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八本腕の使い魔

【八本腕の使い魔】

 爆発、『ゼロ』のルイズと呼ばれる少女が起こした失敗魔法。
 いつもなら2、3メイルほどの爆発であるはずだった。
 今日の爆発は違う、違いすぎた。
 神聖な使い魔召喚の大事な儀式でだ。
 巨大な爆発、広場に居た教師のコルベールと、ルイズの学友であるメイジたちは皆猛烈な爆風で吹き飛ばされた。

 無論、爆心地に一番近かったルイズは数メイル空を飛び、十数メイルも転がってようやく止まった。
 奇跡だったのだろうか、吹き飛び地面に叩き付けられ、十数メイルの距離を激しく転がったと言うのに意識を失わずにルイズは呻いていた。

(痛い、痛い、痛い!)

 擦り傷や打撲で全身を痛め、声がうまく出せないほど苦しむ。
 痛みに苛む思考でどうして成功しないのか、まるで無限に積み上がる呪詛のように回り続ける。

(何で、何でよ! なんで上手く行かないのよ! 何で、なんでッ!)

 無能と、劣等と馬鹿にされ罵られ、それでも自分は貴族でメイジであると自負していた。
 だがそれも今まさに折れようとしていた、何度も何度もサモン・サーヴァントを繰り返すも起こるのは爆発ばかり。
 先程まで起こっていた爆発より凄まじいものだったが、残るのは変わらず舞い上がった砂と爆発の煙だけ。
 魔法を使う事を諦めても仕方がない、積もり積もり上がった心の重しはルイズの心を押し潰すには十分な物だった。
 今度の爆発の跡地に何も無かったなら、だが。

 どれ位魔法が成功しない事に恨みを込めたか、苦虫を噛み潰したような表情で顔をあげる。
 どうせ今度も爆発だけだろう……、半ば諦めて視線を爆心地へと向ければ。

「……ぁ、う、そ」

 何かがあった、薄くなってきた土煙の向こう側にある何か。
 まさか成功したの? とルイズの心に希望の芽を出した。
 召喚したのは何か、それを考えるだけで芽は凄まじい速度で成長し続ける。

「……っ、ぁ」

 周囲から聞こえるうめき声、吹き飛ばされたクラスメイトを余所目に全身の力を振り絞って立ち上がる。
 服は所々破れ、体至る所にある傷から血が流れ痛みを生み出し続ける。
 それを我慢して、痛みによって不規則な呼吸を行い、ふらつきながらも起き上がる。
 一歩、二歩、遅い歩みは全力で、自身が呼び出した『何か』を確認しようと進む。

「……ふ、っ……は」

 薄れる土煙、近づく毎に鮮明になる何か。
 距離を埋める、5メイル、4メイル、3メイルと。
 そうしてルイズは煙を払いながら、自分が呼び出した何かを確認した。

「……なんで、よ……」

 急速に成長した芽は木となり、支えるに十分な大きさまで成長し切った所に、成長した時と同じく急速に枯れ始めた。
 呼び出したのは人型、たぶん人間。

「………」

 座り込む、こんな痛い思いまでして召喚したのが人間だったなんて。
 脱力、意思がそぎ落とされ、大きく大きくため息。
 どうでもよくなる、そうして涙があふれてくる。
 痛みと悔しさで、鳶色の瞳からぼろぼろと涙が零れ落ちる。


「……なんで、なんでよぉ」

 ポタポタと涙が地面に落ちる、そうして泣けば次に浮かんでくる感情は怒り。
 なんで人間なんかが来るのよ、こういう時ユニコーンとかドラゴンとかじゃないの!?
 思いながらも怒りに歯を食いしばり、倒れているおそらくは人間を睨むように見た。

「……人間?」

 よくよく見直す。
 人間……? 人間って腕二本よね? 肩辺りから腕が四本もあるんだけど。
 肘から先が千切れていたりするけど、肩辺りから腕にしか見えない物が四本生えている。
 また力を振り絞って立ち、倒れている人型の反対側に回る。
 やはり同じく、肩辺りから腕が四本。
 そうしてルイズはよくよく見る、倒れている人型を。

「………」

 倒れている人型の肌は煤けた茶色、いくつか千切れてはいるけど腕は片方四本ずつで計八本。
 この時点で人間じゃない、平民でも貴族でもない、人間っぽい何か。
 ど、どうしよう……。
 悩む、希望する使い魔はユニコーンとかドラゴンとか、そこら辺の気高い幻獣が良いのだけど……。
 顔もすごい怖いし、鎧とか着てるし……。

「……人間じゃ、ないわよね?」

 人間っぽいけど人間じゃない、体も私の倍ぐらい大きいし、そこら辺の使い魔より強いかも……。
 そして倒れている人間っぽい存在の周囲、ルイズより大きな剣が地面に突き刺さっていたり、長大な槍、人の頭より大きな斧。
 他にもあるが、どれも見事な装飾がなされた武器が落ち散らばっていた。
 中には千切れた腕が握ったままの物もある、と言う事はこれらの武器はこの存在が使っていた物じゃないかしら。

 魔法が成功して人間じゃない者を召喚した、しかしそれは亜人と定義される存在。
 もちろん腕が複数ある亜人なんて見たことも聞いたことも無い。
 魔法が使えぬルイズはいつか使えるよう知識をかき集めていたのに、人一倍の知識を持つルイズが知らないとなれば他の人も知っているとは思えない。
 それに顔もかなり凶悪に見える、メイジが沢山居るこの学院とは言えこんな亜人が暴れまわれば相当な被害が出るかもしれない。
 自分が召喚したと言う責任感、いろいろ抵抗が有ったとは言えルイズはこの亜人と契約することを選ぶ。

「我が名は『ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール』。 五つの力を司るペンタゴン。 この者に祝福を与え、我の使い魔となせ」






「……痛てぇ!!」

 と叫びながら、ベッドを軋ませながら亜人が起き上がった。

「……ありゃ? ここどこだ? ん? どちらさま?」

 恐持てな顔でありながら、妙に馴れ馴れしい感じでルイズへと話しかけた亜人。
 いきなり起き上がったことに対してルイズは小さく悲鳴を上げていたが、深呼吸をして恐持ての亜人へと向き直る。

「ここはトリステインのトリステイン魔法学院よ、あんたは使い魔召喚の儀式で私が呼んだ使い魔よ」
「つかいま? オレは……生きてるな」

 八本の腕がそれぞれ違った動きを見せ、拳を握ったり腕を回したりして動きを確かめていた。
 それを見ていたルイズは内心悲鳴をあげる。
 腕を動かす、それは自分も持っているから理解できる。
 だけど一つの体から腕が八本も生えていて、それが一本たりとも同じ動きをしていない。
 言えば気持ち悪いのだ、グネグネとばらばらに動く八本の腕が。

「確かに自爆したんだがなぁ……、そうか! お前さんが助けてくれたのか! 感謝するぜ!!」

 亜人の八本腕がルイズへと迫り、ルイズの腕を掴んでブンブンと縦に揺らす。

「ひぃ!」

 掴まれた腕だけじゃなく、あまりの力強さでガクンガクンと体ごと揺れる。

「いやぁ、またあいつらと会えるかもしれんなんてな……。 ほんと、感謝するぜ!」

 ルイズを床に下ろし、ベッドから亜人が立ち上がる。
 ルイズから見ればせり上がる壁のごとく、倍以上もある身長差で一気に頭が見えなくなった。

「おっと! 礼って言っちゃあ何だがこれをやる、使ってくれ!」

 どこから取り出したのか、この世の物とは思えない輝きを放つ液体が入った瓶などを次々とルイズへと手渡す。

「それじゃあな! ありがとよ!!」

 一通り渡し、駆け出す亜人。

「っ!? ちょっと待ちなさい!」

 手渡された物がどれもが見惚れる品で、目を奪われていたルイズは亜人の声で正気に戻って制止する。

「あん? それだけじゃ足りないのか? うーむ、武器はやれないしなぁ……」

 足を止めて腕組み。

「さっき言ったでしょ! あんたは私の使い魔として召喚されたのよ!」
「つかいま? つかいまって何だ?」

 そう聞き返してくる亜人に使い魔がどういうものか説明してやるルイズ。

「ちょっと待てちょっと待て。 助けれくれたのは感謝してるが、オレにはやらなくちゃいけねぇ事がある。 だからお前さんの使い魔とやらになってはやれねえ」
「やりたいことって何よ」
「あいつらと……戦うのさ!」
「あいつら?」
「ふっふっふ、まだ決着がついていないからな! それに……あの後どうなったのか気になるからな!」


 そうして聞いても居ないのにルイズに語り始める亜人。
 光の戦士と呼ばれる人間たちと戦い、何度も引き分けたが、光の戦士たちとの最後の戦いで大失態を犯して次元の狭間へと落とされた事。
 その次元の狭間をさまよい続け、運良く光の戦士たちと再開して次元の狭間から脱出しようと持ちかけたが断られ、一人脱出しようとしたが。
 あいつらは頑張って奥へと向かい進んでいるのに、一人逃げたんじゃカッコ悪いんじゃないかと思い直し追いかけ。
 追いつけば変な奴相手に苦戦している光の戦士たちの所へ乱入、変な奴を倒すために自爆した。

「で、気がつけばここに居たのよ」
「……あんたって、随分と間抜けてるわね……」

 なにか誇らしく語る亜人、よくよく聞けば間抜けや阿呆と言われる事ばかり。
 まともな戦いだって最後は何かと理由をつけて逃走している、強そうな外見と馬鹿みたいな中身が随分とアンバランスに見え印象が様変わりしたルイズ。

「ま、まぬけとはなんだ! オレだってな、真剣にやってるんだぞ!」
「真剣なら急用を思い出して逃げ出したりしないでしょ!」
「だ、大事な用だったんだよ!」
「へぇー、どんな用事だったの?」
「うっ!」
「ほら、言えないじゃないの」

 うぐぐ、と声を漏らす亜人。

「まぁいいわ、大事な用が有ったとしましょ。 それで、どうやってそいつらの所に行く気よ」
「おお、わかってくれたか!」
「それはもう良いから! どうやってそいつらの所に行く気よ! 言っておくけど元の場所に送り返す魔法なんて無いからね」
「な、なんだってー!?」
「いちいち声が大きいのよ!」

 がくーんと八本の手と膝を床について落ち込む亜人。

「そうね、私の使い魔をやるって言うなら送り返す魔法を調べてあげてもいいわよ」
「ほ、本当か!?」
「ええ、嘘は付かないわ。 家名に誓ってあげてもいいわ」
「おお! 助かるぜ! で、つかいまって何するんだ?」
「……人の話聞いてた?」




「おうゴシュジンサマ!」
「何勝手に決闘受けてるのよ!」
「いやな、女の心を弄ぶお坊ちゃんを成敗してやろうってな!」
「アンタがメイジに……、勝てそうね。 良いわ、とりあえず懲らしめて良いけど殺しちゃダメよ」
「任されよ!」

 ヴェストリの広場に赴き、力強く立つ亜人。
 その威容に亜人を始めてみた観衆からざわめきが起こる。
 それを気にせず決闘が始まり、金髪の少年貴族『ギーシュ・ド・グラモン』が作り出すゴーレムを前に、亜人はただ腕組みをして立ち佇む。

「くっ、図体が大きいだけで勝てると思ったかね!」

 亜人の威容にビビってギーシュが吠え、ゴーレム、ワルキューレに攻撃を命じる。
 槍を持って突き出し、剣を持って斬りかかり、斧を持って振り下ろす。
 平民だろうメイジだろうが当たれば致命傷、だが亜人は避ける素振りもせずただ腕組みをしたままその攻撃を受け入れる。


「……なに?」

 周りの観衆もギーシュが言う通り体が大きいだけで勝てるとは思っていなかったのだろう。
 突き出した槍が、斬りつけた剣が、振り下ろした斧が、どの攻撃も亜人の肌に触れるだけで掠り傷一つ付けれなかった。

「じゃあ次はオレの番だな! 集え、オレの武器達よ!」

 腕組みを解き、右腕の一本を空へと突き上げれば。
 どこからとも無く、亜人の周りに武器が降ってきて地面に突き刺さる。

「ど、れ、に、し、よ、う、か、なっと」

 2メイルを超える巨大な剣、大きな穂先を持つ3メイルを超える槍、人の頭部程の大きさのトゲトゲしい穀物を持つフレイル、1メイルほどの巨大な刃を持つ斧。
 反り返った太刀、直刃の太い剣など、どれもが素晴らしい装飾を施された武器。

「これでいいか」

 無造作にそれらの武器から一つ選び。

「手加減はしてやる、ゴシュジンサマに感謝しな!」

 振り抜いて武器を収める、そうして振り返って歩き出す。
 頬を撫でるくらいの風が吹いた、決闘相手のギーシュや観衆もただ亜人が武器を振っただけと言う認識。

「……なんだ? 逃げるのか!」
「逃げる? 馬鹿言っちゃいけねえよ。 もう終わってるってことに気がつくんだな!」
「何を言っ……て……」

 ギィンと鈍い金属が擦れる音、一体のワルキューレの上半身がずり落ちた。
 それを境に次々と他のワルキューレも崩れて土塊へと還る。

「な、なにをした!?」

 最後のワルキューレが崩れ落ちてギーシュが叫べば。

「キャーッ!」

 周りから悲鳴が起こる、その悲鳴の意味が分からないギーシュは辺りを見回せば。
 観衆の女子が手で顔を覆っていたり、顔を逸らしていたりしていた。

「なに? 何だ? 何が起こ……」

 訳がわからないギーシュは、常に日陰のヴェストリ広場で寒気を覚える。
 そうして視線を下に向ければ無かった。

「な、なっ!?」

 服が、切り刻まれた服が自分の足元に落ちていた。
 つまりは全裸、悲鳴は裸のギーシュを見て起こったもの。

「うわ、うわっ!?」
「成敗完了!」

 とかなんとか言いながら亜人はルイズを連れて広場を後にする。
 その決闘後、『全裸のギーシュ』と恥ずかしい二つ名が付いたのはどうでも良い話。


 それから亜人の名は学院中に広まった。
 ゼロのルイズが召喚した亜人は強い、と。
 それに疑惑を覚えるメイジが多数決闘を仕掛けるが、どいつもこいつもただ武器の一振りで決着が付く。

「弱い、やっぱりオレの相手をできるのはあいつらだけか!」

 と亜人は叫ぶ。
 ルイズもその決闘を何度も目にすれば、この亜人が規格外だと認識する。
 学院でも数少ないトライアングルメイジですら、ギーシュと同じようにただ武器の一振りで終わってしまう。
 もしかするとスクウェアメイジでも同じようになるんじゃないかと思うほど。
 そうして考える、そんなスクウェアメイジですら楽に勝ってしまえるこの亜人を、追い詰め逃走させるに至る光の戦士たちとやらはどれほど強いのかと。

 この後もあまり変わらなかった、巷を騒がせる土塊のフーケのゴーレムをやはり武器の一振りで断ち切り。
 アンリエッタ姫のアルビオン行きの依頼を受け、裏切ったワルド子爵をぶっ飛ばし、ウェールズ皇太子を誘拐紛いに無理やり連れてきたり。
 レコン・キスタ軍相手に正面から戦い壊滅させたり、興味を持ったタバサの依頼でミノタウロスと戦ってもやはり正面から両断したり。
 一度実家に帰ったときはお父様とお母様の魔法を受けて平然としていたり、ガリアとの戦争で攻撃を跳ね返す巨大で特殊なゴーレムも片手間と言わんばかりに片付ける。
 巨大な、虚無の魔法『エクスプロージョン』以上の爆発に巻き込まれても『いてぇ!』で済ませたり。
 エルフとの戦いでは多少手こずったが、やはり正面から突破して負けを認めさせたり。

「……なんか、あんたが居ればどうにでもなっちゃうのが駄目よねぇ」
「あたりめぇーだろ! どいつもこいつも歯応えが無いぜ、次元の狭間の化物共に比べりゃそこら辺に転がってる小石だな!」
「どれだけ強いのよ……」

 それからも数年間、亜人を使い魔としたまま過ごす。
 私が虚無の担い手で、使い魔がガンダールヴで。
 そんな亜人が元居た世界に興味を抱きつつ、目覚めた虚無の魔法で世界を渡るようになった。
 亜人、名は『ギルガメッシュ』はやっと帰れると喜ぶが、どこから来たのかわからない以上手当たり次第探すこととなる。
 それでも武器集めに余念が無かったギルガメッシュはいろいろ武器を集めてくる、……偽物も多かったが。

 そんな次元の旅を続けて数年、私が二十歳になった頃にようやくお目当ての世界に辿り着いた。
 まるで暗く星が瞬く宇宙に浮かぶ、多数の大きな青い水晶で出来た世界。

「おお! ここだ! 覚えてるぜ! ここが次元の狭間だ!!」

 大声を上げつつ喜ぶギルガメッシュは、存在に気がついた化物を切り倒しながら道を進む。
 化物、ギルガメッシュより巨大なモンスターを軽々と倒しながら進む。

「……やっぱりとうの昔に終わってたようね」

 辿り着いた次元の狭間の深部、ありとあらゆる世界につながる次元の狭間は凄まじい傷跡を残したままそこに有った。
 今までギルガメッシュが見せてきた剣技でも難しいであろう傷跡がいくつも残っている。

「……ふっふっふ、やっぱりあいつらはすげぇ……!」

 どれほどの激闘だったのか、戦場跡を見てどちらが勝ったのか理解しているギルガメッシュは笑い声を上げる。

「こりゃあますますあいつらのところへ行かなくちゃな!」
「あんたならそう言うと思ってたわよ」

 呪文を詠唱して『ワールドドア』を開く。


「待ってろよ、レナ! ファリス! クルル! そしてバッツ!!」

 ワハハハハーと声を上げて銀色の鏡、ワールドドアに突っ込んでいくギルガメッシュ。

「……しょうがないわねぇ」

 ピンクブロンドの、ただ一結びで膝近くまである長い髪を後ろで束ねた女性、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールは同じように飛び込んだ。
 それからも、虚無の担い手と、使い魔ガンダールヴは世界を巡る。
 また何年も掛かる、そう思っていたのは杞憂に終わった。

 いつものごとくとある世界の古代遺跡の最深部でワールドドアを開く。
 そうしてギルガメッシュはワールドドアを見て目を見開く、それはいつもと違うワールドドア。
 いつもなら銀色で向こう側が見えないはずだ、今回に限っては違った。
 向こう側が見えている、妙に明るい恐らくは洞窟、ワールドドアに映る景色は洞窟と、こちらを見て訝しみ武器を構えている一組の男女達。

「うは、うはははは! やっとだ! やっと見つけたぞ!!」

 大声をあげながらギルガメッシュは武器、様々な世界で集めてきた強力な武器を出現させて手に握る。
 漲る力、ギルガメッシュの左腕それぞれの手の甲に付いたルーンが眩いくらいに光を放つ。

「そうだ! おまえたちだ! オレはッ……!!」
「念願のライバルでしょ?」

 ギルガメッシュの大きな体、その腰までしか届かない位置に手を当てる。

「何を躊躇うの、あの人達の為だけにやってきたんでしょ。 行きなさい、行って思う存分戦ってきなさい」
「ゴシュジンサマ、ありがとよ。 ゴシュジンサマが居なけりゃ、こうしてあいつらとまた会えなかっただろうよ」
「何今生の別れみたいな事言ってんのよ! あんたはずっと私の使い魔よ、今も、これからも!」
「わはは! ゴシュジンサマはずっとゴシュジンサマよ!」

 笑いながら二人でワールドドアを潜る。
 ギルガメッシュが願ってやまない光の戦士達との再開と、戦いを目に収めるために。





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