「大決戦! ジョセフVSみんな」
舞台はクライマックスを迎えようとしていた。
戦艦シャルル・オレルアン
ルイズとキャプテンはガリア王ジョセフと対峙していた。
「ははっ!ガンダールブ、例え私を倒しても、お前ではこの檻を壊す事は出来ないよ!」
ミョズニルトンを倒したが、最後に捨て身で切り札のルイズを閉じ込めてしまった。
戦艦には二人が対峙していた。
「お前は必ず私が倒す!」
ジョセフを前にして、既にボロボロになりながらも、その瞳には闘志を失っていなかった。
「おのれ、ガンダムめ!」
それまで、自分が抱いた事のない怒りをジョセフは浮かべる。
お互い既に満身創痍、ジョセフも魔法を放つ精神力など無かった。
キャプテンに憎悪を込めた拳を打ちつける。
人間の物とは思えないほどの威力がキャプテンを襲う。
しかし、踏み止まりキャプテンはジョセフの顔に拳を叩きつける。
それから、お互いキャッチボールの様な殴り合いが続く。
(ばかな、ありえん……何故コイツは立っていられる)
ジョセフは久方ぶりに理解できないと言う感情にとらわれていた。
自分が爆発させた火石の直撃を受けた筈のキャプテンは、未だに立ったままで居る。
それどころか、キャプテンの拳をかわす事が出来ずにいた。
(俺が苛立っている? このゴーレムもどきに?)
自分は世界を後ろから操る王の筈であった。しかし、今、目の前のゴーレムもどきと殴り合いをする自分は何と滑稽であろう。
泣きたい、その思いが今日までのジョセフの生きる目的であった。
そして、今それを達成され筈である。
だが、未だに自分はこのゴーレムと殴り合いをしている。
ジョセフは右拳を突き出す。
キャプテンはしゃがんで潜り込み、回転した勢いのついたカウンターを放つ。
身を捻ってかわそうとするが、完全とは言えず右腕に直撃する。
激しいたん身が、右腕が使えない事を伝える。
「痛ぇんだよ!」
睨みつけ、殴りたいと思う一心でジョセフの拳がキャプテンの右腕に当たる。
ルイズとキャプテンはガリア王ジョセフと対峙していた。
「ははっ!ガンダールブ、例え私を倒しても、お前ではこの檻を壊す事は出来ないよ!」
ミョズニルトンを倒したが、最後に捨て身で切り札のルイズを閉じ込めてしまった。
戦艦には二人が対峙していた。
「お前は必ず私が倒す!」
ジョセフを前にして、既にボロボロになりながらも、その瞳には闘志を失っていなかった。
「おのれ、ガンダムめ!」
それまで、自分が抱いた事のない怒りをジョセフは浮かべる。
お互い既に満身創痍、ジョセフも魔法を放つ精神力など無かった。
キャプテンに憎悪を込めた拳を打ちつける。
人間の物とは思えないほどの威力がキャプテンを襲う。
しかし、踏み止まりキャプテンはジョセフの顔に拳を叩きつける。
それから、お互いキャッチボールの様な殴り合いが続く。
(ばかな、ありえん……何故コイツは立っていられる)
ジョセフは久方ぶりに理解できないと言う感情にとらわれていた。
自分が爆発させた火石の直撃を受けた筈のキャプテンは、未だに立ったままで居る。
それどころか、キャプテンの拳をかわす事が出来ずにいた。
(俺が苛立っている? このゴーレムもどきに?)
自分は世界を後ろから操る王の筈であった。しかし、今、目の前のゴーレムもどきと殴り合いをする自分は何と滑稽であろう。
泣きたい、その思いが今日までのジョセフの生きる目的であった。
そして、今それを達成され筈である。
だが、未だに自分はこのゴーレムと殴り合いをしている。
ジョセフは右拳を突き出す。
キャプテンはしゃがんで潜り込み、回転した勢いのついたカウンターを放つ。
身を捻ってかわそうとするが、完全とは言えず右腕に直撃する。
激しいたん身が、右腕が使えない事を伝える。
「痛ぇんだよ!」
睨みつけ、殴りたいと思う一心でジョセフの拳がキャプテンの右腕に当たる。
もともと、火石の直撃を受けた右腕はジョセフの腕力でも楽に弾き飛ばす。
(こいつは本当なら、この様になっている筈だ)
ダメージを与える事に、内心で安堵する。
そして、お互いが出した拳が、直接ぶつかりあう。
どちらが優位ともいえず、お互いにはじかれ距離が出来る。
「キャプテン!」
ルイズの叫びが、キャプテンの耳に届く。
(なんでそんなに無茶するの! アンタを直す技術なんか、この世界には無いのよ!)
ルイズには目の前の出来事が理解できなかった。
人間の怪我は、程度はあれハルケギニアでも治療は出来る。
しかし、キャプテンの体を修理する事はコルベールをもってしても不可能であった。
自分の無力さを呪う。既に“爆発”を唱えてしまった為“解呪”も使う事は出来なかった。
ジョセフが火石を爆発する際、キャプテンは自分を盾にして、自分の腕で爆発を抑え込んだ。
キャプテンのソウルドライブの力もあるが、それでも、致命傷を負うのは必然であった。
(なんでそこまでするのよ)
ジョセフはもう魔法を使えない。シェフィールドを倒した今、他の騎士でもジョセフを捕まえる事は出来る。
なのにキャプテンは、そんな素振りを見せず。ジョセフと殴り合いを続けている。
「もうよい、貴様如きに使いたくは無かったが見せてやろう!」
その言葉と共に、ジョセフの前に鎧が現れる。
「ヨルムンガルドの技術を応用して作った俺専用の鎧、完全悪大将軍だ!」
船の甲板が割れ中から、黒い鎧の様なものがジョセフと封じられたルイズを包む。
それは、5メイル程の機械人形であった。
(まだ、こんな切り札があった何で……)
虚無の魔法が使えない、と思っていただけに。ルイズの落胆は激しいものがあった。
ジョセフはそれに乗ったまま、キャプテンに殴りかかる。
生身のジョセフの攻撃すら当たったキャプテンには避ける事は出来ない。
急に目の前に現れたような錯覚を受け、キャプテンは衝撃で壁に叩きつけられる。
「キャプテン! この世界の人間でもないアンタが何で戦うの!? あなただって無事じゃないの!」
ルイズには、キャプテンを視界に入れるのも辛い。しかし、キャプテンは立ち上がる。
「奴は君やタバサを傷付けた!」
キャプテンが答える
(こいつは本当なら、この様になっている筈だ)
ダメージを与える事に、内心で安堵する。
そして、お互いが出した拳が、直接ぶつかりあう。
どちらが優位ともいえず、お互いにはじかれ距離が出来る。
「キャプテン!」
ルイズの叫びが、キャプテンの耳に届く。
(なんでそんなに無茶するの! アンタを直す技術なんか、この世界には無いのよ!)
ルイズには目の前の出来事が理解できなかった。
人間の怪我は、程度はあれハルケギニアでも治療は出来る。
しかし、キャプテンの体を修理する事はコルベールをもってしても不可能であった。
自分の無力さを呪う。既に“爆発”を唱えてしまった為“解呪”も使う事は出来なかった。
ジョセフが火石を爆発する際、キャプテンは自分を盾にして、自分の腕で爆発を抑え込んだ。
キャプテンのソウルドライブの力もあるが、それでも、致命傷を負うのは必然であった。
(なんでそこまでするのよ)
ジョセフはもう魔法を使えない。シェフィールドを倒した今、他の騎士でもジョセフを捕まえる事は出来る。
なのにキャプテンは、そんな素振りを見せず。ジョセフと殴り合いを続けている。
「もうよい、貴様如きに使いたくは無かったが見せてやろう!」
その言葉と共に、ジョセフの前に鎧が現れる。
「ヨルムンガルドの技術を応用して作った俺専用の鎧、完全悪大将軍だ!」
船の甲板が割れ中から、黒い鎧の様なものがジョセフと封じられたルイズを包む。
それは、5メイル程の機械人形であった。
(まだ、こんな切り札があった何で……)
虚無の魔法が使えない、と思っていただけに。ルイズの落胆は激しいものがあった。
ジョセフはそれに乗ったまま、キャプテンに殴りかかる。
生身のジョセフの攻撃すら当たったキャプテンには避ける事は出来ない。
急に目の前に現れたような錯覚を受け、キャプテンは衝撃で壁に叩きつけられる。
「キャプテン! この世界の人間でもないアンタが何で戦うの!? あなただって無事じゃないの!」
ルイズには、キャプテンを視界に入れるのも辛い。しかし、キャプテンは立ち上がる。
「奴は君やタバサを傷付けた!」
キャプテンが答える
それを見て、ルイズは驚く。
初めて会った時、キャプテンはガーゴイルその物であった。
思考はあっても感情が無い。
キャプテンの冷静な判断は何時もルイズを苛立たせた。
喧嘩をしたのは何度あったか分からない。
そのキャプテンが怒っている。自分を傷付けたと言う理由で。
「ルイズ、私は君に感謝している。君は私を信じて、いつもいつも応援してくれた。
そして、私に感情……笑うと言う事、嬉しいと言う事を教えてくれた」
壊れたフェイスガードから、キャプテンの口がのぞく。
初めて見た時、ルイズは変だと思った。
笑う練習で笑った時、むしろ怖いと思った。
キャプテンは笑っていた。
それは、とても自然な笑いであった。
「ルイズ、君は私達が必ず守る。ジョセフを倒し、未来を守る。人間もエルフもすべての生命を守る!」
「キャプテン……」
ルイズはそれしか言葉が出無かった。
「ルイズ、頑張れ……一緒に行くぞ!」
その時、キャプテンの胸部から光が溢れ出す。
何度も見たソウルドライブの光
キャプテンは自分の応援に信じた時、いつも答えてくれた。
フーケと戦った時、ワルドに襲われた時、アルビオンでソウルドライブを奪われ取り返した時。
そして、今初めて自分を応援してくれる。
「輝け……輝いてくれ……」
「自分を信じたまえ、キャプテン!」
下らないいざこざから、いつの間にか親友と呼べる間柄になったギーシュがキャプテンにエールを送る。
「キャプテン、ルイズを連れて帰りなさい! タバサの勇者でしょ!」
何だかんだと言って、いつも一緒に居たキュルケが船を見上げる。
「キャプテン、頑張って!」
「頑張るのね、きゅい!」
シルフィードに乗ったタバサがキャプテンを見つめる。
死を覚悟した自分の前に現れ、エルフ相手に一歩も引かなかったキャプテン。
共にいる中で、人形だった自分よりも、人間らしくなっていくキャプテン。
(あなたは、やっぱり私の勇者)
初めて会った時、キャプテンはガーゴイルその物であった。
思考はあっても感情が無い。
キャプテンの冷静な判断は何時もルイズを苛立たせた。
喧嘩をしたのは何度あったか分からない。
そのキャプテンが怒っている。自分を傷付けたと言う理由で。
「ルイズ、私は君に感謝している。君は私を信じて、いつもいつも応援してくれた。
そして、私に感情……笑うと言う事、嬉しいと言う事を教えてくれた」
壊れたフェイスガードから、キャプテンの口がのぞく。
初めて見た時、ルイズは変だと思った。
笑う練習で笑った時、むしろ怖いと思った。
キャプテンは笑っていた。
それは、とても自然な笑いであった。
「ルイズ、君は私達が必ず守る。ジョセフを倒し、未来を守る。人間もエルフもすべての生命を守る!」
「キャプテン……」
ルイズはそれしか言葉が出無かった。
「ルイズ、頑張れ……一緒に行くぞ!」
その時、キャプテンの胸部から光が溢れ出す。
何度も見たソウルドライブの光
キャプテンは自分の応援に信じた時、いつも答えてくれた。
フーケと戦った時、ワルドに襲われた時、アルビオンでソウルドライブを奪われ取り返した時。
そして、今初めて自分を応援してくれる。
「輝け……輝いてくれ……」
「自分を信じたまえ、キャプテン!」
下らないいざこざから、いつの間にか親友と呼べる間柄になったギーシュがキャプテンにエールを送る。
「キャプテン、ルイズを連れて帰りなさい! タバサの勇者でしょ!」
何だかんだと言って、いつも一緒に居たキュルケが船を見上げる。
「キャプテン、頑張って!」
「頑張るのね、きゅい!」
シルフィードに乗ったタバサがキャプテンを見つめる。
死を覚悟した自分の前に現れ、エルフ相手に一歩も引かなかったキャプテン。
共にいる中で、人形だった自分よりも、人間らしくなっていくキャプテン。
(あなたは、やっぱり私の勇者)
「輝け……輝け……輝け! ソウルドライブ!」
キャプテンの瞳に炎が燈る。
そして、黄金の光が溢れ出す。
「やればできるじゃない……」
キュルケが、何度も見て来た光景を見て安心した声をあげる。
キャプテンを黄金色の光が包む。
「がんばれ、キャプテン」
「頑張りなさい、キャプテンくん」
「頑張ってください、キャプテンさん」
「頑張れ、キャプテン」
マリコルヌ達が、コルベールが、アンリエッタ達やアニエス達がエールを送る。
キャプテンの瞳に炎が燈る。
そして、黄金の光が溢れ出す。
「やればできるじゃない……」
キュルケが、何度も見て来た光景を見て安心した声をあげる。
キャプテンを黄金色の光が包む。
「がんばれ、キャプテン」
「頑張りなさい、キャプテンくん」
「頑張ってください、キャプテンさん」
「頑張れ、キャプテン」
マリコルヌ達が、コルベールが、アンリエッタ達やアニエス達がエールを送る。
キャプテンはジョセフ……いや、完全悪大将軍を見る。そして……
「行くぞ! ルイズ!」
「馬鹿め、ヨルムンガルド以上の反射を備えた完全悪大将軍に、お前の攻撃など通用するか!」
「行くぞ! ルイズ!」
「馬鹿め、ヨルムンガルド以上の反射を備えた完全悪大将軍に、お前の攻撃など通用するか!」
(キャプテン……そうね……私達は……負けない!)
ルイズは杖を握った。
今も自分を救うべく戦っているキャプテンの為に
信じると言ってくれたキャプテンの為に
「私達は負けない……アンタ、何かに……絶対に負けない!」
ルイズは唱える。
ルイズは杖を握った。
今も自分を救うべく戦っているキャプテンの為に
信じると言ってくれたキャプテンの為に
「私達は負けない……アンタ、何かに……絶対に負けない!」
ルイズは唱える。
ウル・スリサ-ズ・アンスール・ケン……。
(キャプテンは私に頑張れって、言ってくれた)
その言葉しか言えなかった自分。
ギョーフー・ニィド・ナウシズ……
(これで、2回目ね)
魔法に失敗していた時、彼は落ち込んだ時はこう言うといい。と言って、その言葉を言ってくれた。
エイワズ・ヤラ……
(使い魔なんだから、ご主人様の事もっと応援しなさいよ! ……だから……アンタにはもっと応援してもらうんだから……)
これからも、一緒に。
(キャプテンは私に頑張れって、言ってくれた)
その言葉しか言えなかった自分。
ギョーフー・ニィド・ナウシズ……
(これで、2回目ね)
魔法に失敗していた時、彼は落ち込んだ時はこう言うといい。と言って、その言葉を言ってくれた。
エイワズ・ヤラ……
(使い魔なんだから、ご主人様の事もっと応援しなさいよ! ……だから……アンタにはもっと応援してもらうんだから……)
これからも、一緒に。
(頑張れ、キャプテン)
ユル・エオー・イース!
ルイズは杖を振り降ろした。
ユル・エオー・イース!
ルイズは杖を振り降ろした。
ルイズには“爆発”を撃つ事は出来なかった。
(けど、反射は消す事が出来る……後は頼んだわ、キャプテン!)
(けど、反射は消す事が出来る……後は頼んだわ、キャプテン!)
「なっ、何!」
ルイズが魔法をつけないと思っていただけに、ジョセフは驚く。
その一瞬を後悔した。
そこには、キャプテンが目の前に居る。
「お前に何が分かる。俺の心の闇の何が分かるというのだ?」
「誰も理解しようとしないお前に、誰が理解してくれると言うのだ!
……それに、理解してほしいのなら、やる事が違うだろ!」
キャプテンの拳が、ジョセフの待とう鎧の中心核を打ち抜く。
ルイズが魔法をつけないと思っていただけに、ジョセフは驚く。
その一瞬を後悔した。
そこには、キャプテンが目の前に居る。
「お前に何が分かる。俺の心の闇の何が分かるというのだ?」
「誰も理解しようとしないお前に、誰が理解してくれると言うのだ!
……それに、理解してほしいのなら、やる事が違うだろ!」
キャプテンの拳が、ジョセフの待とう鎧の中心核を打ち抜く。
ルイズは闇の中に居た。
キャプテンが手を伸ばしてくる。
ルイズは拳を握る。一瞬、キャプテンが自分の手を握ってくれる気がした。
ルイズは拳を出す。
キャプテンが手を伸ばしてくる。
ルイズは拳を握る。一瞬、キャプテンが自分の手を握ってくれる気がした。
ルイズは拳を出す。
何かを叩き割る感触が、ルイズの拳に伝わる。
ガラスの破片の様に、ルイズの居た空間が割れ、ルイズの瞳に光が差し込む。
そして、ルイズは見た。
そして、ルイズは見た。
光の中、自分に腕を差し出してくれる自分の使い魔を。