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ハルケギニア外伝 機忍・零-01


春に行われるトリステイン魔法学院の使い魔召喚の儀式、2年の進級試験でもあるこの儀式で唯一人、使い魔を未だ召喚出来
ていない少女がいた。
少女は貴族として生まれながらも今まで魔法を成功させた事が無かった。その為、儀式に臨んだのだが未だに成功(召喚)出来
ない事に苛立っていた、そんな彼女を煽るように級友達から嘲るような声が掛けられる。
しかし、少女…ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールは悔しさや怒りといった感情を押し隠しながら、
再度呪文を唱える。


「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。
 五つの力を司るペンタゴン!
 我の運命に従いし、"使い魔"を召喚せよ!」



ハルケギニア外伝 機忍・零 「召喚」



ルイズが呪文を唱えてその杖を振り下ろした瞬間、再び爆煙が巻き起こり級友達の笑い声が草原に響き渡った。
ゲラゲラと下品に響く笑い声の中、呪文を唱えた本人と幾人かの人物はその煙の中に只ならぬ気配を感じていた。


びゅおうという音と共に一陣の風が草原を渡る。
不意に吹き荒んだ強い風は、蟠っていた爆煙を吹き払い、その中にいる“何か”を露にした。


それは風変わりな漆黒の具足に身を包んだ剣士に見えた。
肌を露出している部分は何処にもない、目元すら真紅の硝子で覆われている。
額には鳥だろうか、唯一付いている飾りは精緻な物で芸術品と言っても過言ではないだろう。

その異様な風体にルイズは圧倒されていたが、しばらくすると持ち前の気丈さを発揮したのか、生唾を一つ飲み込むと召喚し
た何かに話しかける。

「……あんた、なに」


対して、召喚された“それ”。元・黒鷺軍の機忍…白怒火(しらぬい)は困惑していた。
異世界から黒鷺軍を指揮する魔物・黒鷺の出現を目論んだ怪僧・雷鳴法師と黒鷺の力を受けた橡伎(しょうき)を打ち倒した
白怒火は黒鷺軍に囚われていたサキ姫を助け、傭兵・赤城や姫と共に崩壊を始める黒鷺城から辛くも脱出した。
しかし、彼等と別れて地上に降り立った瞬間、何やら浮かんでいた鏡の様なものに飛び込んでしまい、気が付いたらこの様な
場所にいたのだ。
周囲を見渡してみると、髪の毛を様々な色に染めている童がいる。皆、そろいの外套を着込んでいるが、その下に着ている服
は奇妙な物だった。
見知った着物を着ている者は誰一人いない、しかもその周りには様々な動物や妖怪が侍っている。
かの雷鳴法師の様な妖気を発している訳ではない上、強さを図る気合値も五拾に満たない者が殆どだったが、幾人かいる八拾
の大台を超えている者のみ注意を向けておくべきだろうと心に留めておく、そこまで考えを纏めた所で目の前にいる桃色の髪
をした娘御(この娘御の気合値は何と五百を越えていた)から声をかけられた。

自分の肩位までしか背丈がない少女は緊張はしても恐れてはいないようだ。
しかし、ここで白怒火はこの娘御が機忍である己を恐れないという事に疑問を持った。見た所、気合値は高くとも何がしかの
武術を修めているようにも見えない普通の娘御だ、なのに緊張はしても恐れない・警戒しないというのは不自然すぎる。歴戦
の傭兵である赤城ですら警戒していたのに。

ここは情報収集に努めるかと己に言い聞かせ、娘御から色々と聞くことにする。

「ちょっと、聞いてるの!」
「済まない、少し考え事をしていたのでな。」

癇癪を起こしかけているようなルイズの言葉に、特徴的な白怒火の機会音声が返ってくる。
しかし、返事を返した瞬間草原は爆笑の渦に叩き込まれた。

「流石はゼロのルイズ!平民を召喚するなんて考えもしない事をやってのけた」と。

その言葉にルイズは顔を真っ赤にした後、背後に控えている禿頭の男性(気合値:八拾八)にやり直しを要求していたが、結論
から言うとそれは聞き届けられなかった。
曰く、これは神聖な儀式であり、召喚された使い魔は己の系統と関係がある。
しかも、この次成功する可能性があるかどうか。

そこまで言われるとルイズは言い返せなかった。実際、この平民(?)を召喚するまで呪文を失敗した回数は両手両足では足
りない程だったから……。

「しょうがないわね。ちょっとあんた、その兜を脱いで少し屈みなさい。」
「それはできない。」
「なんですって!平民のクセに貴族に逆らおうって言うの?」

きっぱりとした白怒火の言葉にルイズが怒り出す。しかし、怒られた方の白怒火は何でもない事の様にルイズに理由を話した。

「逆らうもなにも、俺は機忍だから、身に着けているものは一部を除いて脱ぐ事は出来ないというだけの話だ。」
「キニン?なにそれ、いいから脱ぎなさい!」

そのルイズの言葉に、白怒火はこの娘が機忍を知らない事を理解した。そして、言い方を替えて答える。

「要するに普通の人間ではないと言っているのだ、娘御。」
「そんなわけないでしょう、その兜が脱げなかったら食事とかどうするのよ。」
「俺は食事は摂らない……いや、もう何かを食う事は出来ないのだ。」

そう言った後、白怒火の仮面が動いて悲しげな様子になる。心持ち両肩も下がって落ち込んでいる様にも見えた。
そんな白怒火の様子を見たルイズは、聞いてはいけない事を聞いてしまったのか…と少し罪悪感を感じたものの自分も進級が
掛かっている、どうしたものかと悩んでいると背後にいるコルベール師から声がかけられる。

「どうしたのですか?ミス・ヴァリエール」
「ミスタ・コルベール、この平民ですが兜を脱ぐ事ができないと言ってます」
「何ですと?少し見せてもらっていいですかな?ミス・ヴァリエールこちらの名前は何と」
「飛勇……いや白怒火だ」
「え?」
「俺の名前だ、白く怒る火と書いてシラヌイと読む」
「そ、そう。シラヌイ……珍しい名前ね。
 まぁ、いいわ。ミスタ・コルベールがアンタの兜を見たいって仰っているんだけど……」
「好きにするが良い」

ルイズの言葉に白怒火は、毒を食らわば皿までと言わんばかりに胡坐をかいてその場に座り込む。

「では失礼しますぞ」

そう言うとコルベールは座り込んだ白怒火に近ずくと、彼の頭部をつぶさに観察し始めた。
だが、しばらくするとコルベールから「おお!」とか「なんと、素晴らしい!」とか「むぅ……」といった台詞が聞こえてくる。
学院一の変人と名高いコルベールのその反応にルイズは気が気ではなかったが、一念発起して話しかけた。

「あ、あのう。ミスタ・コルベール……結局そいつの兜って外せるんですか?」
「はっ!ああ、これは失礼したミス・ヴァリエール。そうですなぁ見た所、留め金も何も見えません。
 恐らく彼が言っている事は本当の事なのでしょう。」
「じゃあ。サモン・サーヴァントをやり直せるんですか?」
「いえ、流石にそれは……しかしこのままだとコントラクト・サーヴァントが出来ない事も事実。
 ここはオールド・オスマンの指示を仰ぐ事にしましょう、よろしいですな?ミス・ヴァリエール。」

コルベールのその言葉に、やり直しの機会がある事を感じたルイズは期待しつつも神妙な面持ちで頷いた。


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