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ゼロの黒魔道士-16


「ルイズおね~ちゃ~ん?……やっぱりダメかぁ……デルフ、いつものやるよ」
帽子をきゅっとかぶりなおす デルフはルイズおねえちゃんの傍に立て掛ける
「あーちきしょー!娘っ子、頼むからそろそろ自分で起きてくれよぉぉ!!」
朝日がちょっとずつ高くなる 今日もいい天気になりそうだなぁ
「まばゆき光彩を刃となして
         地を引き裂かん! サンダー!」
ビシャァァァァンッ
「キャァァッ!?」
「あ、起きた!ルイズおねぇちゃん、おはよう!」
「――ビビ~!?もうちょっと大人しい起こし方にしなさいよ!毎度毎度、流石に心臓に悪いわ!」
「そーだぞー!いくら吸い取れるっつったてしびれるもんはしびれんだからなー!!」
ここ最近の日課、ルイズおねえちゃんをサンダー(の音)で起こすこと
「……ん~、ルイズおねえちゃんが声かけて起きてくれるんならいいんだけど……」
「加減ってもんがあんでしょ!?もうちょっとこー…大人しい音とか無いの?」
使い魔ってホント色々やらなきゃいけないんだ
「う~ん……じゃぁ、次からは『ブリザド』とか……?」
「凍えるでしょっ!?冬眠したくないわよっ!!」
……ホント、大変だなぁ……


―ゼロの黒魔道士―
~第十六幕~ 日常と非日常


「ルイズおねえちゃん、宿題は?」
「誰に聞いてるのよ!もちろんバッチリよ!!」
ルイズおねえちゃんの朝食が終わるのを、
フレイムや他の使い魔たちと待って
(シルフィードはいたりいなかったりするんだ、タバサおねえちゃんとお仕事らしいんだけど……?)
それから一緒に授業に向かう
こっちの魔法は、ガイアの黒魔法や白魔法や赤魔法とは(そしてもちろん青魔法とも)全然違うんだ
(貴族の人が、モンスターを食べたらどうなるか分からないけど……)
ハルケギニアの魔法は属性特化、だから、おもしろい応用方法がいっぱいある
土の魔法で建物を建てたり、火の魔法で鍛冶をしたり(合成屋さんの仕事ってわけじゃないみたい)、
風の魔法で情報のやりとりもできるし、水の魔法がガイアの白魔法に相当するみたいなんだ(ポーションも使うから、薬剤師の心得もあるのかもしれないなぁ)
そんな風に、全然違う魔法の授業は、毎日毎日おもしろくて、ずっと聞いてても飽きない……
でも、学生さんたちはみんな眠そう……みんな夜更かしとかしちゃってるのかなぁ……?
ルイズおねえちゃんは、夜更かしして予習復習をしたりするけど、授業中はしっかり起きてるからえらいなぁって思うんだ
(だけど朝は寝坊することが多い……うーん、朝起きて勉強するわけにはいかないのかなぁ……?)

フーケの事件以降、特に大きな問題も無かった
ただ、ちょっとだけ色々変化があったみたいなんだ……

まずは、ルイズおねえちゃんを見る目
「あの『ゼロ』が」とか、「ツェルプストーや青い子の功績でしょ、どうせ」とか、
「使い魔に劣ってる主」とか、そういったちっちゃな文句はときどき聞くけど(……不愉快だよね、こういうの……)
学生さんたちが、みんなに聞こえるようにとか、ルイズおねえちゃんに直接向かってとか、とにかくそういう風にバカにすることは無くなったんだ
これはとっても良いことだと思う
……ただ、「使い魔に劣ってる」ってどうかなぁ……?
ルイズおねえちゃん、ボクよりもずっとずっとがんばり屋さんだし(あんなに毎日沢山の本を読んで、色々書くってできないと思うんだ)
ずっとずっと負けず嫌いだし(これって、がんばるためには必要なことだと思うんだ……あるていど、だけどね)
ずっとずっとやさしいよ?(といっても、ルイズおねえちゃんは素直じゃないから、これはみんなに分かってもらえないかもしれない……もったいないなぁ)
……あと、身長とか……まぁ、ボクは小さいままで十分だから、これはいいかな?

それと、キュルケおねえちゃんとタバサおねえちゃんとの仲
フーケの事件の前の前の日ぐらいからボクの話を聞いてたりしたから(今、ジタンたちとの冒険の物語は『クレイラの幹』ぐらいまで進んでる)
ちょっとずつお友達になっていってるなぁと思ってたけど、
最近は教室で出あう度に……
「やっほ~!ビビちゃんおはよ~!ついでにルイズも~!」
「ついでって何よ!ついでって!!」
「朝から元気」
「あ、キュルケおねえちゃん、タバサおねえちゃん、おはよう!」
……こうやってどんどん仲よくなってるんだ……
キュルケおねえちゃんも、ルイズおねえちゃんぐらい素直じゃないから、「仲良しです!」とかは言わないとは思うんだけどね……
ちょっと、子供っぽいなぁと思う、二人とも……

あと、一番分かりやすかった変化、それは……
「はいはいはい!それでは授業をはじm……はいみなさん!授業中は帽子をぬぐ!!」
……なんでか分からないけど、「とんがり帽子」が学院で流行しちゃったみたいなんだ……
「ビビちゃん、決闘といいフーケの事件といい、渦中の人だからね~!」
ってキュルケおねえちゃんが言ってたり、
「『とんがり帽子をかぶれば魔法の力があがる』という思い込み」
ってタバサおねえちゃんが言ってたり、
「バッカみたい!散々人の使い魔バカにしといて今更、マネ?フフーンだ!」
ってルイズおねえちゃんが言ってたりするけど……うーん……?
「つまりよ、相棒、みんなおめぇさんにあやかりてぇのよ!単純な坊ちゃん嬢ちゃんだぜっ!」
……デルフのが一番分かりやすい気がする
でもボクのとんがり帽子、そんなに特別な物じゃないし、
貴族の人たちって、同じとんがり帽子でも、素材とかが高級そうで……
なんか、ボクのとんがり帽子がちょっとくすんで見えちゃう気がする……
うーん……まぁ、いいのかなぁ……?装備は値段じゃない……よね?多分……


「それでは、はじめようか!」
「よろしくお願いしますっ!」
……ボクの生活もちょっと変わったんだ

「そこっ!」ガシャガシャッ
2体の鎧がが左右からボクを襲う
「わたたっ!まだまだっ!」ガキンッ
ギリギリまで引きつけてからバックステップでそれを避ける
「後ろが甘いよっ!」ガシャジャキッ
後ろからもう1体の鎧がつめてきているけど、これは予想している動き
「ブツブツ……ファイア!」ボゥッ

……ギーシュと、『特訓』してるんだ、放課後に

『ガンダールヴ』のおかげで、武器を握ったりすると、体がよく動くし、単純な力もあがってる
ボクの場合、元々後ろからの援護が基本だったから、前で戦うことができる『ガンダールヴ』の力はうれしいんだ
これなら、ルイズおねえちゃんを守ったりする使い魔の仕事っていうのが、もっと安全確実なものになるから

でも……『ガンダールヴ』の力を使うと、「冷静な戦いができない」っていう問題点があるんだ
特に、魔法を使った対処や、後ろに一歩ひいたりして戦うやり方をうまくできなくなっちゃう
「戦場では、落ち着きが無い者が真っ先に散るのである!!冷静沈着!これこそが戦いの極意である!!」
ってスタイナーおじちゃんが言っていた(でも「一番落ち着き無いの、オッサンだろ?」ってジタンがつっこんでたなぁ……)

……もっともっと強くなりたい、何よりも、ルイズおねえちゃんに危ない目に合わせたくない、だから……

「ブリザド!!」ヒュォォォカキィンッ
「ちべてっ!?あ、相棒ぉぉぉ~、もう今日はこの辺にしとこうぜぇぇ~!!」
「どうする?ビビ君?」
「え?ん~……ボクはまだまだ大丈夫だけど……」
「ハハ!同じく!というわけで、続行だ!今日こそ君に一発お見舞いしないとね!」
「あ、相棒ぉぉぉ~!」

……ギーシュにお願いして、一緒に『特訓』することにしたんだ
ギーシュは、決闘の後ちょっと友達が減ってて、暇になっちゃったみたいで、
(恋人さんには必死に謝って許してもらったみたい……でも、次の日にはまたほっぺた真赤にしてたけどなぁ?)
折角だし自分ももっと鎧を上手く動かせるようになりたいっていうことで、喜んでやってくれてるみたい
……特訓内容はギーシュの作った剣を持って、デルフをギーシュの鎧に持ってもらう
ボクの目標は、「ギーシュの攻撃をかいくぐりつつ、デルフに魔法を打ち込む」っていうこと
……これで、魔法の使い方を考えながら、近い距離の敵とも戦うことができる、と思ったんだ……

「ウォータ!」ジャパッ
「ぐぼぉっ!?」
「サンダー!!」ビシャァァンッ
「びぇっ!?」
「ファイア!!!」ボォォッ
「ぐはぁっ!?もう勘弁して~!!」
……ちなみに、なんでデルフを狙うかっていうと、
これならデルフが魔法を吸収するから、鎧へのダメージは少なくて済む、つまり、『特訓』を長時間やっても平気、だからなんだ
「『平気』じゃねぇよっ!!ちきしょぉっ!もっと大事に扱ってくれや、相棒っ!!特訓とぁいえよぉ!?」
「ふむ、そろそろ夕飯の時間だし、今日はこのぐらいにしようか?」
「ん?あ、ホントだ……じゃ今日はこの辺d」ガシャンッ「うわぁっ!?」ドテッ
「油断大敵!足元がお留守だよ、ビビ君!」
……足払いかけられちゃった……うーん、ボクもまだまだだなぁ……
「戦場では卑怯な技も存在するからね!用心することさ!それじゃ、また明日!」
ギーシュはトリステインでは有名な軍人さんの家の子だから、戦法には詳しいみたい
だから、ドットメイジっていう、ハルケギニアではレベルが低い方の魔法使いでも、結構強い
……うーん、でも今のはちょっと卑怯すぎる気もするなぁ……
「うん、また明日ね……えいっ!」カクンッ
「うぉ!?ひ、膝カックンとはまた古い手を――今日のところは痛み分けかな?明日は絶対勝たせてもらうよ!」
「ボクも、負けないから!」
こういうのを、『ライバル』って言うのかな?うん、なんかいい響きだと思う


「……こうして、お姫様と盗賊と男の子は、『老人の亡霊が出る渓谷』、ピナックルロックスにたどりつきました」
晩は、ルイズおねえちゃんの洗濯物を畳んでるぐらいの時間に、
キュルケおねえちゃんとタバサおねえちゃんがやってきて、ボクと仲間の冒険話をするんだ
3人とも、とっても熱心に聞いてくれる
「亡霊?いやん、怖~い!ビビちゃん、どうなっちゃうの?」
「ん~…今日はキリが良いから、この辺までかな?おねえちゃんたち、明日も授業あるしね」
空には月灯り、雲から覗く赤と青の光が心地いい
「あら、もうこんな時間?はいはい!それじゃ、あんた達は撤収~!」
「ブー、ビビちゃんを独り占めずる~い!――あら?タバサ?どうしたの?」
「……なんでもない」
……?タバサおねえちゃん、どうかしたのかなぁ?『亡霊』って言葉にピクッてした気もしたけど……?
「顔色悪いわよ?あ、分かった、ビビちゃんたちのスリル満点の冒険譚に酔いしれちゃったってわけね!あぁ、私もどっかの盗賊に誘拐されないかしら!」
「ちょっとー、昨日の今日でよくそんなこと言えるわね!私はもう盗賊なんてゴメンよ!」
「あらー?いいじゃないの!かっこいい人に身分の差なんて無いわ!ねぇ、タバサ?」
「……否定はしない」
「あ、顔が赤くなった、いやん、タバサかわい~♪」
……え?顔、赤くなったの?……全然分からないや……
「はいはい!そーこーまーで!もう私たち、寝るからねー!帰れ帰れー!」
「ブー、ケチー!ルイズ、そんなんだから胸も成長しないのよ?もっとおおらかにならないと!」
「言ってなさいバカ!!脳みそで何か考えないから胸にばっか栄養行くのよ!この乳だけー!」
……こんな感じで、ホントにキュルケおねえちゃんたちが自分たちの部屋に帰るのはもうちょっと時間がかかる
だから、この間に残りの洗濯物を畳むんだ
「嬢ちゃんたち元気だなぁ~!いやしかしよ、そのベアトリクスって騎士はすっげー強そうだな?」
「あ、うん。実際、3回戦ったけど3回とも負けちゃったし……4人がかりで……」
……最後には味方になってくれたけど……ホント強かったなぁ……
「ゲ、そいつぁすげー!女騎士かー、それもアリだったk、あいやいや!今は相棒が一番だぜ?うん!」
「……デルフ、ゴメンね?ボクで……」
……ちょっと、悲しくなる……
「つれねぇこと言うなや!!相棒は今やお前さんなんだって!!安心しろい!俺様が認めてやっからよ!」
「うーん……うん、まぁ、今日のところはいいかなぁ……」
「なんでぇ、そりゃ!」
……デルフにも認められるぐらい、強くなりたいなぁと思うんだ……


「よいしょっと……」
……真夜中、ボクが寝たと思っているルイズおねえちゃんが机に向かう
「……よし!」
おっきな本を取り出して、羽ペンを忙しく動かし始める……
ルイズおねえちゃん、ホントがんばり屋さんだと思う
……でも、別にボクが寝た後がんばらなくてもいいのになぁって思うんだ……素直じゃないなぁ……

……ボクの1日はこうやってすぎていく……
明日も、いい日でありますように……
ルイズおねえちゃん、おやすみなさい、明日も、ボク、がんばるから……


ピコン
ATE ―欲望の足音―

牢獄の夜は静かにすぎていく
聞こえてくるのは囚人共の寝息と、どこからか滴り落ちる水の音のみ
「っはぁ~、とっとと逃げたいけど『固定化』がギッチリかかってやがるしねぇ~……」
元ロングビルことフーケは、独房の中独りつぶやいた
最も杖も無いので固定化があろうと無かろうと意味は無いのだが
「っはぁ~……どうしたもんかねぇ?」
本日も溜息の数だけ幸せが逃げていく
捕まることはある程度覚悟していたとはいえ、
いざ捕まってみると村に残してきた子供たちのこと、特に1人の少女のことが気にかかる

「郷愁の念かね、フーケよ」
「っ……誰だい、あんた?看守ってワケじゃなさそうだけど」
気付かぬ間に男が1人、独房の前に
顔を全て覆う仮面が牢獄の幽かな光に浮かびあがり、亡霊を想わせる
臭う、こいつは臭うとフーケは確信する
趣味半分とはいえ、裏社会で食っていた身、危険な臭いを嗅ぎわける鼻はもっているつもりだ
「仕事をもってきてやった。協力するなら出してやるが?」
「へっ、おあいにくさま、あたしゃ休業中、これでもバカンスの最中でね、他をあたっておくれよ」
ワザワザ牢獄を訪ねてまで仕事の依頼、ますますもって何かがある
危険な橋はなるべく渡らない。渡った挙句が今の醜態だ。過ちは2度も3度も犯したくない
「君に頼みたいのだよ、フーケ……いや、マチルダ・オブ・サウスゴータ」
「!!!」
ハッと息を飲む
こいつは、仮面をかぶったこいつは私の仮面の中身を知っている、どこまで?
いや、疑う時は全てを、がこの世界の原則だ。全てを知られている可能性すらある
「……懐かしき故郷のために働かんかね?」
「ハッ!!私の名前を知ってんなら、王族のために私が働くかどうかだってご存じだろ?願い下げだね!」
故郷、それは大事な物を残してきた場所であると同時に、全てを失った場所でもある
「安心したまえ、我々は王族に反抗する者だよ。我々とともに、愚王の散る様を見たくないかい?」
「ふん、どこまで信用できるものだか――」
そこまで言ったところで、もう1人の男が近づいてくるのに気づいた
「ほほう!彼女が“土くれ”かい?いや、バラのように可憐な貴女にその名は相応しくないようだ!」
銀髪の露出の多い服を着こなした男がやたら芝居がかった口調で大きな声を出す
看守に気付かれはしまいかと他人事ながら気にかかる
「――…クジャ、もう看守は片づけたのか?」
「もう既に麗しき夢の中さ!後は籠から小鳥を逃がすだけ……」
「……あんた達、何者だい?」
おかしい、盗賊1人を雇うにしては大がかりすぎる、
こいつらは何を企んでいるのか?盗賊の頭脳が素早く回る
「おやおや、それを知ったら、もう僕達に協力するしか無いよ?籠から逃げて、また籠に入る気かい?」
妖しいまでに美しい微笑をたたえて銀髪の男が問う
仮面の男には無い迫力がこの男にはある、こいつはいくつかの修羅場を超えてきていると直感が告げる
「クジャ、貴様いい加減に――」
「結構じゃないさ!黙って飼われる気はサラサラ無いけどね!協力っての?させてもらおうじゃないか!」
もう覚悟は決めた。どうせこのまま牢にいたところで明日は死刑とも知れぬ身
別の籠?上等である、その籠ごと後で噛み砕いてやってもいい
「ほう……良かろう、歓迎しよう、マチルダ……」
仮面の奥で男が口端をゆがませるのが分かる、全く食えない男共だ
「それで?私の飼い主にも名前はあるんだろ?」
「聞きたいかい、小鳥君!ならば教えてあげよう、その名は――」
「――『レコン・キスタ』。我らの理想へようこそ、マチルダ」

牢獄の夜は何事も無かったように静かに過ぎていく




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