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第三十二話「爆弾魔星人」


ウルトラマンゼロの使い魔
第三十二話「爆弾魔星人」
サーベル暴君マグマ星人
銀河星人ミステラー星人(悪)
緑色宇宙人テロリスト星人 登場



「……平賀くん」
「んんッ……」
「平賀くんってば」
 春奈の声に呼ばれて、才人は目を開いた。
「ああッ、ごめん……。トリスタニアに着いたんだね?」
 顔を上げながら問いかけると、目の前の春奈が苦笑を浮かべた。
「全く……。何を寝ぼけてるの? もう下校時間でしょ」
「……!? あれ、ここは学校じゃないか」
 目をこすって辺りを見回した才人は、一気に寝ぼけ眼が覚めた。今彼がいる場所は、ハルケギニアに
召喚される前には毎日通っていた高校の教室。春奈も自分も、着慣れた制服を着ている。だが、
どうして学校? 才人は今日の出来事を思い返す。
 まず、ソドムの事件の際に春奈が目立ったことで、学院に春奈の存在が発覚。その件で
校長のオスマンに呼び出されたのだ。学校の掟を破ったルイズたちなのだが、春奈が才人の
世界の人間であること、才人のクラスメイトだということ、理由は分からないが宇宙人たちに
狙われていて、それでかくまっているということを必死に説明すると、オスマンは理解を
示してくれて、特別に春奈の滞在を許可してくれた。
 それで一件落着かと思いきや、その場でオスマンから、アンリエッタがルイズたちを呼んでいることを
話した。それでルイズと才人は、すぐにトリスタニアに発つことになった。春奈のことを報告する
ちょうどいい機会ということもあり、春奈も連れていくことにした。シエスタは留守番のはずだったが、
春奈と、主に才人の処遇を心配した彼女は便乗してきてしまい、放り出す訳にもいかずに、結局一緒に
行く羽目になった。
 こうして四人で馬車に揺られながら一路トリスタニアを目指していたが……それがどうして
こんな状況に?
「放課後になっても、平賀くんずっと寝てるんだもん。授業全部寝てたんじゃない?」
「え……寝てた?」
 春奈の呼びかけで、才人は混乱した。まさか、ハルケギニアでのこと全てが、自分が見ていた
長い夢だったのか?
「平賀くん、今日の日直でしょ? 早く学級日誌を書かないと」
「あれ、そうだっけ?」
 春奈に言われて、首をひねる才人。そんなこと言われても、才人には今日学校で過ごした
記憶は何もないのだ。困っていると、春奈は怒った顔になる。
「そうだっけって……今日は私と日直だったじゃないッ! 仕事、ほとんど私がやったんだからね」
「そうだったんだ……ごめん」
 怒らせてしまったことで、才人は慌てて謝った。が、彼女に怒りを収める様子はない。
「もう、平賀くん、ボサッとしてばかりだよ。……そんな平賀くんには、お仕置きしちゃうんだから」
「お、お仕置き?」
 ルイズみたいなひと言が飛び出たので、才人が驚いて春奈の顔を見返すと、更に驚く光景を
目にすることになった。
 春奈の顔にいつの間にか、白いおたふく顔の能面が被られていたのだ。
「は、春奈!?」
 しかもその能面の口から、火炎が噴射された。硬直していた才人は炎を全身に浴びる。
「待ってくれ、春奈! やめるんだぁ! うわあああああッ!!」

 自分の絶叫で、才人は馬車の中で飛び起きた。目の前には、ルイズの驚いた顔。
「サイトッ? どうしたの? 寝てたと思ったら、いきなり声を上げて」
「サイトさん、悪い夢でも見たんですか?」
 隣のシエスタが尋ねた。斜向かいには、水筒の水を飲んでいたところの春奈が同じく驚いた目を
こちらに向けている。
「ここはどこ?」
 ぜぇはぁと息を切らす才人が聞くと、ルイズがすぐに答えた。
「まだ街道よ。それがどうしたの?」
「サイトさん、汗すごいですよ? どんな悪夢だったんですか?」
「平賀くん、もしかして、まだ風邪抜け切ってないの?」
「い、いや何でもない……」
 シエスタの質問を、才人はごまかした。春奈が攻撃してくる夢を見た、なんて言っても、
空気を悪くするだけだろう。
(どうしてあんな夢見たんだろう。春奈が怪物になって俺を襲う? そんな馬鹿な……)
「……?」
 才人の視線に気づいて、春奈は不思議そうに小首を傾げた。

 それから数刻後、トリスタニアに到着した四人は、早速トリステインの王宮を訪問した。
「わぁ、すっごく綺麗なお城! まるで、ファンタジーの世界に入り込んだみたい!」
「ふふ、当然よ。ここは由緒正しきトリステイン王国の、歴史のある王宮なんだからね。
城自体が、トリステインが各国に誇る財産の一つなのよ」
 廊下で春奈が、元の世界ではまず見られない光景に興奮してキョロキョロ辺りを見回すと、
ルイズがさも自分のことかのように胸を張った。だが、春奈はすぐに肩を落として寂しそうに
顔を曇らせる。
「春奈?」
「本当に……私、知らない世界に来ちゃったんだね。みんな、今頃元気にしてるかな……」
 現実世界と大きくかけ離れた光景は、却って春奈の孤独感をかき立ててしまったようだ。
それでルイズとシエスタも表情を落とすと、才人が春奈を元気づけた。
「そんな心配するなって、春奈! この世界にもウルトラマンが来てるんだ。侵略者たちを
撃退したら、きっと元の世界に帰してくれるさ」
「そうかな……?」
「ああ。だから、くよくよしてないで元気出そうぜ!」
「……うん! ありがとう、平賀くん」
 才人の激励で、春奈は少しだけ気力を回復させた。その様子を見ていたゼロは、心の中で
決意を固める。
(早いとこ、宇宙人連合とヤプールをとっちめて、春奈を元の世界に戻してやらないとな。
もちろん才人も……)
 そこまで考えて、才人は、どうするつもりなのだろうか……と、ふとそんなことを考えた。
普通なら、すぐにも地球に帰ることを選ぶだろうが、今の才人はルイズの使い魔の立場なのだ。
果たして、いざ帰れる日が来た時に、彼はどっちの道を選ぶのか?
 などと考えている間に、一行がアンリエッタに謁見する時がやってきた。

 人払いをされた謁見の間で、アンリエッタが一人でルイズたちを待っていた。ルイズの顔を
ひと目見たアンリエッタは、喜びを顔に浮かべて腰を浮かす。
「ああッ、よく来てくれましたね! ルイズ・フランソワーズ」
 ルイズはすぐにひざまずき、アンリエッタに頭を垂れる。
「姫さま、ご機嫌麗しゅう」
「ルイズ。あなたも相変わらず元気そうですね。顔を上げて下さい」
「はい……」
 自分を律しているのか、相変わらず最初はかしこまるルイズに苦笑したアンリエッタが
許可を出すと、ルイズは言われた通り顔を上げて立ち上がった。
「そちらの使い魔さんも、変わらないようですね。それと、そちらの女性は?」
 ルイズから才人たちに目を移したアンリエッタは、初対面のシエスタと春奈に目を留めた。
まずはシエスタが名乗る。
「はい。わたくし、魔法学院で給仕を務めております、シエスタと申します」
「あ、あの……。今回はわたしの給仕としてこの城へと連れてきています」
 勝手についてきた、とはさすがに言えないので、ルイズはそう言い訳した。アンリエッタは、
特に気にしなかったようだった。
「シエスタさんとおっしゃるのね。どうぞよろしく。それと、もうひと方の彼女は……あまり
この辺では見かけない顔立ちのようですけど?」
「あ、あのッ、彼女は……」
 ルイズが説明に窮していると、春奈が緊張した様子で、自ら名乗った。
「あのッ……。初めてお目に掛かります。わたくし、高凪春奈と申します」
「タカナギハルナさんとおっしゃるのですね。学院長から報告のあった、使い魔さんや
ウルティメイトフォースゼロと同じ、このハルケギニアではない異世界から来られた方なのかしら?」
 アンリエッタは既に、オスマンからある程度のことを聞いているようだった。ルイズが
気を取り直して口を開く。
「そのことについては、これよりわたしが全てをお話し致します。姫さま、どうか落ち着いて
耳をお傾け下さい」
「分かりました、ルイズ。あなたの告白を、素直に受け止めましょう」
 それからルイズは、春奈を偶然拾ってから今日までのことを、隅々まで説明した。全てを
聞き入れたアンリエッタは、おもむろにうなずく。
「なるほど、大体のことは分かりました。学院長のおっしゃる通り、タカナギハルナは、
使い魔として召喚されたのではなく、ウチュウ人に拉致され、つけ狙われる理由も未だ
分かってないというのですね」
「はい」
 確認を取ったアンリエッタは、判断を下す。
「分かりました。タカナギハルナの身柄は、引き続きルイズ・フランソワーズに一任します。
ただし、事情が事情ですので、異世界から来たことを公にすることは禁じます。よからぬ陰謀を
抱く人たちに利用されるかもしれませんから」
「姫さまにご理解を頂けましたことを、深く感謝致します」
「女王様、ありがとうございます」
 ルイズと春奈が礼を告げると、アンリエッタが春奈に向き直った。
「ハルナさん」
「はい」
「いきなり異世界での生活。大変かもしれませんが、頑張って下さい。この使い魔さん同様、
いつか帰れる日が来るはずです」
「ありがとうございます!」
 アンリエッタとの、春奈の話がひと段落着いたのを見て、シエスタが口を開く。
「良かったですね。これで無事解決でしょうか?」
「ああ、そうだな」
 才人も頷いたが、ここに来てアンリエッタは、話題をガラリと変えた。
「ところで、ルイズのことをこうしてわざわざ呼び出したのには、別の理由があります」
「えッ……。そうなのですかッ!? わたしはてっきり、ハルナのことで呼ばれたのかとばかり……」
「いいえ。ハルナさんのことは今日初めて知りました。これからお話しすることは、ある意味、
深刻な問題です」
 目つきをやや鋭くしたアンリエッタは、春奈とシエスタの二人に告げる。
「ハルナさん、シエスタさん。すみませんが、席を外して下さいませんか?」
「はい、分かりました」
「それでは、失礼致します」
 二人には聞かせられない、物騒な内容の話のようだ。春奈とシエスタの二人が謁見の間から
退出すると、アンリエッタは面持ちを正す。
「では、本題に入ります。実は、先日の四体の怪獣の出現前後から、トリスタニアの各地で
爆弾によるテロ行為が続発しているのです」
「そうなのですか!」
 ルイズが驚きの声を上げると、ゼロがボソリとつぶやいた。
『道理で、街の被害地が多かった訳だ』
 アボラス、バニラ、グランゴン、ラゴラスの四怪獣との戦闘後に見下ろした街の景色と比べて、
トリスタニアの街並みは、崩壊した箇所が増えていたのだった。
「犯人像は、未だに特定できていません。そして爆発の痕跡を調査した結果、爆弾はハルケギニアに
ない技術で作られたもののようなのです」
「とすると……それも宇宙人の仕業ということですか?」
「その可能性が高いでしょう」
 才人の問い返しに首肯したアンリエッタだが、そこで疑問を一つ提示する。
「しかしそうだとすると、やり方が迂遠なように思えます。始めにいきなり総攻撃を仕掛けて
ハルケギニア全土を落とそうとした時と比べたら、特に」
「そうですね……。今までは、もっと直接的な手段に訴えてきましたしね」
 これまでの侵略者の動向を思い返して同意するルイズ。ゼロを倒してハルケギニアを侵略しようと
目論む宇宙人たちが、街を爆弾で破壊するような遠回りな方法を取るとは思えない。
「モット伯の件もあります。ひょっとすると、狙いはトリステインそのものではないのかもしれません。
そこでルイズと使い魔さんには、爆弾魔の調査と、出来れば確保をお願いしたいと思います」
「お願いだなんて、とんでもありません。ラ・ヴァリエール公爵家が三女、ルイズ・フランソワーズが、
貴族の名に懸けて爆弾使いを姫さまの御前に連れて参りますとも」
 アンリエッタの頼みを、ルイズはすぐに請け負った。
「本当でしたらこんな危険なことを、友人であるルイズなどには頼みたくないのですが、
ウチュウ人に対抗できるのはウルティメイトフォースゼロ以外では、『虚無』の担い手の
ルイズと異世界人でガンダールヴの使い魔さん以外にいません。どうか、お願いします……」
「もったいないお言葉です。必ず、姫さまのご期待にお応えします」
「姫さまは、俺たちの吉報を楽しみに待っていて下さい」
 申し訳なさそうなシエスタに、ルイズと才人が胸を張って告げた。
「まぁ、頼もしいですわ。ルイズと使い魔さんの働き、信じていますよ」
 アンリエッタがにっこりと微笑んだその時に、異常事態が早速発生した。
 王宮の外から、激しい爆発音が起こり、それに合わせてかすかな震動が謁見の間に響いたのだ。
「んぅ……!」
「きゃあッ!」
「何!?」
 驚いた三人が反射的に悲鳴を上げた。才人が険しい目つきで顔を上げる。
「噂をすれば影が差す……とは、このことか!」
「上等じゃない。行くわよ、サイトッ! 姫さまは、安全なところに逃げて下さいッ!」
「ルイズッ!」
 才人とルイズが、すぐに謁見の間を飛び出そうとすると、アンリエッタがルイズを呼び止めて、
ひと言告げた。
「無理だけはしないと約束してね」
「もちろんですとも。さあ、早く奥へッ!」
 ルイズが毅然とした顔つきで了解した。一方の才人はデルフリンガーを早くも抜刀する。
「デルフ、ここからは俺たちの出番だ」
「ノってきたな、相棒ッ! 相手が相手だ。油断するんじゃねえぜ?」
「ゼロも、敵が本気で襲ってきた時は頼む」
『分かってるさ!』
 ゼロも応答すると、才人は爆音のした方向を一瞥し、ルイズに呼びかける。
「ルイズ、こっちだッ!」
「ち、ちょっと待ちなさいよ! 爆弾魔の奴、今に見てなさい。絶対に捕まえてやるんだからッ!」
 ルイズは気炎を吐いて、先行する才人の背を追い掛けていった。

 王宮を飛び出した才人とルイズの二人は、ブルドンネ街の爆発があったと思しき地点へ
たどり着いた。
「ここかッ!」
「ひどい……。辺りが滅茶苦茶じゃない」
 ブルドンネ街は、爆発のあったことで多くの人々が右往左往して逃げ惑っている。そんな中で、
二人は吹き飛ばされた家屋の数々の跡に目をやって、ルイズが胸を痛めた。だが、周辺に目を
配りながら一つ疑問を浮かべる。
「でも、どうしてわざわざこんな民家を狙うのかしら? 特に、この辺りは怪獣の攻撃で、
最初からボロボロなのに」
 爆発のあった場所は、アボラスの攻撃で破壊された地点のすぐ脇だった。そのために、
この辺には元から人も集まっていない。テロ行為のつもりならば、何故被害の少ない場所を
わざわざ選ぶのか。
『ハハハハハハ! お前ら、また現れたな! ナターン星人に、ダダとギギが世話になったなぁ!』
「! その声はッ!」
 唐突に、二人に聞き覚えのある声が掛けられた。デルフリンガーが才人に呼びかける。
「相棒、屋根の上にいるぜ」
 爆破された家屋の通りの反対側の家に、サーベルを手に嵌めた宇宙人が乗っていて、こちらを
見下ろしていた。最初に春奈を狙い、ダダとギギにも指令を出していた悪しき侵略者、マグマ星人だ。
「マグマ星人! またお前か!」
 宇宙人が姿を現したことで、民衆は悲鳴を上げて蜘蛛の子を散らすように逃げていった。
才人とルイズはその場に残り、マグマ星人を厳しい目つきで見上げる。
『今日はお前らに用があったんじゃないんだが、ちょうどいい! ついでにお前らを消して、
あの娘を頂いて帰るか!』
 マグマ星人は屋上から一気に通りに降りてきて、サーベルを向けてきた。それに対抗するように、
才人もデルフリンガーの切っ先を向ける。
「そんなことさせるもんか! 今度も返り討ちにしてやる!」
「ハルナに続いて、この爆発テロ! 一体何をたくらんでるのか、全部吐いてもらうわ!」
 才人とルイズが叫びつけると、マグマ星人がニヤリと笑う。
『ふッ、この前と同じように行くと思ったら大違いだ。今日は、ナターン星人どもみたいな
役立たずとは違う、戦いのプロを連れてきてるんだよ!』
「戦いのプロだと!?」
『出てこい! ミステラー、テロリスト!』
 マグマ星人の命令で、通りの陰から二人の宇宙人が更に飛び出してきて、マグマ星人と合わせて
ルイズたちを取り囲んだ。一人はタツノオトシゴのような首を持った赤い宇宙人で、もう一人は
反り返った片刃剣を右手に握った、全身緑色の奇怪な容貌の宇宙人だ。
 才人がすぐに新たな宇宙人たちの情報を検索した。
「ミステラー星人にテロリスト星人。どっちも、宇宙でも有数の好戦的種族か……!」
 マグマ星人の言った通りだと分かり、顔を歪める才人。ミステラー星人は、アテリア星を
始めとした数多くの星と星間戦争を行っている戦闘種族。一方のテロリスト星人は、ガスを
食料とする種族なのだが、そのガスを他の惑星に求め、惑星の住人を虐殺した上で残らず
強奪するという、非常に貪欲な殺人強盗なのだ。そして両者とも、その性質故に戦闘能力に
優れているという。
 強力な敵であるということを聞き、ルイズが額にジトッと脂汗を浮かべた。それを察した才人が、
小さく問いかける。
「……怖いか、ルイズ?」
「……ん。……平気」
 ルイズはそれに、はっきりと答えた。
「サイトが……ちゃんと守ってくれるなら平気」
「分かった。それを聞いたからには、ちゃんと守るしかないな!」
 デルフリンガーの柄を握り直す才人。その左手の甲のルーンが、より強く輝き、才人の体に
一層の活力を与える。
「相棒、相手も来るぞ」
「ああ。戦闘開始だ!」
 才人とルイズの動きを見張っていた三人の宇宙人に動きが起こる。それによって、才人も
足を踏み出して、敵に斬りかかっていった。
「うりゃあッ!」
『ふんッ!』
 疾風のような、超人の域の速さを出して剣を振るう才人だが、テロリスト星人が斬撃を片刃剣、
テロリストソードで受け止めた。さすがに戦闘のプロと呼ばれるだけあって、人外の反応速度だ。
『シャアッ!』
 テロリスト星人に止められた才人に、右からマグマ星人が飛び掛かってきた。サーベルの
刺突が迫ることを、才人はデルフリンガーに教えられて、左に跳んで逃れた。
 逃げた才人に向けて、テロリスト星人は左手を向ける。そこに埋め込まれた銃、テロファイヤーが
火を吹いた。才人は凶弾からギリギリのところで逃れる。
『グワッハッハッハッ! 貴様らを始末すれば、この星に眠る天然ガスは全て我らテロリスト星人のものだ! 
何とも簡単な仕事よ!』
 聞かれてもいないのに、テロリスト星人が豪語した。やはり、ハルケギニアのガスを報酬に
宇宙人連合に雇われているようだ。
『娘! お前は私が息の根を止めてやろう! どうせその体格では、戦士にも使えそうにない!』
 才人がテロリスト星人とマグマ星人に二人掛かりで狙われる一方、ルイズの方にはミステラー星人が
腕を広げて襲い掛かっていた。先の二人と違って特に武器は持たないミステラー星人だが、腕力は
人間よりもはるかに上で、それだけで十分な武器になる。ルイズは小柄な体躯を活かして、ミステラー星人から
上手く逃げ回る。
(こういう時は、不本意だけど、この体で良かったって思えるわね……)
 杖を抜いて魔法で反撃しようとするルイズだが、メイジは呪文を唱える間は無防備。『虚無』の担い手は、
その弱点が顕著だ。攻撃しようとすれば、たちまちミステラー星人の格好の的になってしまうだろう。
 だがルイズは、それが分かった上で、呪文の詠唱を始めた。詠唱中は、才人が守ってくれる。
そう信じているからだ。
『足を止めたな! 馬鹿めッ!』
 当然、ミステラー星人はここぞとばかりにルイズに飛び掛かる。メイジの弱点は、宇宙人たちも
しっかり把握している。呪文が完成する前に仕留めようというつもりだ。
 だがその時、才人がミステラー星人の動向に気づいて即座に動いた。今の彼は、ルイズの
詠唱を聞くことで、更にガンダールヴの力を引き出していた。
「はぁッ!」
 残像が残るほどのスピードで一気にミステラー星人の前方へと割って入る才人。彼を狙っていた
マグマ星人とテロリスト星人は目で追うことが出来ず、才人が消えたように見えて目をひん剥いた。
「ルイズに手出しはさせねぇーッ!」
『がぁッ!?』
 デルフリンガーの切り上げが入り、ミステラー星人は綺麗に弧を描いて迎撃された。マグマ星人と
テロリスト星人は慌てて狙いを直すが、その時には才人はもう眼前に迫ってきており、薙ぎ払いで
一挙に二人とも吹っ飛ばされた。
『ぐはぁッ!?』
『な、何だこいつ! 本当に地球人なのか!?』
 地面の上に転がったマグマ星人が気を動転させながらわめくと、才人が叫び返した。
「言っただろ! 俺はただの地球人じゃない、ゼロの使い魔だってな!」
 そして、ルイズの呪文が完成した。
「『爆発』!」
『ギャアアアアアァァァァァァァァァ―――――――――――!!』
 通りを激しい輝きが包み込み、マグマ星人たちを爆発が呑み込んだ。だがルイズと才人は全くの無事だ。
「やったか!?」
「ううん。精神力の問題で、タルブ村の時のような威力は出せないから、きっとまだ……」
 光が収まると、ルイズの予測が的中した。宇宙人三人は、いつの間にか40m以上の体躯に巨大化していた。
『ガキどもぉッ! 遊びはおしまいだ! 粉々に踏み潰してやるッ!』
 激昂したマグマ星人が怒鳴るが、そんなものでひるむ才人ではない。ウルトラゼロアイを取り出すと、
ウルトラマンゼロに変身して戦う役目を交代してもらう。
「デュワッ!」
 ゼロは変身と同時に巨大化し、敵三人の間に両腕をぐっと振り上げて仁王立ちした。
『全く懲りねぇ奴だな、マグマ星人。誰を連れてきたところで、このウルトラマンゼロが
纏めて成敗してやるぜ!』
 ファイティングポーズを取ったゼロはそう宣言して、三人を同時に相手取る姿勢を見せた。


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