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ゼロの黒魔道士-12


「な、なんなのよコレっ!?」
ズゥーン、ズゥーンと大きな音が響き渡る……
「ゴーレム!?でも大きすぎじゃないっ!?」
二つの月を覆い隠す大きな影……
「お、おでれーた!?なんなんでぇこいつぁ!?」
そいつは校舎の壁を叩きつけ……
「おそらく、“土くれ”」
こっちを睨みつけた……え?こっちを?
「う、うわぁぁっ!?」
ボクらのこと、バレてるっ!?




―ゼロの黒魔道士―
~第十二幕~ 追い立てる思い




急いでその場を逃げたんだ……
ゴーレムの上に乗ってた人(影しか見えなかったけど…)はゴーレムを伝って壊した壁の中に入っていった……
「“土くれ”って――今日街で聞いた盗賊の?ちょっとぉ、こんな大きなゴーレムなんて聞いてないわよぉ!」
「“土くれ”のフーケ、壁を土くれに変え、ときには巨大なゴーレムで襲うことで有名」
「おでれーた!とんだ盗賊がいやがったもんだなぁ!あんなゴーレムそうそうお目にかかれねぇぜ!こいつぁおでれーた!」
息も切れ切れになりながら、ゴーレムから見えなくなる死角の壁までたどりついたんだ……



「な、何よっ!“土くれ”!?た、たかが盗賊じゃないのよっ!!」
ルイズおねえちゃんが突然立ち上がり、来た道を戻ろうとしたんだ……
「る、ルイズおねえちゃん!危ないよっ!」
マントの裾をつかんで止めようとする……
ズルズルとそのまま引きずられちゃった……
「ルイズ!あんたじゃ何もできないでしょ!!」
「危険」
「娘っ子ぉ、ここぁ大人しくしときな!」
「うぅ~!目の前にいるのに~!!」
「だ、だから危ないんだと思うんだけど……」
……ルイズおねえちゃんを止めるので精いっぱいで、
……ボクたちは、ゴーレムを、“土くれ”のフーケを見送ってしまったんだ……



……確かに、倒せたのかもしれない、でも……
……ルイズおねえちゃんを危険な目に合わせるわけには……いかないよね?





「――…ふむ、つまり、そのまま逃してしまった、と」
翌朝、ボクたちは学院長室に目撃者として呼ばれたんだ……
……やっぱり昨日のゴーレムは、“土くれのフーケ”だったんだ……
壁にしっかりと、「『破壊の肉球』、確かに領収いたしました  土くれのフーケ」って書いてあったんだって……
わざわざそんなこと書くなんて、ジタンみたいな盗賊だなぁ……



「はい、申し訳ございません、取り逃してしまって……」
ルイズおねえちゃんが、悔しそうに、拳をにぎりしめて言う……
「いやいや、仕方あるまい、おぬしらに怪我が無くて何よりじゃよ」
オスマン先生が髭をしごきながら言う……
う~ん、オスマン先生って、マジメなときは偉そうでかっこいいんだなぁ……



「大体、宿直の教師は誰だったのかねっ!!職務怠慢では!?」
「だ、誰だってサボってたりしてましたでしょっ!?ご自分の勤務態度はどうでしたの!」
……何人かの先生たちが言い争いをはじめる……
……それを見て、ルイズおねえちゃんがよりいっそう拳をかたく握りしめる……
……うーん、たしかに、これって『みにくいあらそい』って感じだけど……



「喝っ!!」
オスマン先生の声が、ビリビリ響く……思わず、帽子をギュッとつかんじゃったんだ……
「教師の怠慢については我々全員が責任を感じ折り入って恥じるべきじゃろう!が、しかし、今はそれを議論する場では無いっ!!」
……オスマン先生、すごいなぁ……空気が一気にひきしまる……
なんかこう……気をつけの姿勢のまま石化しちゃうような感じ……



「しかし、こんなときにミス・ロングビルはどこへいったんじゃ!彼女の尻でもなでんと考えがまとまらんわいっ!!」
……うーん……やっぱり、オスマン先生って『ダメな大人』なのかなぁ……?
「あら、皆様お揃いで」
「おうおう!ミス・ロングビル!『噂をすれば尻』じゃな!あ、やめて、こめかみは地味に痛いからやめてやめてやめてぇぇ……」
……ロングビルおねえさんは、にっこり笑って、羽ペンの先の方でオスマン先生のこめかみをツンツンつついたんだ……
うぅ……あれはけっこう痛そうだなぁ……



「――…コホン、ミス・ロングビル、この非常時に一体どちらへ?」
コルベール先生が話を戻したんだ
……その一言で、その場の空気がまた元の会議っぽいものに戻ったんだ……
「えぇ、朝から急ぎ、調査を」
「ほぅ、調査とな?」
「えぇ。朝からフーケの噂を聞きまして、急ぎフーケの逃げ去ったとおぼしき方面へ調査を……」
「そ、それで、どうだったんですか!?」
……コルベール先生って、興奮すると汗でさらに眩しくなるんだなぁ……



「付近の農民数人に訊きこんだところ、村外れの森にある廃屋に入っていった黒ローブの男を見た、とのことです。恐らくその者フーケであり、その廃屋はフーケが隠れ家として使っている所ではないかと」
「なんと!その廃屋はどこに!?」
「ここからですと、徒歩で半日、馬なら4時間ほどといった場所です」
……すごいなぁ、そんなことまで分かっちゃうんだ……
でも、フーケ、バレバレだよね?……ジタンだったら「プロじゃないなぁ」とか言うのかなぁ?



「な、ならば早急に王室に報告しましょう!王室衛士隊に今回の事を依頼し、兵隊を差し向けてもらわなければ!」
「喝っっ!!浮足立っておるぞ、ミスタ・ゴールドヘルム!」
「……あの、私、コルベールですが……」
……オスマン先生って、空気を引き締めたいのかなぁ?それとも、思いっきりダラけさせたいのかなぁ…?全然分かんないや……
「ともかく、じゃ!そんなことをしている間にフーケはもっと遠くに逃げよるわ!第一、自分達を襲う火の粉を自分達で満足に払えんで貴族も何もあるものか!」
「――…お言葉は立派ですが、人のお尻を触りながら言うのはやめていただけます?」
「あたたたたたた、眉間はやめて、眉間もやめて!?目に入りそうですっごく怖い!?」
……オスマン先生って、ホント何がしたいのかなぁ……?



「お、オホン!!!しかるに!魔法学院で起こった問題は我々だけで解決せねばならん!!そこでじゃ、フーケの捜索隊を編成する事にする!我こそはと思うものは杖を掲げよ!」
……ちょっとダラけた空気が引き締まる……
でも、さっきとは違う、どこか冷めきった引き締まり方だったんだ……



「これ、誰も杖を掲げんのか?名を上げる良い機会じゃぞ?」
……さっきまで 『みにくいあらそい』してた先生達も顔を下げっぱなしだ……うーん、確かに、あのゴーレムは怖いもんね……



「み、ミス・ヴァリエール!?」
「え?る、ルイズおねえちゃんっ!?」
……いつの間にか、ルイズおねえちゃんの杖が、天井の高いところまでしっかりと指し示すように上げられてたんだ……
「ミス・ヴァリエール、あなたは生徒ではありませんか!昨日の事態を目撃したなら、どれほど危険なことかお分かりでは!?」
「誰も、杖を上げないではないですか!!!」
……ルイズおねえちゃんの拳がプルプル震える……
ルイズおねえちゃん、悔しいのかなぁ、昨日のことが……?
「み、ミス・ツェルプストーまで!?」
キュルケおねえちゃんと……その影に隠れてタバサおねえちゃんも杖をしっかり上げていた……
「ルイズにだけ、いい格好はさせたくありませんもの!」
「心配」
……ルイズおねえちゃん、良かったね!
こんなに強い友達……ううん、違うね!「仲間」ができたんだ!



「ほほほ、気概があるのは生徒ばかり、か!まぁ情けなくもあり頼もしくもあり!!よかろう!諸君らにフーケのことは一任しよう!!」
「そんなオールド・オスマン!生徒達だけに任せるなどと!?」
「なんじゃい、ミスタ・ガトー!ならばお主が行くか?」
「わ、私はギトーで……いえ、何でもありません……」



「それに、じゃ!ミス・タバサは若くしてシュヴァリエの称号を持つ騎士と聞いておる!」
……水をかけられたように部屋の中の空気がざわめく……シュバリエって何だろ?
「本当なの?タバサ?」
「……ルイズおねえちゃん、シュバリエって……?」
「は!?  あ、そっか、あんた知らなかったのよね……シュバリエっていうのは、純粋に個人がなした偉業に対して王室から与えられる称号よ!」
「つまり……タバサおねえちゃんってすごいってこと?」
「そりゃもう!……タバサって普段無口だけど、あの若さでシュバリエなんだ……」
「も~!タバサ、つれないじゃな~い!親友の私に教えないなんて~!」
「聞かれなかった」
……騎士って聞いて、『プルート隊』のことを思い出したんだけど……このざわめき方だと、きっともっとすごいんだろうなぁ……



「それに、ミス・ツェルプストーはゲルマニアの優秀な軍人を多く輩出した家系の出で彼女自身が出す炎魔法も強力と聞いておる!!」
……キュルケおねえちゃんが胸をはってオスマン先生の紹介に答える
……軍人さんの家か……きっと、鎧とかがいっぱいあるんだろうなぁ……



「そして、ミス・ヴァリエールじゃが……」
ルイズおねえちゃんが今か今かと構えている……
「えー、そのー、なんじゃ、数々の優秀なメイジを輩出したヴァリエール公爵家の息女であり、えー、将来有望なメイジと聞いておる!!」
……ルイズおねえちゃんが、ホントに「ガクッ」て音がしそうなぐらい肩を落としたんだ……
……また拳がプルプルふるえてる……うーん、なんとかしてあげたいなぁ……
「そ、それに、その使い魔であるビビ君は、異国のメイジとして、祖国を救った英雄の一人と聞いておる!!」
「え?ぼ、ボク!?」
……突然の紹介に驚いて、辺りを見回すと、先生達がこっちを見てる……うぅ、恥ずかしいなぁ……
「そうですぞ!それにビビ君はガンd」
「ゲホゴホウォッフォン!!あぁ、風邪でもひいたかの!うん!」
……?オスマン先生、さっきまであんなに元気だったのになぁ……?



「……さて!ともかく、諸君らに全てを任せる!ミス・ロングビル、すまんが、道中の案内と監督を頼めるかの?」
「えぇ、もとよりそのつもりでしたわ」
「うむ、では、魔法学院は諸君らの努力と貴族の義務に期待する!!」
「「「杖にかけて!!!」」」
「え?え?えと……あの……で、デルフにかけて!?」
……何となく、合わせないとダメなのかなって思っちゃったんだ……





「はぁ~いい天気ね~!このままピクニックでも行っちゃいたいぐらいだわ~!」
「キュルケ!気をぬきすぎよ!!私たちは魔法学院の期待を背負ってるんだからね!!そ・れ・と!!ビビに勝手に抱きつかないでっ!!」
「え~、いいじゃな~い!まだ道のりは長そうなんだし~!」
……ボクたちは、天気のいい中、フーケがいるっていう森を目指して馬車の中にいたんだ……
タバサおねえちゃんは読書、ルイズおねえちゃんとキュルケおねえちゃんはいつもの喧嘩……それで……
「ミス・ロングビル!何もあなたが御者をしなくてもよろしいですのに~」
「いえ、私は貴族の名を失ったものですから……」
……ロングビルおねえさんが御者さんをやっていたんだ
……「貴族の名を失う」って言うときのロングビルおねえさん……なんか、悲しそう……?



「あら、その辺りのことを詳しく聞きたいですわ!」
「ちょ、キュルケ!やめなさいよ!人にはね、言いたくないこととかあるものなの!!貴族なんだから、慎みをもちなさい!!」
「え~、だって退屈じゃな~い!じゃビビちゃんといちゃつく~♪」
「あぁっ!こらーっ!!いい加減にしなさーいっ!!」
「娘っ子たち、元気だなぁ~……」
「う、うん……元気だね……」
デルフは最初から鞘から出しておいたから今もしゃべってる(戦闘になったときに鞘から出せないって危険だもんね……)
……そんな春のあったかい日差しの中、あのおっきなゴーレムと戦わなくちゃいけないかもしれないって中を、
ボクたちはピクニック気分で馬車に揺れていったんだ……



「――こんなこっていいのかねぇ、相棒?」
「な、なんとかなると思うよ?……多分……」




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