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ルイズと剣狼伝説第二部-6

ここ『女神の杵』では、かつて貴族たちが集まり、陛下の閲兵を受けたという練兵場がある
そこではある貴族達は己の誇りと名誉をかけて決闘を行っていたという話もある
今では物置場となり樽や空き箱が積まれかつての栄光を懐かしむように石でできた旗台が佇んでいる
そこに二人の男がやって来た、ワルドとロムだ
二人は練兵場の真ん中に立つとそれぞれ20歩ほど離れて向かい合った

第8話 闘え!戦士の誇りと命の為に

「古き良き時代、王がまだ力を持ち貴族たちがそれに従った時代、貴族が貴族らしかった時代だ・・・・」
ワルドが旗立て台を眺めながら語り始めた
「名誉と誇りをかけて僕たち貴族は魔法を唱えあった」
ワルドは皮肉を含めた笑みを前を向いた
「でも実際はくだらない理由だったらしい。例えば、女を取り合ったりしてね」
ロムは腕を組んで話を聞いていた
「・・・少し長くなったね、では決闘を始めようか」
「ああ」
ロムは腕を解くと腰にあるデルフリンガーの柄を握ると、ワルドは左手で制した
「どうした?」
「立ち会いにはそれなりの作法というものがある。介添人がいなくては」
「介添人?」
「もう呼んである」
ワルドがそう言うと物陰からルイズが現れた


ルイズは二人の顔をみてハッとした顔になった
「ワルド、来いと言うから来てみれば、何をする気?」
「彼の実力を、ちょっと試したくなってね」

「馬鹿な事は止めて、今は、そんなことする時じゃないでしょ?」
「それが貴族という奴はやっかいでね、どっち強いか弱いか、気になるんだ」
ルイズはロムの方を見る
「すまないマスター、決闘を申し込まれた以上、答えなければいけない」
ギーシュとの決闘の時と一緒の答えが出てきてルイズは止めるのを諦めた
「なんなのよ、もう!」
ルイズが癇癪を起こすのと同時にロムはデルフリンガーを引き抜いた
左手のルーンが輝く、それを見たルイズは昨晩ワルドが言っていた事を思い出した

「伝説の使い魔の印?」
「そうさ、彼の左手に刻まれたルーン。始祖ブリミルに仕えたと言われる伝説の
『ガンダールヴ』の印だ」
ワルドは話を続けた
「誰もが持てる使い魔じゃない。君はそれだけの力を持ったメイジなんだ」
「信じられないわ・・・」

・・・・ルイズはロムの顔を見た
確かにロムは頼もしい使い魔だ
でも『ガンダールヴ』とは行き過ぎた話だ
そう思っているとワルドは口を開いた
「では、介添人も来たことだ、本当に始めるか」
ワルドが腰から杖を抜き、フェンシングのように前方に突き出す


「行くぞ」
ロムもデルフリンガーを両手で構えて言った
「ああ、全力で来い」
ロムとワルドは同時に地を蹴り先程まで自分達が居た場所でぶつかった
剣と杖の間に火花が散る。細身の杖であったが長剣を受け止める
競り合いが続くが先に身を引いたのはワルドだった
そのまま後ろに引くと思うとシュシュ、と風切音と共に高速で突いてきた
(速い!これは目で見るんじゃない!心眼で見切る!)
ロムは突きを下から抉るように杖を勢いよく切り上げる
杖先は空を向き、ワルドは懐に隙ができる
「なんと!!」
思わず声を上げたワルドは黒いマントを靡かせ身を引いたすぐにロムの蹴りが身体があった場所で空を切った
ワルドは優雅に宙を跳び退さり構えを整えた
「なんでぇ、あいつ魔法を使わねえのか?」
デルフリンガーがとぼけた声で言った
「俺の実力と手の内を調べているんだ。どうやら昨日見せた分だけでは足りないようだな」
(流石は魔法衛士隊。魔法だけかと思っていたが近接戦闘も強いな)
ロムは冷静な声で答えた、同時にワルドは『通常』の自分とも退けを取らない騎士であることも悟った

「魔法衛士隊のメイジはただ魔法を唱えるだけでは無い」
ワルドが杖を振りながら言う
「杖を剣のように扱いつつ、詠唱を完成させる。軍人の基本中の基本だ」
振るのを止めるとワルドは杖を突き出すと鋭い目付きを見せた
再び両者はぶつかり合う、カキン、カキンと斬りあう音が鳴りあう
「君は素早く力強いな!流石は伝説の使い魔だ!」
ワルドはロムの剣を細かい動作で受け流しながら言う
「それに剣の振りも素人ではない!うちの一番若い奴等と同じ、いやそれより強いな!」
ワルドの声はいやに楽しそうだった、同時に動きが段々速くなっていった
「だが君には我等とは足りないものがある」
「足りないもの?」
「そうだそれは・・・」
ワルドの突きは更に速くなる・・・、ロムは見切ろうとするが
「デル・イン・ソル・ラ・ウィンテ・・・・・・」
ワルドが低く呟いていることに気付く
「相棒!いけねぇ!魔法がくるぜ!」
「天空真剣!!」
デルフリンガーとロムが叫んだ
「隼ぎ・・・」
ボン!と大きな音が鳴りロムが横にブッ飛ぶ
(うおおお!空気がハねただと!?)
ロムは地を踏みつけをブレーキをかける
ズザザザザザと音を立てて後ろへ下がるが膝を地に付けつつなんとか踏ん張れた


ロムが正面を向くとワルドが杖を自分に向けていることがわかる
「君に足りないもの・・・それは・・・・・・・」
ワルドは少しためた

「『魔法』だ。」

「君は魔法が無い世界から来たからわからないかもしれないが、この世界は魔法が絶対だ
強い魔法なら尚更・・・・」
ロムは立ち上がろうとするが殴られた方の腕が痺れてデルフリンガーを落としてしまう
拾おうとするがワルドが強風を起こす
デルフリンガーはカランカランっと鳴りながらワルドの方へと転がっていき思いっきり踏まれた
「貴族の決闘は杖を奪われた方が敗けだ。・・・勝負ありだな」
ワルドが冷淡に言った
足下でデルフリンガーが喚いている
「・・・・・・いや、まだ俺は戦える・・・・!」
ロムはそう言うと右手から剣狼を出す
「(・・・あれは、剣狼!)止めて、ロム!」
ルイズが大声を出す
ロムははっとなった顔でルイズの方を向いた
ロムの顔を見たルイズはビクッと震えた、今まで、あんなに・・・・、ロムの恐い顔は見たことがなかった
「わかった・・・・マスター」
ロムは小さな声でそう頷くとルイズはホッとして小さな胸を押さえた
「今のでわかったよ。ルイズ、彼では君を守れない」
近づいてきたワルドがしんみりした声で言った
「・・・・だってあなた魔法衛士隊隊長じゃない!強くて当たり前じゃないの!」

「そうだよ。でもルイズ、強力な敵に囲まれた時に君はこう言うつもりかい?私達は弱いです。杖を収めてくださいと」
ルイズは黙ってしまった
そしてロムを見つめるがワルドに促された
「今は一人にしておこう」
ルイズは躊躇ったがワルドに引っ張られる
(・・・・まだ手が痺れている、流石は『ガンダールヴ』)
そして、練兵所では二本の剣を握ったロムだけが残った

沈黙が続く
ロムは深呼吸した後、埃まみれの剣を見つめた
「すまんなデルフ、このような結果になってしまって」
「気にすんなよ、あいつは相当の使い手だぜ?競り合った相手がすげー。だから相棒、お前はすげーよ」
「・・・そういって貰うと助かるな」
ロムが少し笑みを浮かべるとデルフリンガーは大笑いした
「はっはっはっは!相棒は笑った方がカッコいいぜ!
ところで相棒、さっき握られた事で思い出した事があるんだけどよ」
「なんだ?」
「うーん何だっけな・・・、よく思い出せねぇ。何せ大昔の事だからよ・・・」
「なんだそれは」
「まあ少したてば思い出すかもしれねぇなぁ、じゃあ戻ろうぜ」
「ああ」
ロムは剣狼をしまうと出口に向かって歩き出した
(魔法・・・、メイジ・・・・、俺の拳と剣で乗り越えることができるか?)


その夜・・・、ロムは部屋にこもって剣狼を持って座禅を組む
一階でギーシュ達が飲んで騒ぎまくっている声が聞こえる。キュルケに誘われたが丁寧に断った
2つの月が重なる晩の翌日、アルビオンに向かって船は出港するという
ロムはベランダに出て夜空を見上げた
瞬く星の中で流星が一際輝き、赤い月の光が白い月の後ろで見えた
月を見るとこの世界に来て初めての夜を思い出す
今頃、妹は無事なのか、クロノスの皆はどうなっているのか
そんな風に考えていると後ろから声を掛けられた
「何しているのよ、ロム」
ルイズがそこに立っていた
「負けたぐらいでそんなに落ち込んじゃって。私を守る使い魔じゃなかったの?」
「落ち込んでなんかいないさ」
「じゃあどうしていたの?」
「・・・・考えていたんだ。君をちゃんと守って任務を終えることができるか」
ルイズははぁ~とため息をついた
「ちゃんと守ってもらわなければ困るわよ。しっかりしなさい。
それにしてもあんたなんでその剣を持っているのよ、大体それは・・・・」
ルイズが喋り続ける
ルイズの口の動きを見ながらロムは思った、いつもの高慢なルイズの顔ではなく、年相応のルイズの顔はとても可愛らしい
その顔を見ると妹と重なり可愛いく見える
どこか可愛く感じられた
さらに思い出せばルイズはフーケとの戦いでゴーレムに立ち向かう勇気を見せてくれた
ゼロと呼ばれて悔し涙も流した
思い出せば思い出すほど女の子らしい一面が可愛らしく感じた・・・・


「・・・な、何よ。何ジロジロ見ているのよ」
ルイズの頬に赤みが差していた

「今、私に叱られてそんなに悔しいの?情けないわね。そんな事じゃあんたなんかほっといて私はワルドと結・・・・」

そのときだった
月の光が突然消えた
ルイズは驚いた顔になり、ロムが後ろを振り向くとそこには巨大な何かがいた
輪郭からほのかに漏れ出す光を頼りに目を凝らす
それは岩でできたゴーレムだった
巨大ゴーレムの肩に誰かが座っている
髪をたなびかせ悠然としていた
「「フーケ!」」
二人同時に怒鳴った
「ふふふ・・・感激だわ。覚えていたのね」
「牢屋にはいっていたのでは・・・・」
「親切な人がいてね。私みたいな美人は世の中に出て役に立たなければいけないと言って、出してくれたのよ」
フーケの横に黒マントを着て白いマスクをつけた貴族が立っている
アイツが出したのか?
「どういう経緯かは知らんが・・・、・欲望に染まり、悪に走った者には栄光は無いぞ!貴様等!!」
ロムは銀色に輝く剣狼を出して切っ先をフーケに向ける
「残念だわそんな言われよう・・・・、折角お礼を言いに来たのによぉ!?」

フーケは目を吊り上げ狂的な目を浮かべた
振り上げられたゴーレムの拳が唸りベランダを粉々に砕く
「ルイズ!避難するぞ!!」
ロムはルイズとデルフリンガーを抱えて一瞬で部屋を抜け出し、階段を駆け降りた

玄関から現れた傭兵の一団が一階の酒場で飲んでいたワルド達を襲った
ワルドとタバサが魔法で応戦するがあまりの多さに苦戦しているらしい
「こいつら!メイジとの闘いに慣れているよ!!」
「見ればわかるわよ!魔法が届かない場所から攻撃してきてる!」
テーブルを立ててそれを盾にしている
ギーシュとキュルケが叫ぶ奥にいる客達が悲鳴をあげているにも関わらず衛兵たちは矢を放つ
二階から降りてきたルイズとロムが駆け寄ってきた
「巨大なゴーレムがいるわ!」
「わかっているわ!ほら、あそこ」
キュルケが顔を横に振る、吹きさらしから巨大な足が見えた
「まずいな。このままではこっちがやられてしまう。もしこのまま魔法を使い続ければ」
「終わり」
ワルドの言葉をタバサが簡潔に結論付けた
「ではどうする?」
「僕のワルキューレで引き止めてやる!」
「一個小隊が関の山ね。相手は手練れの傭兵たちよ?」
キュルケとギーシュが言い争いをしている
ワルドがそれを制すると低い声で語りは始めた

「いいか諸君、この任務は半数が目的地にたどり着けば成功とされる」
それを聞いたタバサはキュルケとギーシュを杖で指して「囮」と呟いた
そしてワルドとルイズとロムを指して「桟橋へ」と呟いた
「時間は?」
「今すぐ」
「聞いたとおりだ。裏口に回るぞ」
「え、え?、ええ!」
ルイズが戸惑いの声を上げる
「ま、しかたがないわね。私はあなた達がアルビオンに行く理由なんてわからないもんね」
キュルケが髪をかきあげてつまらなさそうに言った
「ううむ、また、姫殿下とモンモランシーには会えるのか・・・・」
ギーシュは薔薇をちぎりながら言った
「タバサ、君たちは・・・・」
ロムはタバサの方を向いて戸惑いながら言うとキュルケが促した
「いいから行きなさいってば。生きて帰ったらお礼をいっぱい貰うからね?」

ルイズとロムが立ち上がり低い姿勢で走った
矢が唸りをあげて彼らに降りかかろうとするがタバサが杖を振り風の壁を作って防いだ

厨房を出て通常口にたどり着くとルイズは出る前にペコリとおじぎをした
そして桟橋に向かって走る途中、酒場から大きな爆音が響いた
「・・・・始まったようだな。僕達も急ごう」
「え、ええ!ロム!・・・・ってロム!?どこへいったのよ!?ロム!?」

月夜に人影が浮かんだ

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