あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

ゼロの騎士団-09b


ゼロの騎士団 PART1 始まりの地 トリステイン9 後編

学院より離れた森の中の小屋
その小屋の中で、フーケは戦利品を眺めていた。
「今回は大量だねぇ、さすが天下のトリステイン魔法学院だよ」
手に入れた物は小物が多く、近くの箱に入れながらフーケは顔をにやける。
「しかし、固定化の壁にヒビが入るなんて、大した馬鹿力だよ」
自身が宝物庫の周りを調べて、この間、ダブルゼータがハリマオスペシャルを叩きつけた部分にヒビが入ったのをフーケが見つけたのは行幸とも言えた。
「さて、問題はこれだね……」
最大の目玉である百獣の斧を見つめる。
フーケが手に持つだけで、何かしらの力がある事を感じる。
しかし、フーケが斧を振ってみるが何も起こる様子がない。
(コイツがすごい物だってのは分かる、しかし、使い方が分からないなんて)
このように、いろいろ試してみるが、効果があるとは言えない。
「せっかくこれが貴重な物でも、使い方が分からないんじゃ買い叩かれるし……」
(一番高く売れそうな相手も、ああなった事だしね)
自身の名を借りての蛮行を受けた相手に商売もするわけにはいかない。
「どうせ、教師の中から追撃隊を選ぶだろうから、その中の奴に聞けばいいか……」
コルベールやキトーの顔を思い浮かべ、自分の勝利を確信する。
「さて、戻るかい……あいつ等の顔が早くみたいしね」
深刻な顔の教師達を思い浮かべ、フーケは学院に戻る事にした。
(早く、あの子達の所に帰らなくちゃね……アイツばかりに任せておけないしね)
そう考えている、フーケの顔はロングビルとの顔ともまた違っていた。

翌日 トリステイン魔法学院
フーケ襲撃を受け、オールド・オスマンの部屋には教師達が緊急で集められていた。
その中で三人とその使い魔達も昨夜の状況を報告するため、オスマンの部屋に呼ばれていた。
「では、君たちが見たのは土くれのフーケで間違い無いと言う訳じゃな……」
ルイズ達の報告を聞いて、起こってしまった事実に、オスマンは考え込む。
「オールド・オスマン急いで王国に報告して、追撃隊を編成してもらいましょう。今ならまだ間に合います。」
全員を代表して、コルベールが常識的な判断を上げる。
「ミスタ・コルベールそれは、まずいのぉ、管理体制の甘さと我々の無能を教える物では無いか、何より盗まれたものの中には「神の雫」まであるのじゃぞ!」
(神の雫?……そんな物あったけ?)
自分の戦利品を思い浮かべながら、その中に、それほど重要な物があったとはロングビルも気づかずにいた。
「たしかに、神の雫が盗まれたのは問題ですね……」
コルベールが事の深刻さに、渋い顔をする。
「オールド・オスマン、神の雫とはなんですか?」
キュルケが興味を持ったのかオスマンに問う。
「詳しくは言えんが、神の雫は特殊な飲み物で、アンリエッタ王女が婚約の際には嫁入りの道具として、それをお持ちになる筈の物なのじゃ」
(そんな物があったなんて……私も運がいいね)
自分が思いもよらずに、当たりを引いた事にロングビルは仕事の成功を感じる。
「オールド・オスマン、土くれのフーケはここから馬車で3時間ほどの距離にある、森で姿を消したそうです。その様子を平民が見ていたようです。」
ロングビルがあたかも、調べたようにフーケの居場所を報告する。
「ありがとう、ミス・ロングビル。さて、我々の不始末は我々自身でつけなければならない、誰か勇気のある物はおらんのか?」
さほど期待せず、オスマンが教師の顔を見回す。
しかし、その顔には勇気や勇敢とは程遠かった。
(やはり、コルベールにでも頼むかのぉ……)
お自身が信頼する教師の名を、オスマンの頭の中で思い浮かべる。
(誰も手を上げないなんて、それでも貴族なの?)
分かってはいたが、その様子を見て、ルイズは心の底から失望する。
(やはり、私が行くしかないのだろうか……)
オスマンの視線を感じ、コルベールが自身の出陣を確信し始めていた。
(さて、誰が来るかね……私は誰でも構わないけどね)
教師の顔を盗み見ながら、ロングビルは挑戦者の名乗りを待つ。
しかし、彼女は甘かったのかもしれない……
様々な思惑が交る中、静寂は打ち切られた。
「オールド・オスマン、フーケ討伐わ「私にその任務をお与え下さい、オスマン殿」」
ルイズの弱々しそうな意志を遮り、今までで一番強い声が上がる。
(まぁ、こうなるわね……)
キュルケは目をつぶりながらも、誰であるかを確信していた。
「お前さんは、ミス・タバサのゼータじゃったな」
意外な名前に、オスマンも戸惑いを隠せない
「ちょっと、ゼータ「騎士が、目の前の賊を逃がすとは何たる失態、このゼータ、土くれのフーケを捕えその首、オスマン殿の御前に捧げましょう。」」
王に命令を受ける騎士のように、ゼータが前に出て剣を掲げる。
「頼もしいねぇ相棒」
嬉しそうにデルフが金属音を鳴らす。
(ちょっと、勝手に人の首を捧げるんじゃないよ!)
自身の首の裏を抑え、ロングビルは名乗り出たゼータに先程の余裕を無くす。
「首って……お前さんはミス・タバサの使い魔じゃろぅ何も「先にも述べた通り!」」
ゼータにオスマンの言葉は要らない。
オスマンは取りあえず、もう一度説得する。
「土くれのフーケはトライアングルのメイジじゃぞ、幾らなんでもお前さん一人じゃ無理じゃろう」
「なら私達が参加すればいいじゃありませんか!」
「おいっ!ルイズ、何を勝手に決めているのだ!」
私達が自分である事を感じ取り、ニューは声を荒げる。
「私達は貴族です。賊に臆病風に吹かれて逃げ出すなんて私には出来ません。」
「ルイズ、貴族以前にお前は「私は何も出来ませんでした」!」
ルイズの言葉に、ニューが続きの言葉を無くす。
「私は未熟です、自分が何も出来ないのにパニックになって、挙句にニューに当たってしまった……私はそんな自分が許せないんです!」
ルイズが、誰とも問わず自分に向けてその言葉を言う。
(ルイズ……)
ニューがその言葉を聞いて、ゼータと同じように前に出る。
「オールド・オスマン、私もフーケ討伐に参加させて下さい」
「ニュー……」
自身の使い魔の参戦に、言葉は少ないがその声には嬉しさが表れていた。
「使い魔の私が未熟なルイズ一人に任せるわけにはいきません、それに自分達はこの様な危険な事をするのは初めてではありません。足手まといにはなりませんので、ルイズ共々お願いします。ルイズ、君も当然参加するのだろう?」
「あっ当たり前でしょ!保護者面しないでよね、アンタは私の使い魔なんだから、嫌といっても連れてくわよ、馬鹿ゴーレム!」
ルイズが、先程までの泣きそうな顔を誤魔化そうとする。
「参加が自由意思なら、私も参加しますわ」
キュルケが、話の流れに一息つくのを待ってから杖を上げ宣言する。
「……心配」
その横では、タバサが杖を上げる。
「ミス・ツェルプストー、ミス・タバサ、あなた達は留学生なのですよ、何かあったら」
(この子娘どもが参加するって事は、当然アイツらも参加するってことじゃない)
自身にとっての流れの悪さに、ロングビルが抑制を促す。
「大丈夫ですわ、私の使い魔は優秀ですから、ねっ、ダブルゼータ?」
「俺にやっと声をかけたな、こんな楽しそうな喧嘩、行くなって言われても参加するつもりだぜ!」
買ってきた斧を振り回し、一番嬉しそうにダブルゼータが前に出る。
「ふぅ、この中で彼らに反対する者はおるか?」
オスマン自身が解りきった答えを聞く。
誰も彼らに異議を挟む者はいなかった。
「決まりじゃのぉ、お前さん達の活躍に期待する。」
「杖にかけて!」
緊張した面持ちで、三人が杖を掲げる。
「待っていろ、土くれのフーケ」
「巨大なゴーレムなんて、面白そうじゃねぇか、けど、まずは飯だな」
「お前達、少しは緊張感を持て、遠足に行くのではないのだぞ」
反対に、その使い魔達は緊張感など皆無の様子で部屋を出ていく。
(どうすればいいのよ……)
自身の言葉を取り消したいロングビルであった。


「ロングビル殿も行くのですか?」
「ええ、道案内と御者くらいしかできませんが」
馬車の準備が整い、6人とロングビルが行く事になった。
「ミス…ロングビル御者なんかやらなくていいですよ、こいつ等にやらせればいいじゃないですか?それに顔色も悪いですし」
ルイズが顔色の悪いロングビルを見て心配する。
「そう思っても、大人は言わない物だぞ、全てが未熟なルイズ様」
ニューがそう言って、ルイズの平面を意識して視線を送る。
「私のどこが未熟なのよ、この馬鹿ゴーレム!」
そう言って、ルイズがニューに掴み掛かる。
「馬鹿、ルイズ落ちるだろ、こらっ」
「落ちて、頭でも打ちなさい、そうすれば少しはご主人様への態度の取り方が分かる、利口なゴーレムになるでしょうね!」
そう言って、ルイズが落とそうとする。
「体の一部が特に未熟なルイズ、暴れるのはやめなさい」
「だれがよ、私が未熟なのは心だけよ!」
「ルイズ、その体で成熟と言ったら、希望がゼロだぞ」
「殺す、このクズゴーレム!」
馬車の上で乱闘が始まったので、ロングビルの顔色の悪さを心配する者はいなくなった。

学園の窓からコルベールとオスマンはその様子を見ていた。
「大丈夫ですかね、オールド・オスマン」
コルベ-ルが心配そうに尋ねる。
「あの使い魔達の様子を見るに大丈夫そうじゃろぅ」
オスマンが馬車を見つめている。
「彼らには気負いがない、おそらく、彼らは多分もっと凄い相手と戦ってきたに違いない」
(モット伯の家に、殴り込みをかけるなんて真似を平気でするような奴らじゃし)
貴族の家に、当たり前の様に殴りこんで平然と彼らは帰ってきた。
自分達にとっての脅威を脅威と感じない三人に、オスマンは彼らの実力を信用していた。
「ミスタ・ニュー達が居るから大丈夫ですかね……」
頼りなさげに、コルベールが窓を覗くが馬車はすでに見えなかった。


数時間後、フーケの潜伏先である森にたどり着いた。
「あれがそうね、どうするの?」
ルイズが、誰に問わず行動の方針を聞く
「まずは、ダブルゼータ、入口まで行って中をのぞいてきてくれ」
考えがあるのか、ニューが指示を出す。
「なんで俺なんだ?」
ダブルゼータが疑問を示す。
「お前が一番勇敢だからだ、それに、フーケを殴る一番の権利をやる」
「おう、まかしとけ」
そう言いながら、ダブルゼータが歩き出す。
(勝手にそんな権利与えるんじゃないよ、あんなのに殴られたら首が飛んじまうよ!)
心中で、ロングビルが抗議の声を上げる。
「なんで、ダブルゼータなの?普通、こう言うのは注意深い人間がやるんじゃないの?」
ルイズがニューの人選に疑問を抱く。
「まぁ、そうだな、だが、ダブルゼー「ぐおっ!なんか刺さったぞ!」奴は丈夫だからな」
「……納得」
足元にあった罠を作動させ、矢が刺さったダブルゼータを見ながらルイズも納得した。
「ニュー、テメェ何てことしやがる!」
「大丈夫か、ミディ」
ダブルゼータが痛みを忘れて駆け寄るが、ニューは冷静に傷を癒す。
「こう言った時は、一番生存率が高そうな奴が行くべきだろう」
「てめぇなら、槍の雨が降っても死なねぇよ」
ニューが当然と言った面持ちで答え、デルフがそれに追従する。
「ふざけるな、死んだらどうするんだ!」
それを聞いて、ダブルゼータが憤慨する。
「アンタなら、大丈夫よ……で中に誰かいる?」
ルイズが、ダブルゼータの結果を聞く。
「あぁ、はっきりとは分からないが多分居ないぜ」
「これだけ、騒いでなにも反応無いんだもの」
今のやり取りに呆れながら、キュルケが小屋を見つめる。
「とりあえず、ロングビル殿はここにいて下さい、中に行くのと、外の見張りの半分に分けよう」
ゼータが提案する。
「私が中に行く、あなた達じゃ、盗まれた物が分からない」
タバサが、突入のメンバーに志願する。
「なら、盾になりそうなゼータとダブルゼータを連れていくがいい」
ニューが二人をタバサに差し出す。
「誰が盾だ!キュルケ、主としてコイツになんか言ってやれ」
ダブルゼータがキュルケに援軍を求める。
「ここは私が見張るから、いってきなさいよ、タバサの盾1号」
キュルケは、そのつもりがないらしい。
「先に使われるのは確定かい!……まぁ行ってくる」
ダブルゼータが諦めたのか小屋に向かって歩き出す。
「タバサ、ゆっくり行った方がいい」
「なんで?」
ルイズがタバサに代わり聞く。
「小屋の中にも罠があるかもしれない……」
最後の方の声は、ドアを開けたダブルゼータが何かに刺された声でかき消された。
「……魔法で調べればよかった」
一番の解決策を、タバサが今更ながら口にした。


「誰もいないみたいだな」
魔法で中を調べた後、一番に入ったゼータが辺りを見回す。
「おうゼータ、こっち見てみろよ宝箱があるぜ!」
質素な造りながら、頑丈そうな箱を見つけて、ダブルゼータが嬉しそうに声を上げる。
「勝手に開けるなよ、罠かもしれないぞ タバサ魔法を頼む」
ゼータが、タバサに確認を頼む。
「……大丈夫」
調べがついたのか、タバサが開封の許可を出す。
「オッケー、なら開けますか」
ダブルゼータが箱を開ける。
「……タバサ、これが盗まれたものか?」
ダブルゼータがタバサに盗品であるかを確認する。その顔には明らかに驚きの声が交っている。
「そう、それが神の雫と百獣の斧」
「それは、獅子の斧じゃないか!なんでこんなところにあるんだ!」
ゼータが、本来この世界にないはずの物に驚きの声を上げる。
「それも驚きだが、何でこんな物まであるんだ?」
神の雫を見て、ダブルゼータの顔にも驚きが浮かぶ。
「二つとも、知っているの?」
「獅子の斧は俺が愛用していた物だ、神の雫は」
説明の途中を屋内に響く轟音で遮られる。
「何があった?みんないったん出るぞ!」
盗まれた秘宝を持ち出して、三人は外に出た。


「キュルケ、何があった!」
「あなたの殴りたい人間のお出ましよ!」
キュルケが焦りながら、その方向に指をさす。
そこには、10メイル程の巨大な土のゴーレムがいた。しかも、3体程
「あれが、土くれのフーケのゴーレムか……」
昨日ほどではないが、それでも相変わらずの大きさにゼータも言葉を失う。
「どうするの!?」
「討ち取るまでの事、ニュー、ダブルゼータ行くそ!」
ゼータがデルフを抜いて駆け出す。
「オレを忘れるなよ、相棒」
デルフが存在をアピールする。
「ルイズ、これ持っとけ!」
ダブルゼータが神の雫を渡す。
「馬鹿!普通逃げる所でしょ、ここは!」
ゼータの即断に、ルイズも戦う意志を忘れそうになる。
「バズレイ」
ニューの爆発が、ゴーレムの一体の上半身を吹き飛ばす。
「うぉぉ!」
ダブルゼータが、また違う一体の足を自身の斧で薙ぎ払う。
「デルフっ!」
「おう!」
ゼータの掛け声とともに、デルフが別の一体の腕を斬り裂く。
しかし、ゴーレムは一体も倒れなかった。
「だめだわ、再生が早くて、完全に倒せてないわ!」
少し離れた所で、キュルケが冷静に分析する。
本来はどれも致命傷であるが、再生力の高いゴーレムには致命傷を与えられない。
「このままじゃっ!」
「あなたが、行ってどうするのよ!」
かけ出そうとするルイズを、キュルケが腕を掴んで止める。
「せっかく来たのに、これじゃまた私、役立たずじゃない!」
(私は闘う為に、ここに来たのに)
ルイズが悔しさから、唇をかみしめる。
「私達の戦い方がある。」
タバサが二人の間に入る。
「私達はメイジ、戦い方が違うだけウィンディ・アイシクル」
あらかじめ、詠唱を終えた魔法を唱える。
ゼータが相手をしているゴーレムに当たる。
「ゼータ、今」
「わかった」
凍った、ゴーレムをゼータが一刀両断する。
ゴーレムは二つに割れて地面に倒れた。
「やっと一体ね、けど、どうするの?私達じゃ水と氷の魔法なんか使えないわよ」
タバサの魔法は、キュルケが不得な分野の魔法であった。
(どうすればいいの……水、氷……あっ!そうだ)
「あ!分かった、水を使えばいいのよ!」
ルイズが、何かを閃く。
「簡単に言わないでよ、それが出来たら苦労しないじゃない!」
キュルケが、ルイズの閃きに落胆する。
「大丈夫よ!ニュー、あいつ等に何時ものアレを使って、私が失敗した時に使う魔法よ」
ルイズが、戦闘中のニューに声をかける。
「アレ?」
「火傷を治す奴よ!最強威力で!」
「ああ、あれか ウォーター」
火傷を直す為の水をニューがゴーレムにかける。
(ん?何をやっているんだい?)
近くに潜伏して様子を窺うフーケも、ニューの魔法の意味が解らなかった。
「ルイズ、何であんな魔法使うの?」
「今に、わかるわよ!」
何かを確信したかのようにルイズが答える。
それは、すぐに分かった。
強い水流を浴びたゴーレム達が崩れていく。
「あ!ゴーレムが崩れていく!」
「水を含んだから、泥になって重さと強度が耐えられないのよ!」
(そう言う事かい!)
舌打ちしながら、崩れ落ちるゴーレムを何とか一つにまとめようとする。
「まとまり始めたわ、今よタバサ」
ルイズが指示を出す。
「ウィンディ…アイシクル」
タバサがルイズの作戦に気付いたのか、巨大になった泥のゴーレムを襲う。
「みんな、今よ!」
ルイズが総攻撃の合図を出す。
「メガバズ」
「ゼータ乱れ彗星」
「くたばれぇぇっ!」
「フレイム・ボール」
「ファイヤー…ボール」
それぞれの一撃が、巨大なゴーレムに突き刺さり、ゴーレムは白いダイヤモンドダストの様に粉々に散った。


「ふぅ、終わったわね」
ルイズが、呟く。
「ルイズ凄いじゃないか、こんな作戦思いつくなんて」
珍しく、ニューが最大級の賛辞を送る。
「私なりに、出来る答えを見つけただけよ」
ルイズが、ニューの言葉を思い出しながら呟く。
「そうか……」
何かを感じたのか、ニューはそれ以上言わなかった。
「皆さん、ご無事ですか?」
茂みに隠れていたロングビルが心配そうにやって来る。
「こっちは大丈夫です、ミス・ロングビルの方はお怪我はありませんか?」
ルイズが、ロングビルに気づく。
「はい、隠れていましたので、盗まれた物は無事ですか?」
「はい、こちらです。」
ルイズが神の雫を渡す。
「そう、良かった」
そう言って、ルイズの腕をからめ捕り、首筋にナイフを押し当てる。
「えっ!ロングビル殿……」
そう言いながら、ゼータが近寄ろうとする。
「動くんじゃないよ、武器を捨てな、そうしないとこの娘はこの世とサヨナラだよ」
皆が知っている声とはまた違う声で、ロングビルが警告する。
「ロングビル殿まさか、あなたが」
「そう、私が土くれのフーケだよ」
ニューの言葉を待たず、フーケが正体を明かす。
「まったく、せっかく考えて3体に分けたのに、この小娘にやられるなんてね。」
ニュー達が武器を手から離すのを見ながら、フーケが感心する。
「本当はコルベール辺りがくればよかったけど、アンタがその道具の使い方を知っているなら好都合だよ、さぁ、百獣の斧の使い方を教えて下さいな、ダブルゼータさん」
ロングビルの声音で、ダブルゼータに使い方を求める。
(どうしたらいいんだ、魔法ではルイズに当たってしまう。)
ニューも迂闊に動く事は出来ない。
「……いいぜ、使い方を教えてやるよ」
「ずいぶん殊勝だね、どう使うんだい」
フーケが使い方を教えるように促す。
「これはな……」
ダブルゼータが、落とした斧をもう一度拾う。
「ちょっと、誰が動いて「こう使うんだよ!」」
拾った斧をそのまま、フーケに投げつける。
「ばか、なんてこ」
言い終える前に身の危険を感じたのか、ルイズを離して身をひねる。
ギリギリのところで、投げられた斧が空を切る。
「今だ、ガン」
隙が出来たことで、ニューがフーケに魔法を放つ。
フーケは反応できずに、光弾に1メイル程叩きつけられる。
「獅子の斧は、力を強化するもので、俺みたいな怪力が持たないと意味ないんだよ」
斧を拾いに歩きだしながら、聞こえるはずもないフーケにダブルゼータが説明する。
「おう、ルイズ怪我はないか?」
ダブルゼータが斧を拾いながら、ルイズを心配する
「アンタ……」
ルイズが恐怖からか顔を俯く
「おう、よかった無事そうで」
「アンタ!なんて事するのよ!当たったらどうするの!?」
ルイズが、涙目になりながらダブルゼータの胸倉をつかむ。
「いや、フーケが多分避けると思ったんだよ」
「避けなかったら、当たったらどうするのよ!」
ルイズが、胸倉をつかむ力をより一層込める。
「大丈夫だって、多分ニューがどうにかすると思ったし、実際無事だったじゃなねぇか」
「殺す、絶対殺すわ!このクズゴーレム」
そう言いながら、獅子の斧を両手で奪いダブルゼータに襲い掛かる。
「うおっ、ルイズあぶねぇじゃねぇか!」
「だまりなさい、このクズゴーレムここで土に埋めてあげるわ!」
紙一重で避けて逃げるダブルゼータを、ルイズが斧を持ったまま追いかける。
「まぁ、無事でよかったよ……」
その様子を見ながら、ニューは唯そうつぶやいた。


「……う……一体どうなっているんだい」
「あなたは捕まっているのよミス…ロングビル。いや、土くれのフーケさん」
キュルケが回復したフーケに応える。
しばらくして、フーケが目を覚ますと杖を取り上げられて、ロープで縛られていた。
「はぁ、まさか、獅子の斧は投げて使う物だったとはね」
「いや、あんな使い方をするのはアイツだけだ」
ニューが獅子の斧の使い方を否定する。
「ロングビル殿……」
ゼータもそれ以上の言葉を続けられない
「私の負けだよ、好きにしな」
ロングビルは降参の合図を出す。
「しかし、百獣の斧があなた達の世界の物だったなんてね」
キュルケが追いかけまわし疲れて、倒れているルイズの持つ手を見る。
「あれは、三獣の武具と呼ばれる伝説的な力を持つ物だ、しかし、何故あれが宝物庫に有ったんだ?」
ニューが疑問を口にする。
「それは俺も思ったんだが、ニュー、神の雫もすごいぞ、これを見ろ」
懐から、神の雫を取り出す。
「これが神の雫?ダブルゼータ、あなたこれが何だか知っているの?」
キュルケが神の雫を見ながら、ダブルゼータに聞く。
「これも私達の世界の物で」
(ごめんね、テファあたしはもうあなたを守る事が出来ないよ、あなたの使い魔のアイツに守ってもらいな……)
フーケの顔は何かを諦めている顔をしている。
アイツなら、あの子たちを守ってくれる。
「たのんだよ、ガ「マチルダ、無事か!」」
フーケのつぶやきは突然聞き慣れない声により遮られた。
「え!アンタ!……」
その声の主を知っているのはフーケだけであった。だが……

「まったく、心配になって来てみれば無茶しやがって……」
森の中から声の主が姿を現す。

「うそ……」
ルイズも声の主を見て声を失った。

「冗談でしょ?」
キュルケとタバサもそれ以上声は出なかった。

「あなたは……」
ゼータ達もその姿に驚き、かろうじて声を出す。

「何だ、お前達は!?」
声の主もゼータ達の姿を見て驚く。

「あなたは……ナイトガンダム殿……」
ニューはかろうじてその名を呼んだ。

そこには、彼らがかつて共に戦った戦友の姿であった……

「19あたしが土くれのフーケだよ」
土くれのフーケ
本名は不明
MP 700

「20巨大なゴーレムが地響きとともに現れた。」
フーケのゴーレム
土でできている。
HP 1500



新着情報

取得中です。