あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

かっとび!使い魔

――「ウルトラ怪獣かっとび!ランド」より、ウルトラマン召喚――

「宇宙の果ての何処かにいる、私の僕よ! 神聖で、美しく、そして強力な使い魔よ! 私は心より
求め、訴えるわ! 我が導きに応えなさい!」

 魔法学院創立以来きっての劣等生といわれる少女、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・
ラ・ヴァリエールの呪文が、草原に響き渡った。本来は可憐であるはずのその顔は、鬼気迫る色で
塗り潰されている。
 その理由は3つ。1つ目は、彼女は魔法が不得手で、どんな呪文も何故か必ず爆発させてしまう
こと。2つ目は、この呪文を成功させないと、つまり春の使い魔召喚の儀式で使い魔を召喚できないと、
自分は落第してしまうこと。そして3つ目、これが最も重要なことなのだが、既に何度失敗して
いるのか判らないということだ。同じ個所で唱えては失敗を繰り返しているので、ルイズの眼前は
直径10メイル、深さ3メイルは下らないクレーターと化している。周りの同級生たちは、既に自分を
揶揄することに飽きているのが見て取れた。

 そして、今唱えた呪文の結果はどうなるのだろうか。
「きゃーっ!」
 半ば案の定、爆発した。しかし、爆風に吹き飛ばされながら、ルイズは目を見開く。その爆発には、
今までの失敗にはなかった、手応えの様なものがあったから。
 そのまま吹き飛び、背中で地面をバウンドすること3、4回。一瞬呼吸ができなくなるのも構わず、
ルイズは爆心地、もとい呪文を唱えた場所へと急ぐ。
「……え?」
 すると、また広さと深さを増したクレーターの中、そこで立ち昇っている黒煙の中に、うっすらと
何かが立っているシルエットが見えたのだ。
 瞬間、ルイズの心が歓喜と期待に沸き上がり、体が不安と緊張に震えだす。そんなルイズの心境を
知ってか知らずか、一陣の風が吹いた。春の香りを乗せたそれは草原を駆け抜け、黒煙を丸ごと
さらっていく。

 そこに立っていたのは、見たこともない亜人だった。一見したところ、体毛らしきものは一切生えて
いないようだ。頭部にはとさかの様なものがあり、それが人間でいえば鼻筋の辺りまで続いている。
黄色に光る眼は楕円形で、ルイズの拳ほどの大きさはありそうだ。体色は銀を基調としており、そこへ
赤いラインがシンプルながら凝った走り方をし、美しい模様を描いている。胸に輝くのは何かの器官なの
だろうか、青い水晶の様な半球体があった。全体的なシルエットは人間に近いものがあるものの、頭身
自体は子どもの様に低く、2、3頭身ほどしかない。こんな亜人がいることなど、ルイズは今まで聞いた
ことさえなかった。

「あんた、誰?」
 おずおずと眼下のクレータに立つ亜人に問い掛けると、亜人がこちらに向き直った。
「はい、私はウルトラマンと申します。はじめまして」
 にこやかに答える亜人、ウルトラマン。どうやら、人語を解する程知能は高い様だ。そして、礼儀正しい
口調からも凶暴というわけではないらしい。それが判ると、ルイズはほっと安堵の息をつく。
「召喚は成功の様ですね。おめでとう、ミス・ヴァリエール」
 いつの間に傍まで来ていたのか、引率の教師、コルベールが祝福の言葉を掛けてくれる。
「あ、ありがとうございます!」
「さ、それでは契約をお済ませなさい」
 その言葉に力強く頷き、ルイズはウルトラマンの許まで降りていく。そして彼といざ対峙すると、1つ
咳払いをした。
「あなた、感謝しなさいよ。亜人が貴族にこんなことされるなんて、普通は一生ないんだからね」
「はい? なんのことですか?」
 よく判らなそうなウルトラマンを無視して、ルイズは杖を構え、呪文を唱える。
「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。5つの力を司るペンタゴン、
この者に祝福を与え、我の使い魔と為せ」
 使い魔契約の呪文を唱えると、有無を言わさずウルトラマンに口づけする。された方は当たり前だが
驚いたらしく、その大きな目が飛び出さんばかりになっていた。
「わー! あちち!」
 次の瞬間、ウルトラマンは左手を押さえて跳び上がった。恐らく、使い魔のルーンが刻まれているの
だろう。10メイル以上という恐るべき跳躍力で飛び跳ねている。

 こうして、ルイズは望みの通り、宇宙の果てから、神聖で、美しく、強力な使い魔を得たのだった。
大ボケをかますという、但し書きがついていたにせよ。

 召喚の儀式が終了すると、コルベールの号令で生徒全員が教室へ戻ることになった。各々が、フライの
呪文を唱えて浮かび上がる。その様子を、ルイズは歯噛みしながら見つめていた。魔法成功率ほぼゼロから、
ゼロのルイズと呼ばれる自分は、フライの呪文を唱えられない。その上、意地の悪い連中は嘲りの言葉さえ
投げてくる。
「ルイズさんは飛べないんですか?」
「う、うるさいわね!」
 使い魔の質問に答えず、そっぽを向く。しかし、続いた言葉に振り向かされた。
「なら、私の背中に乗ってください」
「へ?」
 言うなり、ウルトラマンの体が浮き上がった。次いで、両腕を頭上へ伸ばし、水に飛び込むような姿勢に
なって地面と水平になる。
「あ、あんた、飛べるの!?」
「ウルトラヒーローですから」
 意味不明な単語を耳にするが、ともかく飛べるというのはなかなかのアピールポイントだ。その上、乗れと
言いだす以上人を乗せて飛ぶだけの力もあるのだろう。ルイズは自分が当たりを引いた実感を湧かせながら、
ウルトラマンの背にまたがる。
「では、行きますよ」
 言うや否や、ウルトラマンは矢のような勢いで飛翔した。

「す、すごい……すごい!」
 自分とさして変わらない体格ながら苦も無く、そして高速で飛ぶウルトラマンに、ルイズは興奮した声を
抑えられない。ウルトラマンの方もそれに気を良くしたらしく、ご機嫌な声を上げた。
「ハハハ、それじゃあ、マッハ5で行きますよ」
「まっは?」
 また知らない単語がでてきたかと思うと、突然凄まじい加速が襲いかかる。暴力的な風が体中をしたたかに
叩き、風圧で呼吸もままならない。少しでも腕の力を弱めれば、確実に引き剥がされる。死ぬ気でウルトラマンに
しがみついていると、学院の塔がすぐそこまで迫っていた。

“あと少しで解放される!”
 そう考えて油断してしまったことを、ルイズは長らく後悔することになる。
「ところで、教室はどこですか?」
 そう言って、ウルトラマンが急停止した。僅かに気が緩んでいたルイズは、その急ブレーキに耐えられず、
慣性の法則のままに前へ放り出される。
 かくして、ヴァリエール公爵家の三女は、進級が決定したその日に学院の窓を突き破り、教室の黒板にめり込むと
いう、人生初の体験をするのだった。

 その夜、全身を包帯で覆ったルイズは、ウルトラマンに使い魔としての心得と役割を説いていく。素直な
性格なのか、脳みそが単純なのか、割とあっさりウルトラマンは使い魔という立場を受け入れた。それに
安心したルイズは、そのままベッドへ横になり、眠ることにする。そして、ウルトラマンへは指示した
場所へと帰らせた。即ち、女子寮にあるルイズの自室へ。この夜、ルイズは医務室で過ごすことになるの
だった。ウルトラマンが看病するとは言っていたが、そこはかとなく不安なためやめさせたのは、きっと間違った
判断ではなかっただろう。

 翌日、校医から授業を受ける許可をもらったルイズは、包帯の上から制服を着て教室へ向かった。その途中で、
ウルトラマンと合流する。仲良くなったシエスタなるメイドに朝食をご馳走になったらしく、今朝は
病院食しか口にしていないルイズは軽く恨めしくなった。

 その日の最初の授業は、物質を別の物質に変化させる魔法、錬金についてだった。講師は、土系統の
メイジ、シュヴルーズ。彼女の授業を受けるのは、ルイズは初めてだった。だからだろう、彼女がルイズに
実技を指名したのは。一瞬の間もおかず、赤毛の天敵、キュルケが反論する。
「あの、ミセス・シュヴルーズ、止めた方が……」
「おや、ミス・ツェルプストー? 何故です?」
「危険だからです」
「危険? 錬金の呪文は、別に危険なものではありませんよ」
 キュルケの忠告を一笑に付すると、シュヴルーズはルイズを再度指名した。そして、キュルケの態度に
かちんときたルイズは、それに力強く受ける。

 結果はどうなったかといえば、やはり爆発だった。それにより授業は潰れてしまい、その罰として
ルイズは教室の修復を命じられてしまう。
「はあ、こんなの貴族の仕事じゃないわよ……」
 文句を言いつつ、机を拭く。爆心地にいたがために、増えてしまった怪我と開いてしまった傷が痛い。
屈辱感と痛みに億劫さを募らせていると、ウルトラマンがにこやかに言ってきた。
「何を言うんですか。自分の教室を自分で綺麗にするのは、立派なことですよ」
 自分の体より大きな机を軽々と持ちあげながら、壊れた机と取り換えていくウルトラマン。その前向きな
態度に、ルイズも少し机を拭く速度を上げる。そして、ルイズなりの頑張りとウルトラマンの超人的な
運動能力により、意外と早く修復と掃除は終わった。
「ふう、綺麗になったわね」
 掃除なんて、普通はメイドの仕事。常日頃そう思っているルイズではあるが、いざ自分の力で教室の
清掃を終えると、達成感がふつふつと湧いてくる。
 しかし、ウルトラマンは不満そうだ。
「そうでしょうか、何かやり残しがある様な……」
 疑わし気に周囲を見回していると、ウルトラマンは突然床に這いつくばった。
「あー、やっぱり!」
 かと思えば、愕然とした表情で叫びだす。
「爆発でできた床のひびの中が、汚れています!」
 ガーン、という擬音が聞こえてきそうな空気を纏うウルトラマンを見て、ルイズもそのひびを覗き込んだ。
「そうね、でも仕方ないわよ」
 見れば、ひびはとても手が入る様な大きさじゃない。ここまで磨くのは無理だろう。

「いいえ、大丈夫です!」
 しかし、何故かこの使い魔は自信満々に言いきった。かと思えば、突然右腕を高らかに掲げる。
「“八つ裂き光輪”!」
 また未知の単語が出た、と思うよりも早く、ウルトラマンの手に光る何かが現れる。それは、輪だ。
純白に輝き、のこぎりの様に周囲がギザギザになった光のリング。
 いかにも物騒な形状のそれを、ウルトラマンは一気に床へ突き刺した。頑丈なはずの床に深々と刺さった
そのリングで、ウルトラマンは床のひびを広げていく。
「ちょっと! 何してるのよ!」
「こうすれば、汚れを拭きとれます!」
 言った通り、ウルトラマンはひびの部分から床を丸くくりぬき、煤けた部分を拭いていった。
「むっ、いけません! まだまだひびがたくさん残ってます!」
「え……まさか!?」
 その台詞にルイズが危惧した通り、ウルトラマンが今のリングを教室中のひびへと投げ始める。それと
同時に、教室の中がみしみしと音を立てだした。
「きゃーっ!」
「わーっ!」
 次の瞬間、教室の床が抜け、ついでに壁も崩壊してしまう。
「掃除する教室が無くなってしまいました……」
「あ、あんたのせいでしょ……」
 そして、桃色と銀色の主従は、瓦礫に埋まったまま呻くのだった。

 昼食の時間になったが、ウルトラマンはひもじい思いをしていた。あれから、再び医務室送りになった
ルイズに、教室破壊の罰として昼食抜きを命じられていたからである。
「はあ、お腹がすきました……」
「あら? ウルトラマンさん」
 そこへ、今朝賄い食を分けてくれた少女、シエスタが声を掛けてくる。
「シエスタさん、こんにちは。お仕事、お疲れ様です」
「ありがとうございます。ところで、どうされたんですか?」
 元気のない様子を察してくれたのだろう、メイドの少女が気遣わし気に尋ねてきた。
「いえ、ルイズさんにご飯抜きの罰を受けてしまいまして」
「まあ、それなら、また賄いはいかがですか?」
 その申し出に、ウルトラマンは首を横に振る。
「いえ、罰を受けているんですから、それはできません」
「真面目なんですね」
 感心したとも、呆れたとも取れない声で、シエスタが言う。それに対し、ウルトラマンはまたにこやかに
笑った。
「でも、シエスタさんの厚意はありがたく受け取りました。何か、お手伝いできることはありますか?」
「え、そんな、いいですよ」
「遠慮なさらず。私の気持ちですから」
「ふふ、そうですか? それなら、デザートの配膳を手伝ってもらえますか?」
 差し出されるトレイを手にし、ウルトラマンは快く頷いた。

「なあ、ギーシュ、今は誰と付き合ってるんだよ!」
「誰が恋人なんだ、ギーシュ?」
 少年たちが囃したてる様な声を上げる。手にしたバラを振るいながら、中心になっているギーシュは高らかに
答えた。
「付き合う? 僕にそのような特定の女性はいないよ。バラは多くの人を楽しませるために咲くのだからね」
 自らをバラに例えながら、ギーシュは笑顔を振りまく。花すら霞むだろう笑顔のはずだが、何故か友人たちは
苦笑していた。それに首を傾げていると、後ろから声が掛けられる。
「失礼します、落とされましたよ」
 後ろ目で見てみれば、ルイズが召喚した亜人が立っていた。しかも、まずいものを差し出してきている。
“まずい!”
 思わず、無視を決め込んだ。しかし、それでも亜人は差しだしてくる。仕方なく自分のものではないと
言い張るが、周りが差しだされているものに気付いてしまった。
「おや? それはモンモランシーの香水じゃないか?」

 そこから後は、急展開だった。あのまま周囲の友人たちは、自分はモンモランシーと付き合っているのかと
囃したて(事実なのだが)、それから先日一緒に遠乗りへ出かけた下級生のケティには涙混じりのビンタを
もらい、モンモランシーにもあの一年生に手を出していたのかとやはりビンタを喰らった。
 ようするに、自分が散々な目にあったというわけだ。あの亜人が、自分の香水を拾ったせいで。それに対して
文句を言おうと、香水のビンを持ちながら亜人へ向き直る。
「なんということでしょう」
 すると、肝心の亜人の方が何故か目に涙を滲ませている。
「私が拾ったビンが、喧嘩の原因になってしまいました……」
 なにやら、亜人はビンを拾ったことを後悔している様だ。ギーシュはそれにほくそ笑み、一気に断罪すべく
畳みかけようとする。
「いけないビンです!」
「へ?」
 しかし、続いた亜人の言葉に、妙な流れを感じた。
「壊しちゃいましょう!」
 言うが早いか、ルイズの使い魔は奇妙な構えを取った。左右の手を手刀にし、右腕を縦に立てた。次いで、
左腕を水平にし、右腕とクロスさせる。訳のわからない、意味不明なポーズだ。

 しかし、それを見た瞬間、ギーシュは何故か寒気を感じた。何故かは知らないが、亜人の体勢に戦慄が迸る。
それは、部門の家柄に生まれた者としての本能だったのかもしれない。そして、最も肝心なのは、亜人の構えが
明らかに自分の持つビンに狙いを定めているということだ。
「ま、マリコルヌ! 受け取りたまえ!」
「へあつ!?」
 正体不明の危機感に駆られ、思わず同級生へとビンをパスする。突然ビンを投げられたマリコルヌの方はと
いうと、慌てふためきながらそれをキャッチする。一方、それを見て取った使い魔の亜人は、交差させた腕を
マリコルヌの方へと向け直した。
「逃げるとは卑怯な!」
 叫んだ瞬間、亜人の右手が輝く。
「お仕置きの“スペシウム光線”です!」

 刹那、その光る右手から、凄まじい閃光が放たれた。白銀に輝く光の奔流が、食堂を煌々と照らしだす。
その余りに眩い輝きの流れに、ギーシュは不覚にも美しいと感じてしまった。
「ぎょえーっ!」
 直後に、マリコルヌの悲鳴が食堂中に響き渡らなければ、ではあるが。見れば、彼の周りは何かが爆発
したかのように机や床の破片が散乱し、マリコルヌ自身も焼け焦げながら痙攣していた。
 しばしの後、焦げたマリコルヌから少し離れたところにいる生徒が、上から落ちてきた何かをキャッチした。
即ち、爆発の勢いで飛ばされた、香水のビンを。
「むっ、また逃げましたね!」
 目ざとくそれを見つけた亜人が、今度はそちらへと構えを向ける。それを見て焦った生徒はすかさずビンを
放り投げるが、時既に遅し。その生徒は亜人が放つ光の犠牲者、第2号と化してしまった。

 そして、食堂は地獄絵図と化してしまった。香水のビンが次々とたらい回しされていき、その度に亜人は
閃光を撃ちだしていく。しかし、それはなかなか直撃することはなく、ビンは爆風で飛ばされることはあっても
直接の被害にあいはしない。代わりに周囲の者たちが焦げていくだけだ。その上、ビンに掛けられた硬化の
魔法のせいで、ビンが床に落ちた衝撃で割れることも期待できない。
「ええい、ちょろちょろと逃げますね! 怒りの涙で、狙いが上手く定まりません!」
「なら、撃つなー!」
 誰かが叫ぶのも虚しく、光は食堂を横切り、その着弾地点は吹き飛び、香水のビンは宙を舞う。
 その一方で、全く被害にあっていないものもいた。あの亜人の背後は安全だと考えたのだろう、青い髪の
少女、タバサは、彼女の友人であるキュルケとともに、亜人の後ろを離れないように移動していた。それに
便乗しようと、ギーシュもそちらへと向かう。すると、何かが胸元に当たり、思わずそれを掴んでしまった。
嫌な予感がしつつも見てみれば、やはりそれは香水のビンだったりする。

「もう逃がしませんよ」
 不吉な声が耳に入った。恐る恐る声の方へ目を向ければ、亜人がこちらへ腕を構えている。
「ギーシュ君でしたね、そのビンをしっかり捕まえておいてください」
「ま、待ちたまえよ、君! 少し落ち着きたまえ!」
 慌てて言うギーシュに、ルイズの使い魔はしっかりと頷く。
「はい、落ち着いて狙います」
「そ、そうじゃなくて、は、話せば判る!」
 話す前に、ビンから手を離せばいいのだが、焦りまくったギーシュはそのことに気がつかない。そして、
とうとうその時が来てしまった。
「いけないビンめ! とどめです!」
「うぎゃーっ!」
 ついに、亜人の放つ光が、香水のビンを木端微塵に打ち砕いた。それを手にする、ギーシュごと。全身から
焦げくさい臭いを立ち昇らせながらギーシュが倒れ込むと、亜人が満足そうに笑っているのが見えた。
「悪いビンもやっつけて、これで食堂に再び平穏が訪れました」
「んなもん訪れとらんわーい!」
 最初の犠牲者だからか、最初に復活したらしいマリコルヌの叫びを遠くに聞きつつ、ギーシュの意識は深く
沈んでいく。

 こうして、食堂での騒ぎは幕を閉じたのだった。ちなみに、この件をきっかけにウルトラマンが誰かに決闘を
申し込まれるようなことは、一切なかった。誰だって死にたくはない。

 尚、このはた迷惑な使い魔を召喚したルイズは、これ以降ゼロと馬鹿にされることはなくなったが、代わりに
人災のルイズと呼ばれて恐れられるようになったという。
「私がやらせてんじゃなーい!」

――終幕――



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