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日本一の使い魔-06


「ケン!なにやってるの!?勝手に決闘の約束なんてして、平民のあんたが貴
族に勝てるわけないでしょ?前に貴族と平民の関係を教えたでしょ?聞いてな
かったの!?」
「聞いてたさ。だが、俺が勝てないなんて一言も聞いちゃいないがね。」
「あんただって平民でしょ!下手したら死んじゃうのよ!謝れば許して貰える
かも知れないから、謝っちゃいなさい!」
早川は指を立て横に振る。
「チッチッチッ、生憎と悪くもないのに下げる頭なんて持っちゃいませんが
ね。」
早川はそう言うと近くにいた生徒にヴェストリの広場がどこにあるのか尋ねる。

「もう知らないんだから、、、」


『風』と『火』の塔の間の中間にあるヴェストリの広場。そこには噂を聞きつ
けた生徒達で賑わっていた。学院という特性上あまり娯楽と言う物に乏しく、
退屈を持て余していた生徒達にとって今回の一件は暇つぶしには丁度良かった。
と言っても集まった生徒達の殆どが、ギーシュがどのように生意気な平民を痛
めつけるかを楽しみにしていた。

その殆どに当てはまらない生徒と言うのが、この二人で
「ねぇ、タバサ。止めなくていいのかしら?あなたが決闘なんて見に来ような
んて、よく思ったわよね?」
「興味がある、、、」
「空を飛んでいた、、、」
「まぁいざとなったら、私達が助けてあげましょ。何か、ケンって憎めない所
あるのよねー。中々いい男だし。」


ギーシュを始め生徒達は生意気な使い魔の到着を待ち構えていた。
そこにギターの音色が、
「大層なご登場だね、平民君。待ちかねたよ。やはり君は人を馬鹿にするのが
上手らしいね。」
そう言うとギーシュは薔薇の花に見立てた杖を振る。そこには、錬金で出来た
墓石が現れた。
その様子に早川は素直に関心する。
「ほぉー、魔法ってのは便利なもんだね。」
しかし、関心こそすれ恐れる様子は無い。ギーシュは更に
「君の墓石だが味気ないから、これを供えてあげるよ。」
と錬金によって薔薇を一輪作り出し墓石に置く。
ニヤリと笑う早川。
「大した彫金の腕だな。だが、見た所日本じゃ二番目。」
と2本指を立てる。日本と聞きなれないが、自分より上がいると言いたい事は
解ったギーシュは、
「じゃあ、一番は誰だ!?」
「ヒュー♪チッチッチッチッチ。」
口笛を吹き、立てた2本指を5回左右に振り、微笑みながら親指で自分を指す。
「君が?じゃあやってみるがいいさ。」
「そうかい?じゃあナイフはお持ちで?」
ギーシュは錬金でナイフを作ると早川に渡す。ナイフを受け取ると、墓石の前
に立ち、数回ナイフを振るう。
すると墓石には、薔薇の園に赤子を抱いた女性の絵が見事に彫られていた。
「こいつは薔薇の聖母子って絵なんですがね、薔薇は女性であって所詮男は子
供。おいたが過ぎると棘で怪我しますよって洒落ですよ。」
そう言うと、絵の出来に関心する声とギーシュを笑う声が起こりだす。

「それと、こいつはお近づきの印ですよ。」
とナイフを渡すが、ナイフの先にはハートの形に切り取った布が刺さっている。
早川がパチンと指を鳴らすと、ギーシュのズボンがずり落ちる。下着のお尻の
部分がハートの形に切り取られている。
周囲に爆笑の渦が起き、ギーシュは自分がどんな状態なのかに気付く。

「君は、よっぽど痛い目を見ないと判らないらしいね。」
かろうじて冷静さを保ったギーシュは、薔薇の花を振ると花びらが一枚舞い落
ちる。
「僕はメイジだ。よって魔法で戦う。文句はないよね?」
すると花びらは甲冑を着た女戦士の人形へと姿を変える。その様を見ても早川
は、
「アー、ハン。」
と肩をすくめ両手を広げる。
「僕は、ギーシュ・ド・グラモン。青銅のギーシュさ。君への制裁はこのワル
キューレが務めさせてもらうよ!」
ギーシュの声と共にワルキューレが猛然と殴りかかる。早川はサッと交わしな
がら持っていたギターでワルキューレの頭を殴る。バランスを崩したワルキ
ューレは派手な音を立て転げた。
自分の当てが外れたギーシュは更に薔薇の花を振ると、更に花びらが舞い、剣
や槍を持ったワルキューレが現れる。


一方、ここは学院の図書室。コルベールは一冊の本のとあるページを見て驚愕
した。そもそもコルベールは、早川の左手に現れた見慣れないルーンが気にな
り授業の合間をぬって、どのようなルーンかを調べていた。本当ならば、儀式
の日に見た空を飛ぶ乗り物を調べたいのだが、
「大変ですぞ!これは学院長に知らせなければ。」

トリステイン魔法学院の学院長室は本塔の最上階に位置し、そこには年齢は100歳とも
300歳とも言われる、オールド・オスマンが重厚なつくりの机に肘を突いて暇を持て余していた。
「オールド・オスマン。あなたのお仕事はどうされたんです?書類のサインも
学院長の仕事じゃありません事?」
オスマンが秘書の席を見ると、書類の束を整理しながらミス・ロングビルが渋
い顔をしている。
「そんな渋い顔をしたら、せっかくの美人が台無しじゃて。それにわしは考え
事をしておったのじゃ。」
オスマンは席を立つと、思いつめたように窓の外を眺める。
「おっ、今日は黒か。」
とニヤけると、低いトーンの声がする。
「考え事ってスカートの中の事ですか?」
「わ、わかった、わかったから離してやってくれんか。」
オスマンは顔を伏せ悲しそうな顔で呟く、そしてロングビルの机の下から、小
さなハツカネズミがふわふわと宙に浮き、オスマンの肩まで届けられた。
オスマンが席につくと羽で出来たペンが重厚な机に突き刺さる。
「次は当てますよ。」
「はい、、、」
威厳なんてまったく感じられない。


コンコン、とノックの音が響く。
「コルベールです。学院長に相談があって参りました。」
「入りなさい。」
学院長室に入ったコルベールは一冊の本を見せ用件を話し出す。
その本の開かれたページを見て、
「これが、どうしたのかね?こんな古い本など見せよって。」
「学院長、これと同じルーンがある生徒が召喚した使い魔に、、、」
オスマンはロングビルに退室を促すと
「して、ある生徒と使い魔とは?」
「生徒とはミス・ヴァリエールで、使い魔とは人間、平民です。」
「まさかの、ガンダールヴと同じじゃとのお」
沈黙が部屋を包むが、すぐにその沈黙はノックの音により破られる。
「どなたじゃな?」
「ロングビルです。ヴェストリの広場で決闘騒ぎが起きています。騒ぎを気に
する教師達からは『眠りの鐘』の使用許可を求める声が。」
「相手は誰じゃ?」
「ギーシュ・ド・グラモンとミス・ヴァリエールが呼び出した使い魔です。」
「放っておきなさい。子供の喧嘩に秘宝を使うとは。ちょっと見てみるとする
かの。」
そう言うと、マジックアイテム『遠見の鏡』を覗き込んだ。


覗き込んだ先には一体のゴーレムに羽交い絞めにされ、ボコボコにされている
使い魔がいた。それを止めようと主人であるルイズが涙を流し懇願している。
「ギーシュ!もう止めて!勝負は付いてるじゃないの!」
「そうかも知れないが、まだ君の使い魔から僕に対する侘びを聞いていないか
ら勝負は終わってないのさ。ゼロのルイズ。」

「ボコボコじゃのう。」
「ボコボコですね。」
「眠りの鐘、使うかのう。」
「学院長!ミス・ヴァリエールの使い魔が!」
そこにいるはずの使い魔がいない。
覗き見ている先でも早川がいない事に気付いている。

広場の隅からエンジン音が鳴り響き
「フライトスイッチ、オーーーーーン!!」
奇怪な乗り物が空を飛ぶと、遠見の鏡から音が。
ベン、ベベンベベン♪ベン、ベベンベベン♪
タタタタータタ♪タタタタータタッターン♪
遠見の鏡を覗き込むオスマンもコルベールもロングビルも状況が理解出来ない。
だが状況は刻々と進む。空を飛ぶ乗り物から赤に統一された上下のピタリとし
た服、黒いブーツ、奇妙な赤い兜を被った人間が飛び出すと、火の塔のてっぺ
んに着地し高らかに笑う。

「ハッハッハッハッハッ。」
「ズバッと参上!」遠見の鏡が左顔を映す。
「ズバッと解決!」右顔を映す。
「人呼んで、さすらいのヒーローーー!快傑ズバァァァーーット!!」
遠見の鏡が正面を捉えアップを映し前後にシェイクすると音楽が流れ出す。
もはや3人共理解不能だが、3人ともツッコんではいけないような気がした。

「タァーッ!」
掛け声と共に飛び立ちワルキューレの中心に着地すると手にしている鞭を数回振る
う。7体のワルキューレはなます切りになり崩れ落ちる。

ズバットは呆然とするギーシュに向かい怒鳴る。
「己の欲望の赴くまま2人の女性を弄び、あまつさえその罪を善良なメイドに擦り付けるとは
言語道断!」
ギーシュは口をパクパクさせている。むしろ、この場にいる全員。学院長室の
3人とも現実について来れない。
ズバットは一片の容赦なくギーシュを殴り、蹴り、鞭で首を絞め投げ飛ばす。
投げ飛ばされズバットから離れる事が出来たギーシュは降参しようとする。
「ま、ま、まいっ」
「うるさい!」
問答無用にズバットは鞭でひっぱたくと空中高く飛び上がる。
「ズバァァーット・アタァーーーーーック!」
雄叫びを上げ高速ひねり前宙をしギーシュの顔面を蹴り飛ばす。
かなたに消えて行くギーシュ。
慌てて、生徒達がギーシュの元に駆け寄ると、
吹っ飛んだギーシュの胸には『Z』の文字をモチーフにした赤いマーク、
そして日本語で『この者、恐喝破廉恥犯人!』と書かれたカードが置かれていた。
生徒達が見回しても辺りにズバットの姿は無かった。


遠見の鏡からは
「ちびっ子の皆さん。ズバットの真似は絶対にしないで下さい。マネをするととても危険です」
と男の声が流れたのは言うまでも無い。


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