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マジシャン ザ ルイズ 二話

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マジシャン ザ ルイズ (2)分析+葛藤

「ふむ…この契約のルーン、悪くは無い」
ウルザはマジマジと自分の左手に浮き上がったルーンを見ていた。
魔法的構造までを解読するにはウルザを以てしても時間を要するが、効果だけは読み取ることが出来た。
1.武器に関する熟達
2.武器所持時の肉体の強化
3.術者に対する忠誠を対象の深層心理へ植えつける
要するに強化と忠誠。
シンプルだが実に強力なエンチャントである。
これを効果を拡大し軍勢に影響するように作り変えれば、新兵の軍団も一朝一夕で熟達の兵士となるだろう。
また、効果対象が個人のままであったとしても人間としての基本骨子にこれを刻みつけ、品種改良を続ければいずれ強力な力を持つ人間を作り上げることが出来るだろう。
ウルザはそれらがファイレクシア攻略の手助けになるとほくそ笑むのであった。

また、この世界についてウルザを喜ばせる原因は他にもあった。

今は夜、ここは学院の図書室である。
ウルザが手にしているのは、この世界、ハルケギニアの魔法体系についての本である。
この世界には火、水、風、土の魔法要素があるらしい。
一方ウルザが扱うマナは、赤、青、緑、白、黒である。
赤のマナで行う魔法は、四系統の中では火と土といったように、必ずしも一対一で相対するものではないようである。
一方で、この世界には根本的に白と黒のマナの魔法に相当する魔法は無いようである。
(黒の魔法にあたる死者の蘇生などは先住の魔法という形で存在するらしい)
何より、ウルザが注目したのは「虚無」である。
これは始祖ブリミルと呼ばれる何ものかが確立させた、今は失われた系統であるらしい。
どのようなものかまでは、この図書室では分からなかったが…ウルザの頭には一つの仮説が浮かび上がっていた。

「このような世界で、ファイレクシア攻略の手掛かりがみつかるとはな…失われた力を取り戻すまでの骨休みと思っていたが、そうもいかないらしい」
ルイズがもしこの場に居合わせたなら、ウルザの口元に浮かんだ笑みと、体中から滲み出るもので言葉を失ったに違いない。



ルイズは自室のベットの上からぼーっと天井を見上げていた。
(ええと、染みが一つ、二つ…)
無為なことを考えながら、幽鬼のような表情で部屋の片隅を見る。
そこには、どこから持ってきたのか小さいながらもしっかりとした机が置かれている。
その机に向かい、何かの作業をしているウルザの背中。
どうやら何かを作っているようだが、何を作っているのかはわからない。

(私、どうしてあんなメイジと契約しちゃったのかしら……それに、私のファーストキスぅ…)
枕を抱いて涙目で転がるルイズ。

一応、昨日の晩に自分の中では決着をつけることが出来たのだが、一晩経つとまた挫けそうになるのである。
(そうよ、あれは執事みたいなもんよ!従者なの!本人も認めたんだから、執事みたいなもんなのよ!)

ハルケギニアにおいて、メイジは貴族である。
当然、召喚されたメイジであるところのウルザも、何処かの貴族であると考えられた。
その点をコルベールやルイズが問い詰めたが、ウルザ本人は「記憶が混乱している」だの「記憶が欠落している」だのらりくらりと交わし、どこの貴族かは分かっていない。
そもそも杖を持ってローブを来ていたからメイジ、と言うことになっているが、本人が魔法を使っているところはまだ見ていない。
もしかしたら平民なのかもしれないが、「魔法見せて」というのも………正直怖い。
魔法をまともに使えないルイズでも分かる、あの貫禄と得体の知れない雰囲気。
きっとどこぞの名のあるメイジに違いない。
ヴァリエール家は公爵家であるから、身分で負けているとは思わない。
しかし他国の貴族、しかも記憶喪失の者を使い魔や従者として扱ってもいいものかと一晩悩んだのだ。
(もしも何処かの王家の縁の者だったら………)
―ぶるりと悪寒が走る。
(だから執事、執事なら文句ないでしょ!それに本人も使い魔になるのは同意してるんだし!)

こうしてメイジを使い魔にする、という部分はルイズの中で一応の決着を見た。
問題はキス、乙女心な甘酸っぱい、青春のメモリーである。
(アレはノーカウント!ノーカウント!使い魔の契約なんだからノーカウント!じゃ無かったらお父様にキスしたのと一緒!そうなのよ!わかったルイズ!?)
ごろんごろんと転がるルイズであった。


「お目覚めかな、ミス・ヴァリエール」
大丈夫、決着したと言い聞かせてルイズはベットから起き上がった。
「おはよう、ミスタ・ウルザ。それと昨日も言ったけどルイズでいいわ」
「そうだったね、ミス・ルイズ」
「じゃあ、起きて着替えるから…いいわ、外で待ってて」
「そうかね?てっきり貴族は従者がいる場合手伝わせるものだと思っていたがね」
「いいから、出ていって頂戴、ミスタ・ウルザ」

バタンと扉が閉まり、ウルザは外へ出て行った。
ルイズも最初は手伝わせようかと思ったのだが、あの色眼鏡に見つめられると思うとどうにも落ち着かなくなってしまったのだ。
何より、眼鏡の奥、彼の瞳に何か恐ろしいものが潜んでいる気がするのだ。
「?」
着替える最中、ウルザの机の上に作りかけの何かが置いてあった。
「何これ…鉄の、…動物?」


       これは、…壊れてる
             ――炎蛇の魔道師 コルベール


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