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デュープリズムゼロ-06

第六話『東天王国第一王女』

「だったらあたしも魔法を使うわ。」

決闘を見守っていたルイズは我が耳を疑った…

ミントがそう言った瞬間、握られていた二つのリングはその手を離れ
その場でそのまま宙に浮くとミントの左手の掌を軸に不思議な事に高速で回転を始めた。


そしてその中心はあらゆる色の光が複雑に、又絶妙に混合された様な輝きが螺旋を描く様に蠢きながらミントの手に収束していく。
それを見てギーシュが、ルイズが、キュルケが、オスマンが…ミントの姿を見ていた誰もが共通した認識を抱く。


『あれは決して始祖の授けた系統魔法では無く全く異なる魔法だ。』…と



そうして高速回転するデュアルハーロウを媒介にミントの手元の魔力の螺旋から光り輝く
『白い』魔力の弾丸がまるで弓矢を射る様にして連続して打ち出された。



白色の魔法タイプノーマル『バルカン』


ミントの魔法は元と成る各色の魔力に撃ち出す型を組み合わせて形作られる。
例えるならば弓とその番える矢をそれぞれ状況や目的によって切り替えるのだ。
今まさにミントがワルキューレに放った物はミントの扱う魔法の基礎の基礎、純粋な魔力の塊を弾丸にして射出しただけでである。

弾丸はゴーレムに衝突するとそのままその身をえぐり弾ける様に消滅した。

(貫通はしてないって事はほぼ青銅と相殺か…軽く撃ってこれってのはやっぱり異常ね…)
ミントは崩れ落ちたワルキューレの残骸が動かなくなった事を確認し、やはり身体が軽いだけで無く魔法の威力まで上昇している事を確信していた。


どうやら今のでギーシュも混乱したらしく向かって来ていた6体のワルキューレも動きを止めている

「な…何だ…今の魔法は!?いや、それは魔法なのか?!」
ギーシュが我に帰ってワルキューレを散開させると、再びミントが魔法を放つ為魔力を集中させ始める。
魔力の螺旋の中心の輝きは今度は美しい『緑』

「さっき魔法って言ったじゃん。」

「おのれ、だがワルキューレはまだまだ健在だ。四方からの攻撃、今の魔法では対処出来まい!!」
ギーシュは冷静にさっきの魔法バルカンを思い起こし2体のワルキューレを自らの防御に回すと残りの4体のワルキューレを散開状態から一気に攻めへと転じさせた。


緑色の魔法タイプスーパー『インパルス』

四方から迫るワルキューレを十分に引き寄せ、引いた右手で魔法のトリガーを引く。
瞬間、魔力を帯びた風の刃がミントを中心に放射状に三度放たれた。
吹き抜けた風は圧倒的な切れ味を持って、迫り来るワルキューレ達の胴と足とを幾つにも切断し、その余波を持ってワルキューレを弾き飛ばすと周囲の野次馬の直前で霧散する。

「あんたさーわざわざ攻め手を宣言してどうすんのよ?」

その様に周囲の観客は信じられない物を見る様に一斉に沸き立つ。



「嘘!今あの子エアカッターを使ったわよ。」
キュルケもまた驚きながら隣に座ったままのタバサの肩を揺らして声をかけていた。
「似ているけどあれは違う…。」
風の優秀なメイジであるタバサは僅かに感じたミントの撃ち出した風の刃の違和感に戸惑いながらも分析を行う為ここでようやく視線を本から決闘の場へと移す事にした。

「ば、馬鹿な僕のワルキューレが…」
ミントの周りに転がる五体のワルキューレの残骸を見てギーシュは無意識に一歩後ずさる、最早ギーシュに余力は無い。
(あれだけの魔法、詠唱を行っていない様だったがどんなメイジも次の魔法を放つには僅かにでも時間が必要な筈。ならば…)
ギーシュは残された2体の内1体に操作を集中させるとミントへと一気に接近させる。
それなりに冷静な分析を行っての咄嗟の判断。

悪くは無い、だが甘かった…


剣を振りかぶったワルキューレはいとも容易くミントのデュアルハーロウの殴打でその剣を何処かに弾き飛ばされると次いで繰り出された必殺の飛び蹴りで再び地面を転がされる事になる。
デュアルハーロウの中心で光が『赤く』煌めく…

赤色の魔法タイプワイド『バレット』

倒れたワルキューレはミントの追撃に放った地面で燃え上がる火柱に焼き尽くされ土へと還る…
「これでラスト!!」
そして間を置かずだめ押しとばかりにミントは叫ぶともう一発魔法を撃ち出す。

黄色の魔法タイプパワー『ボルト』

魔力の解放と耳をつんざく轟音と共にギーシュの直衛に付いていた最後のワルキューレの頭上に降り注いだ一発の強烈な落雷。
ミントの扱う魔法の中でも最大級の威力を持つ雷を一切の容赦なく放たれたのだ。
当然の如く最後のワルキューレも一瞬の内に焼き尽くされ崩れ落ちる。


(嘘…)
ルイズはその光景を未だ信じられなかった。
自分の召喚した生意気な平民の少女が今目の前で魔法を行使しあの青銅のギーシュを圧倒しているのだ。
そしてミントの扱った魔法は正体不明な物と風、火、雷の三つの四種。

少なくとも雷の魔法は風のメイジの中でもスクウェアクラスで無くては扱えない筈、使用した魔法がインパルスとボルト、その二つだけであったならミントは実は風のスクウェアメイジだったと言う事で話は纏まるというのにますますルイズの頭は混乱していた。



「まだやる?」
「……あ…」
デュアルハーロウを構え魔力を集中させたままミントは絶句して目の前のワルキューレの残骸を見つめるギーシュに問いかける。
最早その場に居る誰が見てもギーシュの敗北は明らかだった。

「ま…参った。僕の負けだ…」
力なく膝を折ってそう宣言したギーシュに決着を認めた周囲の生徒達から歓声が起きる。
そうしてやっとデュアルハーロウを手放してミントはゆっくりとギーシュに歩み寄り、
その肩を優しく叩いた。
「さ、立ちなさい。あたしに魔法使わせたんだからあんた大したもんよ。ほら、立ってしゃんとしなさい!」

その健闘を讃える様なミントの優しい言葉にギーシュは顔を上げて促されるままに立ち上がった。
「あぁ、ありがとうミス・ミントこの決闘僕の完敗だよ。
そして先程までの君への暴言を全て撤回させて頂く。みんなこの決闘僕の負けだ!!」

いっそ清々しいまでの敗北にギーシュは吹っ切れた様に高らかに薔薇を掲げて自らの敗北を観衆の中で宣言した。
敗北を受け入れるのもまた決闘に敗れた貴族の誇り、そんなギーシュを表だって貶す人間はそこには居なかった。
そうしてここにヴェストリの広場の決闘は決着を迎えたのだが…



ミントはそんなに甘くはなかった。




今の間にいつの間にか歩いてギーシュから10メイル程距離を取っていたミントが惜しみない拍手に包まれているギーシュに向かって突然大きな声で呼びかける。

「ギーシュ・ド・グラモン!歯を食いしばりなさいっ!!」
「えっ?」

何事かと静まり返る広場、振り返りミントを見ようとしたギーシュ、全速力の勢いを乗せて跳躍したミント…

次の瞬間ギーシュの視界に映ったのはやはりミントの靴の裏だった。


「ぶへぇぇぇっっ!!!!!」

鈍い音と共にワルキューレもかくやと言う程にボコボコになったギーシュがヴェストリの広場に転がる
「…な…何で…」
辛うじて訪ねた後静かに事切れたギーシュに再び歩み寄るミント
「決着は勝者が降参を認めた場合って決まりでしょ?あたしまだあんたの降参認めて無いじゃん。」

肩を窄めてそう平然と言ってのけるミントに周囲の生徒達の顔から血の気が引く…
それは周りのルイズも同じだった。それはいくら何でもひどすぎる。

「ちょっと待ちなさーい!!」
ここで決闘が始まってから沈黙を守っていたルイズが必死の形相でミントに駆け寄りその胸ぐらを掴み上げる。
「いくら何でもやり過ぎよ!!この馬鹿!!」
「別に良いじゃない?こいつだって唯じゃ済まさないって言ってたんだからこれ位覚悟の上よ。」
「とっくに降参してたでしょうが~!!」
「ルールとしては問題なかったわ。」


ギャンギャン吠えるルイズに開き直りのミント二人の口論が続く中、ギーシュは友人達とモンモランシーに引きずられる様にして医務室へと運ばれていった。




___学院長室

「勝ちおったのう。それもあっさりと…どう見る?ミスタ・コルベール。」
オールド・オスマンは再び遠見の鏡に布を被せて椅子に深く腰掛けるとコルベールに意見を求めた。
「あの見た事も無い魔法、彼女がかなりの実力をもったメイジであると言う事は覗えました…」
コルベールは頭を捻りながらミントの魔法を思い返す。
「うむ。しかしガンダールブはかつて武具を操ったと伝え聞く…
確かにあのリングの様な武器でゴーレムを打ち据えはしたが殆ど魔法で仕留めよった。
分からん事が多すぎるのぅ…これは近い内直接訪ねる事になるかのぅ?それにしても…」
「えぇ全く…」

『とんでもない少女じゃわい(ですな)。』





___ルイズの部屋

決闘騒ぎの直ぐ後、ミントは強引にルイズの手によって部屋へと引きずり込まれると
周囲の反応などから覚悟はしていたがやはり質問攻めの憂き目に遭っていた。

ルイズとしては問いただしたい事は山の様にある。だが、先ずは確認しなければならないのはミントが何処かの貴族の娘であった場合の処遇だ。
これが他所の国の有力者の娘なら最悪の場合国際問題になってしまう。それはまずい。
「ミント、先ずは確認するけどあんた魔法が使えるって事はまさか貴族なの?」
なるべく平静を装いながらルイズはテーブルの向かいに座るミントに問いただす。

「あぁ魔法が使える=貴族のトリステインの感覚で言えばあたしは少し違うわね。」

ミントの返事にルイズは露骨に慎ましい胸をほっと撫で下ろす。

「なんだ…メイジだけど貴族じゃ無いなら私の使い魔で居て貰う「あたし王女だからね。」」

ルイズの言葉を遮りここに来て初めてミントははっきりとルイズに自分の身分を明かした。
「はぇっ?」
「あたしは魔法国家東天王国の第一王女だからそうね…やっぱり王族になるかしらね。ここもトリステイン王国って名前なら王族が統治してたりするんでしょ?」

「えっ?…えっ?王族?王女って…えっ?」

ミントの発言のありえなさに混乱しルイズは呆然となる。
「まぁあたしもトリステインなんて名前聞いた事も無かった事だし多分相当にここと東天王国は離れてるんだと思うのよね。
あ、それと一応あたし家出中の身で面倒な事になったら困るからあんまり王女だって言い触らさないでね。
ってルイズ、聞いてんの?」



「ええぇぇぇぇっっ~~~~~~~~~~!!!」


驚愕によるルイズの絶叫は唯々女子寮塔に響き渡った。

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