰還は、
ゆっくりと待っていてほしい。すまないが、お願いするよ」
 ハヤタ、北斗、ゲンがそれぞれ最後に告げると、四人のウルトラマンたちは部屋から退出していった。
それを見送った春奈がポツリと発する。
「ウルトラマンって、ほんといい人たちばかりなんですね。赤の他人の私たちのことを、
あんなに気に掛けてくれるなんて……」
 その春奈のひと言に、ミライは柔らかく微笑みながら告げた。
「赤の他人なんかじゃないよ」
「え?」
「ウルトラマン兄さんが言ったように、僕たちウルトラ兄弟は、地球を第二の故郷だと思ってるし、
様々な敵とともに戦ってきた地球人をとても愛してる。君たちがいつか、僕たちと肩を並べる日が
来ることが、僕たちの共通の願いだ。その地球を担う君たちは、僕たちの弟も同然なんだよ」
 ミライの言葉を受けて、春奈は少々顔を赤らめた。
「私たちに、そんな願いを……。私、何だか恥ずかしいです。ウルトラマンは、今も地球のことを
大事に思ってくれてるのに、肝心の私は、自分の人生にあんまり真剣じゃないから……」
「そんなに重く受け止めなくてもらわなくてもいいよ。これは、僕たちの個人的な願望なんだからね。
君たちに強要する訳じゃないんだ」
 春奈の緊張をほぐすように笑いかけたミライは、続けてこう語り聞かせた。
「でも、これは覚えててね。僕たちウルトラマンは、普段は目に見えないほど遠くからだけど、
いつでも君たちのことを見守ってる。君たちは、どんな時も一人じゃないんだ。だから、
これからの人生でどんなことが起ころうとも、恐れたり、絶望したりすることはないんだよ。
君たちのために祈ってる人がいるんだということを、どうか忘れないでね」
「……はい……」
 ミライの言葉は、とても温かく、心安らぎながらも、同時に活力が湧いてくる、不思議な音色を持っていた。
春奈は静かに心を打たれて、ただただうなずいた。
 しばらく呆けていた春奈だが、不意にミライから質問をされ、我に返った。
「ところで春奈ちゃん。今の地球では、そんな変わったアクセサリーが流行ってるのかい?」
「え? 何のことですか?」
 自分は特に、目立ったアクセサリーを身につけていたりはしない。何のことを言われているのか
首を傾げていると、ミライは自分の胸元を指し示して、指摘した。
「だって、胸のところ、何か詰め物入れてるでしょ。人に見えないアクセサリーなんて変わってるね」
「!!?」
 春奈は目を白黒させると、真っ赤になって胸を抱えた。
「こ、これはアクセサリーじゃありませんッ! っていうか、メビウスさん……何で分かったんですか!?」
「え? いや、だって、違和感があったから……てっきりそういうものなのかと」
「い―――――や――――――――! これは私の、誰にも知られたくない秘密なのに――――――――!」
 春奈は羞恥心でいっぱいになって悲鳴を上げた。それでミライは慌てふためく。
「ご、ごめん。僕、地球の女性の人のことって、あんまり詳しくないから……」
「謝られたら、余計に恥ずかしいです! ……って、もしかして、他のウルトラマンの方も
気づいてたんでしょうか!?」
「まぁ、僕に分かるんだから、そうだと思うよ。多分、ゼロも……」
「いぃぃぃぃやぁぁぁぁぁぁぁ―――――――――――――――!! 次から、どんな顔して
平賀くんに会えばいいのぉぉぉ――――――――――――――――――――!?」
 衝撃の事実を知ってしまい、宇宙警備隊本部の一室に、春奈の甲高い悲鳴が響き渡った。


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