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ゼロの騎士団-18


ゼロの騎士団 PART2 幻魔皇帝 クロムウェル 8 「決闘と光芒(こうぼう)」

「では、始めよう」
その言葉と共に、ワルドはあらかじめ唱えておいたエアハンマーを放つ。
(いきなりか! やる気は充分と言ったところだな)
間を取ろうともせず始めるワルドに、胸中で毒づきながら、ニューは横に跳んでかわす。
「ファン」
横に跳びながらも、直撃すれば人間が気絶する電撃を放つ。
(どうする?)
相手の実力が分からにだけに、ワルドの対応を見る。
「錬金」
ワルドはそれを読んでいたかの様に地面を錬金し、壁を作り電撃をやり過ごす。
茶色い壁に空気の振動が揺れる。
(はやい!)
自身とそう変わらないような詠唱の速さにニューも驚く。
内心、自分の魔法よりも詠唱の速さで絶対的有利を確信していただけに、
ワルドの魔法での対応は素直に驚きを与える。
「我々魔法衛士隊は実践を目的とした部隊だ、詠唱をいかに早く終えるかを常に研究している」
自慢では無く、慣れていると言わんばかりに、ワルドが答える。
「たしかに、他のメイジとは違うか……バズ」
(精鋭部隊は伊達では無いと言う事か)
魔法を唱えワルドの足元に爆風を当てる。
(距離を取れば少しは時間が稼げる、詠唱がない分こちらの方が早いからな)
そう思い、距離を取ろうとするが
「なっ!」
視界に映る影が徐々に大きくなる。
距離を取るはずであろうワルドが、爆風の中からこちらに向かって来るので、ニューも驚きの声をあげる。
「行ったはずだ、我々は実践を目的とした部隊だよ。普通のメイジと思わないでくれ」
ワルドはスピードを落とさずに、ニューに接近する。ワルドは杖をニューに向ける。
(マズイ、距離を取らなくては)
危険――ミスをしたと言う感覚が全身を襲う。
自身の目論見が外れ、ニューは焦る。
おそらく、詠唱は完成しているから、接近されれば自身の負けが決まる。
「バズレイ」
それは嫌だ――とっさに、その魔法が浮かぶ。
魔法はワルドが放つぎりぎりの所で地面に当たり、先ほどよりも強い爆発を起こす。
その時、閃光でワルドの顔が歪んだように見えた。
「ニュー!」
爆発に二人の姿が飲み込まれ、ルイズも悲鳴に近い声をあげる。
爆発から数秒後、煙の中から二人の姿を確認する。
先にルイズの視界に入ったのはワルドの方であった。
「驚いたな、とっさに爆発させて距離を取るなんて」
(詠唱の速さに自信があるが、やはり早いな)
多少の傷と火傷を負いながらも、距離を取ったワルドが、素直に称賛の声をあげる。
ワルドの視界の先の爆煙が徐々に消えて、ルイズの見知ったシルエットを写す。
ニューは片膝をつきながらも、何とかその場所に立っていた。所々に傷と黒い焦げた跡が見える。
「接近されるなんて考えてもいませんでしたからね……よっと……それに、
余りやりたくはありませんが私はこう言った事も出来るのでね、ミディアム」
何とか立ちあがり、自分の胸部に手を添える。
自身の足元で爆発したため、ワルドより大きなダメージを負っていたニューだが、
その一言で瞬く間に傷が癒える。
それを見て、ワルドがなぜにニューが自爆まがいの事をやったのか理解する。
「すごいな、そちらの回復魔法とは優秀だな、実戦でも使えそうだ」
(負傷をしてもすぐに治せるなんて、反則に近いな)
ハルケギニアの回復とは後方で行う事を前提に考えられており、
ニューの様に前線で傷をいやしながら戦うと言う概念は無いだけに、それは驚きと同時に恐怖も感じさせた。
(自身が回復を使えるのを前提に、こんな作戦を実行するのは問題なのだがな)
ワルドの言葉を聞きつつも、自身のうかつさを呪いながら、ニューはそんな事を考え得る。
これは怪我を治せるニューだから使える手段でもあった。
しかし、常にそれを頭に入れながら戦術に組み込むような真似をする訳にはいかないので、滅多に使わない。
ニュー自身はどちらかと言うと、距離を取って戦うタイプである。
その自分が接近され、あまつさえ回復をあてにして、自爆まがいな事をやるとは、魔法を使う物としては問題であった。
(彼は魔法使いと言うよりも魔法剣士だ、接近戦も頭に入れ無いとならない)
自身がかつて戦ったゲルググキャバリアーの様な、剣と魔法を合わせた戦い方の敵を想定する。
「今度はこちらから行きます、ムービガン」
ワルドに向けて、光弾が放たれる。それをワルドは右足を半歩下げて身をよじってかわす。
「それに、中々大した威力だ、こちらも手心は加えないようにしよう、ライトニング・クラウド」
その言葉と共に、ワルドの杖から稲妻が走る。ニューもそれに合わせて魔法を唱える。
「メガファン」
先程よりもはるかに強い電撃で相殺し、余波がワルドに迫る。
それをワルドは横に飛びながら何とかかわす。
(彼は傷を治せないから今の後ではそう簡単に接近できない。
距離を取りながら、火力で攻める。隙が出来たら、一気に接近する。)
剣は苦手でも、杖を落とす事は出来る筈。そう考えて、次の魔法に移ろうとするが
「メガバ!」
(マズイ、このままではルイズにも当たる)
ワルドの飛んだ位置がルイズに近いために、ルイズに当たると考えたニューはとっさに魔法を中止する。
「ウィンド・ブレイク」
その隙を見逃さず、ワルドが放った風がニューの体ごと杖を吹き飛ばした。
ニューが地面に叩きつけられるその様子が、ルイズにはスローモーションに見えた。
そこで勝負は決した。
「ニュー、大丈夫!」
(何が手合わせよ!一歩間違えれば殺し合いじゃない!)
ルイズが叫びながら、自身の使い魔の元にやってくる。
手合わせと言うには荒々しい戦いにルイズは気が気でなかった。
「すまない、本気を出してしまった。大丈夫かい?」
言葉と共に、ゆっくりとした足音が聞こえる。
ワルドが杖を収めて近づいてくるのを、ニューは地面の音で感じ取った。
「いえ……参りました」
起き上がりながら、ニューはそれしか言わなかった。
(傷は治しとくか)
流石に二人の状態を放置して行く訳にはいかない。
「傷を治しましょう、マディア」
ニューは自分とワルドの傷を魔法で治す。
「ありがとう。君は本当に大した腕だよ、ただ……は少し優しすぎるな」
「!」
その一言を聞いて、ニューは驚いた顔をする。
「あの時、なぜ撃たなかったんだい? 君の魔法なら後で回復もできただろう」
ワルドは、正直あの時にかなり危機を感じていた。
しかし、ルイズに気を取られて撃つ事を躊躇った為に、勝利をつかむ事が出来た。
「それは・・・これは手合わせだからです」
ニューは苦い顔で応える。
「確かに、これは手合わせだ……しかし、実戦では撃てるのかい?」
ワルドの問いに、ニューは無言となる。ニューにはその問いに答える事は出来なかった。
「君は大した腕だ、しかし、欠点がない訳では無い。
それでは、君一人の時にルイズを危険な目に合わせるかも知れない」
それだけを言い残し、ワルドは去って行った。


ワルドの去った広場には何か言いたそうな二人が残っていた。
「……アンタ、何やってるのよ」
ルイズが先に沈黙を破る。それを聞いて、ニューは答える。
「すまんな、二人に劣らない所を見せてやるはずが」
(情けないな、私は)
ニューはルイズの顔を見ずに、そのような事を考える。
しかし、それを聞いて尚、ルイズの顔は怒りに満ちていた。
「違うわよ!なんであんな危険な真似するのよ!」
(本当に心配したじゃない、何であんな事をするのよ)
ニューが爆発に飲み込まれた時、ルイズは自身が息を出来なかった事を今更ながら思い出す。
「あれはただのミスだ」
攻撃を躊躇ったのは自身のミスだ、
そして、後で回復すればいいとは考えもしなかった。
ニューは先程の戦闘で相手を侮り自身のミスと、
ワルドに欠点を指摘された事でいつものように答える事が出来なかった。
「ミスで済む訳ないじゃない! それこそ実践だったらどうするのよ! 
それにさっきのアンタ、何時もの様な冷静さが無いわよ、負けて当然よ!」
ルイズは早口でまくしたてる。ニューはただ、それを黙って聞いている。
「それに、二人に劣らない? 知ってるわよ、いつまでも気にしないでよ、そんな事」
(まぁ、確かにあなたの使い魔は凄いからね)
数日前の言葉が脳裏によぎる。
(アンタが優秀な奴だなんて事は解ってるわよ、何でそんな意地張るのよ!)
モンモランシーの言葉を思い出すまでもなく、ルイズはニューが使い魔としての能力に不満は無い。
むしろ、魔法が使えない自分には羨ましくもあり、ニューが何に対して不満が有るのかは解らなかった。
「アンタ、何が不満なの?この間から変よ、言いたい事があるなら私に言いなさいよ」
「何でもない……時間まで休ませてもらう」
ルイズの言葉を聞きながら、宿に戻ろうとする。それを、ルイズが遮る。
「ちょっと、待ちなさいよ!なんでも無い訳ないじゃない!」
ルイズがそう言いながら、強く肩をつかむ。ルイズの剣幕に押されてニューも足を止める。
「アンタが二人の事を気にしてるんだったら謝るわよ、
あれはアンタを一緒に連れていくために嘘をついたの、悪かったわよ」
ルイズは自身の中で最大限の気持ちで謝罪した。
それを聞いても、ニューの顔は晴れなかった。
「ルイズ、嘘の事は解っている……これは、私の問題だ。
お前にも昨日言ったが、問題は自身が解決しなくちゃならないのだ」
(そう……私の問題なんだ)
昨日からニューは自分の問題に気付きながらも、その答えを見いだせなかった。
ワルドとの手合わせでそれを見出そうとしたが、結局見つける事どころか醜態をさらしてしまった。
その事もあり、ルイズを避けてホテルへと歩きだした。
「何よ、アイツ」
(アンタの問題だからって、私が心配したらいけないの?そんなの関係ないじゃない!)
去っていくニューの背中を見ながら、ルイズの声は音にならなかった。


決闘から数時間後、人々のお昼も終わり始めた頃
「もうすぐ開始だね、アンタは本当にいいの?」
そう言いながら、ジュースの入ったグラス弄びつつマチルダが真駆参を見る。
彼女は行動する事に問題は無かった。しかし、真駆参を使うのは自身の妹分にきたない事をやらせるような気がして、正直気が引ける思いであった。
しかし、真駆参は落ち着いた様子で紅茶を飲んでいる。
「問題ない、覚悟は決めた。何であれ、ガキどもやアイツの為になる事は確かだ」
決断をしてからはそれほど苦しむ事は無かった。ただ、早く終わらせて彼女の元に帰りたいと思う。
周りにはたくさんの人が居るのに、自身の住んでいる所より、今は静かな気がした。
「そうかい、まぁ、作戦なんて物は無いんだけどね、
あんたとあの旦那がやり合っている振りをしている間に、使い魔を何とかする」
「俺がアイツを相手した方がいいんじゃないか?」
真駆参が提案する、彼にしてみればその方が確実だと思えたからだ。
仮面の男にしてみても、それは、考えの中の一つにある筈だ。
「そうだけど、これは旦那の指示何だよ。大方、ポイント稼ぎでもしたいんじゃないかい?」
(誰に対してかは解らないけどね)
今回の妨害は彼の個人的な行いによるものらしい。
最もそんな事はマチルダにとってはどうでも良かった。
彼女にしてみれば、あの仮面の男の事はなるべく考えたくなかった。
多大な報酬を与える人物にしても、やはり、不信感はぬぐえなかった。
「まぁ、無理はするなよ、危ないと判断したら俺を呼べ」
「大丈夫だよ、三人では後れを取ったけど、一人なら何とかなるさ」
そう言って、残ったジュースを飲む。
(成功させないとね、こいつはあの娘の為に協力してくれるんだから)
そう考えているマチルダ達の席に数日前の仮面の男が現れる。
「やぁ、待たせたね」
「また偽物か、ご苦労な事だ」
真駆参が睨みつける。彼がここに居ると言う事はもうすぐ作戦が開始される事を示していた。
「だからって斬らないでくれよ、これでも疲れるんだから」
座る事無く近くまで来た男が似合わずにおどける。
(遍在かい、相変わらずかなりの腕だねぇ)
マチルダは目の前の男の腕をみて、心の中で称賛する。二人で勝てない相手だとは思わないが、敵に回してもいいとは思ってなかった。
それに、彼の払いの良さにはここ最近仕事が不調だった彼女にはいい顧客だと感じさせた。
「もうすぐ、奴らは桟橋に向かう、我々はその手前で実行する」
「了解、お嬢ちゃんの使い魔は私にまかせな」
「30分後に桟橋付近で、それぞれ準備をしておけ」
上官の様にそう言い残して、男去って行く。そのまま、通りを少し進んだ所で、建物を曲がり、気配が消える。
「せっかちな男だねぇ、相手するのは苦労するよ」
(ここの料金アイツに払わせれば良かった)
居なくなった後に、その機会を逃した事に気づき、マチルダは毒づく。
ウェイターを呼びつけて、二人の料金を払いながらマチルダは立ち上がり、
二人はやる事もないので、取り敢えず指定された場所に向かう事にした。


その十数分後、ルイズ達三人も宿を出て桟橋に向かう途中であった。
三人の空気は良いとは言えないが、コミュニケーションが全く取れないと言う空気でも無かった。そのなかで、ニューが最初に声をあげる。
「もうすぐだな……」
「何がもうすぐなのよ?」
ニューの呟きにルイズが聞いてくるが、それを聞いていたワルドが答える。
「襲撃の事だろう、彼の言う通りここまで襲撃がなかったからね、桟橋までの道は広いし視界が開けている。それに、このタイミングで襲われて船に乗る事が出来なかったら、我々は足止めを食らう事は確実だからね」
遠目に見える桟橋までは視界が開けており、襲撃には最適な場所とも言えた。
ここまで、襲撃に逢わなかっただけに、その可能性は高まるばかりで会った。
(山賊程度ならば、二人で守れるが)
メイジは平民より強いとされているハルケギニアでどの程度の敵が来るのか?
相手は情報戦に優れているだけに、三人の情報はおそらく伝わっているかもしれない。

ニューがその事を考えていた時、大地に響く轟音が襲った。
「何!?」
ルイズが声をあげてそこを見ると、そこには30メイル程のゴーレムが立ちふさがった。

ニューはそれを見て、襲撃者が何者であるかを理解する。
「やはり来たか! しかも、これは!」
ニューにとっては忘れられない出来事があっただけに、そのゴーレムには見覚えがあった。
砂煙を上げたゴーレムの足元から、それに応えるように声がする。
「お久しぶりだね、お嬢ちゃん達」
視界が元に戻った三人が見たのは見覚えのある人物であった。
その人物は一か月前まで学園の秘書でニュー達も世話になっていた人物であった。
「土くれのフーケか、それにお前は!」
現れた三人のうちの一人は知らないが、もう一人はルイズも知っていた。
「アイツはマークスリーって奴じゃない!アンタ、なんで居るのよ!? 
私達とは戦わないんじゃなかったの!?」
(最悪じゃない、フーケだけじゃ無くアイツまで居るなんて)
自身の使い魔達三人でも勝てなかった、真駆参をルイズは忘れるわけがなかった。
二人のほかにもいる仮面の男には見覚えなかったが、それでも、この二人だけで十分に脅威であった。
「悪いね、こっちも働かないといけないんでね」
マチルダと仮面の男が杖を構えて、真駆参が楯から剣を抜く。
「逃げる事も出来ないか……どうやら、ここで戦わねばならないようだな、君はフーケと仮面の男を頼む」
指示を出しながらルイズを下がらせワルドはそう判断し、自身の杖を抜く。
ルイズはまだ何か言いたそうであったが、それをニューが遮る。
「マークスリーは強敵ですよ、それに仮面の男の腕は知りませんし」
「君達三人を相手に回せるような相手に、勝とうとするほど愚かでもないよ、隙を見て突破を図る、君が鍵となるけど、大丈夫かい?」
恐らくお互いに相手を認識したのか、互いに距離を取り始める。それを見て、ニューも自身のやるべき事を理解し、ワルドの言葉に頷く。
「では、お願いします。バズ」
ニューは奇襲の意味を込めて、ゴーレムめがけていきなり魔法を放つ。
俊敏ではないゴーレムはよける事が出来ずに巨大な爆音と共に、戦闘は開始される。
「くっ! いきなり何するんだい」
自身のゴーレムを半分にされて、フーケが毒づく。ゴーレムはすぐに元に戻ろうと再生する。
「ライトニング・クラウド」
ワルドがニューの魔法に合わせて、ゴーレムに詠唱を終えた雷撃を放つ。
直撃を受ければ残りの部分ごと破壊できたが、真駆参が前に入り盾を構える。
その後ろから、仮面の男が風の塊を打ち出す。
ニューもそれに合わせて魔法を放つ。
「ルイズ離れていろ!ムビルフィラ」
ルイズに指示を出しながら、仮面の男に向けて魔法を放つ。光弾は巨大な風とぶつかり
相殺される。
確認する暇もなく仮面の男がニューに向けて走り出し、それと同時に、真駆参が駆け出しワルドに迫る。
(中々出来ると言う訳か)
数の上でも不利なうえ、三人とも強敵なだけに事態、そのうえ、こちらはルイズを守らなければならない分余計な負担がかかった。
それを尻目に、接近した真駆参が剣でワルドを狙う。
それを半歩横に避けてかわしながら、真駆参にめがけて杖を突き出す。
「エア・ニードル」
杖の先に空気の針を纏った刃が差し出されるが盾で防がれる。
「接近戦もできるのか、だが甘い」
盾で押し返しつつ、バランスの崩れた所を剣で狙う。
それを何とか、自身杖で防ぐが力の差で吹き飛ばされる。
(やはり接近戦では向こうが上か、それに、この機動力)
幾ら魔法衛士隊とはいえ、接近戦の得意とする土俵では真駆参には及ばない。
詠唱しながら自身も距離を取り、本来の遠距離に移る。しかし、真駆参は距離を置かれても冷静であった。
「目牙光銃(メガビームガン)」
自身の腰から、銃を取り出しワルドの足元を狙う。ニューと同じ光弾は地面に着弾して
ワルドは足元のバランスを崩す。
(何だあれは、あんなものまであるのか!?)
真駆参を接近しかできないと考えていただけに、ワルドに驚きの表情が走る。
ニュー達三人と戦った事は知っていたが、このような武器があるとはワルドも知らなかった。
そんな驚きをよそに、真駆参は接近してくる。
「ウィンド・ブレイク」
ワルドは詠唱を終えた魔法をぎりぎり接近した真駆参に放つ。
真駆参はとっさに盾で防ぐ。その反動でワルドは何とか起き上がる。
(まずいな、このままでは突破どころではなくなる)
仮面の男の魔法をかろうじて避けながら、ニューは考える。突破しようにも、あのゴーレムを如何にかしなければならなかったが、以前の時と違い戦力が少なすぎる。
ワルドは真駆参を相手にするのがやっとなので、ゴーレムはニューが担当しなければならなかった。
ゼータ達やキュルケ達が居れば……
切羽詰まった状況の中で、ふと、ゼータ達が頭の中をよぎるが、ニューは頭の中から、それを追い出す。
(いや、この場に二人は居ないんだ、私がやるしかないんだ!……だいぶ負担がかかるが、やるしかないか)

――自分がやるしかないんだ。

そう考えて、ニューは実行に移す為に指示を出す。
「ワルド殿、ルイズ!ゴーレムを倒して突破します」
「どうするの!?」
「こうするのだ、メガバズ!」
ニューの中でも、強力な方に分類される爆発がフーケのゴーレムを襲う。
轟音と共に先程よりも強い爆発が、ゴーレムの大部分を吹き飛ばす。
「やってくれるね、けど、まだ完全に倒れちゃいないよ!」
マチルダの声に呼応するかのように、ゴーレムが再生していく。
砕かれた大部分が元に戻ろうとする。
「だろうな、メガバズ!」
ニューは再度、同等の威力の爆風を放ち、再生しかけていた部分を直撃させる。
しかし、ニューはそれで終わらせるつもりがなかった。
「これで最後だ、メガバズ!」
先程と変わらない轟音と共に、フーケのゴーレムを完全に消滅させる。
「何!なんて奴だい」
あれほどの威力の魔法を立て続けに連発するニューに対して、マチルダと仮面の男も脅威を感じた。
(連発は苦しいのだが……)
ニューとしても、魔法の連発は負担が大きく、本来ではあまり使う事はなかったので、体にだいぶ応えていた。
「行くぞっ!」
ニューはそう言って踏み出そうとするが、右足が地面を踏む事が出来なかった。
「ニュー!?」
一番先にかけ出そうとしたニューが、地面に膝をついた事に、ルイズが叫ぶ。
ワルドも口には出さないが、その様子に驚いている。
だが、ニューはその原因が解っていた。
(不味い!朝の手合わせで消費しすぎていたか)
ニューの魔法も精神力を使う。
普段なら、それほどでもないが、朝の手合わせで精神力を消費していた事もあり、先ほどの魔法の3連発で疲労が頂点に達していた。
ニューは、歯を食いしばりながら何とか立ち上がりよろよろと歩きだす。
「ニュー、どうしたの!?」
ルイズの心配そうな声がニューの耳に聞こえる。
「力を消費しすぎただけだ、問題ない。ルイズ、二人で先に行け!」
「何、言ってるのよ、アンタ、フラフラじゃない!」
足取りのおぼつかないニューを見て、ルイズは足を進める事が出来なかった。
その時、ワルドは二人の元に駆け寄りルイズを抱えあげる。
「ルイズ、彼の言う通りだ。我々は目的を達しなければならない」
「嫌よ、ワルド、離して!」
ワルドの中で、ルイズがじたばたと暴れ出す。
しかし、ワルドはお構いなくかけ出そうとする。
「頼んだぞ、ニュー君」
「わかりました、ルイズをお願いします」
正直言えば、ワルドにルイズを頼むのは本意では無かったが、この場では自分が足手まといにならない事が解らない訳では無い。
ワルドは頷いてから、ルイズを抱えたまま走りだした。
(ルイズ……)
ニューはルイズの見送った後、周辺を改めて見まわす。
派手な爆発であったが三人はまだ、無事であった。
「やってくれたね、追うよ、真駆参!」
(アイツの思惑どおりだね)
呪文を唱えながら再度ゴーレムを召喚する。
しかし、先ほどと違い半分の大きさしかないがそれでも充分な脅威であった。
仮面の男がニューに止めを刺そうと向けて杖を向けるが、真駆参が制する。
「コイツにはもう用はない、二人の後を追うぞ」
真駆参にしてみれば、目的は達しただけにもう戦う理由は無かった。
三人がニューを置いて、行こうとするがニューが立ち上がる。
「いや、私はまだ用がある。お前達をルイズの元に行かせる訳には行かない」
(私が二人に劣らないなんて考えてこの有様だ……自分のけじめの為に、
なんとしても、役割は果たす!)
三人を見据えて、ニューは精神を集中させる。
それを見て、唯一、真駆参のみが何かに気づく。
「マチルダ、離れるぞ!」
その様子に真駆参は緊張を覚えて、爆走四脚体型形態(ブラスターケンタウルスモード)に変形しマチルダを担ぎあげる。
真駆参が見たニューの目は、かつて、強敵と戦った仲間の目に似ていた。
絶対的に不利な状況においても、決して希望を捨てない目
彼はニューが何かしら大規模な術を仕掛けてくるのではないかと察した。
真駆参の判断は正しかった。
そして、ニューはその魔法を唱えた。

「ソーラ・レイ!」

その時、ルイズはニューの居た所から、閃光が見えた。

「あれは……」
ルイズは、夢で見た強烈な光を思い出す。
そして、その光を放った後、ニューがどうなったかを……

「36獅子の斧があれば、百人力だぜ!」
闘士 ダブルゼータ
獅子の斧を取り戻した。
HP 1500 (1130+370)

「37竜の盾は私の物だ、返してもらう」
騎士 ゼータ
竜の盾は彼の手元に戻った。
HP 1500 (1100+400)


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