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ゼロのチェリーな使い魔-09



「えっ!?誰かいるの?」
「でも、俺と「ご主人様」と店のマスターしか・・・」

すると、フリオニールの目の前にあった剣がカタカタと音を鳴らして語りだした。

「よぉ、お前。中々の目利きみてぇだな。しかも相当場数を踏んでいるとみた」
「け、剣がしゃべってる!ああ、この世界は本当に驚くことばかりだ。人が空飛んだり
花びらで人形作ったり」

呆気にとられるフリオニール。そこへマスターが間髪入れず、
「おいデル公!今大事な商談中なんだ、邪魔するんじゃねぇ!」
厄介な客の失言の憂さ晴らしをデル公へ向けた。
しかし、デル公はマスターの言葉に一向に構う気配は無く、フリオニールに営業を始めた。

「この世界?まぁ、いいや。けどよ、この俺様を前にして素手の方がいいたぁ言ってくれるじゃねぇか」
「だって君はデカいから命中率悪そうだし」
「命中率?ほぉ、腕に覚えありってか。だったらなおさらだ。お前、この俺を買いな。後悔はさせねぇぜ」
「そうだなぁ・・・」

フリオニールはデル公に興味津々ではあるが、剣をメインに使用していたのは反乱軍に
参加してからミスリルを入手した頃までで、その後はミンウが推奨する修行場(フィン城
北部の湿地帯)で帝国軍と戯れていた時に手に入れた『まじゅつのつえ』を愛用していた
(例のリッパーナイフ登場で『まじゅつのつえ』はアイテム欄行きとなっている)。
本音を言えば使って一番自信のある武器は杖だ(メイジでもないのに)。リッパーナイフの
ような強力な武器であれば使って熟練度を上げようという気にもなるが、目の前にあるのは
錆びたロングソード。しかし、初心に帰るには良い機会かもしれない。会話もできる。

「わかった。「ご主人様」俺、これに決めた!」
「ええ!?ガラの悪い錆びたインテリジェンスソードにするっていうのかい!?」

使い魔の決断に「ご主人様」は思わずフグ田(ryの口調になってしまった。
すると、ルイズは恥ずかしさを紛らわす為にコホンと咳払いをひとつして、

「やめときなさいよそんなの。ひょっとして、遠慮してるの?」
「いや、違うんです。俺の住む世界には喋る剣はないし、使ってみたいなって」
「そう。あんたが安上がりな人間でよかったわ」

ルイズとフリオニールのやりとりを見ていたマスターは
(なんだよ。買うのは結局デル公1本かよ。この小僧の見立てを間違えたか?いや、奴の
 背中に掛けている盾。あれは見たこともねぇ代物だ。やっぱり只者じゃねぇな)
デル公を売る際に値段を吹っかけてやろうかと考えたが、フリオニールのアイスシールドが
視界に入るとやはり相手が悪いと思い直して諦めた。

「これおいくら?」
「へぇ。デル公なら厄介払い込みで新金貨50枚で結構でさ」

ルイズは予算内に収まってよかった、と安堵して財布から新金貨を取り出て支払った。
新金貨を受け取るマスター。やっとこの面倒な客とうるさい剣が出て行ってくれると
思うと自然と笑みがこぼれる。

「っつーわけで、よろしくな相棒!そういや相棒の名前は何て言うんだ?」
「フリオニールだ。よろしく!」
「俺っちはデルフリンガーだ!これからしばらく楽しめそうだぜ!」

こうして3人(?)は武器屋をあとにするのであった。
ルイズ一行は武器屋を出るとキュルケ、タバサと鉢合わせた。

「あら?キュルケにタバサ・・・」
ルイズは思いがけないところで思いがけない人物に出会い目を丸くする。
「ご機嫌麗しゅう。ミス・ヴァリエール」
言葉使いは丁寧なものの顔は引きつっているキュルケ。タバサは読書に夢中。
「やぁ、君たちも武器を?」
フリオニールはデル公を購入してもらって上機嫌だ。
「そうよ。ダーリンにプレゼントする為よ」
キュルケは相好を崩してフリオニールの腕に抱きついた。
「ダ、ダーリンって・・・」
フリオニールは「ダーリン」の言葉に背筋を凍らせた。自身の腕に当たるキュルケの大きく
実った乳房の感触を味わう余裕はない。そして、恐る恐るルイズの様子を伺うと案の定、
癇癪玉破裂まで5秒前だった。

「残念だったわね、ミス・ツェルプストー。あなたの「ダーリン」は既に武器を購入済みよ」
「ヴァリエール家では自分の使い魔にボロい剣を渡すしきたりなのかしら?」
「あら?これはうちの使い魔が自分で選んだのよ」
「私だったらもう1本プレゼントするけどなぁ」

例によって激しい火花を散らす両人。この状況を幾度となく味わう内にフリオニールは
チェリーも悪くないんじゃないかと悟り始めている。
胃が痛くなるフリオニールは救いを求めるようにタバサに話しかけた。

「やぁ。君はうちの「ご主人様」のクラスメイトだよね。こうして面と向かって話すのは初めてだね」
「・・・・・・」

ああ、助けを求める相手を間違えたか、と観念したフリオニールであったが、

「あなたに聞きたいことがある」
「えっ?俺に?」
「『先住魔法』使えるの?」
「あっ!ああ、あれは俺の故郷のロボ・カラ・アルイテで流行っている手品で・・・」
「嘘」
「嘘?」
「あなた何かを隠している」
「うっ・・・」

図星を指されてうろたえるフリオニール。すると、デル公が
「そういや、相棒がさっき「この世界」とか「俺の住む世界」とか言ってたぜ」
「黙っててくれよデルフ!」
「なんでだよ。気になるじゃねぇか」
「俺は一体どうすりゃいいんだ」

額に手をあてて苦悩するフリオニール。すると、タバサがため息をひとつ吐き、
「わかった。無理に聞こうとはしない」
「ありがとう。でも、いつの日かきっと!」
フリオニールの一言にタバサは黙って頷くとその場から去っていった。
「今日はこの辺で勘弁してやるわ、ヴァリエール」

キュルケはフリオニールから腕を放し、ルイズに捨て台詞を吐くとタバサの後を追った。
もちろんフリオニールへの投げキッスは忘れていない。

「何が勘弁してやるよ。この色情魔!」

キュルケの後ろ姿に向けて悪態をつくルイズ。フリオニールはようやく自分の目的を
果たす番が回ってきたと思い、

「ルイズさん。ちょっとあそこの露店見てきていいですか?」
「露店?いいけどわたしはもうお金出さないわよ」

ルイズの許可をもらうと、急いで露店へ向かった。

「らっしゃい!」
「へぇ、ボタンか」

テーブルの上には様々な形をした色とりどりのボタンが沢山並べられている。
どれにしようかな、とテーブルにかじりつくように品定めするフリオニールにデルフが

「なんだ?どの娘っ子にや」

からかってくるので完全に鞘に納めた。
そして、ガラス製の黒い真ん丸ボタンに目を留めた。シエスタの瞳のようだ。4個一組。

「これ下さい」
「銀貨20枚ね」

フリオニールはヘソクリの1000ぎるをポケットから出した(マジシャンからかっぱらった
『クラウダのほん』を密かに売却し小遣いにしていたもの。ちなみにぎるはマリアが管理している)。
「お客さん。何だいそれは?」
「これだけあれば『ファイアのほん』、『ブリザドのほん』にもれなく『ケアルのほん』も
 付いてくる・・・ってやっぱダメですよね」

そのヘソクリをハルケギニアで使おうという根性は大したものだが、落胆するフリオニールを傍目に
店主は珍しい鋳造物に興味を持ったようだ。

「へぇ、こりゃ初めて見るな・・・よし、わかった!今回は特別だぜ!」
「えっ!?いいんですか?」
「いいってことよ。ご覧の通り、俺は小物集めが仕事であり趣味なのさ」
「あ、ありがとうございます!」

フリオニールは店主に何度も頭を下げた。そして、ルイズの元へ戻り

「終わりました」
「何してたの?あんた、何度も謝っていたみたいだけど」
「プレゼントを買ってきました!」
「あら、悪いわね。あんたも気が利くじゃない。で何?」
「えっ?」
「えっ?」

顔を見合わせる二人。

「そ、そうなんですよ。日ごろの感謝を込めて」
とフリオニールはポケットから先程購入したボタン二つを取り出しルイズに渡した。
「ふ~ん・・・まあまね。ま、受け取ってあげないこともないけど」
とルイズは満更でもない様子でボタンを受け取ると、さっと振り返り歩き出した。

(中々かわいいところあるじゃない。こいつ)
(それ、シエスタへのプレゼントなんですけど・・・仕方ないか。ルイズにも世話に
 なってるし・・・ってあれ?世話してるの俺のほうじゃね?)

それぞれの思惑の中、帰路へと向かう二人であった。

フリオニールのその行いが後日、凄絶な炎上を引き起こすことになるとも知らずに。



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