あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

SnakeTales Z 蛇の使い魔-23


ボーウッドがふらふらと帰った後、
クロムウェルはその後姿を見つめながら感情の無い声で背後に話しかけた。

「君は竜騎兵隊の隊長として『レキシントン』に乗りたまえ。」

すると後ろから人の気配が。
シェフィールドが振り向く。
苦笑いを浮かべてふらりと現れたのはワルドであった。

いつの間に―全く気配を感じさせなかった。

「気づかれていましたか。」
「気をつけたまえ。いろいろ嗅ぎまわっていると、いくら余でもフォローできん場合がある。妙な行動は慎むことだ。」
「気をつけます。」

そこでようやくワルドに向き直るクロムウェル。

「ところで、先ほどのは『目付け役』ととってよろしいのでしょうか?」

首を横に振るクロムウェル。

「彼は裏切るまい。そんな大きなことが出来る人間の器ではないだろう。
 君に同行させるのは単純に戦力になると考えたからだ。」

このやり取り、シェフィールドに奇妙な違和感を感じさせる。
それが何かはわからない。
しいて言えば、出来の良い芝居を観ているような……心の片隅でそんなことを感じる。

だが、この男は私に隠し事の出来る玉じゃない。
それは彼女が一番良く知っていた。

それがなおさら気持ち悪さを増大させる。

「不安かね?自分が乗りこなせないかもしれない幻獣がいることが。」
「まさか。ハルケギニアで私に乗りこなせない幻獣など存在しません。」

不敵な笑みを浮かべるワルド。
相当な自信があるのだろう。
だろうな、といってクロムウェルはにやりと笑った。
そこでふと、思い出したようにワルドにたずねる。

「君は、なぜ余に付き従う?この前の功績に対する報酬も要求せずに。」
「私の忠誠心をお疑いになるのですか?」
「そのような意味ではない。ただの好奇心からだ。」

少々間をおいてワルドは答えた。

「……私が求めるものは聖地にあると考えておりますゆえ。
 他に求めるものがないのですよ。」
「ほう?信仰かね。」

ククク、とのどを鳴らして笑うワルド。

「いいえ。野望ですよ。」


「……まったく、はめられたよ。こんなにかかるとは思っていなかった。」
「お前ならやってくれると思ってたから嵌めたんだがな。しかし、今は反省してる。正直俺も疲れた。」

木々がうっそうと生い茂る森の中。
そこに6人の人影が額を寄せている。
ルイズ、スネーク、キュルケ、タバサ、ギーシュ、シエスタという宝探しのメンバーだ。

宝探しはこれで6件目。皆にも疲れの表情が見え始めている。
それなのにもかかわらず、今度の宝の在り処はオーク鬼の巣穴となっているらしい。
身体も大きく、力の強い強敵だ。
疲弊しているこの部隊では倒すのは一苦労。

そういうわけで現在、作戦会議中なのだが……。

「ジジイに好かれても嬉しくないね。好かれた結果がこれだよ。」
「ジジイって言うな。チョイ悪ナイスミドルと言え。」

余裕の雑談である。

「そこ、おしゃべりしない。」

ルイズにピシッと杖で頭をたたかれるスネークとギーシュ。
素直に従う二人。逆らえば何をさせられるかわかったもんじゃない。
ルイズが作戦会議を再開する。

「で、今回の場所は洞窟。正直地の利は相手にあるわね。」
「入り口守ればいいわけだしね。」

相槌を打つキュルケ。

「そう。宝を手に入れるという目的がある以上ハデに暴れるってわけにはいかないわね。
 ただ、入り口を見る限り、そんなに狭い洞窟じゃなさそう。」
「入り口をふさいで兵糧攻めなんてどうだい?」
「時間かかりすぎ。それにオーク鬼の馬鹿力なら入口の障害くらい何とかしそうじゃない?」

ここまで聞いていて内心スネークは驚いていた。
ルイズが思った以上に優秀な指揮官振りを発揮している。
もっと本格的に学べば良い軍師になるかもしれない。

「強行突破。」
「あいつらとまともに相手したい?」

無論、遠慮願いたい。
そして全員が期待のまなざしでスネークを見る。
こっちみんな。

「なんか言いなさいよ。」
「……煙草吸っていいか?」

ルイズ以外があきれる。
この状況でよくもそんなことがいえたものだ。

「煙……。」
「どうしたんだい、ルイズ?」

ギーシュがたずねる。ルイズはというとなにやら考えている。何かひらめいたのだろうか?

「OK。それで行きましょう、スネーク。」


―洞窟 入口―

ここは洞窟付近の茂みの中。
そこからソーコムのスライド下部に装備されているLAM(レーザー・エイミング・モジュール)のフラッシュライトを二度点滅させる。
その光の先でも二度光が点滅した―作戦開始の合図だ。

先ほどの光の位置から黒煙が上がり、タバサの作り出した風に乗って洞窟内部に入り込む。
この煙でオークをいぶりだそうという作戦だ。

しばらくすると煙が洞窟からあふれ出し、一緒になってオークたちが鼻や口を押さえて転がり出てくる。
ここまでは作戦通り。

オークは本に書いてあった通りの容姿だった。不細工で身長は2メイル超、二本足で歩く豚。
鼻は良く利くようだが、あの煙幕でしばらく鼻は利かないだろう。
つまり、こっちの居場所はばれない。

茂みから思い切って飛び出す。
すかさず入口の中の岩陰に隠れた。この先は煙はひどいが低姿勢でいればまだ何とかなるはずだ。
今回は時間との戦いだ。悠長に匍匐前進で寝転がってる暇は無い。
外ではルイズたちがオークどもをひっかきまわしている。
後どれくらい持つかわからないが、出来る限り時間を稼ぐそうだ。
その隙にスネークが巣の中のお宝を頂戴するという単純な作戦である。
内部にまだオークが残っている可能性があるためスネークが抜擢された。
あの洞窟の中でも隠れる術をスネークは知っている。
スネークにうってつけの任務だ。

深呼吸をして体の内側に意識を向ける。
……おそらく7分ほどはこの中でも余裕で行動できるだろう。
その先は息苦しさなど、集中を削がれるだろうがそんなに長居するつもりも無い。
それ以上に恐ろしいのは『におい』だ。
この巣穴、思った以上に臭い。
きっと脱出するころには悪臭で鼻が麻痺していることだろう。
一時的とはいえ、それが何に影響するかわからない。

一刻も早く終わらせたいものだ。
スネークは最近だんだん痛むようになってきた腰をだましながら、中腰で洞窟を進んでいった。


洞窟の中からオークがわらわら沸いてくる。
ここまでは作戦成功だ。
後は連中が巣に戻るのを妨害すればいい。

自信はないけど、やるしかない。

ルイズの頬を冷や汗が伝う。

作戦を考えたのは私だ。みんなに何かあっちゃいけない。
全員無事に作戦を終わらせる。勿論スネークも無事に。

おのずと杖を握る力が強くなる。

「おいおい、ルイズ。そんな固い顔していたら折角の美人が台無しじゃないか。」

隣で杖を構えていたギーシュが同じような硬い表情で軽口を叩いた。

「あんたもね。折角の色男がまるで鉄仮面みたいよ。」
「薔薇にも色々な顔があるものさ。」

もちろんギーシュにも余裕はない。
ただ彼はふさぎこんだ美少女をほうっておく事が出来ないただの馬鹿野郎だっただけである。
あんなに可愛い彼女がいながら罰当たりな男だ。

「君が不安な顔をしていてどうする。僕たちは君の作戦に同意したんだ。
 君を信じているんだ。君も自分を信じることだね。」

かっこいいことを言っているのだが、顔色は今にも倒れそうなくらい青く、頬が引きつっている。
そんなギーシュがおかしくて、つい微笑んでしまった。

「……ありがと。」

ルイズは聞こえないくらい小さな声でそういって、こちらに気がついたオーク鬼に向けて杖を振った。


―洞窟 オークの巣穴 通路―

中腰でしっかりと前へ進む。煙はまだ大丈夫。鼻はもう利かない。
ただただ腰が痛い。帰ったら誰かに腰を揉んでもらおう。
出来ればシエスタ辺りがいいな。逆にルイズに頼んだら殴られそうだ。

「……!」

何か黒い影を見つけ、洞窟のくぼみの影に身体を隠す。
影はいつもスネークの友達、自分の存在を消してくれる頼もしい存在だ。
目は暗闇に慣れてきてはいたのだが、この距離では見えない。
影の大きさが周期的に変化している。
おそらくは、オーク鬼。逃げ遅れたのだろうか。しかし、まだ生きているようだ。

暴れられたら厄介だ。
だが、ソーコムはまずい。銃声が反響する。

サプレッサーのついているM9を引き抜き、照準をオークの頭に合わせて発砲する。
麻酔弾がまっすぐにオーク鬼に飛んでいき、見事頭に針が刺さり薬液が内部に注入されていく。
ゾウをも眠らす強力な薬だ、これで少なくとも暴れることは無いだろう。
ほうっておけば死んでしまうかもしれないが、この世界にIUCNはないしオーク鬼がワシントン条約で守られているなんて話を聞いたことも無い。

黙って倒れているオーク鬼の脇を通り抜ける。
酷い悪臭が鼻を突くが、気にする暇も無く先へ進んだ。


―洞窟 オークの巣穴 居住区―

ようやく行き止まりが見えた。
ここまで一本道とはいえ、途中にオーク鬼が倒れていたり、腰が痛くなったりとくるのに時間がかかってしまった。
一番奥に大仰に装飾された箱がおいてある。
確かに宝箱のようだが、いささか安っぽく見えるのが気がかりだ。

「……またはずれか?」
「そうじゃねえ事を願いな。」

デルフが背中から声をかけてきた。
陽気で退屈しないのはいいのだが、潜入時に話しかけるのはやめて欲しい。
いくら周りに人がいないといってもどこに耳があるかわからないものだ。

「外に出るまで黙ってろ。」
「ちぇ。最近相棒は冷たいぜ。」

悲しそうな声を出してから静かになった。
あとでしっかり構ってやることにしよう。
そのためにはさっさと外に出なければ。
箱をつかんで入り口に戻っていった。


少し時間はさかのぼり、スネークが潜入を始めたころ。

「んぎぃいいいい!!!!!!!!」
「ワルキューレ!」

今にも手に持った棍棒をギーシュに向かって振ろうとしていたオークの腹の肉をワルキューレの槍が抉る。
しかし、戦闘時の興奮がオークの痛みをかき消す。攻撃は止まらない。

「ちっ!」

ワルキューレが後ろに飛びのいて距離を置く。そこにルイズの失敗魔法が加わり、反撃をよけることが出来た。

今回の要はワルキューレだ。
キュルケとタバサの魔法は確かに強力だが、その分消耗が激しい。
ギーシュのワルキューレで敵を引っ掻き回して出来るだけ時間を稼ぐ。
あとは未知数としてルイズの失敗魔法だが、どこまでコントロールできるか……。

『危なくなったら逃げろ。あとで俺を回収すればいい。』

スネークはこう言っていたが、ギーシュの中のライバル意識がそれを許さない。
愚かかもしれないが彼のプライドだ。
彼に負かされて、彼に頼って……そんなこと出来るわけが無い。
ここで逃げたら永久にスネークには勝てない!

「―負けてたまるか!」

左方向からオークの棍棒が襲い掛かる。
それをワルキューレが槍で真正面から受け止めた。

―魔力の源は精神力―

ワルキューレが彼の心に反応し、いつも以上の力でオークを叩きのめす。
そこにタバサのウィンディ・アイシクルが止めを刺し、返り血が戦乙女を美しく染め上げた。

―不思議だ。この緊張感。

今度は左右に一匹ずつ。
ワルキューレが土を巻き上げてオークの眼をくらませる。
渾身の一突きが右のオークの腹の肉を貫通する。

それに気がついた左のオークががむしゃらに棍棒を振り払う。
ワルキューレが右のオークを盾にして防いだ。

―死の恐怖よりも、心の奥から高揚感に似た物がこみ上げてくる。

突き刺したオークを左のオーク目掛けてたたきつけ、倒れたところで頭を体重で押しつぶす。
二匹とも動かなくなったのを確認したギーシュが突然しゃがむ。

ブォン!

先ほどまで頭のあった場所を丸太のように太い棍棒が通過する。
確実に当てられるという自信があったのか、オークは豆鉄砲を喰らったかのような顔をしている。

今のギーシュにはその隙がしっかりと見えていた。

「そこだ!」

地面から岩の槍が伸びてオークに致命傷を負わせる。
死に際の一撃―棍棒が飛んでくる。
転がるように跳んでよけた。

ああ、服が汚れたな。

頭のどこかでそんな余計なことを考えられることに、彼自身が一番驚いていたという。


―洞窟 入り口―

日光がまぶしい。いよいよ出口だ。
外が騒がしい。ルイズたちはまだ頑張っているようだ。

洞窟から脱出したスネークは、茂みに身体を隠すためにローリングで飛び込もうとしたそのとき、

「ぐっ!?」

腰に鋭い痛み。
あまりの痛みにローリングに盛大に失敗して地面とキスをする羽目になった。

しかし、倒れた場所が悪い。
なんと、ちょうど日のあたる場所で、オークたちから丸見えな場所ではないか。

「ぷぎぃ!ぎぃいいいいいい!!!!!!!」

箱を持って倒れているスネークにオークの一匹が気がついた。
そいつがまっすぐこちら目掛けて走ってくる。
ルイズたちがこっちに気がついたが、間に合うかどうかわからない。

痛みを押して無理やり立ち上がり、ソーコムで迎撃する。
野生の勘か何かわからないが、腕で急所直撃を防いできた。
なんという肉質の硬さ。マン・ストッピング・パワーに優れた45口径でひるまないとは。

これはまずい。
そう思ったときは、長年の勘が足を動かしていた。
間一髪で右に転がってよけるが、立ち上がるのに一瞬の間が空く。

来るべき衝撃を受け止めようと頭をかばったそのとき―

―身体がシルフィードの口にくわえられていた。
何とかタバサが間に合ったのだ。
首をひねってシルフィードの背中に顔を向ける。
タバサにしがみつくようにシエスタも一緒になって乗っていた。
どうやらしばらく腰をもんでもらうという夢はかないそうに無い。

「助かった、タバサ。」
「退却。」
「ああ。全員拾って逃げるぞ。」

全員無事に拾うことが出来、作戦は成功に終わった。


洞窟から少し離れた森の泉にて。
荷物をシルフィードから降ろし、いよいよ宝箱を開けることになった。
ギーシュが気分が悪い、と木の陰で休んでいるのを除けば全員元気そうだ。

「なーにかな♪なにかなー♪」

キュルケがノリノリで宝箱を開ける。
心なしかタバサもわくわくしているようだ。

どうせガラクタだろう。

苦労して取りに行ったスネークだが、正直中身にあまり興味が無い。
宝物であったとしても、どうせ自分には関係が無いし、役には立つまい。
そう思って少し離れたところで煙草を吸っていた。

一仕事終えた後の一服はたまらない。
これで冷たいビールでもあれば、と思うのだが、今は無理だろう。
もともと酒豪というわけではないが、たまにはそういうものも飲みたくなるものだ。

「ん?」

ギーシュがこちらに歩いてくる。
手に持った煙草を携帯灰皿に捨ててギーシュにたずねた。

「大丈夫か?まだあまり顔色は良くないようだが。」
「さっきほど悪くは無い。戦いが終わったとたんにこれだよ。我ながら情けない。
 戦闘中はやけにハイテンションだった気がするんだがね。今は震えているよ。」

症状に若干の身に覚えが。
あまり良くない兆候だ。

「おそらく、軽い『コンバットハイ』だろう。戦闘依存症だ。
 重度のそれにかかると周りの人間が危険になる場合もある。もちろん、お前もな。
 しばらくのんびりしておけ。心を落ち着けるんだ。」
「さすがに詳しいな。」
「本職だからな。だが、いい事は少ないぞ。あこがれるのはやめておけ。」
「誰が憧れるもんか。」

ニヤッと笑ってギーシュの頭をガシガシと撫でた。
痛そうにしていたが、文句を言わず黙ってギーシュは撫でられることにしていた。

「スネーク!ちょっと来て!」

ギーシュの心の荒みなんてどこ吹く風。
隊長殿がスネークを呼ぶ。

「どうした?」
「これ、スネークは何かわかる?」

そういって宝箱の中から取り出したのは、これまた黒く長い箱。

そうだ、俺はこの箱に見覚えがある。
俺の記憶が正しければ、こいつはここにあるわけが無い。

急に目の色を変える。
箱を開けるとそこに入っていたものは―


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