あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

ゼロと魔獣のような悪魔-01

「悪魔がきたりて牙をむく」


トリステイン魔法学園。
そこでは学園の恒例行事である使い魔召喚の儀が順調に進んでいた。
そう、一人を除いては・・・

チュド―――ン・・・
爆発が起きる。
そこに爆発の産物である大きな穴が開く。
その横には同じぐらいの穴が開いているが、一つや二つではない。
大小に差はあれど、ざっと30はその穴が出来上がっているのである。
新しく空いた穴の前で、それを作った人物が肩を震わせていた。
桃色がかったブロンドの美しい少女、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・
ヴァリエール。
彼女は肩・・・いや、全身を微妙に震わせながら、泣きそうになる自分を必死に抑えていた。
周りの生徒達は次々と召喚を成功させ、コントラクト・サーヴァントもすいすいと進めていく。
なのに自分はなにもない穴ぼこを大量生産している。

「ゼロのルイズ!穴を掘っても地面の下に使い魔はいないと思うぞー!」
「それとも穴掘り職人にでもなるのかー?」
「木を植えたりする穴を掘るんだったら便利そうね」
「なんならウチで雇ってやろうかー?あ、それなら魔法より庭師の勉強をしておいてくれないと」
「ははは!そりゃいいや、それならゼロじゃなくて「庭のルイズ」っていう素敵な名前
 がつくぞ!」

周囲から飛んでくる野次。
それを背に受けてルイズの震えが大きくなった。

(・・・・なんで成功しないのよっ!)

顔を赤くさせ拳を握り締めながら、ルイズは穴を見つめていた。


この召喚の儀式の責任者であるコルベールはそんなルイズの様子をずっと見ていたが、
そろそろ止めるべきかと思っていた。
失敗とは言えあの爆発にも力を使う、一つ一つは小さくともそれが蓄積すれば大きな消耗となる。
このままでは彼女は倒れるまで続けるかもしれない。
いや、倒れるまでやるだろう。
コルベールはルイズの性格は承知していた。
「ミス・ヴァリエール。今日はここまでにして明日、また挑戦しましょう」
「いえ!このままでは終われません!」
自分の問いに対するルイズの返事も予想通りだった。
「・・・では、あと一回だけサモン・サーヴァントを許可します。
 どちらにせよ、今日はここまでですよ?」
「はい!」
ルイズもその提案に納得したので、コルベールはその場から少し下がる。
「心を落ち着かせて、神経を集中させて呼んでみなさい」
アドバイスもつけて。

ルイズは目を閉じて、大きく、そして長めに深呼吸をする。
全神経を召喚に集中させ、今までのようにではなく大きな声で呼びかけた。
「宇宙の果てのどこかにいる私の僕よ!神聖で美しく、そして強力な使い魔よ!
 私は心より求め、訴えるわ!我が導きに答えなさい!」

ルイズが詠唱らしき宣言を終えると同時にそこに大爆発が起きた。
これには野次を飛ばしていた周りの生徒や見守っていたコルベールも仰天した。
爆風に生徒の何人かは吹っ飛ばされ、召喚された各使い魔達が騒ぎ始めた。

(そんな・・・・失敗なの!?)
またもの爆発にルイズは落胆しかけたが、土煙が収まり始めると中央部に何かの影が
あるのが見えた。
「やった!何かいる!」
思わず口に出してしまう程、ルイズは嬉しかった。
そしてその影の主が姿を現す。
(え・・・・人・・・?)
そこにいたのは妙な服を着た自分と同じぐらいと思える少女。
ところどころにケガをしているのか血を流して荒い呼吸を繰り返してる。
顔色が悪く見えるのはそのせいか、とにかくケガをしているのならば治療が必要だ。


やっと成功した私の使い魔。
とにかく今は治療しようと呼びかけることにした。
「ねぇ、あなた。ケガしてるのなら」
その先は言葉にならなかった。

目が合ったと思った瞬間、少女は腰元から短剣を抜き放ってルイズに飛びかかったのだ。



召喚された少女、ビーニャは混乱していた。
自分は死んだものかと思っていたが、光が収まり目をそろりと開けてみると周りには召喚師とおぼしき連中が周りを取り囲んでいる。
そいつらの周囲には召喚獣と思われる物も見える。
自分は悪魔形態から仮の人間の状態にもどっている。
あの調律者の末裔のアイツはどうした?
あのメトラルのアイツは?
その仲間どもは?
周囲に気を配るがそれらしき奴は一人もいない。
周りは見慣れないが同じ恰好のガキ年齢の召喚師。
お育ちが良さそうだ、身なりの綺麗さが目立つ。
金の派閥の連中か。
数がやたら多いが、アレか、残党狩りか。
調律者御一行どもはアタシが死んだと思ってどこかに行った。
それで金の派閥の連中がアタシの死にざまを確認しに来て、魔獣の生き残りがいないかを見にきて、もしアタシが生きてたら消耗してるだろうから多人数なら勝てると踏んだ。
ろくに戦いの経験もないようなガキを出しても倒せる、と。
ナメた真似してくれんじゃない。
しかも目の前に一人いるし。
なんか笑ってる、しかも手をこっちに向けてくる。
あっそう、私一人で十分ってやつ?
そうかもね、悪魔でもここまでボロボロならガキ、しかも女でも一人で倒せるかもしれないじゃない。
護衛獣もいらないってワケね。
あっそう、それじゃお望みどおり、

殺してあげる。
短剣を振りかぶりルイズを襲うビーニャ。
(しまった!なにをやっているんだ私は!!)
コルベールは爆発に気を奪われ過ぎていた自分を叱咤した。
いやそれよりもルイズを!
杖を抜きビーニャに向け炎を放たんとする。
間に合え―!!

狙いは首、大きく横に振りかぶりそのまま薙ぐ、それでこの桃色娘は血をまき散らして
死ぬ。
そう確信したビーニャだった。
「キャハハハハ・・・ハ・・・あ・・・れ・・・・?」
だが、その凶行を止めたのはビーニャ自身。
正確にはビーニャの体だった。
悪魔の形の時に血を流し過ぎていたのだ。
疲労困憊、満身創痍、それに加え状況に対する頭の混乱。
そんな矢先に激しく動いたのがまずかった。
いろいろ限界だったビーニャはそれで意識を失い、そのまま二、三歩前にふらつき
どさりと
「きゃあ!」
ルイズのもたれかかる様にして倒れた。
「ちょっ、ちょっとなんなのよ!あんたいきなり!」
はずみで一緒に倒れてしまったルイズだったが、意識がない人というのは存外重く
うまく動けない。
「ミス・ヴァリエール!大丈夫ですか!?」
すぐさまコルベールが近寄り、抱えるようにルイズからビーニャをどかす。
同時にまだビーニャが握ったままだった短剣も取り上げた。
コルベールはルイズに怪我がないかを確認すると、懐から布を取り出してビーニャの
出血場所と両手を合わせて縛る。
両手のほうは万一目を覚まして再び暴れそうになったときのためだった。
そしてルイズの手を取り立たせると、
「今日はここまでです!私はミス・ヴァリエールとこの少女を連れて帰りますので、
 皆さんは使い魔と先に戻っていて下さい」
周りでこの事態に唖然としていた生徒達だったが、コルベールの言葉にはっとして
吹っ飛ばされた友人や気絶している使い魔を起こして慌ただしく飛んで行った。
「なんでいきなり襲ってきたりしたんでしょうか」
「ミス・ヴァリエール。この少女は少々錯乱しているのかもしれません。
このケガでは正常な思考でいられなかったとも言えます。
まずは彼女を治療して落ち着いてから話をしましょう」
コルベールの話を承知したルイズはビーニャの顔を見て。
「何があったのかは分からないけど、あんたは私の使い魔になるんだからしっかりしなさいよね・・」
優しく頭を撫でるのだった。



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