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ゼロの花嫁-15


ゼロの花嫁15話「老兵参戦」



彼方へと飛び去って行くシルフィードを見送り、キュルケはつまらなそうにしながら学園へ戻ろうとする。
その視界に黒い点が映った。
空中に浮かぶそれはぐんぐんと大きくなって来て、その姿がわかるぐらいになると、キュルケは後ろを向いて逃げ出したい衝動に駆られる。
「このバカ者があああああああああ!!」
オールドオスマンの怒声が聞こえてくる。
どうやら貧乏くじを引くハメになったようだ。
滑り込むように着地すると、木の陰からネズミが一匹飛び出して来て、オールドオスマンの肩にすすいっとよじ昇る。
冷汗の止まらないキュルケ。
オールドオスマンの使い魔、モートソグニルがこんな側に居たという事は、つまり今までの話全部聞かれていたという事であって、誤魔化せと言われていたミッションは初っ端から大ピンチなわけで。
「ご、御機嫌よう、オールドオスマン」
目一杯可愛げを出してそんな事を言ってみたが、効果は無かった。
「御機嫌ようではないわっ! 仮にも王家の人間を拉致しようという連中が! 策も何も立てずに突っ込むとかどうかしとるぞ貴様等!」
やはり完膚なきまでにバレていた。
「それは、つまり、あれです。若さ故の過ちという事で一つ」
「自分で言うなあああああああああああ!!」
最近はほとんど見せていなかった地が全開で飛び出してしまっている辺り、オールドオスマンの焦りようが伝わろうというものだ。

前回の件で、トリステイン魔法学院狂気のバカルテット(ロングビル命名)の面倒を見るのにコルベールでは役不足と痛感したオールドオスマンは、バカ騒ぎの主軸を担うと思われるルイズの側に密かに使い魔のネズミを走らせ様子を探らせていたのだ。
なので、ルイズが様子のおかしいタバサの後をつけ、シルフィードが飛び去った先から潜伏先の街がトリスタニアであると睨み、聞き込みをしつつ例の鍛冶屋を見つける所から、部屋に戻って燦と共に推理し、タバサの目的を知って先回りした所まで、更には今までのやりとり全てを聞き知っていた。
一度部屋に戻って策を練り、しかる後突入であろう。
そう考え、その時にバカ共の前に顔を出してやるつもりだったオールドオスマンの思惑は、出た所勝負で生きてきた四人組の行動力に敢え無く粉砕されてしまった。
オールドオスマンは周囲をきょろきょろと見回した後、木陰に移動し、ちょいちょいとキュルケに手招きする。
『こ、これは所謂由緒正しき女の武器で黙らせてサインでは!? 枯れきった出涸らしのような体で無茶をしてくれるわオールドオスマン! 心臓止まったらこれ誰が責任取るのよ!?』
しかしキュルケは考え直す。そう、相手はトリステイン魔法学院にその人アリと謳われたオールドオスマンだ。
『ま……まさか相手はリトルジョーではなくビッグバイパーだというの!? 長年培った技術に若々しきウェポン装着の無敵状態!? あ、ありうるわ……なればこその学園長!? オールドと呼ばれているのは伊達じゃない!?』
だがキュルケも又只者ではない。
流した浮名は数知れず。魔法学院夜の帝王の座はそうそう譲り渡せない。いや、今はもうからっきしだが。
そんなキュルケの匠の思考が導き出した答え。
『遊んでいる風に見えるけど実はウブというフェイク要素! 少し強がりつつ、ここぞでドン引く事で敵の更なる踏み込みを招き、最後の最後で全てを引っくり返す! この作戦よ!』
策は纏まった。後はこの枯れ木ジジイ相手にその気になれるかどうか、最早自己暗示の世界である。
ルイズにもタバサにも燦にも、この分野だけは任せられない。チームの中で頼れるのは己が身一つのみ。
おずおずと、木陰に向かうキュルケ。
オールドオスマンは、そこでようやく口を開いた。
「流石に学院から見える場所では……な。ともかくだ、今更早馬を飛ばした所で間に合うまい。となれば事後処理を完璧に備えるしかあるまいて」
「は、はい」
オールドオスマンは苦々しく眉間に皺を寄せる。
「全てはバレておるのだ、こうなったからにはお主にも手間をかけてもらうぞ。ツェルプストー家ならば爵位の一つぐらい手に入れられるであろう? 大至急手配するのじゃ」
少し話がズレてきた。
「あ、あれ? いや、それ結構難しいですけど……あ、いや出来ない事は無いと思いますが、それでどうするんです?」
「連中が作戦を成功してガリアの王族かっ攫って来たら、それがトリステインに居るとバレたら、国際問題所か戦争になりかねんぞい」
奴等がその正体を見つかる事無く、ガリアから拉致って来れたのなら手はある。
しかし、もしバレた上で攫ってきていた場合、連中、特にルイズの身分をトリステイン籍にしておく事は出来ない。
拉致に動く前からルイズはトリステイン貴族ではなかった、そう言い張るしかない。
幸い恩赦により許されたとはいえ、王の裁可で一度は貴族位剥奪の判決を受けているので、これをゴリ押す事になろう。
もちろんそのような犯罪者をトリステインは許さず、ガリアに協力してルイズを追捕する事になる。
そうなった場合、ルイズ達はトリステインから逃げるしか無くなるが、母君の身柄を置いてある国はイコールガリアにケンカを売っているとなるわけで。
そんな真似してくれそうなのはアルビオンの反乱軍ぐらいであるが、王族死ねとか言ってる連中に王族の保護など頼めるはずもなく。
まさかそんな所に頼む訳にもいかず、何処かに隠れ住むしかない。
ならば仮の身分は非常に有効なカードとなろう。
そんな説明をつらつらとしたオールドオスマンは、キュルケが聞いているんだかいないんだかボケた顔をしているので、問いただす。
「あ、いえ、いえいえいえいえいえ。聞いてますけど……いやてっきり私、屋外でご無体あーれーを強要されるとばかり……」
「……自分の生徒に手を出す程落ちぶれてはおらんわ。どっからそういう発想が出て来たんじゃ……」
流石に赤面しながらキュルケは手をぶんぶん振る。
「いえいえ、そうですわね。貴族の範たるオールドオスマンですし。何で私、木によりかかって後ろからーとか、ちょっと腰落とすぐらいでちょうどかなーとか考えてたんだろ……」
オールドオスマンの目が物凄い細くなる。
「……妙に詳しいのう。お主まさか……」
「いえいえいえいえいえ! き、聞きかじった話ですわ! 最近の本は進んでおりますのよ! おほほほほほほ!」
ツッコんでも不毛と思ったか、矛を収めるオールドオスマン。
「ふん、まあ良い。大体外でなぞと、周囲の音が気になりすぎて、まともに出来るものか」
「あら、そこは女の側が引き寄せる努力を怠らなければいいだけの話ですわ」
再度、もんのすごい細目になるオールドオスマン。
「……きゅーるーけー・あうぐすたー・ふれでりかー・ふぉんー・あんはるつー・つぇるぷすとー」
「本! 本を読んだのですわ! ぶっくぶっく! 知識豊富ネ!」
流石に学長に夜遊びがバレるのは大層よろしくないのか、キュルケも必死である。
派手に嘆息してみせるオールドオスマン。
「頼むから子供こさえたとか言いださんでくれよ。これ以上もうほんの一欠けらも不祥事は勘弁なんじゃから……」
「……最近はみんな恐がって近寄って来ませんから、ご心配には及びませんわ……」
物悲し気に語るも、オールドオスマンの同情は買えなかった模様。
「当たり前じゃ。ともかく、爵位の件はお主が何とかするのじゃ。
 後は……連中が戻って来て状況を確認してからじゃな。他の手配はワシがやっておく。
 くれぐれも言っておくが、この件口外なぞするでないぞ。気配を悟られる事すら許さぬ。出来るな?」
アホな話に乗ったり、文句を言ったりしつつ、オールドオスマンは連中が戻って来れない可能性に関しては口にしなかった。
その可能性に怯えた所で最早何も出来ない。
ならば今は前を向いて成すべき事を成すしか無いだろう。
『ワシも生徒には甘いのう……』
生徒達を守るのは教師の役目だ。
もちろん貴族の子弟を預かる際の責任範囲に関しては明確に文章化してあり、見捨てても契約だけ見るのなら何とでも言い逃れできよう。
しかし教師とは、理屈だけでは決して無い信頼関係あってこそ成り立つ仕事だと、オールドオスマンは良く知っていたのだ。
『そうは言っても出来る限りしかする気は無いがの。それでダメならワシも知らんっ』
ドライな部分もきっちり持ち合わせているようだが。



医師の治療が終わり、天井に穴の空いた寝室ではなく、客間のベッドに横たわるオルレアン大公夫人は、はらはらと涙を溢す。
驚いた医師が何処か痛い所でも、と問うも、夫人は答えようともせず、弱り果てた医師が常から寄り添っている執事を頼ると、執事ベルスランが夫人の耳元で涙の理由を訊ねる。
医師と同じく困った顔でベルスランは言う。
「……大変申し訳ありません。奥様はどうも、お医者さまが恐ろしいそうで……」
わざわざ治療に来てやった相手にそれは無いだろう。とは医師は思わなかった。
貴族様のやる事に一々文句をつけてたらキリが無いのだ。
見た限りにおいてはこれ以上治療の必要は無いと判断した医師は、一礼して屋敷を辞する。
夫人は心配そうにしているベルスランも遠ざけ、ただ一人寝室に残った。

大貴族の令嬢に相応しい儚げな所もある夫人に、現実は余りに非情すぎる。
それでも娘を守れたのは、一重に母の力だ。
それが今、再び試されようとしている。
オルレアン大公夫人としては、無理であったろう。
頼もしい夫に庇護されたままの彼女であったのなら。
だが、夫人は同時に母でもあったのだ。
それでも尚、決断には時間を要する。
医師とベルスランを追い出し、ゆっくりと考える時間だけは取れた。
何度も何度も考え直し、しかし、か弱い自身にはそれ以外の方法を選び取る事も出来ず、我が身の儚さに一人涙を溢す。

正常に戻ったとはいえ、全ての記憶をその内に収めるには、夫人の心は余りにも弱すぎた。

愛する娘を苦しめ、地獄の業火に突き落としながら、唯一それのみが自らが生き延びる手段であった。
娘は文句の一つも言わず、黙々とその役割を果たし、無情な暴君と成り果てた母を守り抜いた。
他の誰でもない、最愛の娘を最も傷つけていたのは母である自身なのだ。
こんな事に耐えられるものか。
心優しいシャルロット、あどけない様で良く笑うシャルロット、この世の幸福全てをその手にするはずだったシャルロット。
どうか、この愚かな母を、許して下さい。
貴女は自由です。
全ての楔から解き放たれ、大空を舞う鳥のように、あの頃の笑顔で飛びまわる貴女を夢に見られるというのなら、母は思い残す事はありません。
夫人はベッドから起き出し、窓を開き、外を眺める。
抜けるような青い空が、少し悲しかった。

不意にドアの外からベルスランの驚いた声が聞こえてきました。
彼があんな大声を出す所など、ついぞ記憶にありません。
気にかかって後ろを振り返ると、そこに、夢がありました。

シャルロット……

そう呟くと、あの子は叱られた子供のようにびくっと体を震わせます。
神よ、始祖ブリミルよ、貴方はどうしてこんなにも残酷なのでしょう。

私にそんな資格は無いのに。

赦されるはずもないのに。

夢の続きを望んでしまいます。

もう少しだけ、あの子を見ていたい。

もう少しだけ、あの子に触れていたい。

もう少しだけ、あの子を……抱き締めてあげたい。


シャルロット……


二度目の呟きが、私の限界でした。



何年ぶりかの親子の抱擁。
執事を名乗った彼は、感極まって床に崩れ落ちている。
私はお邪魔よね。
もらい泣きしてるサンを引っ張って部屋の外に出ると、サンは涙を拭いながら私を見た。
流石サンね。もう切り替えてるわ。
「そこの貴方。場を弁える程度の配慮は出来るみたいだけど、その殺気は何かしら?」
廊下の奥に向かって声をかけるも返事は無い。
「部屋の中は取り込み中よ。話は私が聞いてあげるから、表に出なさい」
言うだけ言ってサンを伴い屋敷の外に出る。
うん、付いてきてる。
しかし……何よコイツ。こんな気味の悪い雰囲気初めてよ。
一体何者?



屋敷の正門をくぐり外に出ると、見渡す限りの野原が広がっている。
空から屋敷に入ってきた時確認してある。
周囲は全てオルレアン大公夫人の屋敷の敷地内である。
わざわざ侵入してくるような無礼な平民も居ないだろう。
「……いい加減姿を現したらどう?」
ルイズの声に応えたのか、目深にフードを被った男がルイズ達の前に姿を現す。
正面に見据えると強烈だ。
今までのがまるで別人であったかのように、強大な存在感を放っている。
それも全てを圧する覇気ではなく、夜道をひっそりと、しかし確実に迫ってくる闇のような圧迫感。
男はゆっくりとフードを上げる。
その両耳が尖っている事が、彼がエルフであると何より饒舌に物語っていた。
さしもの豪胆なルイズも息を呑む。
それ程にハルケギニアに住む人間にとって、エルフとは触れざる存在であったのだ。
エルフは、それすら驚きの対象であるが、ルイズにもわかる言葉で静かに告げる。
「蛮人、何処の手の者か言え。そうすればタダで殺してやる」
言葉は偉大だ。
その一言で、いや、たった一つの単語でルイズの金縛りが解ける。
「ばん……じん? 今、貴方、私を指して蛮人と言ったのかしら? この私を見て、そう言ったというの?」
「他に貴様等を形容する言葉を知らぬ」
恐怖はある。
しかし、それ以上の怒りと、必要であると悟ったが故に、ルイズは燦に告げる。
「手加減抜きよ。しょっぱなから全力で行くわ」
エルフの恐怖を知らぬ燦とて、彼の異質さには気付いている。
故に不用意に踏み込む事もしなかったが、怖気ずくなどと無縁であった燦は即座に了承する。
「人魚古代歌詞(エンシェントリリック)! 英雄の詩!!」
先と同じ、全身に漲るを通り抜け迸ってしまう程の力が沸いてくる。
エルフはそこで初めて警戒の色を見せる。
「魔法? いや、違う……それは一体……」
そこまでで言葉を止めたのは、エルフ自身の意思ではない。
真正面に捉えていたはずのルイズが、彼の反射神経を遙かに凌駕した速度で、すぐ目の前に迫っていたせいだ。
大きく真後ろにまで振りかぶった右拳。
背中がエルフに見える程捻りきった体。
敢えて言うのであれば、この一瞬のみがエルフにとって唯一の攻撃チャンスであっただろう。
それもまた、この速度と唐突さに反応出来れば、の話であるが。
「ああああああああああっ!!」
ルイズは雄叫びと共に拳を叩きつける。
大地を踏みしめる足、がっしりと地面を捕えた足裏の力により、凄まじい回転の捻りにも足元は微動だにしない。
足から伝わる腰の回転、この勢いだけでエルフの耳には轟音が聞こえてくる。
しかしそれ以上の音は拳とそれを繋ぐ腕から発せられる。
目に見えぬ大気をも切り裂く速度と、触れる物全てを消滅させる破壊力。
この二つをあわせ持った拳に、エルフは僅かにだが恐怖を覚えた。

極限まで凝縮した肉に、鋼鉄の塊を巨人の腕力で打ち付ける音。

鈍くくぐもった重苦しい衝撃音を形容するならばそんな所であろうか。
ルイズの拳は、鉄程に強化されたゴーレムすら破砕しうるその豪腕は、エルフの眼前数サントの位置で不自然に止められていた。
ルイズの腕に信じられぬ圧力がかかる。
今も全力を込めているというのに、腕ごと引き千切らん勢いでエルフから『力』が放たれている。
これこそがエルフ、ビダーシャルを無敵の超人とする秘技、反射である。
それがいかなる力であろうと、ビダーシャルに辿り着く前に中和され、同じだけの力を逆方向に放つ事が出来るのだ。
自らが放った、ハルケギニアに自然に存在する事象を遙かに超越した衝撃を、まともにその腕に受けるルイズ。

それすらも、ルイズと燦の絆は凌駕する。

「こんのおおおおおおおお!! 私を! 見くびるんじゃ無いわよおおおおおおおお!!」
一度完全に静止してしまった腕が、少しづつ、少しづつエルフへと進み出す。
驚愕に歪むエルフに、拳は迫りよって行き、

『アンタ何かに負けるもんですか! 私達が一番強いのよっ!』

遂に中和しうる限界値を越え、ルイズの拳が振りぬかれた。



濁流を流れる木切れのように跳ね飛び、転がり回るエルフ。
ようやく運動エネルギーが消失してくれた頃には、最初の位置から数十メイルも離れた場所までふっ飛んでいた。
跳ね飛ばされ、地面に何度も叩き付けられた衝撃は『反射』の能力で無効化出来たが、最初の一撃、ルイズの拳のみそれが適わなかった。
生まれてこの方味わった事の無い激しい振動と衝撃に、脳は思考を拒否し、視界は呆として落ち着かない。
だから、天の光を遮る影にも気付けない。
転がりまわるエルフを追い、止まるのとほぼ同時に追いついたルイズは、とても家族には見せられぬ顔で言った。
「悪いけど、私達がここに居た事を知られると後々厄介なのよ。だから……」
右腕に有らん限りの力を込める。
「貴方はここで死になさい!」
振り下ろした鉄拳。
それでもエルフの反射は生きていたようだが、先程の反射能力は望めず。
更に、真上から振り下ろす拳に衝撃を中空に逃がす事も出来ず。
その圧力は、大地に直径数メイルの巨大なへこみ、クレーターを作り出す程であった。
反射を破られた事によるものか、エルフは全身に圧力を受け、手足がひしゃげ、胴体は醜く押し潰れている。
その苦痛に歪む顔を見たルイズは、そうしてしまった自らの拳を堅く握り締める。
「何よ……エルフって言ったって私達と大して変わらないじゃない」
勝鬨ではなく悲しさから、ルイズはそう呟いた。
意識して殺した始めての相手。
その顔をルイズは当分の間忘れられそうに無い。
そう思ったが、是非も無し、と踵を返し燦の元へと戻って行った。



オルレアン大公夫人は、タバサが連れて逃げるつもりである事を聞くと表情を曇らせる。
自らとシャルロットの価値を知っている夫人は、それによる様々な影響を恐れたのだ。
しかしタバサは決して譲らなかった。
ガリアに居ては、何時また同じ事をされるかわからない。
何時の間にか母より余程強情になっていた娘の言葉に、夫人は抗しきれなかった。
執事ベルスランも、当然のごとくこの逃避行に参加を表明する。
地獄の果てまでもお供しますと言った彼の静かな迫力には、貴族にすら滅多に見られぬ全てを受け入れる覚悟があった。
結局ルイズ、タバサ、燦にオルレアン大公夫人とベルスランを加えた五人は、全員がシルフィードに乗ってトリステインへと向かう事となった。
ルイズはエルフの一件を「王の見張りは人知れず黙らせておいたわ」の一言だけで済ませていた。
落ち着くまでは無駄な心配をかけぬようにとの配慮であった。

シルフィードが過剰重量に音を上げる寸前、どうにかこうにかトリステイン魔法学院へと戻った一行。
彼女達を迎えたキュルケは、学院から少し離れた場所にある屋敷へと案内する。
キュルケが屋敷の持ち主の名を告げ、入り口の扉を開くと、ルイズ、タバサ、燦の表情が固まる。
「ごめんっ! バレてた!」
両手を合わせて謝るキュルケ。
屋敷の主は、にこやかな表情で大公夫人を出迎えた。
「遠路遥々ようこそおこし下さいました。ワシの名はオスマン。トリステイン魔法学院学長オールドオスマンで通っておりますじゃ」



コルベールは学長室に入ると、何時もの様に暢気な様子で椅子に腰掛けているオールドオスマンに必要事項を報告する。
生徒達の成績やら素行の定期調査に関する書類をテーブルに置くと、コルベールはちらと部屋を見渡す。
「ミス・ロングビルはどうされました? 最近姿を見ないようですが……」
オールドオスマンは鼻の中に指をつっこんで、中の毛を引っ張りながら答える。
「ああ、ミス・ロングビルなら辞めたぞ」
「は?」
寝耳に水である。驚きに問い返す事すらできずに居ると、オールドオスマンは冗談を言って和ませに来た。
「今はワシの愛人をやっとる。人間楽に生きられるならそれが一番じゃて」
「…………」
趣味の悪い冗談に、コルベールは眉をひそめる。
「で、ミス・ロングビルはどうなさったんで?」
「だからワシの愛人しとると言うてるじゃろうが。屋敷も与えてやったし、使用人も揃えた。ふふふん、いやぁやはり女子は良いのぉ」
じーっとオールドオスマンを見つめるコルベール。
「……冗談では無いのですか?」
「何でそんなつまらん冗談を言わねばならん。お主もそんな頭しといて、男の価値は見た目だなどと抜かすつもりはなかろうな」
頭皮の事は言うなボケが、というのはさておき、俄かには信じがたい話だ。
だが、確かに地位も名誉もそれ以外も唸る程持っているオールドオスマンだ。女性を一人囲う事ぐらい訳無いであろう。
セクハラ三昧の頃はミス・ロングビルから露骨に嫌がってるオーラが出ていたが、それが収まってきた最近は、仲が良くなったとは思っていた。
しかしそれが男女の仲であるとは想像もしなかった。
「事実は小説より奇なりじゃよ」
それが無茶苦茶奇妙な事だって自分でわかってるではないか、と言いたかったが、妙に上機嫌なオールドオスマンの気分を損ねるのも何なのでコルベールは黙っておいた。

一人が消え、一人が現れた。
オールドオスマンは単に当てはめただけである。
ミス・ロングビルが居た場所にオルレアン大公夫人を置き、周囲との接点を無くしてしまえば、そこに不自然さは無くなる。
正体が明かされた土くれのフーケであったが、その一件は無かった事になっている。
である以上、土くれのフーケであったミス・ロングビルが居ないのは不自然であった。
幾つか適当な解決策を考えてあったのだが、今回はこれ幸いとオルレアン大公夫人をそこに組み込んだのだ。
これで、双方の事件に於いて減ったり増えたりした人数はゼロ。
日々はつつがなく続いて行くのである。
ワルド子爵は本気で悔しがっていたが、愛人として屋敷を与え囲っている相手に直接会っては間男扱いされるだけだ。
いずれ間を計って忍び込むぐらいしか会う方法が残されていないので、今は、手を引く事にした。
こうして、対外的にも全く不自然さを持たぬまま、オルレアン大公夫人は隠れ家を手に入れる事が出来たのだ。
又、没落貴族との触れ込みであったミス・ロングビルに、オールドオスマンは旧来の家を復権させるべく尽力もしている。
その為の手段が、ゲルマニアのツェルプストー家であり、キュルケである。
本来ゲルマニアの貴族であったミス・ロングビルが手放した爵位を買い戻してやるという話で、綺麗に全ては纏まってくれる。
貴族であれば尚の事、オールドオスマンのお相手として相応しく、これだけの待遇も誰しもが納得するであろうから。
懸案だった身近に居るであろうガリアの諜報員だが、これはタバサからもたらされた情報をワルド子爵に適度に漏らす事で、うまく彼が立ち回ってくれた。
ちょうど彼は非合法ガリア諜報機関への攻撃を開始していた時でもあり、渡りに船はお互い様であった。

一つだけあった問題としては、トリステインエロ愛好家達が「一人の女に執着するなぞ何たる堕落! エロ師匠は死んだ!」と大いに嘆いたという事だが、まあどうでもいいのでオールドオスマンはさらっと無視した。



ガリア王は、テーブルの上に置いたチェス板を見つめながら、事態の推移を推理する。
オルレアン大公夫人誘拐事件の犯人は不明。そしてこれは王がうまい事揉み消したが、その場にはエルフの遺体が一つ。
敵の多い王の事、それを為す心当たりは山ほどあったが、やはりこの場合一番に挙がるのは彼女、シャルロットである。
すぐに周辺の調査を行いたいと思っていたのだが、現在トリステインでガリアの密偵は派手に動けぬ事情があった。
麻薬密輸事件。
アルビオンでの作戦中、トリステインが手を出して来ては厄介だ。
ならば国内で社会問題となるような大きなトラブルを起こしてやれと仕掛けた作戦だ。
手を出すのを止められなかったにしても、又その後アルビオン反乱軍がトリステインにちょっかいを出すにしても、平民レベルで麻薬が行きかっているというのは都合が良い。
恐怖を無くす効果もある為、軍所属の平民達に使ってしまう者も出てくるだろう。そうなれば、軍組織は相当ヒドイ事になってくれる。
どう転んでも悪くはない策だったのだが、やはりトリステインは一筋縄ではいかぬ。
万全の体勢で望んだ布陣をいともあっさり突き破り、黒幕のガリアにまで手をかけてきた。
非公式ではあるが、抗議の文面がとても強い口調で送られてきている。
幾分かはこちらから妥協せねば、今後外交を成立する事も難しかろう。
そしてトリステインの平民達に流行していた麻薬の大元が、公にされておらぬとはいえ、ガリアが関わっているかもしれぬ、とされたのだ。
これを明らかにしたグリフォン隊隊長ワルド子爵指揮の下、国内のガリア勢力に対する大掃除が行われていた。
女王の信頼をも得ている彼は、その巨大な権限を余す事無く駆使し、ガリア王が手配していた非合法系の拠点や人員を次々削り取って行く。
ガリア王にとってワルド子爵は、既に息のかかった手の内の駒の一つであった。
しかしそれはあくまでアルビオン反乱軍経由での事。
ワルド子爵自身もガリアがその黒幕である事を知らされていない。
そこまで深く踏み込ませるつもりもあったのだが、どうもワルド子爵の動きが鈍く、関係はそこまで進んではいなかったのだ。
右の手が左の手を殴っているような事態に、ガリア王は目を覆わんばかりだ。
オルレアン大公夫人誘拐事件の犯人は、エルフすら凌駕しうる能力を持っている。
今のギリギリの状況で強引に話を進めても、良い結果に結びつくとも思えない。
当然、虚無の力を真っ先に思い出したガリア王であったが、王の知る虚無ならばエルフを倒すにあのような戦い方はしない。
報告を受けた限りでは、巨大な砲弾か何かを至近距離から打ち込んだ様だと聞いている。
あのエルフ、ビダーシャルの反射の能力を貫くには、確かに戦艦の大砲でも使わねば適わぬであろう。
しかし、周囲に火薬や弾欠や砲台を移動した形跡は見つからない。
まともな魔法では話にならぬ反射能力である。やはり虚無の力と考えるのが妥当だが、ガリア王は断定はしない。
仮にこの件にロマリア連合皇国が絡んでいるとなれば、不可能ではないかもしれないからだ。

そこまで考えて少し頭を冷やすべく飲料を口にする。
まずはオルレアン大公夫人誘拐の件からだと決め、他の様々な思考を頭から追いやる。
公的にトリステインでの存在が認められている、ガリアの人間からの報告を元に考えてみる。
当然のごとく、シャルロット周辺での動きは無し。
王都での舞台があっただの、使い魔品評会で一位をとっただの、取るに足りない話ばかりだ。
しかし学院自体は妙に動きが活発だ。
ヴァリエール家の娘とゲルマニアのツェルプストー家の娘がトリステインの伯爵相手に問題を起こした。
派手な決闘騒ぎを起こした二人、彼女達とシャルロットは同学年で決闘騒ぎの際に関わりがあるという。
更にガリア王が気にかけていたのは、麻薬密輸事件発覚の時の人員に学院の秘書が加わっていたという話だ。
その秘書はどうやら学長子飼いらしく、家まで与えられている。
しかし学院という、そこだけでほとんどの事が完結してしまう特殊な閉鎖空間は、それ以上の調査を許さなかった。
工作員を放り込むにも、年齢制限がネックとなっており(学園は年齢に関して大らかだが、幾らなんでも二十代、三十代のメイジを送り込む事も出来ない為)優秀な工作員を向かわせる事も出来ない。
そう考えるとシャルロットは学院対策として実に優秀な駒であったのだが、今回に限っては彼女の言葉は信用出来ない。
人質が人質として効果を発揮しつつ、シャルロット以外でも情報収集の手段がある、そういう状況でなくば彼女を利用する事は出来ないのだ。

幾らなんでも不可解すぎる。そして様々な事の間が悪すぎる。
直感に近いが、やはりガリアの事情を深く知るシャルロットと誘拐事件には関連があると考えるべきだろう。
オルレアン大公夫人の居場所を公的な形で特定出来れば、外交筋でどうとでも好きに出来るのだが、シャルロット絡みというのは勘にすぎず証拠も何も無い。
現時点で色々と手を出す方法も無くはないが、一連の流れが統一された意思の元行われていたとすると、対策も用意されていよう。
ならばここは現状維持のまま、敵の動きを待つ。
もちろんシャルロットへの調査も、トリステイン内の新たな諜報組織の確立も平行して行う。
連中がもし現状維持に無理をしているというのなら、何処かに歪みが現れるはず。
狂気に冒された夫人をいつまでも隠しておくなぞ、そう簡単に出来る事ではないのだから。
それを、ゆっくりと待ち構えるとしよう。
関係者が特定出来ているというのであれば、何も焦る事はない。
人質不在である以上不要となった駒、シャルロットを呼び出して謀殺するのは後でも良い。
相手が油断し、隙を見せるまで大きくは動かぬ。
むしろ、もし本当にトリステインに大公夫人が居るというのなら、先々の展開はガリア王に有利に働く。
アルビオン反乱軍、これがアルビオンを征した後はトリステインだ。
こいつらが強硬に侵入し、トリステイン国内で夫人を確保してしまえば最早言い逃れも出来まい。
そうなれば大手を振ってガリアはトリステインへと侵攻出来る。
戦力に関しては、麻薬以外にもトリステインを圧倒しうる腹案はある。
ガリアとアルビオン反乱軍との関係は、誰にも見抜きようが無いのだから、この手だけは絶対に読めまい。

その時こそ、シャルロットを抱え込み、エルフをも倒しうる力を持ち、数多の予防線を張り巡らせた何者かに、思い知らせる時だ。



タバサはオールドオスマンから幾つかの注意を受けていた。
最も細心の注意を払うべきは、国許からの手紙である。
予想される指示は二種類。国許への帰還命令か、オールドオスマンの愛人誘拐。
前者は言わずもがな、人質を失った事により有用な存在から有害な存在へと変わったタバサの謀殺を目論んでの事。
後者は少々複雑で、こう指示してくるという事は、ミス・ロングビル=オルレアン大公夫人であると疑いを持っているという事だ。
これを指示しうる程、こちらの情報に精通しているとなると、やや問題なのである。
オールドオスマンに授けられたそれらへの対応策を確認し、さあいつでもかかって来いと待ち構えているのだが、一向に国許から連絡が来ない。
不安になってオールドオスマンに訊ねると、彼はかんらかんらと笑って言った。
「油断すべきではないが、下手すると連中ワシらの事まるで気付いとらん可能性もあるのう。ハッハッハ」
オールドオスマンも幾つか手持ちのソースを当たり情報を集めているが、目立った動きは無かったのだ。

という訳で。タバサは週に数回の母との逢瀬を存分に楽しんでいた。
「はい、シャルロット。あーん」
ケーキを一口サイズに切り分け、フォークですくってタバサの口元へと運ぶ大公夫人。
「あーん」
目尻が全開で垂れ下がり、普段の凛々しい姿など見る影もなくなっているタバサ。
「おいしい?」
「うん」
かれこれ七回もこのやりとりを繰り返しているのに、まるで飽きる様子が無い。
一度ルイズ達もひょこっと遊びに行ったのだが、あんまりにあんまりすぎるタバサの有様に、二度と近づくまいと心に決めたのである。
屋敷に出向いている時以外は、むしろ自分の手で母を守るんだという気概に満ち溢れ、油断や隙の欠片も見られないだけに、このギャップが耐えられなかった模様。
屋敷に行く時も、それこそオールドオスマンのモートソグニルですら気付かれる程の警戒能力を発揮する為、その辺は皆安心しているのだが。



何時もの四人は、漸く何時もどおりの昼食の時間を取り戻す。
あまり頻繁に会いに行くのも怪しまれる。
そう言い出したのは他ならぬタバサであるが、やはり何時でも会っていたいのだろう。
ふと気が付くと母の住んでいる屋敷の方に視線を向けている。
そんなタバサの様子を微笑ましげに見守りながら、キュルケはしかし真剣な口調で口を開く。
「幾つか、聞き逃せない話あるわよね。エルフがどうしてタバサの実家に居たのか、とか」
ルイズもその点は気になっていた。
「タバサ、ガリアがエルフと組んでいるなんて話あるの? いや、そもそもそんな事出来るの? 偶然あそこに居たなんて話、誰も信じないわよ」
「わからない。そのエルフを倒したっていうルイズの事も含めて」
言いたい事はわかる。ルイズは苦笑した。
「英雄の詩って、そんな警戒するほど無敵でもないわよ」
キュルケが即座に答える。
「サンよね。普段のサンなら何が起ころうと自力で突破出来そうだけど、歌を歌ってちゃ……ねえ」
エルフとやりあった時、実はルイズはかなり追い詰められていたのである。
後ろに居る燦を狙うような真似された場合、それが魔法による攻撃であったならルイズには自らの体を盾にする以外防ぐ手段が無い。
だからこそ相手がそれに気づく前に、速攻で倒しきる必要があったのだ。
嘆息するルイズ。
「そうなのよねぇ。状況によっては二人で戦ってた方が有利な事もあるし」
本来のサンは魔法があってさえ、到底倒しうるような相手ではない。
特に体力が充分な時の燦は、タバサやキュルケの魔法ですら捉える事が出来ない程だ。
「サンはムラがある、物凄く」
タバサがぼそっとツッコムと、燦もわかっているのか首を傾げる。
「よくわからんけど、大抵最初の内は絶好調でびっくりするぐらい動けるんじゃけど、ずーーーーーーっと剣振り回してると、体力まだあるのに、動きががくーって鈍くなったりするんよ」
何度もルイズと剣を合わせて実感した事だ。
実は、最初の内は燦の持つガンダールブの力が発揮されており、それが時間制限で切れているという話なのだが、当然ガンダールブにも虚無にも気付いていない四人はそんな事に思い至れない。
ガンダールブの力には手に持った武器の使い方がわかるといった能力もあるのだが、燦は剣しか持っておらず、剣の使い方は元々知っていたので、それがわかっても不思議に思わなかったのだ。
さりげなくデルフリンガーが使い手だの何だのと言っていたが、それすら、ふーん、で済ませてしまっている。
伝承に謳われたガンダールブの力すら、調子が良いの一言で片付けてしまう。正に天然恐るべしである。
ルイズはばしーっと結論を出す。
「つまりよ! サンが歌を歌いながら剣を振るえれば万事解決! そうよねサン!?」
「あー、それちょっと難しいー」
「何言ってるの! 人間努力さえすればどんな事だって出来ない事はないのよ! 今日から早速特訓よ!」
体育会系のノリが全身に染み付いたルイズ。
それをルイズに教え込んだのは他ならぬ燦である。
「そうじゃな……うん! 私頑張るでルイズちゃん!」
「その意気よ! 私もあの歌で顔が変形するのどーにかして見せるわ!」
キュルケとタバサは、妙に盛り上がる二人に聞こえないよう、ぼそぼそと話す。
「……これ以上強くなってどーするってのよ。それに歌いながら剣て、ハタから見たら可哀想な人にしか見えないんじゃ……」
「……あの顔、自分の意思でやってたんじゃないんだ……」
タバサ母より、とても凛々しいご友人ね、との評価を賜った英雄の詩後のルイズの劇画顔は、やはり当人には不評の様で。
ルイズにもまだ女性としての自覚があったのか、などと尤もらしく頷くタバサであった。



事も無く日々は流れて行くが、ある日キュルケが実家に戻ると言い出した。
例の爵位の件で、より適切な条件の爵位を見つける為には、どうしても自身がゲルマニアに出向く必要があったのだ。
オールドオスマンに相談すると、ならばルイズも燦を連れて実家に戻れと言い出した。
領地が隣同士なので、これなら途中まで三人で移動出来るという安全面での話ももちろんあったが、それ以外の理由が大きい。
ガリアがまるでちょっかいをかけて来ないのは、恐らく学院メンバーが大公夫人誘拐に関わっているという確証が持てないからだ。
ならば、こちらに大公夫人が居るのならとてもやらないような事をやって、より混乱させてやろうという話だ。
いずれ先々で戦力全てを出しつくすような戦いになる。その時、今外を出歩いているメンバーが主力であるなどと連中は考え得ないだろうという事でもある。
強硬手段は、ワルド子爵の大暴れで打つだけの戦力を用意出来ないだろうという読みもあった。
もちろん数日の内に戻るのが大前提ではあったが。


一人タバサを残す事に不安もあったが、オールドオスマンが、いざという時はワルド子爵に泣き付くわい、と言った事であっさりと納得する。
謁見の間で口添えをしてくれた事もあり、子爵の頼もしさ、誠実さを、ルイズ達は欠片も疑っていなかったのだから。



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