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HELLOUISE IF~きっともう一度の、冴えたやり方~ (前編)

金色の髪をなびかせて、詩い手の少年は首を振る。
――ここから先を語るものは、今は、ない――

青い瞳をふるわせて、青年となった吟じ手は頭を垂れる。
――ここから先を語ることは、今は、できない――

……けれど、やがて。美髯が風に揺蕩うようになった頃。

壮年、いや、老年に差し掛かった男は語りだす。



――それは、終わりの年代記。

ある少女と、その友人たちの、悲しく優しい、約束のお話――




HELLOUISE~きっともう一度の、冴えたやり方~
―流れよ我が涙、と詩人は嗤った―




「それで? それで、どうなったの?
 その女の子は?お話の続きは?」

僅かに眉根を寄せて、心配そうな顔つきの女の子が言う。
それに答えるのは青い髪の女性だ。
腰近くまで伸びた艶やかな髪を散らせながら、女の子の頭に手を載せる。

「言ったでしょう?それから先を語るものは、今は、ない、と。
 私を含めて、それからを語れる者はいないの」

女性は少し困った笑みを浮かべ、そう諭す。
まだ考えてないんだ、という幼い野次も飛んだが、気にしない様子でこう続けた。

「このお話はね、まだ続いているの。
 だから――語れない。終わりとも言えないし、続きを語ることもできない。
 けれど、だから、もしかしたら……貴方達が、この物語に登場することも、あるかもしれないわ」

もう一度女の子に、今度は意味深な笑みを向けた女性は、優雅な所作で立ち上がる。

「今日のところは、ここまでみたいね。お迎えが来たみたい。貴方達にも、私にも。
 ……もう少し、待っていてくれてもいいのに」

少し不満そうに口を尖らせながら女性が目を向けた先には、
――子どもの保護者たちと共に、明らかに花壇騎士の正装に身を包んだ男性が立っていた。
子ども達はすぐさま親に駆け寄り、親達もまた、子どもの相手をしつつ公園へと入ってくる。
ただ一人、憮然とした様子の花壇騎士だけは、小さな集会場と化していた公園の出口で一人待ち構えていたが。

「お久しゅうございます、陛下」

言って、臣下の礼を取ろうとする親達を、青い髪の女性――女王シャルロット・エレーヌ・オルレアン――
は、片手でもって制した。

「『陛下』って言ったって、ただの対外的な代表、お飾りの冠でしかないわ。膝までつかなくてもいいわよ」
「これはご謙遜を。陛下がおられなければ、ガリアはとうに滅びておりますわ」

異口同音に、ほとんど即答で返ってきた反論。
それに対して、『数十年前から全く変わらず』見目麗しい女王はため息をつく。

「それは昔の話。今ガリアを回しているのは貴族による議会でしょう?」
「その議会は、陛下がいらっしゃられない限り回りませぬ」

私は政治には関わりたくない。そう言いたげな態度へ、今度は背後――公園の出口からの反論。

「…カステルモール。それでは議会の意味がないわ」
「しかし、ガリアは未だカリスマのある君主を求めているのです。ご理解くださいませ」
「……いったいいつまで続くのかしらね、もうどれだけの間、同じ事を言われたか」
「それが必要ならば、何十年でも何百年でも、何代続いても、カステルモール家が奏上を続けましょう」

もううんざりだ、といった様子のシャルロットの愚痴も、カステルモールにばっさりと切り捨てられる。

「あなたは御父上にそっくりね……」

はーぁ、と、再びシャルロットはため息をつく。
どこかで狼の遠吠えが聞こえた気がした。


所は変わり、トリステインの僻地、見渡す限りの、若草に染められた平原。
そこにあるのは、ソレを埋め尽くす、剣呑な気配を放つ亜人たち。
その中心で、黄金色の髪をなびかせた壮年の男が唯一人、静かに嗤っていた。
男の名は――

「オーク鬼が五十、トロール鬼とオグル鬼が三十、合わせて百十といったところか…
 ふむ。この程度で良いのかな、亜人諸君?」

つい、と、奇異な形の――螺旋状に捻られた杖を掲げ、男は問う。
だが亜人たちは答えない。
そもそも、答える知性を持っていない。
だから、答えられるはずもない。

「ぐるるるるるる……」
「まあ、エルフでもあるまいし、答えられるはずもない、か。
 ならば、君達の流儀で以て、『その程度』の軍勢で我が領に侵入した愚を教えてあげよう。
 僕を誰だと思っている?我が名は――」

おもむろに一歩、男が前に出る。
それに反応したのか、亜人たちが動き出した。
全軍による、男へのただただ愚直なまでの突進。
それは目の前の獲物を奪われてはならぬとする食欲からであり、決して統制の取れたものではなかったが――
それでも、唯の人間一人には十分すぎる圧力を持った、死の具現であるはずだった。

だが。

「やれやれ、名乗る暇もくれないとは。
 やはり豚は豚だな」

もう一度男は、今度ははっきりと嘲笑の形に口元を歪めると、亜人の群に突っ込んだ。

「――我が名はギーシュ!『螺旋』のギーシュだ!!
 我が魔法は天を守る螺旋と心得よ!!」


グラモン家による討伐隊が『そこ』に到着したのは、それから一時間後のことだった。
ふと消えた領主が一人で亜人討伐――それも、余りの厄介さに保留していた案件――
に向かったと気づいたのが、ギーシュ失踪から三十分後。
そこから緊急に部隊を編成するのに二時間。
現場へたどり着くのに三十分。
本来ならば数時間はかかる――事実、ギーシュは単独行動で、馬を使って、それでも二時間掛けている――
現場に行軍して三十分で辿り着くという偉業を成した部隊を待っていたのは。

「遅いな、孫よ。僕がいなくなったと気づくのに、後十五分は早められるはずだ」
「無茶を言わないでください。というか、そもそも唐突に居なくならないで下さい祖父上……」

血の海の真ん中で寛いでいる、領主の姿だった。

「しかし、まぁ、相変わらずのバカ魔力ですね…」

半ば呆然として、部隊長――次期領主と目されている、ギーシュの初孫である――が呟く。
全く以て、どうやったらこんな数の亜人を一人で倒せるというのか。
こんなことができる祖父は絶対にスクウェアである。
だが、その言葉にギーシュは顔を顰めた。

「だから、そうではない、孫よ。
 僕はしがないラインメイジに過ぎないし、そもそも、ただ魔力が高くたって、亜人の集団には勝てない」
「はいはい、それは分かりましたから……」

ふう、と、部隊長は嘆息する。
そうなのだ。
これほどの規格外さを見せながら、祖父はラインメイジでしかないという。
それは権力を使って詐称しているわけではなく、事実らしい。
全く。
これでラインメイジだというのなら、もし祖父がトライアングルやスクウェアになっていれば、
国を相手取って戦うことも可能だとすら思わされる。
否、

「もともと、メイジにはこれだけのポテンシャルがあるということでしょうか……?」

ぽつり、呟いたが、それは即座に否定された。

「否。
 むしろ、貴族よりは平民の方が近い位置にいるのではないかな。
 貴族は魔法に頼りすぎて、人間としてのポテンシャルを引き出せていない」
「……では、この数十匹にも及ぶ亜人を、平民が倒すことも可能だと?」
「違う、百十数匹だ。一部は魔法で埋めている……よい肥料になるだろう。
 そして平民がこれに打ち勝つことも、もちろん可能だと考えているよ?

 ――でなければ、困るのだよ」
「困る?」

はて、と首を傾げる。
それは結局できるのか、できないのか。
しかしギーシュ・ド・グラモンは、直接その問いに答えることはせず、ただ深い深い森を見つめている。

「ああ、困る。
 約束が果たせなくなってしまうからね。
 親友との、果たさなければならない、約束を」

森の向こうへと、桜色の何かが立ち去っていった気がした。


そして、先進の国、帝政ゲルマニアでは。

「――の儀で、ツェルプストー侯にお取次ぎ願いたい!
 繰り返す、皇帝閣下の命により、ツェルプストー侯爵にお目通り願いたい!!」

一人の貴族が、ある城門で声を張り上げていた。
それはもう、そんなに声を張り上げて大丈夫なのか、という勢いで。
言うまでもなく、ハルケギニアでは貴族のほとんどがメイジであり、彼らにとって喉は何よりも大切である。
声よ枯れよという勢いで叫び声を上げる貴族というのは、全く稀と言ってよかった。

とはいえ、彼も必死である。
何せ皇帝の命なのだ。自分はそれを伝える使者なのだ。
皇帝の命に応じない貴族、皇帝からの使者を門前で払う貴族には、叛意があると判断せざるを得ないのだ。
そして、相手は『あの』ツェルプストー家である。
これが普通の貴族ならば、「恐れ多いことにかの者には叛意が……」と報告してしまえるのだが……、
はっきり言おう。
ゲルマニアの貴族は誰も――現皇帝アルブレヒト4世でさえも――、

フォン・ツェルプストーを相手に、勝つ手段がない。

故にここで諦めて帰れば、おそらく使者役の彼は首を飛ばされる。
むろん、物理的な意味でだ。
そして皇帝は、使者の非礼を詫びる手紙と共に、新たな使者を立てるだろう。
もはやそれは国家元首としての誇りだとか面子だとかとは別の次元である。
そもそも、アルブレヒト3世の頃はともかくとして、今、皇帝が皇帝たりえるのは、
紛れもなくツェルプストー家をはじめとする選帝侯家らからの支持あってのことだ。
実のところ、皇帝の権力というものはそれらの有力諸侯と同等程度のものでしかないのである。

ひたすら粘っても降りない桟橋にいよいよ業を煮やしたのか、声を潰す覚悟で、思い切り息を吸う。
声を潰すのは嫌だが、胴体を失うのはもっとお断りだ。
そんな悲壮な表情がうかがえる。
そして、覚悟を決めた彼が思い切りよく叫ぼうとした瞬間。

「あらやだ、なにかしら、人の家の前で……」

後ろから、声がした。


慌てて振り向いた彼の目に入ったのは、一人の熟女。
の、はずなのだが、一瞬彼は惑った。
果たしてこの女性は、本当に熟女と呼べる年齢なのか?
年齢をうかがわせる身体的特徴はある。
間違いなく、それなりの年月を生きてきたのであろうと思わせる部分はある。
それでも、彼には信じられなかった。
「若々しい熟女」というのは、まだ若い彼には矛盾としか思えなかった。
そして何より、まるで少女とすら思わせるような立ち振る舞いと、彼の知る誰よりも強い、覇気。
それが彼を動揺させた。

「あら、私に見とれてるのかしら?
 わたしったら罪ね、いつになっても男を惑わせてばかりで……」

その声によって、彼は正気に戻され。
そのとき既に、手を伸ばせば触れられる距離にまで、女は近づいており。
女と目が合った瞬間、彼は思わず跪いていた。

「――僭越ながら、キュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストー侯爵閣下。
 貴女様へ、皇帝閣下よりの御文を預かっております」

まだ、女が侯爵本人と決まったわけではない。
けれど、彼にとっては、それは最早疑いようもない真実だった。


「ふうん……」

キュルケは使者を応接間に招くと、書状を開いた。
もちろん、書状が本物であるという確認も済ませてある。
これは間違いなく、現皇帝アルブレヒト4世からキュルケ・フォン・ツェルプストーに向けられた、
内乱鎮圧への出陣要請であった。

「却下よ。あの坊やにそう伝えなさい」

にべもなかった。

「……ッなッッ…!?よ、よ、よろしいのです?!
 こ、皇帝閣下よりのご要請であらせられますれば……」
「くどいわよ。お断り。
 大体、あの坊やに何が出来て?叛意ありと見做すならソレで構わないわ。
 ――そのときはどうなるか、分かっているわよね?」
「………………、分かりました」

使者は、深いため息と共に、その一言を吐き出した。
若いな、とキュルケは思う。
こんなにあっさりと振り回されているようでは。これだけ感情を表に出すようでは。
これではあの狸共とはとてもやり合えていないのだろう。
一番厄介な自分の所へ使者に立てられたことからも、それが分かる。

「閣下には『申し訳ありません。力及ばず、ご助力は得られませんでした』と伝えましょう。
 …しかし、理由をお聞かせ願えますでしょうか?」

(……へぇ)

諸手を挙げて降参の意を示す使者は、最後にただ一つ、その理由だけを求める。
それを問う使者の目には、納得できない感情や振り回された疲れの他に、その奥に、純粋な興味の色があった。
若いな、と、再度キュルケは思う。
ただ、今度の若さには好感が持てた。
微熱を求め続けたかつての自分にも似た、若さという力が感じられる。
キュルケは、そういう若者は大好きだった。

「理由、ね……約束よ、友人との、ね」
「約束?」
「ええ。旧い、けれど大切な約束。
 私が死んだとしても、ツェルプストー家はその約束を守り続ける。約束を守るだけの力を持ち続ける。
 そのためには、常に臨戦状態を維持し続けなければならない。
 だから兵は出せないし、私――ツェルプストーの長がここを空けるわけにはいかないの」
「はぁ……」

なんとも抽象的な話だ、と、使者の顔は言っていた。
対して、キュルケはくすりと笑う。

「ま、派兵や指揮はしてあげられないけれど、ある程度の助力はするわ。
 兵糧と装備品――フリントロック式の銃、刀――もちろん、玉鋼の、本物の、ね?
 それと、水の秘薬は駄目だけど、包帯や薬草といった医薬品類を送ったげるわ。
 それで貴方の面子は立つでしょ?」
「……ッほ、本当ですかッ?!感謝いたします!!」

「そのかわり、あなた、ツェルプストーに来なさい?」
「え!?」
「どの道、このままでは糾弾は避けられないわ。だから庇護下においてあげる、と言っているの。
 もちろんそれ相応の働きはしてもらうけれど。どうかしら、――ミスタ・ペンウッド?」


使い魔召喚の儀式が行われたその日。
ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールは、死んだ。


葬儀はしめやかに行われた。
最初は身内だけで行うとされたが、近隣貴族や魔法学園の一部生徒と教師が参加を熱望し、それは許可された。
そも、大貴族の娘の葬儀が身内だけで済むはずがなく、それらは受け入れざるを得ない政治的賓客だった。

だから――参列者の中にフォン・ツェルプストーの者がいると知ったときには、
カリーヌ・デジレは嫌悪感を顕にしたのだった。

嘲笑しにきたのか、と詰問するカリーヌに、キュルケは厳然とした否定をもって返答した。
ツェルプストーの血としてではなく、ルイズの友としてここに来たと宣言した。
告げるべき言葉をもって、最早物言わぬ彼女の言葉をもってここにあるのだと、そう謳った。
それは、気高い貴族の言葉だった。

「……フォン・ツェルプストーの者が、ラ・ヴァリエールの者の、友だというのか?」
「彼女が私を友と思っていたかは分かりません。
 否、むしろ、私は敵視されていたといってよいでしょう。何故なら、私はツェルプストーですから」

しかし、

「それでも――私にとって、彼女は友でした。
 憧れであり、目標であり、ライバルであり、そして、唯一無二の友でした。
 私は――魔法の実技以外で、ルイズに勝ったことなど、一度もありませんでしたから」

そう言って寂しそうに笑うキュルケを見て、そこではじめて、カリーヌは彼女を信じてみることにした。

キュルケが語ったのは、自分との馴れ初めからの、親には言えなかったであろう、ルイズの学園生活だった。
最初、優等生でありながら、それを鼻に掛けなかったこと。
実技に入ってから、凋落したこと。
それを同情する輩も侮る輩も、等しく吹き飛ばしたこと。
自分といつも喧嘩をしていたこと。
たとえ魔法が使えなくとも――誰よりも、貴族としての気高さを持ち合わせていたこと。
そして――魔法に頼らずとも、貴族としての誇りを保ち続けた彼女に、自分が憧れと嫉妬を抱いたこと。
それらは正しく、キュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストーの本音だった。

「……そう、ですか」

最早カリーヌに疑う余地はなかった。
彼女は間違いなく、ルイズを最もよく知る人間の一人だった。

「貴女は本当に、ルイズをよく見ていたのですね。貴女の想いに、今だけは、立場を除いて感謝します」
「いいえ、『烈風』カリン。
 私の話は終わっていません――私は、私の友と、私のために、貴女方を責めに来たのですから」

それから、キュルケはもう一度話をはじめた。
ルイズが受けた陰湿な苛め。
ルイズに同情のまなざしを向ける平民達。
ルイズをさらし者にしようとする中小貴族の子どもたち。
ルイズを引き合いに出して自己の優位性を主張する大貴族の子ども達。
ルイズを挑発し、叱咤し、ルイズが挫けそうになる度に強引に立ち上がらせる自分。
それは正しく、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールの地獄だった。

そして。

「彼女は最後にこう言いました。「大貴族に生まれなければ、その跡継ぎでなければ――」と。
 私は、私の友を殺した貴女達を、…そして私自身を、決して許すことは出来ないでしょう」

涙とともに、キュルケはそれだけを言い捨てて去っていった。
……一人残されたカリーヌ・デジレの手は、強く握り締められて血を流していた。


「……本当に、これでよかったの?」

タバサが問う。
それに答えるは――桃色の髪の少女。

「ええ。どの道、私はもう『死んでいる』から……母様に顔を合わせる資格なんて、ないわ」
「でも」
「『仕方なかった』は通用しないわ、相手の力量を見誤り、瀕死に陥ったのは私の自業自得。
 ……寂しくないわけは、ないけれど。でも、それに耐えられないならば、私はここで――」
「ストップよ、ルイズ。それ以上言ったら私、怒るからね?」

死ぬべきだ。
そう言いかけたルイズを、キュルケが止める。

「貴女を誰かに殺させなんかしない、貴女に誰かを殺させたりなんかもしない。
 だから、貴女は貴女として、貴女の第二の人生を歩みなさい?」
「うん、君には幸せに生きる権利がある。少なくとも僕はそう思う」
「独りは、寂しい。……だから、私が、私達がいるから」

キュルケ、ギーシュ、タバサが、異口同音にルイズを励ます。
以前よりも近くなった距離は、おそらくはそれぞれの心の琴線にルイズの啖呵が触れたせいだろう。
共に生きて欲しい。それが彼らの、心からの願いだった。

それが分かったからこそ、ルイズは彼らの好意を純粋に受け入れた。
ただし、一つだけ約束して欲しい、と付け加えて。

彼らは等しく、ルイズの友であった。
ルイズが『死に』、そして『死に損なって』からも、変わらず。
ルイズと彼らの間には一ツの約束があった。
それを果たすためにギーシュは武を学び、タバサは自らの時を歪め、そしてキュルケは強力な兵装を求めた。

ルイズと彼らとの約束。
それは、もしルイズが化け物になって果ててしまうとき、彼らが幕を引くことだった。



…だが、果たされぬことを願う約束は、しかし果たされなければならない時が来るからこそ結ばれる。

それを悟るには、学院時代の彼らは少し幼かったのかもしれない。
彼らはこれから、そのことを痛感することとなる。



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