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ときめき☆ぜろのけ女学園-03


 たまたま紛れ込んでしまった妖怪の世界。ルイズ・ヴァリエールの新たな学園生活はここから始まる事になった。
「凄ーい!!」
 多種多様な妖怪の生徒達の登校風景に、ルイズはすっかり目を奪われていた。
「ルイズ、楽しそうだね」
「あほうのように口が開いてる。あほうのように」
「あーっ、2回もアホって言った!!」
 するとそこへ、
「先生、おはようございます」
「おはようございます」
(あ!! ミス・ロクロクビ)
「首どうしたんですカー?」
「先生ー」
 見るとろくろ首先生の首は螺旋状にねじれていた。
「寝違えただけです。心配要りません」
(うわあ、ミス・ロクロクビ、寝相が悪いのね。意外……)
 そこまで言ってルイズの頭にとある疑問が浮かんだ。
「ねえねえキリ、妖怪にも男っているの?」
「いるにはいるけど……」
「ろくろ首にも男っているの?」
「私は見た事無いなー」
「あたしもー」
「そう……。それじゃわからないわよね……」
「何が?」
「男のろくろ首の喉仏って、上にあるのか下にあるのか気になって……」
「………」
「あー、それは気になるなっ」
 ペロは自分の頭頂部を指差し、
「あたし的にはこの辺に付いてると押したい感じでいいと思う」
「……押したい? っていうかそれもう喉仏じゃないじゃない!!」
「ルイズは喉仏が好きだなあ、スキモノめ」
「そうじゃなくて!! 喉仏の話してたんでしょ!?」
「ルイズルイズ、ペロはいつもこうだから。それより急にそんな事気にしてどうかしたの?」
「うーん、ここで生活するって決めたらいろいろ気になっ……ああああ! じゃあじゃあじゃあ、男の妖怪がいるならもののけ男子学園もあるの!?」
「も……、もののけ男子学園ー!?」
「なあに、ルイズは男に興味があるの?」
「や……、そういう意味じゃないけど……っ」
「男なんてじじいとハゲしかいないよ?」
「えっ? そうなの?(どうやら私の学園ライフに恋の話は無さそうね。……まあ、学生の本分は勉強だから! ……ん、勉強?)
 そこまで考えてルイズはもののけ女学園での授業の事をふと考えた。
(妖怪の学校って何の勉強するの?)
 考えてみれば昨日の授業を早退したため、もののけ女学園でどのような授業をするのかまったく知らない。トリステイン魔法学院とは明らかに違うのだろうと察しはついていたが。

 ――リーンゴーン
「はい、席に着いてー。授業を始めます」
 チャイムが鳴り、ろくろ首先生が教室に入ってきた。
(妖怪の勉強!!)
 その時ルイズの頭に浮かんだのは、
 先住魔法で煙と共に姿を消す自分。
 自身の長髪を針のように硬化させて発射している自分。
 カラスの大群がぶら提げている座席に座り空を飛ぶ自分……。
 ……そんな授業風景を妄想してわくわくしていたルイズだったが、
「今日の授業はもののけとしての妖艶さを磨くために、お化粧の学習をします」
 ろくろ首先生の言葉はそんなルイズの期待を一瞬で粉砕した。
「ルイズ、どうしたの?」
「……いいのよ、期待しすぎた私が悪かったわ」
 その言葉に一気にへこんだルイズにキリが声をかけるも、ルイズはそう答える事以外不可能だった。
 ろくろ首先生は化粧道具の詰まった箱を教卓に置き、
「道具は教卓に置いておきます。各自化粧ができたら見せにいらっしゃい。先生は今日は首が苦しいので保健室で休んでます」
(やっぱり苦しいのね)
 ルイズがそんな事を考えていると、ろくろ首先生は思い出したように扉を開けかけた手を止め、
「あー、先生がいないからってサボったり美しく化粧できなかった子は……」
 そこで教室内に振り返り、
「……お仕置きしますからね」
 その言葉に教室内の温度が一気に低下した。

「お化粧かー。私下手くそなんだよねー。ルイズは?」
「私結構得意よ。こっそり母様ので練習してたから」
「えーっ、ルイズ凄ーい」
「ほらキリ、こっち向いて」
 そんな会話を交わしつつ、ルイズはキリの唇に手際よく口紅を塗っていく。
「うわあ、キリ、可愛いわっ」
「口紅塗っただけでしょ?」
「ええ。でもそれだけでも凄く可愛いわ! いつも可愛いけど」
 口紅だけとはいえ上手にできてご満悦という様子のルイズにペロも、
「ルイズー、あたしも! あたしも!」
「いいわよ。任せて、ペロ」
 そして化粧完了したペロの顔は……、
「こ……、これがあたし……」
 太い眉毛に塗りたくられたアイシャドウ、元の唇から遥かにはみ出している口紅と悲惨な状況だった。
「美しすぎる」
「どこの大女優かと思ったわ」
(それでいいんだ?)
 あまりにもあんまりなペロへの化粧に内心ツッコむキリだったが、ペロ本人は手鏡に映った自分の姿に見とれていた。
「あの……、私にもお化粧してくださいな」
 そう声をかけてきた生徒の顔には目も鼻も口も無かった。
「わー、のっぺらぼう!! お……、お化粧ってどうやって……」
 流石にルイズもどうしたものか困惑する。
「ビジュアル系っぽく」
「ビ……、ビジュアル系!? ……て、あれ?」
 ふと気付いてその生徒の後方に視線を向けたルイズの見たものは、
「私も」
「私も」
「私も」
「私も」
「えーっ!?」
 ずらりと並んだ生徒達だった。
「ちょ……っ、みんな、自分でやりなよ。ルイズが困ってるでしょ」
「いいわよ、キリ……。私やるわ!!」
 そう言うが早いか神速と言うべき速度でルイズは作業を開始する。
 下半身が蛇の者、9枚の皿を抱えた者、紙製の傘を被っている者、小豆入りの籠を持っている者、両腕が鎌になっている者……。みるみるうちにルイズの手で化粧が施されていく。
(ルイズ、凄い……っ)
 それを見ているキリは目を見開き頬に汗を流している。
(……何て酷いお化粧センス!!)
 着物姿の少女の左目の周囲に描かれた大きな丸を呆れた視線で眺めるキリ。
(あの丸とか意味わかんないし)
 それでも明るい笑いを浮かべ嬉々として化粧を施していくルイズの様子を、微笑ましげに見つめていたのだった。
(でもまあ……、楽しそうだからいっか)

 ようやく全員への化粧が終わった教室内。
「あー、やっと終わったわ」
「お疲れ様! みんないそいそ先生に見せに行ったよ」
「あああっ!」
 ルイズをねぎらうキリとは対照的に、ルイズは化粧道具が入っていた箱の中を覗いて愕然という声を上げた。
「私まだ自分のお化粧してないのにお化粧道具使い切っちゃった!」
 そう、準備されていた化粧道具は生徒達への化粧で使い果たされていたのだ。
「口裂け女とか口紅凄く使ったしね。どうしよう……」
 すっかりちびてしまった口紅を手に途方に暮れるルイズ。そこに、
「ルイズ」
「え……?」
 振り向いたルイズの言葉を途中で遮るように、キリはルイズの唇に自分の唇を重ねて口紅を付けた。
「キ……、キリ、んっ」
「かわい」
 十分口紅が付いたところでキリはそっとルイズの唇から離れた。
「さ、先生に見せに行こ」
 保健室に向かうキリを後目に赤面して硬直するルイズ。
(キ……、キスしちゃった!!)

 その頃保健室では……、
「ぎゃあああああああ!!」
 ルイズによる凄まじい化粧が施された生徒達の顔を見たろくろ首先生の悲鳴が響いていたのだった……。


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