あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

零神演義02

スープーはルイズを乗せて彼女の部屋まで帰ってくると、さっそく様々な話をした。
ここがどこなのかとか、どうも自分が異世界から来たらしいとか。
ルイズはスープーの話を半信半疑という感じだった。
それに対して、スープーはすでに自分が異世界にいることを受け入れていた。
スープーはコレまでの冒険の中で別の星へワープするということも体験している。
……というか、今では彼はその星に住んでいたため、人間界に行くときは毎回そのワープゾーンを通過していたのだ。

(そう考えると、あのときの鏡はこの世界へのワープゾーンだったんスね)
「スープー話聞いてんの?」
スープーが勝手に納得しているところで、彼女は次の話題へと話を変えた。つまり、使い魔の仕事について。

「うーん。いろいろ仕事があるんスねぇ。使い魔って」
「そうよ。でも……スープーは何ができるのよ?」
「僕は御主人を乗せてた時は、一緒に戦場を飛び回ったこともあるッス。戦えはできなかったけど一生懸命サポートしたッスよ」
「御主人?前にも誰か乗せてたの?」

ルイズの顔が少し曇るが、スープーは気づかない。
「そうッス。……ずっと一緒だったんスけどね……最近は会ってないッス」
「ふーん」

それでその日の雑談は終わった。
その後ルイズの着替えを手伝い(スープーはルイズを子供だと思っているので何とも思わなかった)
明日やっておくことを言いつけられ、そして床で寝た。
もともと寝つきが良いのと、疲労のためにすぐに寝ることができた。ルイズよりも早かった。

そして、起きるのもルイズより遅かった。
もし隣の部屋のキュルケがドアをノックしなかったら、二人して寝過ごしていただろう。
「スープー!起こしてっていったじゃない!」
「う~……誰ッスか?」
「ル・イ・ズ・よ!!あんたを召喚した!!あんたの御主人さま!!」
こんなやりとりが廊下まで聞こえてくる。キュルケは思わず苦笑すると自分の使い魔であるフレイムに目を向けた。
「あなたをあの子に自慢しようと思ったんだけど……時間かかりそうだしもう行きましょうか」
きゅるきゅると返事をする自分の使い魔に笑顔を向け、キュルケは歩き出した。

慌てて準備をしたルイズは一人でアルヴィーズの食堂へ向かっていった。
スープーはというと、洗濯物を入れたカゴを片手に、洗い場を探していた。
寝坊した罰として、朝食抜きで洗濯を言いつけられたのだ。
フワフワと飛んでいると、メイドの格好をした少女を見つける。
聞いたほうが早いと考えたスープーは、後ろから声をかけた。

「すいません~。聞きたいことがあるッス」
「はい………ええ!!?」

彼女は貴族に声をかけられたと思っていたので、スープーの姿を見て驚いてしまう。
「ええと、今の声はあなたですよね……?」
恐る恐る聞いてくる彼女にスープーは笑顔で答えた。

「そうッス。ルイズちゃんの使い魔のスープーと言うッス。お尋ねしたいことがあるんスけどいいスか」
「ルイズ……あぁあなたミス・ヴァリエールの使い魔になったっていう、しゃべるカバ……」
「カバじゃないッス!」

こんなやり取りの後、シエスタはスープーを洗い場まで案内した。
シエスタは噂から予想していたのと違う、スープーのおっとりした性格と礼儀正しさに好印象を覚え
スープーも親身に対応してくれるシエスタをいい子と判断していた。
といってもスープーにとっては朝食抜きを言い渡したルイズでさえ、気が強いけど悪い子ではないという印象だったのだが。
もともと、とてつもなく人がいいのだ。そういうわけで二人は仲良くおしゃべりをしながら洗濯をしていた。

「そうなんですか……急に使い魔になって色々困ることもあるでしょう。私にできることでしたら何でもお手伝いしますので
 気楽に声をかけて下さいね」
「そう言ってくれるとありがたいッス。実は今朝さっそく失敗してしまって朝食抜きにされてしまったんスよ。これかた先が思いやられるッス」
そう言って溜息をつくスープーに、まぁと驚いた声を上げ、心配そうに尋ねた。
「それはお気の毒に…………そうだ!厨房にいったら私達が食べる賄い食がありますけど、よかったら来られますか?」
そう誘われたスープーだったが。

「僕は基本草食ッスからそこらへんの草で大丈夫ッス。気持ちだけ頂いとくッス」
笑顔でやんわりと断った。
シエスタは少し残念そうに、そうなんですかと呟いた。

シエスタと分かれたスープーは、朝食を終えたルイズに会うために、指定された場所へ飛んでいった。
スープーが集合場所で10分ほど待っていると、ルイズがやってきた。
「スープー。洗濯は終わったの?」
「もうやってきたッスよ。朝の事はすまないッス」

ルイズとしては怒鳴りつけて分かれた後だったので、少しきまづい感じだったのだが
全く堪えてなさそうなスープーの笑顔に安心したような、腹立つような矛盾した感情を持つ。
「ち、ちゃんと反省してるなら許してあげるわ。…………遅れちゃうじゃない早く行くわよ!」
「遅れるって何にッスか?」
「授業よ。スープーも一緒に出るの」

教室に入ると、中にいた生徒達の注目がルイズたちに集まる。
いや、正確にはスープーにだった。彼らは今の時点でスープーが宙に浮いていることを初めて知ったのだ。
今まで見たことも聞いたことも無いタイプの生物を皆興味深げに見つめている。
ルイズはそれを感じるが、なるべく表に出さないように、そのまま自分の席へ座った。
彼らの注目はスープーに対してだったが、ルイズは使い魔への注目はルイズ自身への注目でもあると考えていた。
今まで馬鹿にされた目で見られることはあっても、こういう風に注目されることはあまりなかっので、どう対応するべきか戸惑う。
そんな彼女をよそに、スープーは他の使い魔たちを楽しそうに眺めている。
「すごいッスね~。ファンタジーッスね!」

そんなスープーの足元に巨大な爬虫類がノシノシと近づいて来た。
きゅるきゅると鳴くその爬虫類、もといサラマンダーにスープーは笑顔で話しかける。
「こんにちわッス。尻尾が燃えてるッスよ。大丈夫ッスか?」
きゅるきゅるきゅる。
「そうなんスか。じゃあ使い魔同士これからよろしくお願いするッス、フレイムさん」
「あら、フレイムがそんなに親しげにするなんて珍しいわね」
使い魔同士の会話に割り込んだのは、フレイムの主キュルケだった。
「あなたがルイズの使い魔ね?ふーん、本当にしゃべるのね。それに翼が無いのに浮いてるのはどうして?」
「空を飛べるのは、飛べるからとしか言いようがないッス」
「ちょっとキュルケ。私の使い魔にちょっかい出さないでよ」

今度はルイズが会話に割ってはいる。その声からして機嫌が悪そうだ。
「あらおはようルイズ。今朝はよく眠ってたみたいだけど、授業中は眠っちゃだめよ?」
しかめっ面のルイズに対してキュルケはニヤリと笑って返す。
いきなり重くなった雰囲気に、居心地が悪くなったスープーはなるべく明るい声でキュルケに話しかけた。
「キ、キュルケさんッスか。僕は四不象ッス」
「スープーシャン?ヘンな名前ね。……なかなかかわいらしい顔してるけど
 どうせ使い魔にするならカバちゃんより、こういうのがいいわよねぇ~」
「カバじゃないッス!!どちらかと言うと龍ッスよ!」

カバという単語に反応したスープーの声は自然と大きくなっていて、教室中に響いた。
部屋がしんと静まり返り、キュルケは唖然とした顔をしているが、しばらくして「プッ」っと笑う。
それに釣られたように教室中が爆笑の渦に巻き込まれる。
「竜だって!竜!どうみてもカバじゃないか!」
「さすがは『ゼロ』のルイズの使い魔!言うことが違うな!!」
「あまり笑ってやるなよ!あれは韻竜のつもりなんだから!」
「あえて言うなら韻カバってところだな!」
自分が笑いの的になっていることに気づいたスープーは必死に反論する。
「カバじゃないッス!本当に龍ッスよ!」
「バカ!」
顔を真っ赤にしたルイズが、スープーがこれ以上しゃべらないように止める。
しかし、すでに時は遅くさらに教室がドッと沸く。
いまだに訳の分かっていないスープーに、キュルケが笑いを堪えながら解説する。

「竜っていうのはね……ああいうもののことを言うのよ」
そう言って窓の方を指差す。見ると青空の中を青い鳥が飛んでいる。
……いや鳥ではなかった。大きな体。長い手、足、首、尾。そしてやはり爬虫類的な顔立ち。
それはタバサの使い魔シルフィードだった。
その優雅で力強い姿に、スープーは思わず息を呑んだ。
「綺麗ッスねぇ」
「あれが竜よ。分かった?」
その後も続く教室の喧騒は、ミセス・シェヴルーズが入ってくるまで続いた。

スープーは始めこそ授業を真面目に聞いていたが、段々と眠くなり始めていた。
それを見た隣のルイズがスープーをつつく。
「あんた、なんであんなこと言ったのよ。恥かいちゃったじゃない」
「龍のことッスか。でもウソは言ってないッスよ」
「まだそんなこと言ってんの?あんたはしゃべれて、空を飛べるだけで十分珍しんだから
 竜なんて言わないで、黙っときなさい」

そんな二人を目ざとく見つけたミセス・シェヴルーズがルイズを指名する。
前に出て自分の代わりに錬金の魔法をやってみろと言うのだ。
この暴挙に教室中からブーイングと悲鳴の嵐。スープーだけが「ルイズちゃんがんばるッス!」と声援を送る。
ルイズは思わずその声援に押され前に出て行ってしまう。
皆は机の下などにすでに避難している。
スープーとミセス・シェヴルーズだけが少し緊張した面持ちでルイズを見つめている。
ルイズが唱える。……次の瞬間爆発が起きた。
吹っ飛ぶルイズとミセス・シェヴルーズ。
「ちょっと失敗したみたいね」
おくびれも無く言いのけるルイズに再びブーイングと怒声が飛び交う。
ルイズはそれらを無視して、スープーの方をちらりと見る。
さんざんスープーに偉そうなことを言っておいて、自分が魔法成功率『ゼロ』のルイズだと知ったらなんと思うだろうか。
みんなと同じように馬鹿にするか。それとも同情するか。どっちも嫌だった。
……しかしスープーはルイズをすでに見てすらいなかった。
スープーはルイズの爆発させた石ころの破片を顔面で受け、「ぬおお・・・・・・・」といううめき声と共に気絶していた。

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