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ZERO BOY’Sサーヴァントセレクション-03


 トリステイン魔法学院の食堂は広く、余裕で100人以上座れる面積がある。
「うわあ! 凄い広いね、ルイズ姉様!」
「……ゆず、こんなに広い食堂見た事が無いです……」
「ここはアルヴィーズの食堂って言ってね、貴族しか入れない館よ。平民は入れないけど、アキミ達は私の使い魔だから特別よ」
「ルイズお姉ちゃん、アルヴィーズって何ですか……?」
「小人の名前よ。周りに小人の像がたくさん並んでるでしょ? あれ夜になると踊るらしいわよ」
「そうなんだ……。ボク達の学校にも何とかっていう昔お家のお仕事をしながら勉強してた偉い人の像があって、それが夜になると歩くって噂があったんだけど、おんなじなのかなあ?」
「……ちょっと違う気がするけど……」
「ルイズお姉ちゃん達はここでご飯を食べるんですけど、ゆず達どこで食べればいいんですか?」
「……あ、うっかりしてたわ。そうね……ねえ、ちょっといいかしら?」
 ルイズは食器類の準備をしていた1人のメイドに声をかけた。
「あ、はい。何でしょうか、ミス・ヴァリエール?」
「昨日ミスタ・コルベールからアキミとユズ……私の使い魔の分の食事については連絡があったと思ったけど、食べる場所については連絡し忘れてたの。とりあえず今朝の朝食は厨房で食べられるように頼んでもらえないかしら?」
「あ、はい。ちょっとマルトーさんに聞いてみますね」
 そう言って駆け出していったメイドは、しばらくしてOKの返事を貰って戻ってきた。
「ごめんね、アキミ、ユズ。今日の夕食までには一緒の席で食べられるようにしてもらうからね」
「……あ、ありがとうございます……」
「それじゃルイズ姉様、ごはんの後でね!」
「えっと、ミス・アキミ、ミス・ユズですね。私シエスタっていいます。よろしくお願いします。さあ、こっちですよ」

 昼食を終えた秋巳達はルイズと合流し教室に向かう。
 教室に入って着席するのとほぼ同時に、中年女性が大きな扉から入ってきた。
「皆さん、春の使い魔召還は大成功のようですね? ……あらあら、可愛らしい使い魔ですね、ミス・ヴァリエール」
 中年女性・シュヴルーズは、秋巳とゆずを見るなりそう言って目を細めにこやかに微笑んだ。
「ゼロのルイズ! いくら召喚できなかったからって平民の子供さらってくるなよ!」
「違うわ! ちゃんと召還したんだもの!」
「嘘は吐くなよゼロのルイズ、どうせ失敗したんだろう!」
 この台詞をはいた太った少年が言い終えると、教室は笑いの渦に包まれた。
「うるさい! 風邪っぴきのマルコメミソ!」
「何だそりゃ!? 僕は風上のマリコルヌだ!」
「はいはい、そこまで! それ以上騒ぐならその口に魔法をかけますよ、ミス・ヴァリエール、ミスタ・マリーアントワネット!」
「マリコルヌです、ミセス・シュヴルーズ!!」
「では授業を始めます」
 秋巳もゆずも熱心に授業を聞いていた。秋巳達の世界でも有名な地水火風の4元素、そして伝説の属性・虚無……。各種魔法に関する講義を真剣に聞きノートに取っている。
 シュヴルーズは下手な生徒達より熱心に授業を聞いている使い魔達に好感の視線を向けた。
「……それでは実際に錬金を実践してもらいましょう。ミス・ヴァリエール」
 途端に教室内がざわつき始める。
「ミセス・シュヴルーズ、それはやめてください!」
「無謀です!」
「はい、静かに! ミス・ヴァリエールの使い魔を見習いなさい。1人はまだ小さいのに一生懸命授業を受けています。あなた達も負けてはいけませんよ」
「でもミセス・シュヴルーズ!」
「さあミス・ヴァリエール、この土を錬金してごらんなさい」
「はい! やります!」
「よろしい、ではこちらへ」
 2人がそう言っている間にも、机の下や教室の外に避難する者が続出した。
「みんなどうしたんだろ?」
「さっきのシュヴルーズ先生がやった時は、何でもありませんでしたよね……?」
 訝しげに秋巳・ゆずが周囲を見渡した次の瞬間、
 ――カッ
「うわあ!」
「きゃあっ……」
 突然の出来事に2人とも何もできなかった。
 土煙が収まった後で周囲を見回すと、教室内は滅茶苦茶になっていた。
「ケホケホ……、ちょっと失敗したみたいね」
「何がちょっとだ!」
「だから言ったんだ、ゼロのルイズにやらせるといつもこうだ!」
「成功率ゼロのルイズ!」
 まさに非難轟々。
 ルイズ達3人は意識を取り戻したシュヴルーズに片付けを命じられ、その教室での授業は中止となった。

 ルイズ達が滅茶苦茶になった教室の片付けを終えたのは、丁度昼休みの前であった。
 場所は変わって再びアルヴィーズの食堂。
 厨房で食事を貰った2人はルイズの元に向かう途中、1人の少年に衝突した。
「ご、ごめんなさい……。ゆず、よそ見しちゃってて……」
「大丈夫かい? 気をつけるんだよ」
 少年はゆずの頭を撫でると歩いていってしまった。ゆずもルイズの所に急ごうとした時、
「あら? これ何かしら?」
 その声に振り向くと、金髪縦ロールの少女が小瓶を手にした小瓶を首を傾げつつ眺め回していた。
「あ、それ……」
「あなたの? はい、もう落としちゃ駄目よ」
「……その、違うんです。さっきぶつかっちゃったあのお兄さんので……」
「ギーシュのなの? それじゃお姉さんが届けてあげるわ」
「う、ううん……、ギーシュお兄さんが落としちゃったのゆずがぶつかっちゃったせいだから、ゆずが届けます……」
「あら、偉いわね。それじゃあね、ユズちゃん」
 少女と別れ、ゆずはギーシュの方に歩いていく。
「なあギーシュ、お前今は誰と付き合っているんだ?」
「誰が恋人なんだ、ギーシュ?」
「付き合う? はは……、僕には特定の女性はいないよ。僕という薔薇とは多くの多くの女性を楽しませるために咲くのだから」
「……あ、あの、ギーシュお兄さん……、これ、落とし物なの……」
 ゆずは背伸びして小瓶がギーシュの視界に入るようにして声をかけたが、ギーシュは小瓶をちらりと見ただけで無視して会話を続けようとする。
「お? その香水はもしやモンモランシーの香水じゃないのか?」
 男子の1人が小瓶をひょいとゆずの手から取り去ってしまう。
「そうだ! その紫色はモンモランシーが自分のためだけに調合している香水だっ!」
「そいつをギーシュが落としたって事は、つまりお前は今モンモランシーと付き合っているんだな?」
「違う。いいかい? 彼女の名誉のために言っておくが――」
「ギーシュ様……、やはりミス・モンモランシーと……」
 ギーシュが何か言いかけた時、それを遮るように栗色の髪の少女が声をかけてきた。
 その少女は瞳から涙を溢れさせていた。
「ああ、誤解だよケティ。いいかい、僕の心に住んでいるのは君だけ――」
「だよ」と言いかけたところでギーシュの言葉はケティの平手打ちに遮られた。ケティはそのまま足早に立ち去ってしまう。
「ふう……、薔薇の存在の意味をあのレディー達は理解していないようだ。……待ちたまえ、そこの君」
「……え、えっと、な、何ですか?」
「君が軽率に香水の瓶を拾うからレディーの名誉が傷ついた。どうし――」
「てくれる」と言おうとしたギーシュの言葉は、今度は頭上から浴びせられたワインに遮られた。
「だ、誰だ……」
 振り返ると、そこには先程の金髪縦ロールの少女がいた。
「ギーシュ、その香水を拾ったのは私よ。ぶつかっただけなのに責任を感じてわざわざ届けに来たユズを責めるなんて、見下げはてた男ね。おまけに二股ですって?」
「モ、モンモランシー、違うんだ……。こ、これは、何というか……」
「ユズに文句があるなら私が聞くわよ。もっとも、2度と話なんかしたくないけど。……最低!!」
 ギーシュ、ゆず、周囲の見物人(ルイズ・秋巳含む)……、その全員が立ち去っていくモンモランシーを呆然と眺めていた。


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