あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

ゼロの猟犬

私の名前は……いや、それは今は措いておこう。
そんな事を書いている暇が惜しい。

私はつい先程、春の使い魔召喚儀式に挑戦した。
私はよく……いやたまーに魔法を失敗する……本当にたまになんだからね。
だからこの儀式は失敗できない、必ず成功させると強く願っていた。

私に相応しい使い魔……召喚の順番が回ってきたとき、その事を考えた。
立派な竜?それともグリフォン?
もちろんそれならば何もいうことなしだ。


だが私がそのとき思い浮かんだのは犬だった……


ただの犬ではない、立派な猟犬だ。
今思えば、何故そんな事を思ってしまったのだろう?

「宇宙の果てのどこかにいる私の使い魔よ。時間も空間も越えてどこまでも走り抜ける、強力な使い魔よ。私は心より訴えるわ!我が導きに答えなさい!!」

自分の理想とする猟犬を思い浮かべ、そのイメージを召喚の詠唱として唱えた。
それがいけなかった、せめて神聖だとか忠実だとかそんな韻があればよかったのかもしれない。
いや召喚の呪文によって、召喚される使い魔が果たして変わるのだろうか?
だが今はそんなことを考えている場合ではない。

結論から言えば、召喚は一発で成功した。
いつもの様に、呪文を唱え魔法を使った瞬間、爆発が起きたが使い魔は確かに召喚されていた。

いまだ爆発によって巻き上がった粉塵が晴れず視界が悪いが、その中に土煙とも違う青黒い煙が混じっているのが見える。
青黒い煙が凝り固まり、その使い魔が形を成して……

使い魔の召喚に成功したならば、契約の儀式を行う……それが私が次に行うべきことだ。
そう、そうするべきなのだ……
だというのに、私は召喚されたモノを前にこんな手記とも呼べないような物を書きなぐり続けている。

怖い……そうだ、怖いのだ……
私はこの召喚されたモノが恐ろしくてたまらない!!
一歩でも近付いたならば、それが生命の終わりになる。
そんな確信があった……怖い……すぐにでも逃げ出してしまいたい。
だがその瞬間、このモノが私を得物として認識するのではないか?
そう思うと、近付くことはおろか、逃げることさえ出来ずにいる。
私はこのモノから、目を逸らすことが出来ずにいる。
私は恐怖を紛らわせるために、この手記を書きなぐり続けている。
もしかすると、もうじき終ってしまうかもしれない私という存在がいた証を残したいがための行動なのかもしれない。

このモノ、もはや使い魔とさえ思えない……このモノは一体どんな生き物、いやそれ以前にこれは生き物なのだろうか?
一切の善というものを排除した、宇宙の邪悪全てが凝縮されたモノ……
そう呼ぶことに躊躇いを覚える者はいないだろう。
その姿は名状し難いとしか言えないが、蝙蝠が近いだろうか?
それでいて四本の足と思われる器官がどことなく、猟犬を思い起こさせる。
ツギハギだらけの布のような……邪悪な襤褸の翼、少なくとも私にはそう見える物がはためくのが見える。
太く曲がりくねり、鋭く伸びる針のような舌のような器官。
細かく不気味な触手が蠢く全身からは、青みがかった粘液を滴らせ鼻を酷く刺激する臭いを放っている。

クラスメイトの声が聞こえた。
失敗、爆発ばかり、臭い、毒でも発生させたのか……そんな野次が。
……見えていないのか?これが見えないのか?

いやきっと見えないのだ、彼等には。
彼等のいる位置からでは、彼等の見ている角度からはこれが見えないのだ。
そうに違いない……


だってこのモノは言葉で言い表すことが出来ない角度に存在している
何もない空間が
       裂けて何かが見えるのだ
そう異常な角度を持った空間が
いけない
     これ以上あの空間を見てはいけない
あれは人間とはまっ
たく相容れないモノなのだ
           言うならばこれは完
    全なる邪悪そのもの
   理解してしまえば気が狂う
そうだきっとそうだ本能が理
    解する事   いるのだ
       を拒否して

   見てはいけないあの裂けた空間の向
こうがこの     異常な角 
     モノの世界    度の世界それがこのモ
  ノの世界なのだ
     邪悪そのものの世界をこの世界と
   はまったく違う法則の世界を
         これ以上見てはいけない理解して
             はいけない認識しては駄目だ

     そう思い目を逸らそうとしただができな
   モノが動い蠢いたの
        今もずるずとその動
こちに出ようとているか      きをまし
       その動き再開しようとして

   こなでこ いでこ いこあなで こない こでこいでこ こあな うあで こあにで




こ な い で


私の名前はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。
自分のことながら滅茶苦茶な文章だと思う。
状況が状況だったから仕方ないとは思うけど。
最後など焦って書きなぐったので、ぐちゃぐちゃでほとんど意味をなしていないではないか。
これはないと思うけど、仕方ないわよね。
思い出しても震えがくるもの。
少し漏らしたのは内緒だ……ってなに書いてるんだろ私は。
まあいいか、日記なんて人に見せるものじゃないし。

話を戻して、結果だけを書くとあの怪物はこちらに出てくることなく、あの空間の向こうへと去っていった。
本来こちらに存在できない……そう、魚が陸で生きられないように、あの怪物はこちらでは存在できなかったのかもしれない。
ただあの怪物は何かを追いかけていたような感じがする。
だから私よりもそちらを優先した、それだけなのかもしれない。
やめよう、考えても答えなんて出るものではないし、もう済んだことなんだから。

取り敢えず、あのあと再び召喚を行うことになった。
私以外に誰もあの怪物を認識していなかったから、召喚は失敗したと思われたからだ。
その後の召喚でも、なんだかよく分からないものが出てきたりして失敗扱いされた。
正直そこら辺はあまり思い出したくない。
最終的に呼び出したのは平民だった。
平民、素晴らしい、私の理解できる存在だ。
ちゃんと契約も出来たし、万々歳だ。
しかし、なんだったのだろう?
私が召喚したあれらは……


ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールの日記と貼り付けられた手記より



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