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Ruina 虚無の物語-05


結局、罰としてルイズと自分達で魔法を使わずに部屋の掃除をするよう命じられた。
これも使い魔の仕事なのだろう。
そう納得しつつ黙々と作業を続ける。
ネル、キレハ、エンダの3人も文句を言わずに手伝ってくれている。
「本当は馬鹿にしてるんでしょ?」
突如ルイズが拳を硬く握りしめ、俯きながら言った。
「ろくに魔法も使えないくせに威張ってるって、そう思ってるんでしょ!」
確かに錬金という魔法は使えていないが、攻撃魔法は使えているのではないかと返す。
「馬鹿にしてるの?ただの失敗よ、あの爆発は。」
こちらでは魔法に失敗すると爆発が起きる物なのか問いかける。
「何が言いたいのよ?どうせ私だけよ、あんな爆発が起きるのは!」
不可解な事があると告げる。
「不可解?何が不可解なのよ。」
「昔、フィーが魔法の訓練してる所見た事あるけど、失敗した時は何も起きなかったよね。」
あるいは、制御の甘かった魔法が暴発する事はあったが、あのような爆発は初めて見たと補足する。
それ故に、あの爆発も何らかの魔法ではないのかと思ったのだ。
「つまり、あの爆発はただの失敗じゃないっていいたいわけ?」
頷く。
「失敗でアレなら、成功だとどんな威力になるんだろうな。」
違うわよと皆が返す
「それに、わたし達を召喚したんだから全く魔法が使えないわけじゃないと思うけど。」
「たまには成功する事もあったわよ……。でも、あの爆発が魔法だったとしても、使いたい魔法は使えてないじゃない……。」
爆発が起きる理由が解明したら、魔法が使えない謎が解けるかもしれない。
そう言うとルイズは黙りこみ、考え始めた。

昼になり、授業が終わって昼食の時間となった。
今度はネル・キレハ・エンダの3人とともに賄いを受け取りに行く。
話から察するに、彼女達もシエスタに会ったとの事だ。
どうやら自分達はこの学院でかなり有名になってしまった様だ。
白髪と赤い瞳というのはこの地方でもやはり珍しい物なのだろう。
そう1人で納得していると聞き覚えのある声がした。
「あ、フィー様とその従者の方々ですね。少々お待ちください、食事を用意しますので。」
シエスタがそう言って厨房へ向かった。
「フィー、あの人と知り合いなの?」
昨晩、魔法の訓練をしようと中庭に出たらフランに似ていたメイド――シエスタと出会った事を話す。
「言われてみると似てるわね。特に髪の色とか」
「足音しなかったな。」
「フランちゃんも髪黒かったしね。」
皆がひばり亭の仲間の事を思い返していると、昼食が届いた。


ミス・ヴァリエールの使い魔とその従者の方々に昼食を届けた後、食堂の給仕として働くように指示が出た。
以前、厨房の手伝いをしたいと申し出た時は、皆が私に食材の皮むきや汚れの掃除、皿洗いを任せてくれた。
そして、コックになるには長い修行が必要なのだろうと思った。
料理をしたいと言った時に皆の顔に焦りが見えたのはきっと気のせいだと信じたい。
物思いに耽りつつ貴族の子弟達に料理を配っていると、ふと数人で歓談している少年達が目に入った。
よく見ると、立って話をしている貴族の少年の服のポケットから香水瓶が落ちたではないか。
歓談の邪魔をするのは悪いと足音や気配を殺してこっそりと接近し、素早く瓶を拾う。
そして流れるように誰にも気づかれることなく香水瓶を彼のポケットの中へと滑り込ませる。
途中で聞こえてきた話から、彼ミスタ・グラモンに他の少年達が交際関係について詰問をしていたようだ。
平民である自分には関係のない話だ。そう思い、その場から立ち去った。

暫く後、偶然ギーシュと話をしようと近づいたモンモランシーとケティが遭遇し二股が発覚したのは余談である。


ミス・ヴァリエールが召喚したメイジの手に刻まれたルーンを調べたのが事の始まりであった。
フィーと名乗ったあの少女と、その従者という扱いになっている彼女達の持っていた武器や衣服の一部に、
通常では考えられないほどの魔力を感じたのも興味を持った理由の一つである。
案の定と言うべきか、彼女に刻まれたルーンは普通の物ではなかった。
『ガンダールヴ』かつて始祖ブリミルが従えていた使い魔のルーンが彼女の左手に刻まれていた。
それを知らせるべくオールド・オスマンの元へ走る
「た、たた、大変ですぞ、学院長!」
扉を開けると、水煙草をミス・ロングビルに取り上げられた学院長が座っていた。
「何を騒いでおる、そのように焦っておってはすべてが大事じゃ。」
「し、しかしこれをですな。」
言いながら彼女のルーンのスケッチと始祖ブリミルの使い魔について書かれた書物を手渡す。
するとオールド・オスマンの目つきが鋭くなり、ミス・ロングビルに部屋から出るように促した。

「つまり、あの少女は伝説のガンダールヴかもしれないと言いたいのじゃな?」
頷き、肯定する。
「はい、そうです。これは一大事ですぞ学院長!現代に蘇ったガンダールヴ、是非王宮に知らせて指示を――」
「それには及ばん。」
話の途中で邪魔が入る。
「まだ本物か確認しておらん。それに王宮の連中に知らせようものならば喜んで戦争に駆り立てようとするじゃろうて。」
「確かに、そうですな。」
「そもそもあの少女はメイジの様じゃからのう。確かめるのは難しいじゃろうて。それに持っていたマジックアイテムがアカデミーの目に入ろうものならばどうなるか分かったもんじゃないわ。」
頷く。
彼女らはいったい何者なのだろうか。そんな事を思いつつ部屋を後にした。

まさか彼女達がそれぞれ、太古の偉大な皇帝の裔である薬師、古く高貴な血を引く遊牧民、竜王の転生体、雑貨屋の娘という混沌としたメンバーであるとは誰にも想像できないであろう。


「そういえばあんたが魔法使ってる所見た事が無いわね」
教室での結界の構成はどうやら視界に入ってなかったようだ。
恐らくは錬金の魔法に集中していたのだろう。
さておき、攻撃する魔法ならば腕に覚えがあると返事をする。
「そういえば前にも言ってたわね、じゃああの岩に何か撃ってくれる?よく使う魔法でいいわ。」
そう言って、ルイズは広場にあった岩を指さす。
「フィーがよく使ってた魔法ってあれだよね。」
「“矢の呪文”ね。」
頷きつつ、愛用の杖を手にする。
主が魔法の腕を見たいと言っているので、不本意ながらも詠唱を開始する。

“矢の呪文”
攻撃魔法の初歩でもあるこの魔法は、威力こそ他の魔法に劣るものの消費する精神力が非常に少ない。
そのため、終わりの見えづらい長時間の探索でも大きな負担とならない事が強みである。
もっとも、初歩の魔法と言えフィーの魔力で放てば十分に実用的な威力となる。


「なによ、自信があると言っておきながら……」
たかがマジックアローじゃないのよ。
言いきる前に破砕音が響く。
反射的に振り返ると、中央に大きく刳り抜いた痕を残した岩が鎮座していた。
「え……。」
思わずフィーの方を見ると、暗にこれでどうかと言わんばかりの表情をしている。
「今の、本当にマジックアロー?」
思わず問いかける。
返ってきたのは肯定の意であった。
思わず黙り込む。
嘘だと思いたいが、確かにあれはマジックアローだった。
とんでもないメイジを召喚してしまったのでは。冷や汗が出る。
召喚直後にフライを見た時の驚きようから、フライやレビテーションは本当に使えないようだ。
だが、その代わりにマジックアローであのような破壊をしてのけるメイジ。
頭が痛む。
この使い魔たちはブリミルを知らないと言った。
ハルケギニアでは、例え秘境に近い田舎であろうがブリミルを知らない者はいないはずだ。
となると聖地を超え、はるか東へ向かった先にあるロバ・アル・カリイエのメイジだろうか?
遥か遠方の地であるならば、魔法の常識も異なっている可能性も否定できない。
「ま、まあいいわ。護衛として合格と認めてあげるわ!か、感謝しなさいよね!」
思わず強がりを口にする。
もっとも、護衛として認めたのは本心からである
「ツンデレって奴か?」
エンダが何か言った気がするが、耳に入らなかった。

なお、先程の破壊音を聞いて駆け付けた教師達に事情を説明した結果、広場を掃除する羽目になったのは余談である。


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