あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

とある虚無の窒素装甲-01

             第一話・C級映画並の超展開?



気がついたら何故か砂煙に包まれていた。
追っ手の能力による攻撃だろうか。
複数の気配を感じて身構え周囲を警戒するが殺気や敵意の類は感じない。
むしろ笑い声すら聞こえる、嘲笑や冷笑ではなく純粋に愉快だから笑っているような感じだ。
砂煙が晴れて周りの様子が窺えるようになって仰天した。
さっきまで深夜であった筈なのに─太陽の位置的に考えて─昼間、しかも外国人らしき少年少女に囲まれていた。
テレポーターの仕業だろうかと思い浮かんだがすぐさま否定。
深夜から昼間、つまり日本から地球の裏側にテレポートさせられる能力者が存在する訳がない。
しかし南米にこんな風景があるのだろうかと周りを油断なく見渡して思う。
なだらかな草原、遠くに見える石造りのお城らしき建物。ゆっくりと吹く暖かな風、穏やかな日差し。
どちらかと言えば欧州のそれである。
すると桃色の髪の自分とさほど身長が変わらない少女が渋い顔をして歩み寄ってきた。
取り敢えずコミュニケーションを取るべきだろう、人付き合いは第一印象が大切だ。
「Hello,Where is here?(こんにちは、ここはどこかな?)」
反応なし、英語は通じないようだ。
「Bonjour,Ou est-ce que je suis?」
反応なし、フランス語も駄目。
「Guten Tag,Wo bin ich?」
反応なし、ドイツ語も駄目。
こうなったらやけだ、ノルウェー語、ロシア語、フィンランド語、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語で同じ質問をする。
全て反応なし、ていうか何か怒っている気がする…。
「訳の分からないことペチャクチャ喋ってんじゃないわよ!」
まさかの流暢な日本語だった、何か怒っているがようやく意思の疎通ができそうなのでモウマンタイ。
「あっ、日本語超通じるんですね。英語とかフランス語とか試してみても駄目だから泣きそうでしたよー」
日本語喋れるんなら早く言ってくださいと腕を組んで言ってみる。
「何言ってんのかよく分かんないんだけどあんた誰?」
何言ってるとはないだろうと思いつつ、取り敢えず質問に答える。
「誰って…、私は絹旗最愛ですよ」
「キヌハタサイアイ、変な名前ね。どこの平民?」
平民?貴族階級が存在していた時代の一般大衆の呼び名という知識しかない。
敵ではないらしいので落ち着いて観察すると皆手に手に棒を持って、制服らしきものを着用している。
イギリスなどの伝統ある寄宿制学校にこれに似た制服はあったしここは学校だろうか。
「ルイズ、『サモン・サーヴァント』で平民を呼び出してどうするの?」
その声に目の前の少女以外の全員が笑った。悔しそうな顔をして怒鳴り返している。
その言葉に何人かがまた言い返しどっと人垣が爆笑した。
会話ともいえない怒鳴り合いでこの桃髪の少女の名前がルイズということがわかった。
「ええっとごめんなさい、この状況って超私のせい?」
戸惑いつつ言ってみる。何か私のせいでからかわれてるっぽいし。
「超あんたのせいよ!」
振り返って怒鳴られた。超て。また笑われてるし。
「こらこら諸君、落ち着きなさい。貴族たるもの大声で怒鳴りあうものではありません」
人垣を割って頭部の寂しい中年の男性が出てきた。
仲裁を始めたようだがあの格好はなんだろう、まるでハ◯ー・ポッターシリーズの登場人物──要するに魔法使いみたいだ。
「ミスタ・コルベール!」
たぶん中年の男性の名前を呼んで、何やら必死に懇願している。
しかしコルベールという中年の男性は首を横に振りルイズの要望は認められないと繰り返す。
会話の内容は意味が分からなかった、召喚って何?
学園都市という科学の粋が集められた学園都市の、自分の体自体が最先端技術の申し子である絹旗には馴染みの無いオカルト用語だ。
彼女の好むC級映画から何かを喚び出すものという知識はあったが。
コルベールとルイズの会話をまとめると、どうやら召喚によって自分はここに喚び出されたがルイズはそれが不服でやり直しを
要求しているがコルベールはその召喚の儀式は神聖でやり直しはきかないよーんと。
つまりそういうことだ…ってなんじゃそりゃ。
腕を組んで静観していた絹旗の方へ話がまとまり儀式の覚悟が決まったルイズが振り返る。

「あんた、感謝しなさいよね。貴族にこんなことされるなんて普通は一生ないんだから」
杖を振り呪文を唱える。
「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、
我が使い魔となせ」
相手は女の子だからノーカンよノーカンと思い込んでルイズは絹旗の唇に己の唇を重ねた。
「えーとごめんなさい、私そういうソッチ系の趣味超無いんですけど…。ほんとにごめんなさい」
びっくりしたようだが真摯に謝られた、しかもかなり後ずさってドン引きしている。泣きたい。
「うるさいわね、私にもそんなんないわよ」
ぐったりと疲れ果て力なく言い返した。

よく分からない事を呟いたかと思うといきなりキスされた。何を言っているのか(ry
予想外の行動に咄嗟に避けることも出来ず唇を奪われた。まさかこんなとこでファーストキスを同姓に奪われるとか…。
ひとまずソッチのケはないことを丁重に伝えるとルイズはガックリと項垂れた。感情の起伏が激しい奴だ。
どうやらルイズも不本意かつファーストキスだったらしい、まさか女の子がその相手とは思わなかったのだろう。
「『サモン・サーヴァント』は何回も失敗しましたが、『コントラクト・サーヴァント』はきちんとできましたね」
コルベールが笑みを浮かべて喜んでいる。おっさん空気嫁。
「相手がただの平民だから『契約』できたんだよ」
「その子が高位の幻獣だったら、『契約』なんてできないって」
何人か言うと周りも声を上げて笑った。
傷心のルイズもすばやく立ち直り再び怒鳴り合いが再開した。
なんかもーどうにでもなーれとか思いつつ空を見上げる。自分の常識からあまりにも逸脱している出来事ばかり続いてそう思った。
綺麗な空だ、青色は淀みなく広がり純白の雲がゆっくりと流れている。
唐突に全身が熱くなった。
「ちょ、超熱いんですけど!」
発火系能力者に攻撃を受けたのかとでも思うほどの熱だ。かなり熱い、マジで。
「すぐ終わるわよ。待ってなさいよ。使い魔のルーンが刻まれているだけよ」
ごめん意味が分からない。
そうこうしてる内に熱はすぐ引いた。特に熱かった左手を見ると甲に何か文字が踊っている。何これ?
「珍しいルーンだな、よく見せてもらえるかい」
「はあ?超構いませんけど」
コルベールに左手を見せると彼はスケッチを取り教室に戻る旨を全員に伝えると、浮き上がった。
「あ?え?能力者?」
クレーンとかワイヤーとかは見当たらない自然な動作で、他の生徒らしき人達も次々と浮かび上がる。
そして浮かんだ連中がルイズに罵倒を浴びせ、すぅっと城らしき建物の方へ飛んでいった。
重力操作?有り得ない、空中を浮かぶにはかなり繊細な演算が必要とされるはず、連中全員がレベル5というならともかく。
大気操作?これこそ有り得ない、人間程の質量をあれほど穏やかに飛ばすことなどできない。
該当する能力のどれにも当たらない現象に絹旗は目をぱちくりさせた。
「何驚いてんの?」
気がついたら周囲には自分とルイズが取り残されていた。
「魔法、見たことないの?」

はぁとため息をついてルイズは自分の使い魔を見た。
幼い幼いとよくツェルプストーに馬鹿にされる自分から見ても使い魔は自分より年下だと分かる。
茶色の髪に茶色い目、ここらではあまり見かけない顔立ちだがよく見るとかなり可愛らしい。
自分の期待とはまったく違う使い魔なのでつい我を忘れて怒ってしまった。
よく分からない内に召喚されて契約してビックリしただろう。
大したことに自分がこんな目にあったら多分泣き喚くと思うが彼女は落ち着いていた。
「魔法?超意味がわかりません」
心ここにあらずといった口調で返された。
「魔法を知らないってかなり田舎から来たのかしら」
「ここより超大都会ですよ…」
それから彼女の話を聞いたが常に筆記試験で学年トップを維持しているルイズでさえ聞いたことの無い地名ばかりだった。
ニホン、ガクエントシ、少なくともハルケギニアではない。
エルフが住む地よりさらに東から来たのかと言うと「まあそうなんじゃないですかねぇ、超適当ですけど」と投げやりな答えが
返ってきた。
仕方がない、ここでは何だしもう授業はないから部屋に帰って色々聞こうとルイズは使い魔の手を引いて寮に帰っていった。

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