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雪風とボクとの∞-09

 夏。
「めがねっ娘同人誌大量ゲット~」
「目線こっちお願いしまーす!」
「ああっ、夏!!」
 というワルド子爵の夏はおいといて……。

 トリステイン魔法学院では、タバサが浮き輪片手に三成を海に誘っていた。
「……ミツナリ……海に行こう……」
「馬鹿者おー!!」
 突然の怒声に、タバサは浮き輪を放り出して尻餅をつく。
「……何で……」
 三成は直立不動のまま、
「タバサ、キミはボクが無類のめがねっ娘好きと知っているよな?」
「……存じている……」
「海やプールに行ったら、人は皆めがねをはずすではないか!!」
「……はうあ……」
 三成の鋭い指摘の声が、まるで質量を伴っているかのようにタバサをのけぞらせた。
「だからボクは行かない!!」

我々めがねっ娘愛好家にとっての暗黒地帯、それが「海」と「プール」である。
夏の開放感にまどわされうっかりその暗黒地帯に足を踏み入れてしまったが最期、女性たちが次々とめがねをはずしていくという地獄の責め苦を味わう事になるのだ。
全国のめがねっ娘愛好家たちよ、ゆめゆめ油断めされるな。
眼牙書房「注意一秒眼鏡一生」(平賀才人著)より抜粋

 そこでタバサはふと思いついたように尋ねる。
「……あ……ミツナリ……水中眼鏡は駄目なの……」
「………」
 三成はしばし考え、
「ノーだ!!」
 と却下した。
「……ノーなのね……」
 タバサはさらにもう1度尋ねる。
「……あ……度入りの水中眼鏡は――」
「ノーだ!!」
 今度は即座に却下。
「……ノーなのね……」
 それならばとタバサは自分の眼鏡を両手でしっかり押さえ、
「……じゃあ私……海でもめがねをかける……」
「ならばボクもそれを見るためにめがねをかけねばなるまい!」
「……あ……あんまり見られたら……恥ずかしい……」
 かすかに顔を赤らめるタバサだったが、三成の真意は別の部分にあった。
「タバサ、問題はそこではない。海やプールでめがねをかけてると、『こいつ、女体をがっちり見ようとしてるぞ』と思われてしまうのだ!!」

「――そしてもし、『この人チカンです!』なんて言われてしまったら……」
 三成は衛兵に取り押さえられ、
『違う! ボクは……、ボクはただ……、3度の飯よりめがねっ娘が好きなんだー!!』
 手錠をかけられ連行されていく。
『……ミツナリ~……』
 そして寒風吹き荒ぶ冬、タバサは塀の向こうの三成に向かって呼び声を上げつづける……。

「……嫌……ごめん……ミツナリ……私は危うくミツナリを無実の罪で牢獄に……」
 涙目でくずおれ、タバサは三成の手を取った。
「わかってくれたかい、タバサ」
「……だから私めがねを外す……」
「はずすな!! もしめがねを外したら、もっと恐ろしい事が起こるぞ」
「……え……」
 そう前置きして三成はさらなる恐怖について語り始める……。

 ――海に行き、更衣室を出たところで待ち合わせをしたとする。
 ――すると2人とも近眼だから相手を見つけられないのだ!!
「どこだタバサ~」
「……ミツナリ~……」
「タバサ~」
「……ミツナリ~……」
「タバサ~」
「……ミツナリ~……」
「タバサ~」
「……ミツナリ~……」
「タバサ~」
「……ミツナリ~……」
「タバサ~」
「……ミツナリ~……」
 そして時は流れ……、年老いた2人が杖を突きつつ互いに探し合う。
「タバサあ~……」
「……ミツナリ~……」
 最後にそう一言のみ声を上げて力尽き、倒れる2人。
 懸命に伸ばしていた2人の手は、あと1歩接近していれば相手の手に届くという距離を残して離れていた……。
 Fin

「……嫌……全ハルケギニアが泣く……」
 頭を抱えたタバサの目からは溜まっていた涙が溢れる。
「……うう……私達はいったいどこへ行けばいいの……」
「タバサ、僕達の行く場所はたった1つだけさ」
 そう言いつつ優しげな笑みを浮かべて三成は1枚のチラシを差し出す。
 チラシには大きく「納涼 大花火大会!!」と書かれていた。

 ――ドーン!
 爆音と共に大輪の花火が次々夜空を彩る。
「……わあ……綺麗……凄く綺麗……ミツナリ……」
(ああ、本当に綺麗だ……)
 花火を見上げる浴衣姿のタバサを横目で見ながら、三成はさらにその向こうにいる女性達がかけている眼鏡の輝きに魅入っていた。
(花火の光が眼鏡に反射して、とっても綺麗だあ!! ああ、夏!!)


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