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ときめきメモリアル0-4

法律にて錬成を禁忌とされている惚れ薬。それをモンモランシーが作ってしまった。
彼女は、最近、妙によそよそしいギーシュの想いを一身に浴びようと企んだのだ。
いやはや、恋は盲目と言ったもんだ。なにせ、人の精神に作用する薬の所持が露呈するようなことになれば、王室から貴族としての地位を剥奪されかねない。所謂、『お取り潰し』というやつだ。
その為、一服盛るのに、ぼくが付き合わされた。間違っても、他の生徒には言えないからだ。


事情を聞いたぼくは、モンモランシーに尋ねた。
「で、ぼくは何をすればいいの?」
「ギーシュと決闘して」
ぼくは軽い目眩を覚えた。
「一服盛るのと、決闘に何の関係があるんだよ?」
「ギーシュって、ああ見えても勘がいいの。惚れ薬を入れたワインを普通に差し出したら、きっと企みがばれるわ。だから、あなたとの決闘に勝利して、気をよくしたギーシュに戦勝祝いと称してワインを飲ませる。これなら、絶対に引っ掛かる、絶対に」
「つまり、決闘に挑んで、わざと負けろと?」
「物分かりがいいわね」
「一つ聞きたいんだけど、ギーシュは本当に君のことが好きなんだよね?」
「当たり前よ」
彼女は自信に満ちた声で答えた。
「わかった。なら、協力するよ」
モンモランシーの顔がぱっと輝いた。


その後、ぼくは早速行動に移した。
ギーシュに向かって、自分でも不快になるような陰湿な言葉を並びたてたのだ。全ては、彼を決闘に引きずり込むためである。

自分が大きな失敗をおかしたことに気付いたのは、ギーシュの魔法を目の当たりにした時だった。
「ぼくはメイジだ。だから、魔法を使って戦う」
ギーシュの言葉は正論だ。何の文句も言えない。
ぼくの目の前には、身の丈2メートルを越える青銅製のゴーレムがいた。このゴーレムを自在に操る。それが彼の魔法らしい。
しかし、こんなのに殴られたら死んでしまうではないか。
決闘を観戦する為にたくさんの野次馬が溢れていた。ぼくは野次馬に埋もれたモンモランシーに目を向ける。
ぼくの視線に気付いた彼女がぺろっと舌を出した。
なんたる悪女。
彼女はあえてこの事を黙っていたのだ。ぼくがギーシュの魔法を知ったら、臆して今回の依頼を断ると踏んだのだろう。
当然だ。何が悲しくて、他人の色恋沙汰の為に命を落とさなくてはならないのだ。
生死を賭けた三択が始まる。


一つめは『【精霊の三原色】を召喚し、【色素破壊】を放つ』だ。ぼくの秘めたる力、部活動奥義である。
しかし、ぼくは光の精霊と契約を結んでから日が浅い。その為、加減の仕方がよくわからなかった。下手をすれば、ゴーレムごと、ギーシュを掻き消してしまう。
なので、却下。

二つめは、『モンモランシーの企みを全てぶちまける』だ。
しかし、これをやるのは憚られた。
なんとなくだけど、フェアじゃない気がしたのだ。

三つめ。『I die today,for your tomorrow.』だ。
つまり、ノルマンディー上陸作戦で命を落とした名も無き一兵士の気持ちに成りきるということである。彼は勇敢で誠実な人柄だったに違いない。
だけど、ぼくは小物だった。
ゴーレムから繰り出された痛烈な拳を受け、ぼくの体が宙を舞った。
ぼくは、気絶するまで、ひたすらモンモランシーへの呪詛の詞を綴った。

--モンモランシー、覚えてろよ……!

目を覚ましたぼくはモンモランシーにくどくどと文句を連ねた。それくらいの権利はある。ゴーレムの激しい一撃を喰らったぼくの肋骨が一本折れていたのだ。
「で、どうだった。ワインを飲ませるのには成功したの?」
「うん、一応…」
モンモランシーが沈んだ声で言った。
「それは良かった。骨を折った甲斐があったよ」
自分で言っておきながら、文字通りであることに気付いたぼくは、思わず涙を流しそうになった。
「でも、効果なかった」
「は…?」
「ワインを飲んだ後もギーシュはいつも通りだったわ。惚れ薬、失敗だったみたい」

これまた、文字通り、骨折り損である。
このお人よしな性格を直したい。ぼくはしみじみと、そう思った。

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