あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

異世界BASARA-62



“自分は……まだ夢を見ているのか?”
幸村は目を擦ってもう一度目を開く。
だがそこには間違いなく自分の主……甲斐の虎と呼ばれた男、武田信玄が立っていた。
「目が覚めたか幸村よ」
信玄は戸惑う幸村に対して、温かみのある声で言った。
「お、お、おおおお、お館様あああああぁぁぁぁぁぁ~~~!!!!」
感極まった幸村は涙と鼻水を垂れ流しながら叫んだ。
「幸村よ、わしの元に戻って来るがよい」
「は、ははぁぁっ!!この幸村、お館様の御上洛を力の限りお助けする所存にあります!!」
信玄はそれを聞くと、満足そうに大きく頷く。
「そうか、よく言うたぞ幸村よ。それでこそ日本一の兵じゃ」
「おおぉ……お館様あぁ!!」
感嘆する幸村に信玄は一度微笑んだ。




「などと……………言うと思ったかあああああああぁぁぁぁぁぁ~~!!!!!!」




しかし次の瞬間、鬼のような形相になった信玄は拳を繰り出してきた。



「ぶるああああぁぁぁぁぁ~~!?」

顔が酷く変形する程強力な一撃を受けた幸村は、壁をぶち破って外に吹き飛んだ。
しかし、不思議な事に地面に落ちた感じがしない。
辺りを見回してみると、いつの間にか目が覚めた時の部屋や城壁がなく、暗闇の中に倒れていた。
と、目の前に突然信玄が現れた。

「今のお前は日本一の兵ではないっ!日本一のたわけ者じゃぁ!」

顔をさする幸村に向かって信玄は大きな声で怒鳴る。
「見よ!!」
次に信玄は暗闇の一点を指差すと、そこが明るくなり、どこかの軍隊の姿が映された。
そして、その陣列中にいた1人の人物が大きく映し出された。
その桃色のブロンド髪を揺らす少女に、幸村の目が大きく見開かれる。
「ル、ルイズ殿!!」
「そうじゃ、今お前のいる……何処とも知れぬ世界でお主を置いてくれた娘じゃ」
「し、しかし何故ルイズ殿が。あれではまるで戦に行くようではありませぬか!」
「その通りじゃ、あの娘は今……戦に赴いておるのじゃ」
幸村は言葉を失う。
いつの間に戦争など起きてしまったのか。いや、それよりも何故ルイズがその戦地に向かっているのか分からなかった。
「聞け幸村よ。お前が寝ている間に、天より敵軍が攻めてきたのだ」
頭を抱えている幸村に信玄は説明した。
自分がルイズと共に行ったあのアルビオンが条約を破り、トリステイン艦隊を蹂躙した事……
そしてトリステインは劣勢の状態で開戦を決意し、ルイズはそれに賛同した事を。
「馬鹿な!!何故こんな危険な場所へ……」



「ならば幸村、お前は国や……慕う者に危機が迫った時、ただ黙って見ているか?」



その言葉に、幸村ははっと顔を上げた。



「ではルイズ殿は……」
「そうじゃ。あの娘も国の為、己が慕う者の為に動いたのよ。
幸村、お前はどうする?このまま眠り続けるか、それとも恩義に報いるか!?」
幸村に選択が迫られた。
しかし、彼の心は既に決まっていた。
自分は甲斐の国に戻る方法が見つかるまではルイズの元にいると、彼女を守ると誓ったのだ。
そしてそのルイズが戦地に赴き、戦おうとしているのなら……


「申し訳ありませぬ!ルイズ殿への恩も忘れ、甲斐に帰っては武士の恥!!
この幸村!!ご恩返しによって武士の務めを果たして参りまする!!!!」


信玄は幸村の言葉を聞くと、今まで険しかった表情を崩し、その顔に笑みを浮かべた。
「よくぞ言った幸村よ!!それでこそ武田の将よ!!」
「おおおぉぉぉお館様ああぁぁぁ!!!!」

信玄は再び一点を指差す。
すると今度はそこから眩い光が見えてきた。
「行け幸村!今こそ真の目覚めの時、己が力を奮う時じゃ!!」
「ははっ!!」
信玄の言葉に応えると、幸村はその光に向かって歩き出した。
「幸村!」
と、後ろから信玄が幸村の名を呼んだ。
「今からお前に必要な言葉を言う!それを胸に戦へ行け!!」
幸村は振り返る。
信玄はすうぅっ、と息を深く吸うと、暗闇を吹き飛ばさん限りの声で言った。



「気合じゃ幸村!!!!気合いがあればいかなる窮地も打ち破れる!!!!」
「お館様……!」
「幸村!!気合い!気合いじゃああああぁぁぁぁぁぁーーーー!!!!!!!!」



同時刻、利家を先頭にキュルケ、ギーシュ、氏政はトリステイン王宮内を歩いていた。
向かっているのは、幸村のいる部屋。利家は幸村を迎えに来たのである。
「王宮の人に聞いたけど目を覚ましてないそうよ?そんな状態で連れて行く気?」
「ならば引きずってでも連れて行く」
利家の応えにキュルケは溜め息を1つ吐いた。
そんな事をしている間に、キュルケ達は幸村の眠る部屋に到着した。
「幸村、入るぞ」
一応、利家はそう言ってから扉を開いた。
どうせまだ眠っているに決まってるじゃない……キュルケは心の中でそう呟いた。
しかし、開いた扉の向こうにいたのは……
赤い具足に着替え、背中に槍とデルフリンガーを背負った幸村だった。

「皆の者、待たせたな」

赤い鉢巻を締めながら幸村は言う。
その幸村の様子を見て、利家は「大丈夫そうだな」と言った。
「あ~ユキムラ。病み上がりの所悪いんだけど……」
と、横からギーシュが口を開いた。
「知っておる。戦が始まったのだろう?」
「へ?」
自分が言おうとした事を先に言われ、ギーシュだけでなく、キュルケも呆気に取られた。
「そうか、ならルイズが戦場に向かったのは知っているな?」
だが利家は落ち着き、幸村に言った。幸村が頷く。
「ならばすぐに行くぞ。忠勝とタバサが外で待っている」



幸村達がタルブに向けて出発した頃……
「ようやく目覚めたか……幸村め、またまだ未熟よのう……」
ハルケギニアとはまったく異なる世界。
日本の……甲斐にある屋敷の屋根の上で信玄は呟いた。



「幸村よ。お前が遥か彼方でどのような事を学んだか……戻ってきたら見せてもらうぞ」



「時に幸村、お主あの娘が戦場に行ったと誰から聞いたんじゃ?」
「お館様だ、お館様が教えてくださったのだ!」
「…………(駄目じゃこいつ……早く何とかせねば)」



新着情報

取得中です。