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ゼロの騎士団外伝-02b


ゼロの騎士団-外伝 「激闘・鉄鍋レース」 後編

三日後 虚無の日 レース当日
いつもまばらなはずの広場は観客と出場者達で賑わっていた。
「何だって、こんな所に居なければならないのよ・・・」
勝手に参加を表明し、付き合わされたモンモランシーが声を出す。
周りを見回すと出場者達のパートナー達が周りの一つ高い台に集められている。
その様は、見世物その物であった。
「なんでギーシュはこんな馬鹿げた大会に参加したのかしら・・・」
自身の知っているギーシュは普通ではないが、それでもモンモランシーは今回の参加の理由は解らなかった。
3日前、ギーシュが突如この大会に参戦すると言いだし、自身にゴールにいてほしいと言われてあまりの迫力にOKを出してしまった事を今更ながら悔やみ始める。
「あなたがこの間の二股騒動を許して無いから、名誉を回復したいんじゃないの?」
理由の一つを推測し、カルチョのオッズを見ながらキュルケが応える。
「この間の事は許したわよ、それに最近はその事もあってか優しくしてくれたし・・・」
少し俯きながら、モンモランシーは言葉を無くす。
「そう、けど今までに見た事無いくらい迫力あったわよ。ね、タバサ」
青髪の少女の方に向けてキュルケが同意を求める。
しかし、その少女は自身の周辺にサイレントをかけて読書をしていた。
「あなた達、うるさいわよ!もうすぐレースが始まるんだから、ニュー負けるんじゃないわよ!」
ルイズが二人を注意しながら、10メイル程の距離に居るニューに向けて発破をかける。
「しかし、今年はオッズが高いわねマルトーなんかは去年の2倍以上よ」
去年のオッズの低さを思い出し、キュルケが感想をもらす。
ここ数年の連続優勝があり、マルトーの去年のオッズは2倍を切っていた。
そこに、実行委員であるミリーナがやってくる。
「今年はハンデ戦だそうです。大体の能力に応じて鍋の大きさが違う様になります。」
ミリーナがルールの書かれたプログラムを見ながら説明する。
「ルールはフライなどを使ってはならない、相手を攻撃してはならない、
鍋を持たずゴールしてはならない、こちらは例年通りです。」
そう言いながら、キュルケにプログラムを渡す。
それを受け取り、キュルケはしばらくそれを見つめる。
「それはいいんだけど、この今年は例年よりエキサイティングな大会ですっていう部分が気になるんだけど、どういう事?」
その部分が気になったのか、周りを見回しながら変わった部分を探す。
その中で何時も貰う筈である、水風船を誰も持っていない事に気づく。
「はい、実行委員長が毎年変化がなくて客も飽きているだろうからと言って、
今年は仕掛けを変えたみたいです。もったいぶって私達にも教えてくれません。」
ミリーナは、昨日のよほど自信を持ったヨシュアの顔を思い出す。
「ふーん、まぁいいけどね、ダブルゼータなら頑丈だから何が起きても平気そうだし・・」
キュルケが、選手たちの中で威嚇し合っているダブルゼータ達を見ていたが、飽きたので空を見つめていた。
「平和よね・・・・」
空にはタバサの友人が咆哮をあげながら旋回していたが、キュルケにはそれすらも暢気にすら見えた。


やる気のない、女性陣に比べいつもの面子は一人を除いての威嚇合戦が続いていた。
「親父、今日は最悪の日になりそうだな、もっともこれからは無駄な休暇を取る必要もないが」
勝利が近いのか、腕を組みながらダブルゼータがマルトーを威嚇する。
3日前と同じ大きさの鍋を背中にしょっているその姿は滑稽の一言であった。
「ダブルゼータすまねぇな、お前には俺の飯をもう少しの間、喰わしてやる事は出来ねぇ、まぁ、家族旅行から帰ってきたら好きなだけ食わせてやるよ。」
ダブルゼータと同じ大きさの鍋を両手で持ちながら、マルトーもそれに応じる。
二人の鍋はこの中では最大であった。
「タバサの為、騎士の面子の為この勝負、負けられん」
まるで戦争に行くかのような面持ちで、ゼータが静かに闘志を燃やす。
(そのタバサは、お前の事を見ていないがな)
自身に発破をかけるルイズの隣で、タバサは黙々と読書に講じている。
ニューとゼータの鍋は1回りほど小さい。だが、自分には少し重く感じられた。
(私は肉体労働は苦手だし、水晶の盾は軽かったからな)
自身が持っていた水晶でできた盾の軽さを懐かしむ。
「ああ、モンモランシー見ていてくれたまえ君の為に華麗に戦って見せよう」
少しは離れたところでは、ギーシュがバラを口元にあてて何かを誓っている。
出場者の中でオッズが最も高いが、それでもニュー達より一回り小さく背中に背負っている為、ダブルゼータ同様滑稽であった。
「おや、ミスタ・ニューも参加するのですか?」
「コルベール先生、先生も参加するのですか?」
内容的にも、条件的にも似つかわしくないコルベールの登場に、さすがのニューも驚く。
「いえ、私はこの大会に協力させてもらったんです。最も一部だけで全容は知らないのですが。実行委員長が私の研究をこの大会に生かしたいと言ってくれたんですよ。」
何か良い事あったのか、コルベールは嬉しそうな表情を浮かべていた。
「はぁ、そうですか・・・」
ニューはそれ以上は聞く必要がないから、言葉が続かなかった。
「選手たちの皆さん、そろそろ位置について下さい。」
係りの生徒が選手たちを呼び集める。
それを聞いて、選手たちはスタートラインに向かった。

「選手の皆さん、開催する前に当たり本大会の説明をさせていただきます。」
実行委員長のヨシュアが、設置された台の上にあがり内容を説明する。
「コースは学院内を一周してもらいます。途中妨害があるので、それを避けながらゴールに向かってください。
フライなどを使ってはならない、相手を攻撃してはならない、鍋を持たずゴールしてはならない、こちらは例年通りです。」
プログラムに書いてある事をそのまま述べてボールの様なものを取り出す。
「では、これが地面に落ちたらスタートです。」
そう言って、上に向けて軽く放り投げる。
(ん?あれは見たことあるような、たしか)
地面にそのボールが落ちた時、閃光と轟音と共にニューの思考がたたき壊された。


「!何が起こったの!?」
ニュー達より離れていたために、意識を早く回復したルイズが余りの状況を確認する。
見るとそこには、少し焼けた地面を中心にニュー達が倒れていた。
「分からないわよ!ミリーナなんなのあれは!?」
キュルケも軽いパニック状態に陥りながら、ミリーナに掴み掛かる。
「分りません!」
揺さぶられて自身も意識を回復したのか、全力で関与を否定する。
「ミスタ・メネス、これはいったいどういう事ですか?」
何か感じたのか、ヨシュアの方にコルベールが向かう。
「そうよ、何で爆発してるのよ!」
ルイズも状況がつかめず、主犯であろう男に掴み掛かる。
数人からの抗議を受けて、ヨシュアが事情を説明する。
「ミリーナ、この大会の課題は解るよね?」
「え!はっ、はい大会に刺激がなくなってきているでしたよね?」
突然、話を振られたがよく聞いてきたことなので、ミリーナが何とか思い出す。
「そう、伝統あるこの激闘・鉄鍋レースであるが、石が水風船に変わり、妨害禁止などのルールが出来たため年々、観客、出場者共に飽きを感じ始めていた。
出場者の中には明らかに緊張感を欠く人物もいた。僕はそれを許せず、そしてずっと危惧していた。」
「普通に充分、刺激的じゃない!」
ルイズが、音の衝撃で痛む耳を押さえながら、ヨシュアに抗議する。
「この大会を初期のころの様に刺激的な大会にしたい、そう思いながら、日々を過ごしていた所。ミスタ・コルベールの発明を見てピンと来たんだ。」
そう言って、暗い顔から明るい表情に変わる。
「そう水風船で、刺激が足りないのなら、花火を投げればいいんだと」
「過激すぎるわよっ!」
そう言って、ルイズの右フックがヨシュアの顔面をとらえた。
「先輩、無茶苦茶ですよ!じゃあ、観客に水風船を渡さなかったのって・・・」
ミリーナはこの時、ヨシュアに対して何か嫌な物を抱いた。
「もちろん、激闘・鉄鍋レース実行委員会OB協力の元、上空から無差別に投げてもらう事にしたんだ!勿論、ゴールするまで」
ヨシュアが胸を張り自身の計画の内容を明かす。
「この馬鹿先輩、ふざけるなぁっ!」
ミリーナの渾身のアッパーがヨシュアの顎をとらえた。

「・・・ん、何が起きたんだ」
地面に叩きつけられたニューが目を覚まし辺りを見回す。
辺りにはまだ、他の参加者達が倒れている。
ニューは自分の状態を確認する。衝撃と音の割には火傷などはほとんど無かったが音の為に耳が遠くなっていた。
「みんな大丈夫か、リカバー」
周りの参加者達に、気絶を回復する呪文をかける。
「ニュー何が起きた?」
「分からん、実行委員長が花火らしきものを地面に落としたら、
閃光と音で気絶したらしい。」
目覚めて復活したゼータに自信の分かる限りで情報を伝える。
「・・・このイベントは、たしか水じゃなかったのか?」
ゼータが自身の煤けた体を見てつぶやく。
その時、ルイズがニュー達の基にやってくる。
「・ニュー・・・この・・・・・ゴー」
ルイズがニューに何かを必死で伝えるが、まだ耳が遠いのか伝わらない。
「ルイズ、何を言ってるか聞こえないんだ?」
そう言って、耳の部分を叩き音を聴きやすくするよう試みる。
「ニュー、この大会はゴールするまで、上空から無差別に今のが落ちてくるのよ!」
「なんだって!!」
そう言って、上を見ようとするが、すぐ近くに落ちた花火が破裂する。
今度は先程より距離があり、とっさに気づいて目と耳を覆ったので先程のダメージよりは軽減できた。
「何て事だ、これでは意地でもゴール目指さなきゃならないではないか、ダブルゼータ、マルトー殿、急ぎゴールをってあれ?」
ゼータが共闘を呼びかけようとし、二人を探すがそこには姿が見当たらなかった。
「ゼータさん、ニューさん、二人共もう先に行ってしまいましたよ!」
話を聞いていた、比較的無傷なシエスタが二人に教える。
「あの猪どもは・・・」
そう言ってゼータと顔を見合せ、二人は駆け出した。

トリステインの広場は無差別爆撃により、阿鼻叫喚の坩堝とかした。
生徒たちや、平民、そして教師までもが逃げ惑う戦火の中とさほど変わらなかった。
中には風の魔法でバリアを張る物がいたが、断続的な物であり、焼け石に水とはこの事であった。
その中で、約三名は闘志を失わず、むしろ興奮から意欲をさらに増していた。
「おもしれぇ、こう過激だと俄然やる気が出てくるぜ!」
ダブルゼータが嬉しそうに先頭を往く。背中に背負っているからあまり鍋が邪魔にならずスピードが落ちなかった。
ただ、無防備なため、そこかしこに火傷を負っていた。
その後を、金髪の少年が追う
「モンモランシー、君を思えばこのくらいは訳もないさ、必ず勝利してみせる!」
ギーシュはワルキューレを盾にして、後を追う。体力は及ばないが鍋が小さい事とワルキューレのおかげでスピードをそれほど落とさずに済んでいた。
「6年連続チャンピオンが懸っているんだ、小僧共に負けられるか!」
マルトーが三番手として後に続く、職業柄火に強く鍋を盾にしているせいでダメージもさほどない。
しかし、鍋を手に持っているためスピードが二人よりは落ちていた。
こうして、この三人での熾烈な争いが先頭グループの状態であった。

その後方では、第2グループの二人が懸命に先頭に追い付こうとしていた。
「なんて奴らだ、まるで追い付けん」
マルトーの様に、盾にしながらニューが前方の三人を見つめる。
体力がないうえ、無理をせずに走行して居る為、更に差が開きそうなくらいであった。
「確かに、だが何としてでもゴールにたどり着く。それに、奴らにだけは負けたくはないのだ!」
そう言いながら、ニューを突き放すべく、ゼータが防御を捨てペースを上げる。
「おい、無茶をするな!」
無謀とも言えるペースアップにニューが声をかける。
「私は、タバサの為この戦い負けられんのだ!「きゅいきゅい」なにっ!」
ゼータの決意と同時に、周辺の熱気は一陣の風と共に消え去った。
見ると、上空から青い竜が降下してくる。
「シルフィード!助かっ「きゅいさっきから聞いてればふざけるんじゃないのね」な、喋った!」
ゼータがシルフィードに割り込まれて驚きの声を上げる。
二人はタバサのペットだと思っていた。シルフィードが声を上げた事に、驚きを隠せなかった。
「前から気に入らなかったけど、この間の事と言いもう頭に来たのね、やい青トンガリ!
お姉様の使い魔の分際で愛の為とはいい度胸なのね、お姉様の愛は私の為にあるのね、お前みたいな不細工ゴーレムが出る幕じゃないのね」
ゼータを威嚇しながら、今まで溜まっていた恨みをぶつける。
「シルフィード、どいてくれ私は勝ってタバサに「その必要はないのね」」
ゼータの言葉も聞かず、シルフィードがまた飛びあがる。
「お前はここでくたばるのね、シルフィードの爪の垢にしてくれるのね」
そう言いながら、シルフィードがゼータに急降下で襲いかかる。
ある程度は身構えて居た為、横に跳んでその攻撃をかわす。
「きゅい、やるのね、けど負けられないのね」
避けられて、更に戦意を高揚させてシルフィードがブレスを放つ。
懐に潜り込むように前方に跳んで、そのブレスを回避する。
「ニュー、何を見ているんだ!何とかしてくれ」
タバサの友人であるために、剣を抜くわけにはいかずゼータはニューに援軍を求める。
しかし、ニューは二人のやり取りを冷静に見て考えていた。
(つまり、シルフィードはタバサをゼータに取られて事に及んだ訳だな、じゃあ禍根を残す訳にはいけないな。)
そう考えて、前のグループに追い付こうと再び走り出す。
「ゼータ、それは当人たちの問題だ、私が手を出すにはいかない、二人で存分に議論してくれ」
振り返り手を振りながら、ニューは二人を置いていく。
「きゅい、ニューニューは話が分かるのね、さぁ、決闘の続きなのね」
いつの間にか、シルフィードの中では立場を極める決闘へとすり替わり、再びゼータに襲い掛かる。
「薄情者ぉー!」
ニューの背中を見る暇もなくただそう叫び、ニューへの罵声を浴びせた。


その頃、先頭グループは遠くにゴールが見える所まで迫っていた。
「あ!見えたわよ」
先頭に自身の相棒を見つけ、キュルケが嬉そうに指をさす。
「ニュー!負けてんじゃないわよ、負けたらご飯抜きよ!」
ゴールを目指せば良いと思ったが、キュルケに負けてると思いその事を忘れて檄を飛ばす。
その隣では、自身の為に走るギーシュの姿がモンモランシーの視線を捉えていた。
ワルキューレでガードしているが、所々を火傷しており服も少し熱で破けていた。
(ギーシュ・・・私の為に)
だが、ボロボロになりながらも今まで見た事無い、ギーシュの力強い眼光にモンモランシーは言葉が出てこなかった。
「あれ?あそこに見えるのはミスタ・コルベールじゃありませんか?」
ミリーナは間に割って入るようにコルベールに注目する。
それは、先頭グループも同じであった。
「ゴルベールさん、じゃまだどけ!」
「・・・ませんよ」
俯きながら、何かをつぶやくコルベールの声を誰も聞き取れなかった。
だが、顔を上げた次にはハッキリと分かった。
「許せませんよ、私の研究目的をこんな野蛮な事に利用する等!私は絶対に許しませんよ!こんな大会壊れてしまえ、こい、ハリマオスペシャル!」
怒りの声をあげながら、コルベールが相棒の名前を呼ぶ。
今までも花火の音が鳴り響いてが、更に強い地響きが学園内を駆け巡る。
「なんだ!?」
三人が、その異変に気づき足を止めて周囲を見回す。
「あっ、あれは!」
三人よりも先に見つけたルイズが、その原因に気づく。
「ハリマオスペシャル!」
トリステイン魔法学園の使い魔のボスの登場に場の注目は、そこに一気に集まる。
「とうっ!」
掛け声とともに、コルベールがハリマオスペシャルの背中に飛び乗る。
「あれは、もしや!」
珍しくタバサがそれを見て驚きの声を上げる。
「知っているの、タバサ!」
キュルケが、その様子が珍しいのかタバサに聞く。
「かつて、学園を荒らした三人のトライアングルのメイジ「黒い三年生」を倒したと言う、
コルベール・ケンタウロス・スペシャル!まさか、この目で見られるとは・・・」
タバサが、それ見つめながら言葉を失う。
「これが私とハリマオスペシャルの奥義ケンタウロス・スペシャル、こうなったからにはあなた達に勝ち目はありませんよ!」
ハリマオスペシャルの上に立ち、コルベールが腕を組み勝利を確信する。
「ケンタウロスというか、あれただ、上に立っているだけですよね・・・・」
ミリーナの指摘は誰の耳にも届いていなかったが、何人かは同じ感想を抱いていた。


「行きますよ!ファイヤー・ボール」
そう言いながら、魔法を行使する。それと同時に、ハリマオスペシャルが炎のブレスを放つ。
トライアングルのコルベールと規格外のハリマオスペシャルの炎は熱線といっても過言では無かった。
「くそっ!なんだありゃぁ、シャレにならんぞ・・・」
ダブルゼータが横に跳んで避けた後の炎の道を見つめる。
この間のモット伯の時とは威力が違いすぎていて、背中の鍋が熱くなっていたがそれすらも気づかなかった。
「うおっ!」
三人が避けた為に、後から追っていたニューの足元付近に着弾し火山の噴火の様な爆発が起こる。
「ニュー!ミスタ・コルベールやめて下さい!」
自身の使い魔が吹き飛ばされるのを見て、教師に懇願する。
しかし、コルベールの耳にはその声は届かなかった。
「許せませんよ、私の発明を、人を傷つける物の為に使うなど、絶対に許しませんよ!」
そう言いながら、詠唱を済ませ2発目を放つ。
今度は3人の足元に打つことで、その衝撃の余波でダメージを与える。
その狙いは成功し、三人とも余波だけでもかなりのダメージを負う事となった。
「このままじゃ、やられちまうどうすりゃいいんだ・・・」
「あきらめるな、使い魔君!」
「そんな坊やに喝入れられるなんざ情けねぇぜ!」
ダブルゼータの弱気をギーシュが一喝し、マルトーも発破をかける。
ギーシュもボロボロの状態であるが、何とか立っており目からは闘志が失われていなかった。
「僕のワルキューレが壁を作る、少しは時間を稼げるだろうから、その間にミスタ・コルベールを倒すんだ。」
もはやゴールだけではこの事態が終わらない事に、三人は気付いていた。
「俺も行くぜ、二人なら成功の可能性が2倍になる。」
マルトーが不敵に笑い、鍋を前に掲げる。
ダブルゼータも、二人の決意に自信の背中の盾を前に掲げる。
「よし、いくぜっ!」
そう言いながら、二人が駆け出す。
「いけ、ワルキューレ!」
2人までに減ったワルキューレを再度7体に増やし、二人を援護する。
3発目の熱戦を7体のワルキューレが受け止めるが、それでも数秒と持たなかった。
「後は頼んだよ」
精神力が尽きたのか、ギーシュが片膝を屈する。
「ギーシュ!」
振り返る事も出来ず、彼の気配が消えるのをダブルゼータが背中で感じる。
鍋を持つ手は既に、火傷で感覚を無くしつつある。しかし、二人はいまだコルベールの元にたどり着けなかった。
「どうやら、俺の方が先のようだな」
そう言いながら、マルトーがダブルゼータの前に出る。
結果的にそれがダブルゼータの盾になった。
「オヤジ!」
「行け!あの坊やの行いを無駄にするな!」
そう言いながら、熱戦が途切れたのに満足したのかマルトーが力尽きる。
「何!」
自身の魔法に耐えきった事で、コルベールに動揺が生まれる。
「うおぉぉぉぉっ!これで終わりだ!」
その叫びと共に、ダブルゼータが飛ぶ。そして、コルベールを鍋で体当たりする。


コルベールは3メイル程空中に舞い地面に叩きつけられた。
そして、そのままゴールの線を飛び越えた。
「優勝!優勝です!ダブルゼータが劇的なフィニッシュで今年の激闘・鉄鍋レースの優勝を飾りました!」
勝者が決まった事で、ダブルゼータのフィニッシュに惚けていたミリーナがアナウンスする。
「ダブルゼータ、凄いわ!」
珍しく損得に関わらず、キュルケが称賛を贈る。
「何ていうか、壮絶だったわね・・・」
自身の使い魔が負けた事の悔しさよりも、レースの内容が終わった事への安堵からため息が漏れる。
「ルイズ、無事か」
自身とマルトー、ギーシュを回復させて、ニューがやってくる。
「モンモランシー、すまない」
ギーシュが謝罪するが、その顔は晴れ晴れとしている。
「いいの、かっこよかったわギーシュ」
目に涙を浮かべ、モンモランシーがギーシュに近寄る。
「平民がゴールした時、貴族の娘はこう続けたそうです。」
いつの間にか近づいてきたシエスタが、話を始める。
「「私には宝になるようなものがありません。だから、今日からはこの鍋を宝にします。」と言いました。」
「それ聞いても、やっぱりその二人を祝福するつもりはないわよ・・・」
シエスタの涙を浮かべたエピローグを聞いても、二人を心から祝福する気にはなれなかった。
「素晴らしい、僕はこの光景を見たかったんだ・・・・」
いつの間にか復活したヨシュアがその光景を見ながら涙を浮かべている。
「ミリーナ、来年からも、是非このルールを継続していこう!」
「するなっ!」
力強くこぶしを握るヨシュアの決意を、周りが拳で否定した。
「馬鹿ばっか・・・・」
拍手と殴られる音がタバサのつぶやきをかき消した。

「なんで、こんな事しなければいけないのかしら・・・」
夕方 保健室
ニュー達から制裁を受けた、保健室に運ばれたヨシュアを介抱しているミリーナを見ながらケティがつぶやいた。
「放っておけばよかったじゃない」
ヨシュアはさすがに重症だったのでニューが蘇生させた。
だが、そのままにして置く訳にはいかず、ここに連れて来たのだ。
「ケティ、あなた平民を選んだ貴族の気持ち分かる?」
「分かる訳ないじゃない」即座に否定する。
ミリーナは水に浸して、タオルを絞り交換する。
「私ね、その娘の気持ちわかっちゃった」
そう言いながら、嬉しそうな顔をしているヨシュアの顔をミリーナが優しそうに見つめる。
「私、本当にあなたが分からないわ」
ケティが友人の事を全く出来ず溜息をつく。
「まぁ多分、誰もその娘の気持ちは解らなかったでしょうね・・・・」
少し離れたところでは、青い竜とゼータの死闘が続いているが平和な光景に変わりはなかった。

数日後、ニュー達が食堂で嬉しそうに会話するヨシュアとミリーナを見かけるが、それは別の話である。

「また、この力を使う日が来るとは・・」
炎蛇 コルベール
ボ○ボン 3月号 応募者全員サービス
HP 1000

このカードを剥がすと・・・

「私達の真の力を見よ!」
コルベール・ケンタウロス・スペシャル
スペシャルシークレット
HP 1900


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