あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

ゼロのチェリーな使い魔-20



「結局逃がしちゃったわね」
キュルケは激闘が終焉を迎えると力が抜けてへなへなと座り込んでしまった。
フリオニールは労わるように『ケアル』の魔法を重ねがけしてキュルケの傷の手当てをする。
キュルケは全身からじわじわと活力が湧いてきてゴーレムの打撃による骨折と打撲が完治
したのを感じると
「やっぱりダーリンってステキね」
フリオニールに抱きついてお礼を述べた。豊満な胸がフリオニールの左腕に当たり先程の
電撃による痺れも吹っ飛んでしまった。
「お礼を言われる程のことじゃないさ。俺達戦友じゃないか」
フリオニールは格好をつけているが鼻の下は伸びている。
「スケベ」
タバサに突っ込まれるが、慌てて話題を変えようと
「ところでこの傭兵達はどうする?」
仲間に引火した炎を鎮火した後、半ば放心状態でメイジの戦闘を観戦していた傭兵達を
チラ見して一戦交えるか否か確認した。
「じ、冗談はよして下さいよ。俺達は金で雇われただけだし・・・なぁ?」
傭兵の一人が仲間に同意を求める。雇い主のメイジ二人をひとひねりして追い払ってしまった
眼前の3人を相手に命を賭けてまで戦うモチベーションはもはや無く、火傷を負った仲間を
引きずりながら傭兵達は『女神の杵』亭を後にした。
フリオニールはひと段落がついてほっとするのも束の間
「さぁ、ルイズさんのところへ行こう!」
遅れを取り戻すべく右腕を上げて気合を入れ直しキュルケ、タバサを伴って桟橋へと向かうのであった。

フリオニール達がフーケ&仮面の男と戦闘を繰り広げていた頃

ルイズとワルドは長い長い階段を懸命に駆け上がっていた。息を切らせるルイズだったが
ワルドは平然とした面持ちで階段を上がる。
二人はようやく頂上である丘の上に出ると四方八方に枝を伸ばした山のようにそびえ立つ
大樹の根元へ走っていった。
大樹の枝は実が生るように船をぶら下げている。どうやらこの大木が「桟橋」のようだ。
ワルドが先導して大樹の中へ入りお目当ての発着場を探す。ひとつの看板を発見すると
その先に通じる階段をルイズに指差し
「ここのようだね。さぁ、行こうか」
古ぼけた木製の階段をルイズの手を握りながらゆっくりと上がって行った。
ルイズとワルドが階段を上りきるとその先には1本の枝が伸びていた。
そして、その枝に沿って一艘の船(FF2でいうところの「飛行船」のような乗り物)が
枝にぶら下がって停泊していた。
枝から甲板へタラップが架けられているので、それを頼りに二人は船上に到着し、甲板で
雑魚寝していた一人の船員を起こし船長を呼ぶように依頼した。
気持ちよく寝ていたところを叩き起こされて不機嫌な船員だったが、相手が貴族である
ことを確認すると急いで船長を呼びに行った。
寝ぼけ眼でやってきた初老の船長にワルドは身分を明かして王女の勅命であることを盾に
予定より早い出港を強引に促した。
船長は船の動力源である『風石』(『風』の魔力を蓄えた石)が最短距離分しかないのを理由に
アルビオンがラ・ロシェールにもっとも近づく朝まで待って欲しいと懇願したが、ワルドは
足りない動力分は自身の『風』魔法で補うことと言い値の運賃を支払うのを条件に再度出港を迫る。
予想外の条件を出されて恵比須顔になりニヤニヤ笑みを浮かべる船長を傍目にルイズは
(ワルド様、やっぱりあいつを置いていく気なのね)
自身の使い魔を除け者にするワルドの顔を曇った表情で見つめるのであった。

ラ・ロシェールを発ち、離れゆく町並みを眺めるルイズとワルド。

「この任務が終わったら僕と結婚しよう」
ワルドは突然の風に吹かれて夢中で何かを探すようにプロポーズをした。
ルイズは目を大きく見開きワルドを注視する。
「僕は魔法衛士隊の隊長で終わるつもりはない。いずれはこの国を、いやハルケギニアを
 動かすような貴族になりたいと思っているんだ」
ほんのりと淡い月光に包まれムードが高揚したワルドはついに夢まで語り出した。
邪魔者のフリオニールがいないのも良いスパイスだ。
「で、でも・・・」
プロポーズを受けどの様に返答すべきか逡巡するルイズ。段々とテンションのあがるワルドは
「君はもう16歳だ。自分のことは自分で決めるべきだ」
「わたしは・・・」
勢いに任せてルイズに決断を迫った。それでも戸惑いを隠さないルイズにワルドは一呼吸置いて
「君をずっとほったらかしだったことは謝るよ。いきなり現れて婚約者です、なんて
 押し売りみたいで気が引けるけど、僕には君が必要なんだよ」
真剣な表情を作り落ち着いた口調で求愛の言葉を贈った。
ルイズは幼少時の憧れの人物から熱烈なラブコールをもらい嬉しくないはずはなかった。
しかし、嬉しい気持ちがある反面、魚の小骨が喉に刺さったような違和感が心の片隅に
あるのを無視できなかった。
ルイズは心の中をひとつひとつ丁寧に整理し、深呼吸をしてワルドに正面から向き合うと
「ワルド様がわたしを必要としてくれるのは嬉しいわ。けど、わたしはまだ魔法の修行が
したいの。それにあいつのことも・・・・・・」
本音をぶつけた。
『ゼロ』の二つ名を返上するまで修行を疎かにする気はない。それに、フリオニールの
ことも気になる。仮にワルドと結婚したらフリオニールをどうすればいいのか?
不仲であるのを知っていて新居に連れて行くわけにはいくまい。かといって暇を出そう
ものならキュルケやシエスタが待ってましたとばかりにアプローチをかけてくるだろう。
自身の使い魔が己以外の女性のものになるのだけはどうしても許せない。フリオニールに
対して恋愛感情があるわけではないが、よく仕えてくれて腕っ節が強い上に魔法を駆使
できる有能な使い魔をメイジの端くれとして手放す気は毛頭起きないのだった。

「フリオ君か・・・」
ワルドはラ・ロシェールに置いてきたバンダナ野郎の顔を渋い顔で思い浮かべる。
「そう。だから結婚は・・・」
さすがに新婚生活の風景の中に毛嫌いしている男がいるのを想像すれば躊躇するだろうと
ルイズは思った。しかし、返ってきた答えは
「わかった・・・それなら僕がフリオ君のお父さんになっていいかな?そうすればいい」
「へっ!?」
何を言っているのだろう、この男は?という冷めた目線でワルドを見つめるルイズだが
何故かここで押されては負けだと感じてしまった。相当な負けず嫌いだ。
「とにかく今はダメなの!」
ルイズは思わず大声を張り上げるとつかつかと客室へ向かっていった。
「僕は諦めないよ、ルイズ・・・」
鋭い目つきでルイズの後ろ姿を見つめるワルドであった。

一方、フリオニール達は

タバサの風竜に乗って桟橋へと到着した。
大木に船がぶら下がっている光景を目の当たりにしたフリオニールはあっと息を呑み

(船は船でも「飛行船」のことだったのか!)

ボッタクリ料金で旅人から金を巻き上げる元フィン王国白騎士団長のヒゲ面を思い出した。
思い出に浸る時間はないとばかりに風流を待機させ大急ぎで3人は大樹の中へ入ると、
フリオニールの隠れた特技である「聞き込み」で男女一組のカップルが「スカボロー」行きの
船が待機する階段を上っていくのを見た、という証言を入手した。
駆け足でその階段を上がり行き止まりまで行くと、1本の枝が伸びているだけであとは何もなかった。
「くそっ!一足遅かったか!」
地団駄を踏んで悔しがるフリオニールにタバサが無表情で
「シルフィード」
と言った。何のことやらさっぱりわからないフリオニールにキュルケが
「あのドラゴンの名前よ、ダーリン」
風竜の名前がシルフィードであることを説明した。フリオニールはポン、と手を叩き
「その手があったか!竜騎士もびっくりだね」
戦友の心遣いに感謝した。歓喜するフリオニールにキュルケが水を差すように
「でもこの大空の中からあの二人の乗った船を捜すのは困難ね。アルビオンは戦中だし
軍艦がうようよ飛んでいると思うわ」
これから立ちはだかるであろう新たな試練を前に緊張した面持ちで呟いた。
「仕方が無いさ。先に「スカボロー」に行って待ち伏せすればびっくりするよ」
フリオニールはおどけるように言った。「ご主人様」のびっくりした顔が目に浮かぶ。
こうしてはいられないとフリオニールはいち早くシルフィードの元へ向かうのであった。


シルフィードが徹夜で飛行しフリオニール達は昼前には「スカボロー」に到着した。
途中アルビオン艦隊に見つかりそうになったがシルフィードの機転の効いた巧みな飛行の
おかげで無事「スカボロー」までたどり着いたのだった。
波止場に面したレストランで食事を済ませ休息をとりながらルイズとワルドの到着を待つ
フリオニール達。しかし、待てど暮らせど二人はやって来ない。
まさか船が拿捕されたのか?と嫌な予感が頭をよぎるフリオニールにフード付ローブを
まとった怪しげな男が揉み手をして近づいてきた。
「なにか困りごとでもおありですかな?」
一見メイジ風の衣装であるが杖を持っていない。恐らくメイジにあこがれている平民の類
だろうと見受けられた。
知り合い?とフリオニールは確認する目をキュルケとタバサに向ける。二人は首を横に振ると
キュルケは胡散臭そうな目でローブの男を一瞥した。昨夜白い仮面の男と死闘を繰り広げたばかりだ。
いきなり自分達の元へやってきて話しかけてくるのは警戒して余りある。この「スカボロー」も
いまやレコン・キスタの手に堕ち街中はきな臭い空気が蔓延している。
ローブの男は困惑する3人を当分に見てひひひっ、と甲高い声で笑うと
「私はこの周辺の地域には多少詳しいですし情報網もあります。人をお探しでしたら金貨
 20枚で承りますよ。ひっひっひっ」
右手を差し出して金銭を要求してくるのであった。



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