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第三十八話「狙われない少女」


ウルトラマンゼロの使い魔
第三十八話「狙われない少女」
電脳魔人デスフェイサー
四次元ロボ獣メカギラス
ロボ怪獣メガザウラ
侵略変形メカ ヘルズキング
カプセル怪獣ウインダム
カプセル怪獣ミクラス
反重力宇宙人ゴドラ星人
サーベル暴君マグマ星人
異次元宇宙人イカルス星人
憑依宇宙人サーペント星人 登場



 ある日突然現れた、マグマ星人ら宇宙人連合に狙われる地球人の少女、春奈を保護した才人とルイズ。
それから連合の刺客を撃退する日々を過ごしている中で、二人はアンリエッタにトリスタニアへと招集される。
実はトリスタニアの街の修理工に宇宙人連合の工作員が混じっていることが発覚したのだが、時既に遅し。
侵略者の作戦は発動し、トリスタニアが強力なロボット怪獣軍団の襲撃を受ける事態になってしまった。
すぐにウルティメイトフォースゼロが出動したが、そこに出現したのが、ネオフロンティアスペースで造られた
最強ロボットのデスフェイサー。デスフェイサーの圧倒的な力の前にゼロは惜敗。更に別働隊の宇宙人たちに
魔法学院が制圧されてしまった! トリステインそのものにもレコン・キスタの魔の手が迫る中、才人とルイズは
学院の仲間たちを救うために、一路魔法学院を目指すこととなった……。

「くッ……!」
 ロボット怪獣のトリスタニア攻撃の翌朝。学院へと続く森の中の一本道を走る馬の上で、
才人が苦しそうに脇腹を抑えた。昨日はゼロに変身している時に、デスフェイサーに叩きのめされた。
そのダメージが才人の身体にも影響しているのだ。ウルトラ族の超回復能力で、ひと晩でかなり
回復したが、それでもまだダメージが残っている。
「サイト、大丈夫!?」
 脂汗を浮かべる才人に、並走しているルイズが案じて呼びかけた。
「あ、あぁ……。このくらい、平気さ」
 才人は努めて明るい声を出すが、顔を見れば、無理をしているのが明らかだった。それで
ルイズはますます心配する。
「やっぱり、傷が治り切ってないんじゃない。こんなに飛ばしてたら響くでしょう。急がなきゃいけないのは
分かるけど、せめて、もう少しスピードを落としたら……」
 と気遣うが、才人は頑なに断った。
「駄目だ。今こうしてる間にも、学院のみんなが危ないかもしれないんだ。何より……学院には
春奈を残してる!」
 春奈の名前が才人の口から出ると、ルイズは密かに眉をひそめた。
「宇宙人たちはどういう訳か、ずっと春奈を狙ってた。春奈が一番危ないんだ。あいつが
何かされる前に、何とか助けないと……!」
「……そうね……」
 口では同意するものの、ルイズは才人に心配され続ける春奈に、こんな時でも嫉妬した。
(サイトの馬鹿……。気持ちは分かるけど、今隣にいる、あんたのご主人様のことを少しは考えなさいよ……)
「どの道、宇宙人たちを追い払わなきゃ、トリステインは救われないんだ。モタモタしてる暇はない」
 才人はルイズの気持ちを少しも察せず、彼女の嵌めている『水のルビー』の指輪を通して
ミラーナイトに尋ねかけた。
「ミラーナイト、本当に侵略者たちは学院を制圧したんだな?」
『ええ。鏡越しに偵察して確かめました』
 ルビーからミラーナイトが肯定した。
『リーダーはマグマ星人。トリスタニアに出現したイカルス星人の姿もありました。学院の各地には、
エビ型の宇宙人が多数配置されています』
『ゴドラ星人だな……親父から聞いてるぜ』
 ゼロがエビ型という特徴から言い当てた。
「みんなはどうなってる? 春奈は? シエスタとか、キュルケたちは?」
『ほとんどは食堂に集められて見張られています。シエスタはジャンボットが誘導して逃がしたようですが、
ハルナは……すみませんが、確認できませんでした。あまり踏み込めば、鏡越しでも敵に気取られる危険が
ありますので。申し訳ございません』
 肝心の春奈の安否を突き止められずに謝罪するミラーナイト。
「いいんだ。それより、もうすぐ学院だ。どこか、敵に気づかれずに入り込めそうな場所を教えてくれ」
 森を抜けて、いよいよ学院が見えた。これから乗り込もうとする才人とルイズなのだが、
その時に突然二人を地揺れが襲う。
「きゃッ! な、何!? 敵!?」
 地揺れに驚いて、馬が足を止めてしまう。そしてルイズたちの正面の大地が突然裂け、
下から目下の最強の敵、デスフェイサーがせり上がってきた!
「し、しまった! 俺たちを待ち伏せしてたのか!」
 進行方向をデスフェイサーに遮られた才人とルイズは横にそれようとしたが、左右と背後も、
はるか上空や異次元から出現したメカギラス、メガザウラ、ヘルズキングに塞がれてしまった。
「キィ――――――!」
「ギャアアァアアアアァ!」
「ゴオオオオオオオオ!」
「ま、まずいわ! 逃げ場がない!」
 四方をロボット怪獣たちに囲まれて、ルイズらは立ち往生する。しかし、すぐに二人の仲間が
助太刀に駆けつけてくれた。
『はぁぁぁッ!』
『ジャンファイト!』
『テメェらー! リターンマッチさせてもらうぜ!』
 ルビーの輝きからミラーナイト、空の彼方からはジャンボットとグレンファイヤーがやってきて、
メカギラス、メガザウラ、ヘルズキングにぶつかって食い止めた。だがまだデスフェイサーが残っている。
才人は学院を乗っ取った宇宙人と戦わなくてはいけないので、ゼロに変身することは出来ない。
「こんな時は……行けウインダム! ミクラス!」
 そのため才人はデスフェイサーの前にカプセル怪獣を召喚した。それも今回は二体だ。
「グワアアアアアアア!」
「グアアアアアアアア!」
 カプセルから解き放たれ、大地に立ったウインダムとミクラスは、即座にデスフェイサーに
向かっていってその両腕にしがみつき、進行を抑え込む。
「頼んだぞ、ウインダム、ミクラス!」
「早く行きましょう! みんなの頑張りを無駄には出来ないわ!」
 仲間たちが足止めをしてくれている間に、才人とルイズは戦場をすり抜け、学院へと急いだ。
『さっきミラーナイトから侵入口を聞いた! 俺が誘導するぜ!』
 そしてゼロの導きにより、二人は学院の内部への侵入を決行した。

 トリステイン魔法学院は、多くのメイジ、つまり貴族の子息が集まる教育機関。そのため、
彼らを狙うテロリストへの対策がいくつも用意されている。その一つが、噂ではコルベールが
密かに利用しているという地下の隠し通路。そこはマグマ星人たちの目を逃れていた。
 そして才人たちはそこを通り、無事に学院内への侵入に成功した。
『……よし、敵はまだ俺たちの侵入には気づいてないみたいだ』
 校舎内の廊下に忍び込むと、ゼロが超感覚を働かせて近くの敵の有無を調べた。それから
才人とルイズに告げる。
『その辺にいる奴らをいちいち相手してたら、人質に危険が及びかねない。ここは一気に
首謀者のマグマ星人のところまで行くぞ。ミラーナイトの話じゃ、学院長室を占拠してるみたいだ。
まずはそこまで……』
 話の途中で、廊下の先から、二人分の足音がコツコツと響いてきた。
「誰か来るわよ! 敵じゃない!?」
『いや、これはゴドラ星人の足音じゃない……。こいつは……』
 ルイズたちの元に歩いてきたのは、キュルケとタバサの二人組だ。すぐに才人が呼びかける。
「キュルケ、タバサ! お前たち、無事だったんだな!」
 二人に近寄ろうとするが、それをデルフリンガーに制止された。
「近づくな相棒! 何だか様子が変だぞ。……妙な魔法の気配がしやがる」
「魔法ですって!?」
 驚くルイズと才人に向けて、キュルケとタバサは杖を向け、炎と氷の魔法で攻撃してきた!
「うわぁッ!?」
 才人は咄嗟にデルフリンガーを盾にして、魔法を吸収した。だがキュルケたちは前に乗り出し、
更に激しく魔法を飛ばしてくる。才人はルイズをかばいつつ、どうにか攻撃をしのぐ。
「くッ、どういうことだ!? どうして二人が俺たちを攻撃するんだ!」
「きっとウェールズ殿下みたいに、魔法で操られてるのよ! 敵にメイジが混じってるんだわ!」
「二人に反撃する訳にはいかないし……ルイズ、『ディスペル』を頼む!」
 魔法を解く『ディスペル』を詠唱し出すルイズだが、その途端にキュルケとタバサは攻め手を
より強めて、爆発の衝撃で詠唱を妨害した。
「きゃッ! これじゃ『虚無』が使えないわ!」
 狭い廊下では、ルイズを二人の攻撃の届かないところまで逃がすのは無理がある。どうしたものか、
と才人が下唇を噛み締めていると、ゼロが申し出た。
『才人、一瞬だけ俺に代わってくれ。ウルトラ念力で二人を止める!』
「え? でも、一瞬だけ止めても意味ないんじゃ……」
『説明してる暇はない! とにかく、俺に任せてくれ!』
 ゼロがそう頼むので、才人はその通りに従った。意識が表面に出たゼロは、即座に精神を
集中させてウルトラ戦士共通の超能力、ウルトラ念力を発動する。
「むんッ!」
 目に見えない力がキュルケとタバサの身体を縛り、一瞬だけ完全に動きを停止させた。その瞬間、
「今だシエスタ君! 行くぞッ!」
「えーいッ!」
 曲がり角の陰からコルベールとタバサが飛び出し、キュルケとタバサの耳に耳栓を嵌め込んだ。
すると二人がガクリと崩れかけ、すぐに目に光を宿して起き上がる。
「あ、あら? どうしてルイズがいるの? アタシたち、どうしてたのかしら……?」
「確か……敵と戦ってて……そこから、記憶がない……」
「ミスタ・コルベール!? シエスタまで! これってどういうこと?」
 突然現れたコルベールたちの姿に、ルイズと才人は驚愕する。いささか混乱する二人に、
シエスタらが状況の説明をする。
「順を追って説明しますね。お二人が王宮に向かった昨日、学院をウチュウ人たちが占領しました。
わたしはジャ……いえ、運良く魔の手から逃れて、コルベール先生に助けてもらいました」
「わたしは今、侵略者から学院を取り返そうと動いてるところだ。その途中で騒ぎを聞きつけ、
この場に出くわしたという訳だ」
 続いて、キュルケの説明。
「アタシも同じよ。タバサと一緒にウチュウ人たちと戦ってたんだけど、そこに誰が現れたと思う? 
ウェザリーよ! ウェザリーは侵略者の、レコン・キスタの仲間だったの!」
「ウェザリーが!?」
 意外な名前を耳にして、仰天するルイズと才人。
「まぁアタシは演劇してた時から、彼女が怪しいと思ってたけど。劇団ということを差し引いても、
ウェザリーの周りには怪しい奴らの影が見え隠れしてたから。結局、後手に回っちゃった訳だけど……」
「ウェザリーが現れてから……記憶が一切ない。きっと、彼女の催眠魔法。それも、一般の
社会に伝わってない、独特なもの。わたしたちは、それにやられてしまった……」
「で、ミスタ・コルベールたちが耳栓をしたら、元に戻ったのね」
 タバサの説明で、ここまでの状況を納得するルイズ。
「でもミスタ、よく敵の魔法の正体が分かりましたね。それも、耳栓で解けるなんて」
「いや、わたしが暴いたんじゃないよ。先に敵がオールド・オスマンを操ろうとして失敗したことで、
学院長が突き止めたんだ。それを学院長の使い魔のモートソグニル越しに、対抗策も含めてわたしに
教えてくれたんだ。耳栓には特殊な風の魔法を掛けてるから、一時的に催眠魔法を無効化する。
君たちもつけていきなさい」
 ルイズと才人はコルベールから耳栓を受け取り、耳に嵌めた。その直後に、廊下の奥から
ゴドラ星人の集団がこちらに向かってきた。
「いかん、今の騒ぎで敵に気づかれてしまった! 戦いは嫌いだが……やむをえん、ここは
わたしが食い止める。ミス・ヴァリエールとサイト君は、学院を解放しに来たんだろう? 
敵のリーダーがいる、学院長室に急いでくれたまえ!」
「不死身のダーリンなら、ウチュウ人たちをやっつけてくれるわよね。学院をお願いするわね!」
「わたしたちは、ミスタ・コルベールと時間稼ぎをする」
「分かった! ありがとう!」
 シエスタは戦う力がないので避難しようとするが、その前に一つだけ、才人たちに伝えた。
「ハルナさんのことですが、わたし、ハルナさんが学院長室に連れてかれるのを見ました! 
早く行ってあげて下さい!」
「本当か!? あぁ分かった、春奈は絶対救い出す! シエスタも気をつけてな!」
 コルベールらがゴドラ星人の足を止めている内に、才人とルイズは学院長室への階段を
急いで駆け上がっていった。

「グワアアアアアアア!」
「グアアアアアアアア!」
 学院の外では、カプセル怪獣にウルティメイトフォースゼロが、ロボット怪獣軍団に苦戦していた。
ウインダムはデスフェイサーのシザーアームに首を締め上げられ、ミクラスはガトリングガンの連射を
食らって横転した。
「キィ――――――!」
『ぐぅッ!』
 ミラーナイトは次元移動で背後に回ったメカギラスに側頭部を強かに殴りつけられる。
「ギャアアァアアアアァ!」
『ぬおおおおッ!』
 ジャンボットはメガザウラの大火力に拘束される。
「ゴオオオオオオオオ!」
『ぐはぁッ!』
 グレンファイヤーはヘルズキングのパンチに見せかけたビーム砲の近接射撃を食らい、
吹っ飛ばされた。
『くぅッ……ゼロ、急いで下さい……!』
 敵に翻弄される中で、ミラーナイトがゼロたちに向けてつぶやいた。

「うりゃあーッ! だりゃあッ!」
 才人は移動の途中、あちこちから飛び出てくるゴドラ星人を斬り捨て、またはゼロアイのビームで
撃って返り討ちにしながら、道を突き進んでいった。ルイズはその後に続く。
「サイト、すごい……」
 破竹の勢いで敵を蹴散らす才人に驚嘆するルイズだが、彼が頑張る理由が春奈にあると
意識すると気分が沈む。それを慌てて払いながら、才人についていった。
 そしてほどなくして二人は、学院長室にたどり着いた。才人はすぐに扉を蹴破り、中に踏み込む。
『おいおいおいおいッ! 地球じゃノックは足でするもんなのかぁ!?』
『イカカカカカ! デスフェイサーを相手にしてひと晩で、ここまで来られたのは褒めてやろうじゃなイカ! 
イカカカカカカ!』
 中で二人を待っていたのは、マグマ星人とイカルス星人に、ゴドラ星人が一人。そして、壁際にウェザリー。
「ウェザリー! 本当に、宇宙人たちの味方に……!」
「ウェザリー! どうしてそいつらに肩入れしてるの! そいつらがどういう連中か分かってる訳!? 
わたしたち人間の敵なのよ!」
 ルイズが詰問したが、ウェザリーは何も答えず、黙ったままたたずんでいた。
 そして学院長室の床には、気絶した春奈が倒れていた。
「春奈! お前ら、春奈に何かしたんじゃないだろうな!?」
 才人が怒りを露わに、宇宙人たちを問い詰めると、ゴドラ星人が肩を上下に揺らしながら答えた。
『クックックッ……どうだろうなぁ『イカカカカカ!』? 自分の目で、その娘が『イカカカカカカカ!』
どんな状態か、確かめてみたらどうだ『イーカカカカカカカカカ!』うるさいぞイカルスッ!』
 しつこく笑い続けて台詞を妨害するイカルス星人に憤怒するゴドラ星人。そんなものは放置して、
才人は宇宙人たちを警戒しながら春奈を抱き寄せる。
「春奈! 春奈! 大丈夫か!?」
『完全に気絶してるな……だが、命に別状はないみたいだ』
 ゼロが春奈の容態を診察した。ウェールズなどの前例があるので、敵の変身や懐に怪獣を
潜ませているかも調べたが、そんな様子はなかった。
 しかしだとすると、分からないのが、何故敵があれだけ執着した春奈をこうもあっさり返したかだ。
才人が春奈を背後に寝かせると、ゼロはマグマ星人らに問う。
『そろそろ教えてもらうぜ。お前ら、どうして春奈をこの世界にさらってきた。そして今は、
何をしようっていうつもりだ?』
『クックックッ……』
『イカカカカカカカ!』
 するとマグマ星人たちは意味ありげにこちらを嘲笑する。ゼロたちが怪訝に思っていると、
マグマ星人が言いつけた。
『そいつは、後ろのそいつに直接聞いてみることだなぁ!』
『何だと……!?』
 背後から突如殺気を感じて、才人は慌てて振り返った。だが、その時にはもう遅かった。
「がはぁッ!?」
「サイトぉッ!?」
 才人は振り向いた瞬間に、胸に青白い怪光線を食らい、床に大の字に倒れ込んだ。
「ふふふふふ……」
 才人に怪光線を撃ち込んだのは、春奈だ。ルイズは絶句した。
「は、ハルナ! 一体どうしちゃったの!?」
「私は、高凪春奈ではない。M9球状星雲からやってきた、サーペント星人だ」
 春奈がポケットから取り出した銀色のカプセルが、手の平の上で溶ける。その溶液が春奈の
全身を包み込んで、銀色の甲冑を身に纏ったような宇宙人の姿に変貌させた。
『ただし、身体は高凪春奈のものだがね。私は憑依能力を持つ種族なのだよ』
「ひ、憑依!?」
『そういうことだったのか……!』
 ルイズが愕然とし、ゼロは宇宙人連合の作戦をようやく理解した。
 マグマ星人たちは、春奈を狙っていたのではない。その振りをして、サーペント星人を
取り憑かせた彼女を、この瞬間のために才人に近づけるのが目的だったのだ。肉体は間違いなく
地球人のものなので、ゼロの目を以てしても正体を見抜くことは出来なかった。しかしゼロは悔やむ。
『くっそ、どうして気づかなかったんだ……! ヒントはあったじゃねぇか……! ウルトラマンゼロ、
一生の不覚だぜ……!』
 サーペント星人は肉体の90%以上が水分で出来た生命体。そのため乾燥に非常に弱く、
憑依された者は頻繁に水を飲むようになる。思い返せば、春奈は病から回復してからも、
事ある毎に水分を補給していた。それが、サーペント星人が身体の内に潜んでいる証だったのに……。
『ヒャーハッハッハッハッ! 気づくのが遅すぎるぜぇウルトラマンゼロッ!』
 不意打ちを食らって立ち上がれなくなった才人とゼロの姿に、マグマ星人たちは堰を切ったように
馬鹿笑いを上げた。マグマ星人は計画の全容を暴露する。
『その娘は、ウルトラマンゼロ、テメェを確実に抹殺するための駒だったのさ。知らない世界に
放り出された、悪い侵略者につけ狙われる哀れな少女を、お人好しのウルトラマン様は放っとかないだろう? 
より同情を誘うために、わざわざその身体の知り合いを選んだんだぜ。そして油断し切ったところを、
後ろからバッサリ! 全て上手く行った! 連戦の上に深刻なダメージを受けて、もうまともに動くことも
出来ねぇだろう! いいザマだぜぇ!』
「そ、それなら、ハルナへの刺客は何だったの!?」
 ルイズが疑問を口に出すと、マグマ星人はヘラヘラ笑いながら答えた。
『追っ手がなけりゃ怪しまれるだろうからなぁ。それも演技の内だったんだよ。もっとも、
追っ手自体にゃこのことを教えてなかったがね。真剣に娘を狙ってもらわなきゃ、偽装が
バレかねないからな』
「た、たったそれだけのために、仲間を平気で犠牲にしたってことか……! ゆ、許せねぇ……!」
 あまりの卑劣振りに怒りに燃える才人だが、ダメージが大き過ぎて、立ち上がることすら出来なかった。
そしてその腕を、サーペント星人が踏みつける。
「ぐぁッ!」
『無駄なあがきはよせ。貴様はもう完全に終わりだ。助かる可能性は全て潰した』
 ルイズは才人を踏みにじるサーペント星人に杖を向ける。
「卑怯者! サイトから離れなさいッ!」
 だが杖先が震える。サーペント星人の肉体は春奈のものなのだ。傷つけることなど出来ない。
 そして躊躇っている内に、サーペント星人に殴られて倒れ込んだ。
「きゃああッ!」
「ルイズッ!」
『サーペント星人! 物のついでだ、そのガキもあの世に送ってやりな!』
 と命令するマグマ星人に、ウェザリーが初めて口を開いた。
「待って。あなたたちの目的は、サイトを仕留めることまででしょう? 何も彼女を道連れに
する必要はないじゃない」
 そう言って、マグマ星人たちを止めようとする。
「それより、私との約束を果たしてちょうだい。私と私の家を迫害した、トリステインへの復讐を……」
『うるさいじゃなイカ! 女ぁッ!』
 だがその瞬間に、イカルス星人が手の平から放ったアロー光線によって壁に叩きつけられた。
「あぁぁッ!?」
「なッ!? 何を……!」
 宇宙人たちの暴挙に目を剥く才人とルイズ。マグマ星人は倒れたウェザリーに、冷酷に告げる。
『ウェザリー、お前はスパイとしてなかなか役に立った。だが下等種族の出番はもう終わりだ。
なぁに、心配するなよ。復讐の代行はちゃんと果たすぜ。元より、この星の原住民は皆殺しに
するつもりなんだからな! お前も含めてッ!』
「ぐッ……それが本性だったのね……!」
 歯ぎしりするウェザリー。しかし彼女ももう立ち上がれなくなってしまった。
「グワアアアアアアア!」
「グアアアアアアアア!」
 更に外からは、ウインダムとミクラスの悲鳴が上がった。デスフェイサーを抑えていた二体だが、
とうとう敗れてしまった。二体が仰向けに倒れ、障害のなくなったデスフェイサーは学院の校舎に接近する。
「くっそぉ……! もう、本当にここまでなのか……!?」
 自分もルイズも倒れ、春奈の身体は人質にされ、外も中も敵しかいない。一切の希望が見えない
最悪の状況に、才人は悔しがって大きな歯ぎしりを立てた。


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