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ポケモン探検隊INハルケギニア-02

「しゃ、喋った!?」
この野太い声は間違いなく目の前の怪物が放った物だ。
まだルーンを刻む前にもかかわらず言語を操るということはどうやら韻獣らしい。
これはかなりの当たりを引いたようだ。
「見ての通り、僕は人間さ。そう言う君たちは?言葉が喋れるほどの知能があるなら、勿論名前だってあるんだろう?」
本当は色々イメージして美しい名前を昨日から考えていたのだが、本名があるのならそっちの方がいいだろう。
大きな怪物は少し不機嫌そうに頭を掻きながら他の2人に何事か声を掛ける。
そちらも周囲を観察する目を此方に向けた。とりあえず、敵意はないようだ。
これはまさか他の2匹も韻獣なのか?
「ん、えーっと…俺はドサイドン」
「わたしはロズレイドよ」
「私はエルレイドです。あなたのお名前は?」
全員韻獣!さすが僕!素晴らしい使い魔だ!
「僕かい?僕の名はギーシュ・ド・グラモン、君の主人になる者さ。」
天まで舞い上がりそうな気持ちを抑えて使い魔の問いに答える。
使い魔との関係は良いに越した事は無い。
ロズレイド君の返事には若干の違和感があったが気にしないで置く。

…主人って何だ?
3人の脳裏に嫌な予感が走る。
いきなりの事で訳が判らないうちに取り返しの付かない事になってしまいそうな。
「…えーと、ギーシュさん?幾つか聞きたいことが」
「ん、なんだい?エルレイド君だったね。僕に答えられる事なら何でも答えてあげよう。」
エルレイドが右手を上げて口火を切る。確認しなければならない事は山ほどある。
「まず、此処は何処ですか?」
「あぁ、突然別の所に来たんだから当然か。ここはトリステイン魔法学院だよ。」

…言っている事が全く理解できない。
ニンゲンが目の前に現れた事で遠いとか海の向こうとかそう言うレベルではない事に薄々感づいていた3人は
若干混乱している思考を無理やり押さえ込んで質問を続ける。
「貴方がこの…「まほうがくえん」に我々を連れてきたのですか?」
「魔法「学院」だ。その通り、君たちを使い魔とするためにね。」

3匹の顔があからさまに曇った。あれ、何かマズイ事言ったかな?
サモンサーヴァントで呼び出された時点で使い魔にはある程度、術者への好意が刷り込まれると教わった。
だが、暴れだしてはいないとは言え好意的な反応とも思えない。まるで初対面の人間と会うような…。
人語を解する程度の知能を持つ生き物が相手だと召還の時の刷り込みが甘くなると聞いたがまさかそれか!?
「そもそも、使い魔って言うのは何なのよ?」
マズい。相手が人並みの知能を持っていると考えると、この質問にバカ正直に答えるのはかなりマズい。
最悪攻撃されるか逃げられる。
いきなり知らない奴に呼び出されてどちらかが死ぬまで従属しろとか平民だって簡単には納得しないだろう。
貴族の威光が通用しない獣相手ではなおさらだ。
苦し紛れにさっき呼び出された平民を見てみたら、気がついたのかルイズと言い争いをしていた。
………ルイズは失敗したみたいだ。あぁはならない様にしないと…
「使い魔というのはだね、僕の…えーと、部下みたいなものだよ。」
「部下、ですか…ふーん…」
……嘘は言っていない、筈。
実際は気に食わなけりゃその場でぶっ殺される事もあるんだけど。
位置付けはある意味平民以下だけど。
でもなんかエルレイドの視線が恐い。心を見透かされている様な…

「…おい、嘘は言っていないのか?」
「…言ってませんね。ただ、全部は話してもらえていないようです」
「グハァッ!?」
ギーシュは5メイルほど吹っ飛びそうな衝撃を食らった。
本当に心を見透かされているらしい。
これは変な嘘は通用しそうにない…どうしようどうしようどうしようどうし…

このエルレイド、種族柄相手の心理を読み取ることに長けている。
ポケモン同士では余り頭と口に真逆に動かす事はないのでそうでもないが、
虚実のやり取りを日常的に行う人間相手だとかなり極悪な能力である。

「おいお前!言うべき事はキッチリ言った方がいいぞ!」
「抑えてドサイドン、この場でここにいる全員敵に回すつもり?
ギーシュさん?私たちだって馬鹿じゃないわ。あなたをどうこうしようって訳じゃないし、困っているなら力を貸せるかもしれないわよ?」
今にも殴りかかってきそうな雰囲気のドサイドンをロズレイドが抑える。
見るからに恐ろしい役とそれと比較して優しげな役、両方を配置する事によってその落差で相手を揺さぶる彼ら一流の芝居であった。
バカだバカだと全てのポケモン図鑑に書かれるようなサイホーン族とはいえ、
ドサイドンまで進化すればそこまでバカではないようだ。

あぁ…やっぱりロズレイドの声が変なような…本当に切羽詰まるとどうでもいい事が気になるって本当だねー…
等と現実逃避していた彼は嫌も応も無く絡め取られてしまった。南無。

「フンフン、使い魔っていうのはそう言う…これは少々キツイな…」
「で、私たちがそれにならないと、ギーシュさんは非常に困る…と。「リュウネン」でしたか?」
「でも、返す方法も無いとなれば此方にも選択肢はそんなに多くないわよ?」
「住む所や食べる物はこちらでどうにかするよ!何なら給金を上げたっていい!」
他の生徒がまだ自分の方の使い魔に集中していたのが幸いである。
他人に聞かれていたらギーシュ株は急転直下の大暴落をしていた事だろう。
うーん、と考えこんでいたエルレイドが何かを思いついたようにギーシュに問いかけた。
「お金…はまぁ置いといて、ギーシュさん?この世界に「未知の地域」とか「伝説の秘宝」などはまだありますか?」
「え、あ。うん…このハルケギニアの中でも未踏破地域は山ほどあるし、
遥か東のほうのロバ・アル・カリイエは完全に未知の世界だよ。どれだけの広さがあるのかも判らないね。
それに秘宝って呼ばれるものの噂も良く聞くよ。精霊の持ち物だったりするけど。」
何かが琴線に触れたのか、3人の顔がパアッと輝く。
「それはすばらしい!そう言うものの存在こそ我々探検隊の命!」
「それなら、ここにいるってのも悪くはないかもな。多少の自由時間が貰えるならなおいいが」
「それじゃ、ギーシュさん!お世話になるわね!」
ポケモンの探検隊魂はハルケギニア人間にはちょっと理解不能であった。
神速の展開に訳がわからずポカーンとしているギーシュに3人が向き合う。

「そう言えば、もう一つの自己紹介がまだでしたね」
「わたしたちは探検隊、チーム・レイダース!」
「狙った獲物は絶対に逃がさねぇんだ。よろしくな!」

此処に、ハルケギニアでは久しぶりの「探検隊」が誕生した。


首尾よく契約を終えたギーシュとレイダースは、本塔に向かって歩いていた。
だがしかし、何故かギーシュは浮かない顔をしている。
「…で、ギーシュ?何でいきなり脛を蹴られたんだよ?」
「判らないよ。君たちを紹介しようとしたら急に機嫌が悪くなって…あぁ、モンモランシー…」
ちなみに、彼の「1番」であるモンモランシー。
「香水」の二つ名を持つ水メイジである彼女の使い魔はカエルのロビンである。
「水」と「カエル」。この上なくピッタリな組み合わせで彼女に相応しい使い魔だとギーシュは褒め称えたのだが…
女の子にカエルは普通はちょっと…うん。

「…ほんとに判ってないの?」
「…そのようですね」
彼らの主人に、3匹はかなり不安になった…

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