あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

デュープリズムゼロ-04

第四話『爆発!黒色の魔法?』

ルイズとミントが揃って教室へと足を踏み入れるとほぼ同時に教室の一部からざわめきと明らかな嘲笑や侮蔑と言った感じの悪い笑い声が二人の耳に聞こえてきた。

(何かやな感じね・・・)
その不愉快な笑い声が自分達に向けられた物だとミントは直ぐに気が付くとつまらなさ気に肩を窄めてルイズの様子を伺った・・・
自分にはこの状況の意味が分からない以上ルイズに何かしらの要因があるのだろうと・・・

しかしミントの目に映ったルイズはその嘲笑を気にした風も無く堂々と自分の席へと歩いて行く。
いや…気にしていないのでは無く必死に堪えているのだ

「ミント、あんたは私の隣におとなしく座ってなさい。」
「へぇ、今回はあたしの席あるんだ?」

ミントはルイズに進められた通り椅子に座る。
するとルイズと自分の周り数席だけ他の生徒が寄りつかず離れて座っている事に気が付いた。
その事を再びミントが疑問に思っていると教室の入り口から中年の女性教師が教室へと入ってくる。

「皆さんおはようございます。春の使い魔召喚は、大成功のようですわね。この赤土のシュヴルーズ、
こうやって春の新学期に、召喚された様々な使い魔たちを見るのがとても楽しみなのですよ。」
と満足そうに生徒と使い魔を眺めるシュヴルーズ
「あらあら、中々変わった使い魔を召喚したようですね、ミス・ヴァリエール。」
と、ルイズとその隣に座っているミントへと注目する。

途端、教室のそこかしこから再びクスクスという笑い声が響く

「おいゼロのルイズ、召喚にまで失敗したからってその辺を歩いていた平民を連れてくるなよ。」
小太りの少年マルコリヌの発言に再び教室に笑い声が響く。
「違うわ!召喚は成功したわよ、こいつが現れただけよ!!」
マルコリヌを睨み付けルイズが抗議する

その二人のやり取りと周囲の様子にミントはさっきまでの状況を理解し、確信した。

(あぁ成る程、ルイズ苛められてるんだ・・・まぁこの性格じゃしょうがないか?)


「ミスタ・マルコリヌお友達をゼロ等と言って馬鹿にする者ではありません。
それに彼女が正式な使い魔である事はミスタ・コルベールが確認しています。
さぁさぁ、それでは授業を始めますよ。」


それからの授業は問題なく進められた。
『火』『水』『土』『風』の魔法の四大系統。失われた系統である『虚無』。
それら魔法と生活との密接な繋がり、そして始祖ブリミルの存在。
およそハルケギニアの系統魔法の基礎と呼べるカリキュラムにミントもとりあえずは耳を傾ける。
およそ勉学と呼べる物には拒否反応が出るが既存の物とは全く異なる新しい魔法が手に入るならそれに越した事は無い、特に興味を持ったのがブリミルの存在そのものだ。

(6000年前か…このブリミルって奴案外エイオンなんじゃ無いかしら?)
そんな予想にミントは大嫌いな勉強に何とか食らいついていく。そうして授業の内容は錬金の魔法の実演へと進んでいた。


「では誰かにやってもらいましょうか・・・・・・そうですねミス・ヴァリエール、お願いできますか?」
シュヴルーズの発言に一瞬で教室中が騒然となる、そして指名された本人であるルイズにも明らかに緊張の色が見て取れた
「待って下さいミセス・シュヴルーズ!ルイズにやらせるのは危険です!!!」
声を上げたのはキュルケだった。そうして他の何人かの生徒達からもそれに追従する声が上がる。
「ミス・ツェルプストー、何事もやってみないとわかりませんよ。それに私は彼女が非常に優秀な座学の成績を収めている事は知っています。」

そんな中、問答を無視してルイズは勢いよく立ち上がる。
「ミセス・シュヴルーズ、私やります。やらせてくださいっ!!」
その言葉にシュヴルーズはうんうんと頷き、感心してキュルケ含む大半の生徒は頭を抱えた。

「ではミス・ヴァリエールは前へ。」

ルイズが教壇の前にたどり着くと生徒達はそれぞれ当然の様に姿勢を低くして机を盾にして警戒態勢へと移る。
中にはそそくさと教室の中から出ていく生徒まで居た
(周りの奴らの反応からして何か嫌な予感しかしないけどとりあえずは様子見ね。)
ミントも周りに合わせて同じように姿勢を低くし顔の上半分だけをのぞかせて教壇の前で杖を振りかぶるルイズを静かに観察する。

『練金っ!!』

瞬間、閃光と共に巻き起こる轟音と爆発!!

(これ・・・黒色の魔法!?)

想像を絶する爆発の衝撃に教室中は一瞬で阿鼻叫喚の絵図へと変わっていた
そんな中爆心地の埃と煤にまみれたルイズが一言呟く。

「ちょっと失敗したみたいね・・・」


「何がちょっとだゼロのルイズ!!」
「だから止めたのよ!!ゼロのルイズに魔法を使わせるなって!!」
「成功率ゼロ!!失敗魔法もいい加減にしろよ!!」
わき上がる同級生達からの批難の声にルイズは平静を装いながらもただ強く悔しさに拳を握り唇を噛む。それは誰にも気付かれない様に・・・

(成る程、ゼロってそういう意味か・・・ったく難儀な子ね~。)

教室の惨状に呆れ返り、自分の髪の毛についた埃を祓いながらミントは今朝キュルケから聞いたルイズの二つ名の意味をようやく理解した。





結局ルイズの失敗魔法によってシュヴルーズが気を失い、授業の再開は不可能となり
それによってルイズには罰として魔法を使わずに滅茶苦茶になった教室の片付けが命じられた。
尤もまともに魔法が使えないルイズには魔法を使わずという条件など有ってない様な物であったが…

「………」
ルイズは俯き無言のまま床に散らばる細かい瓦礫や木くずをひたすら箒で集めている。

そしてミントも又無言で手伝いとして吹き飛んだ机や椅子を元の位置に戻した後はルイズに習い箒を手にしてそれを手の平の上に立てて器用にバランスを取るという遊びに 興じていた。

「…何で何も言わないのよ?」
長い沈黙を先に破ったのは俯いたまま表情を隠したルイズだ。
「それってあの爆発の話?」
よっと。と言うかけ声と共にミントは箒を自分の頭の上に移動させ起用にバランスを取り続ける
「そうよ。私が魔法を使えば結果は必ず爆発。…私は貴族の癖に今まで一度もまともに魔法を使えた事が無いの。」
箒を強く握りしめながらルイズは唇を噛み本当に悔しそうに言葉を紡ぐ。
「ふ~ん…だから周りの奴らもあんたの事馬鹿にしたりからかったりしてくるのね。」
「そうよ、その通りよ。あんたに散々偉そうに振る舞ったってこのざまよっ!!魔法が使えない貴族!
あんただって口に出さないだけで心の中じゃ私の事笑ってるんでしょ!?」

ルイズの中の魔法が使えないというコンプレックス、薄暗い心の闇がついさらけ出されてしまう…同時に潤んだ瞳から零れる滴が一つ

「なんで私の使い魔は風龍じゃないの?なんでサラマンダーじゃないの?何でよりによってあんたみたいな平民なのよっ!!」
ついつい思ってもいない…否確かに心の奥にある醜い想いがぶちまけられる…
この生意気な平民の使い魔はきっとこれ見よがしに魔法が使えない事をネタに私を馬鹿にするだろう、混乱気味の思考でそうルイズは考えていた。
しかしミントが発した言葉はルイズの予想とは全く異なる物だった…


「使えてるじゃ無い…魔法。」
「…え?」
ミントの発言の意味が分からずルイズは一瞬思考が停止する。

「あれだけの爆発よ?あの生意気な事言ってたデブだってあんたが目の敵にしてるキュルケだって、
というかあんたの魔法を失敗だなんて言ってくる気に入らない奴なんてその爆発魔法でぶっ飛ばしてやれば良いじゃ無い?あたしならそうするけど。」
ミントはさも当然の様にそんな物騒な事を言う。
あまりの発言のぶっ飛び具合にルイズはまたしても惚けたままだ。

「そ・も・そ・も・あたしがこんな所に居るのはあんたの魔法のせいでしょうが!!言っとくけど
あたしが元居た場所に帰るのにかかる船や道中の費用、全部あんたに請求回すからね!!」
地団駄を踏んでミントはルイズをビシリと指さした。本来なら不敬である。


「………」
言葉を無くしたままルイズはミントの言葉を自分の中で反芻する。
「爆発魔法でぶっ飛ばせ」ミントは確かにそう言った。
いかんせん発想は物騒極まりないがあれを失敗では無く『爆発魔法』の成功として捉えればそれは正直認めたくは無いが確かに魔法だ。
何せ練金しただけでこの有様だ…仮に完璧にコントロール出来たとすればこと戦闘用の魔法としては最大級の驚異だ。

「馬鹿にされたままじゃ悔しいんでしょ?あんたの力認めさせたいんでしょ?だったら自信持ちなさい。
あたしもあんたのとばっちりで後ろ指指されるのはごめんよ。」
既に教室の片付けもルイズの足下の集まった細かい物をゴミ箱に押し込めば完了だ、思考に耽るルイズにミントが背を向けながら語りかけるとミントは「柄にも無い…」と一人ごちてそのまま教室の出入り口をくぐった。



そしてルイズが再び顔を起こした時その表情は先程とは打って変わって何か吹っ切れた様にすっきりとした表情へと変わっていた。
(認めさせてやるわよ!私の魔法を…)




__アルヴィーズの食堂

罰の教室掃除を終えたミントは朝と同じように再び厨房を訪ねてシエスタとマルトーの世話になっていた。
本来まともな人間ならば世話になった礼の一つとしてでもシエスタのこの後の仕事
つまりは生徒達への食後のおやつであるケーキの配膳でも手伝おうと申し出るところでは有るが…

しかしミントは勿論そんな事はしない。むしろその時間が生徒と使い魔の交流も兼ねているとどこかから耳にするとじゃあ自分にもしっかりケーキを食べる権利がある筈だ!
とドタドタとルイズを探しに食堂へと走っていってしまった。都合が良い時だけはきっちり使い魔に早変わりである。

「おーいルイズ~。」
「げっ、ミント…」
「あれ?ケーキは?」
「まだよ…ていうかあんた…いや何でも無いわ。」
ルイズは察した…ミントは例え他人から奪ってでもケーキを食べる気だと。

そんなこんなでミントが再びルイズと合流したのだがそれとほぼ同時に食堂の一角でワインボトルが人の頭でかち割られる様な音と共に何かしらの騒動が起きていた。
「何かしら?ちょっと見てこよっと。」
「ちょっと、待ちなさいよミント。」

ルンルンと軽い足取りで野次馬根性丸出しのミントを追いかけ、ルイズも騒ぎの中心を囲う人だかりに足を運ぶ。

「全く、君たち平民は配慮という言葉を知らないのか?」
「申し訳ございませんっ!!」
その中央では何やらフリルの付いたシャツを着たワインでその金髪を濡らした少年ギーシュが薔薇の造花を振りかざし地面に這いつくばり必死に謝罪を行うシエスタをネチネチと責め立てて居る真っ最中であった。
「君のせいで二人の少女の名誉は傷ついた…さてどのような罰を君に与えるべきか?」

ルイズは何事かと直ぐ側に居たクラスメイトに問いかける
曰く、 デザートを配膳していたシエスタは金髪の少年・ギーシュが香水のビンを落としたことに気がついた。
 元々奉仕精神の強い彼女である。当然それを見過ごすことは出来ず、良かれと思いビンを拾い上げるとギーシュに差し出した。
 しかしギーシュはそのビンを受け取ろうとはしなかった。それを受け取れば周囲に自分とモンモランシーとの関係がばれてしまう。
そしてそれはギーシュ個人の都合でよろしくない。その真意を彼女に汲み取れというのは酷な話だ。
 結局その香水がきっかけで彼の二股が明るみになり、彼は二股をかけていた少女二人から見事な制裁を受けた。
 ギーシュはその責任をこともあろうかシエスタに押し付け、今に至る。

「何それ?完全にギーシュの自業自得じゃ無い…」
呆れて呟くルイズ。このままではシエスタが余りに可哀想なので助けに行くかと思い立ったルイズであったがその前にいつの間にかミントが自分の視界から消えた事に気が付いていた。



「…まったくこれだから平民は…」
「ん?・・・うわぁギーシュッ!!」
未だ続くギーシュの言葉責め、そんな中一番最初にそれに気が付いたのはギーシュの側に居た彼の友人マルコリヌだった。
「ん?…どうしっぼぁっ!!」
マルコリヌの声に反応して振り向いたギーシュ、その視界には何故か猛烈な勢いで飛来してくる靴の底。
顔面を襲う強烈な衝撃にギーシュの身体は吹き飛ばされ二度の地面との衝突の後、派手にガーデンテーブルを巻き添えにして無残に崩れ落ちる。


突然の事態に周囲の野次馬がざわめく。
そしてギーシュを蹴り飛ばした反動で中空で体勢を整えて華麗な着地を決めて見せた新たな騒ぎの中心は沢山の生徒が見守る中、
威風堂々憮然とした態度で尊大に言い放った。



「黙って聞いてれば全部あんたの自業自得じゃ無い!!あんたのつまらん言い掛かりのせいであたしのケーキがいつまでたっても届かないんでしょーがっ!!!!」

ケーキを配っていたシエスタがギーシュのせいで足止めされている以上ミントにとって最早ギーシュはぶちのめすべき障害でしかなかった。



「あぁ…頭痛が…」
その光景にルイズは襲い来る目眩に力なく天を仰ぐ。




(パンツ白だった…)
マルコリヌだけは今回どうやら幸運だった様である。


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