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ジ・エルダースクロール外伝 ハルケギニア-20


20.ブルーディスティニー

まだ泣いてる。でも私がどうにかできる訳ないもんね…
ごめんね。ごめんねエレーヌ。お姉ちゃんどうしようもなくてごめんね。


とりあえず、話は終わった。このイザベラ姫の話が正しければ、の話だが。
まぁ、結果は日を見るより明らかだ。多分この娘は何も知らされてはいない。
大方あの無能王と、マニマルコとかいうのに利用されているんだろう。
杖無し魔法はマニマルコにか…マスター何か知ってるかね?さて――

「で、あんた」
「き、きゅい」

フーケはシルフィードの頭を一発殴る。

「い、痛いのね!暴力反対!」
「なら話し合いに応じてくれるかい?」
「う、しまったのね…」
『すまぬな。この者は粗忽者で』
「影におわす半分大いなるお方も大変なのねー」

人外同士で気が合うのか?とりあえずぶん殴りたくなる衝動を抑えて、
フーケは言った。

「さっきの、大いなる意志の敵ってなぁおだやかじゃないね?」
「けど、そんな感じがしたのね。ん~あれなのね。こう…」

不明瞭すぎる。身振り手振りで、
どうにか伝えようとしているのだろうがまるで分からん。

「きゅい~。こんな時にソルがいてくれたら楽なの。あの弟は頭が良いの」
「へぇ、弟がいるのかい?」
「そうなのね。妹にアルク。もう一人の弟がヴィヴって言うのね」

韻竜。数千年前突如現れ、すぐに消えた伝説の喋る竜である。
だが、それは彼らが人間から身を隠しただけに過ぎない。
本当のところ、彼らはたくさんいるし、
時たま、魔法を使い人に化け、平民として暮らしている物珍しいのもいるのだそうだ。
それと、機械人形を造ったりもするとの事だった。

「で、いないんだからあんたが喋ってくれないと困るんだけどね?」
「きゅい…お姉様ぁ」

今はキュルケから離れてイザベラと目線を合わせているものの、
タバサはどうイザベラと話すべきか迷っていた。
どうにも、今までの行いに罪悪感があって、
私に謝りたいらしいのだが、どうもおかしい。

今、確かに自身の使い使い魔が何故ああ思ったか、
タバサは少し分かる気がした。

「その、ね、エレーヌ。あの日の約束…覚えてる?」
「…ごめんなさい」
「い、いいのよ。別に。覚えている方が無理な話だもの」


どうにも気まずい。辺りは蒼い死神とその妹分がどう動くかが、
怖くて怖くてたまらなかった。

「でも、どうしよう。この船を落とさないといけないのに…」
「あー…落ちたって事にするのはどうだい?」

イザベラはなるほど。といった風に頷き、空を飛んだ。

「それじゃ、その。ええと、またね?エレーヌ」

気まずそうにイザベラは飛んで帰っていった。
ほっとする一同。タバサのお陰で助かった様な物である。

「それに引き替えあんたときたら…」
『ぬぅ…盾が割れた』

どうしよっかなーといった風で、
灰色のイージスを直そうともがいてみたが、
やがて飽きたのかノクターナルは空にぶん投げた。

『しかしリッチとはな。ナミラの仕業か?』
「へ?」

爆弾発言の後、タバサの意識が遠のくのはとても早かった。


「おい、お前たち、頭の前だ。挨拶しろ」

三人は空賊頭に呼ばれて、メイジらしき空賊の頭の前にいた。
一人異質な雰囲気の船員がいるような気もするが、
多分気のせいだ。

「王党派だと?何しに行くんだ。あいつらは明日にでも消えちまうよ」
「あんたらに言う事じゃないわ」

数瞬の間の後、頭は話題を変えた。

「貴族派に付く気は――」
「死んでも嫌よ」

頭は歌うように言おうとしたが、途中でルイズが強く否定する。
ハハハと、頭は笑った。

「トリステインの貴族は――」

そう言いながら頭は、頭の黒髪を取った。カツラだったらしい。
そして眼帯と付けひげを外すと、現れたのは凛々しい金髪の若者だった。

「私はアルビオン王立空軍大将、本国艦隊司令長官…ウェールズテューダーだ」

ほら見ろ。やはり当たっていたじゃないか。とマーティンはルイズに微笑んだ。
う、うっさいわね。わ、分かるわけないじゃない。とルイズは顔を赤くした。
ルイズは、姫より携わった密書についてウェールズに言った。

「なるほど…では、その密書とやらを」
「あの…本当に皇太子様でしょうか?」

うむ、と頷き、皇太子は言った


「確かに――さっきまでの顔を見せれば無理もない。だが、
今証明出来る物を持っていなくてね。ニューカッスル城まで運ぶから、
それを証拠と言う事にしてくれないか?」


「ノクターナルさん。大丈夫でしょうか」

現在、風のルビー保有者のティファニアが言った。
2年前、忘却の魔法の事をフォックスが聞いた時、
すぐに彼はオルゴールと指輪を宝物庫から盗み出した。
彼曰く、酷く手ぬるい。これなら楽勝だ。とのことだった。

タムリエルでは、ドワーフが造った鍵から始まる施錠技術と解錠技術。
元のドワーフがおらず、平民が入る事なぞあり得ないという、
慢心した思想による隙が、彼のような盗賊には丁度良かったのだ。

「私は死なぬ、何度でも蘇るさ。とか言っていましたから、
おそらく平気なんじゃないんですかー?」

むしろ死んでくれた方が、心身の健康方面でありがたい。
そんな不埒な事を考えながら、シエスタは答えた。

「ところで、ティファニアさん。やっぱりアレを使って皆さん帰ってくるんでしょうか?」
「緊急手段だから、そう使わないと思いますよ?アレって」

アレというのは船に備わっている魔法効果の事だ。
グレイ・フォックスがノクターナルに頼み込んで付呪させた物である。
何でも船の大きさから一回しか使えないらしい。もう一度使うには、
魂石なる物で、「マジカ」と言われる精神力の様な物を、補充しないといけないのだそうだ。

「まぁ、明日までは大丈夫でしょう。ティファニアさんも、子供達と遊んで来たらいかがですか?」

現在、モット伯とチュレンヌは子供達と元気いっぱいに遊んでいる。
腹ごなしの運動らしい。そうしますねーとテファは外へ駆けて行った。

「さて、後片付けとしますか」

メイド姿のシエスタはそう言って部屋の片付けを始めるのであった。


「おお、ご主人様。シロディールへ行ったかと思ったらお早いお帰りで」

シェオゴラスがいない間、シヴァリングアイルズを管理する執事、ハスキルは言った。

シヴァリングアイルズ。戦慄の島、ガクブル島等で知られるそこは、
狂気のデイドラ王子、「シェオゴラス」の領域である。

「え?前のご主人様が作った秘宝をお探しでございますか?
ああ、ワバジャック以外はネレヴァリン様が持っていらっしゃるようで――」

しかし――実際の所、「シェオゴラス」なる存在は最初からいなかった。
全ての世界の秩序をつかさどり、もううざったいことこの上ないデイドラ王、
「ジャガラク」にかけられた呪いこそが、シェオゴラスの正体だったのだ。

彼は、彼以外の全てのデイドラ王と敵対していると言っても良い。
彼はルールを作り、それを他者に課すのが大好きなのだ。
基本的に混沌な存在であるデイドラ達に、そんな事をしたらどうなるか。
つまり、うざいからアレにしよう。と言うノリで珍しく王達の意見が合い、
彼以外の殆ど全てのデイドラ王が頑張って創ってみたのが、
現在のシェオゴラスの領域「シヴァリングアイルズ」なのである。

流された噂に引っかかって、ジャガラクは計略にはまり、
狂気の王子シェオゴラスとなり、時たまジャガラクに戻っては、
不毛な争い『グレイマッチ』を繰り返す存在になったのだ。
この件には、全てを知るデイドラ王「ハルメアス・モラ」までもが、
絡んでいるとも言われるが、詳しくは分からない。

尚、現在ジャガラクの領域だった箇所は、オブリビオンの秩序をそれなりに管理している、
下級デイドラの頼れる「親方」ペライトの領域になっている。彼も秩序を担当してはいるが、
いわゆる親分肌で、義理デイドラ情に厚い秩序と言う奴だし、
基本的に空気を読むので問題はない。

「え、ご主人様。探しに行かれるので?」

すまない、あまり仕事しなくて。とシェオゴラスは言った。

「ああ、もちろん信者も使われるのですね。ですが、ええ。
『苦い慈悲の槍』ですか?確かにあの方が創られましたが」

場所はモロウウインドか。はたまたアカヴィリまで持って行ったか。
首の骨を鳴らしてシェオゴラスは領域を後にした。
マーティンには、最後の休暇を渡したつもりだったが――
どうにもまずい。『奴』が行ったみたいだ。そう思いながら。

「バイアズーラ!」

酷いじゃないですか!置いて行くなんてとでも言うかのように、
タマネギこと、闘技場からずっとついてくる熱狂的なファンが、
門を出たシェオゴラスの前に立っていた。

ああ、悪い悪い。と言って、手紙を渡す。
こいつを友に届けてくれるか?

「バイアズーラ!」

そう言って、シヴァリングアイルズの門へタマネギは入っていった。
敬虔なアズラの信者らしいが、何故生き返るのだろうか。
まぁ、知らなくて良い事もあるか。見送りながら英雄はそう思った。

『だ・か・ら!何で俺の領域をお前が管理してるんだよペライト!』
『うるさい。とにかく一旦口を閉じろジャガラク。そして二度と開くな』

オブリビオン最下層、『奈落』の名で知られるそこは、
キチンとしたペライトの領域である。ここに、
口論を繰り広げるデイドラ王が二神。
そこの管理者、緑色の肌に赤い目をした、
ハルケギニアの意味でのドラゴン『ペライト』と、
シェオゴラスの呪いから解き放たれ、
元に戻った白銀のゴーレムっぽい『ジャガラク』である。

「親方。こいつらどうしますか?」

ジャガラクの兵隊、「オーダー」と言われる機械兵を居住者の一人が指さした。
いつの間にやら、無限生成用のオベリスクまで立ててやがる。
管理が面倒なので、『元』彼の領域内にあるそれらはそのままになっているのだ。
だからジャガラクがいつでも呼び出せるのだが。
辺りが結晶化していて、居住者には大迷惑である。

『ジャガラク…これ壊して良いか?答えは聞いてないが』
『やめろ!全く。さっさとあの領域を俺に返せばそれで済む話だろうが』
『また暴れるだろ。ただのデイドラくらいで丁度良いんだよお前は』

オーダー召喚用のオベリスクを片手で粉砕しながらペライトは言った。
基本的にデイドラ王は、その領域内では無敵の力を得る事が出来る。
ただ時たま、狩りをつかさどる王子様の様に、
調子に乗りすぎて、本格的に負けてしまうのもいるそうだ。

狩人の王ハーシーンは最近、それでプライドがズタズタにされてあまり元気が無いらしい。
自分から攻め込んでは負けたーとか言って、笑いながら帰ってくるデイゴンを見習うべきだろう。
常習しろとは決して言わないが。

『だからやめろっつってんだろうが!!』
『黙れこの秩序馬鹿。いい加減にしないとお前ごと領域に変革をもたらすぞ?』

遠くから眺めていたが、おもしろそうだったのだろう。一番喧嘩を売ってはならない存在が言った。

『やれるもんならやってみな。今まで人間に勝てた試しが無いデイゴンさんよぉ?』

マーティンから受けた傷を癒すため、
危険な自分の領域より、比較的のどかなペライトの地で、
療養しているデイゴンがジャガラクとにらみ合った。
お供のドレモラ部隊は、自身の持つ連中でも最強のを引き連れている。
ジャガラクも、残っているオベリクスからオーダーを無限生成し始めた。

お互いににらみ合いが続き、やがてどちらかの手下が手を出した。
そのまま軽く戦争が起こる。ジャガラクはブチ切れながら。
デイゴンは豪快に笑いながら。どちらが手をだしたかは分かるだろう。
居住者はいい迷惑である。ため息をついて後、咆哮をあげながら、
ペライトが超広範囲魔法で馬鹿共全員を凍らせた。

こいつらかもしたい。タムリエルでは一般的な疾病をつかさどるペライトであった。

「どうすれば仲直りできるかなぁ…」

レキシントンに帰って後、イザベラはそれだけを考えていた。
下手に謝っても効果は無いだろうし。
自分だってされたら嫌な事をしたんだもの。じゃあ、どうすればいいのかな。

「あ、そうだ。エレーヌのお母さん病気だったよね。マニマルコに治してもらうようお願いすれば、
きっと前みたいになってくれるわ!」

これ名案!とばかりにイザベラははしゃぐ。
蠱の王は自分の身分を東の地にいる『治癒師』と偽っているのだ。
もちろん、死霊術の中に回復の技があるのは事実だし、やろうと思えば、
死にかけの人間を治療するのも不可能ではない。

ただ、それは魂を別の死体に入れたりだとか、人の魂を使って自身を強化したりするとかで、
確実に人間の道を外れた外法であるのは間違いない。

勘違いしないで欲しいが、メイジギルドはこれだけでなく、
一般的な外科手術まで黒魔術認定している。死霊術師でない存在まで、
それであるとして殺そうとする連中も存在しているのだ。
なので、メイジギルド側にもそれなりに危険な節はある。

「エレーヌは嬉しがるだろうな~。この戦いが終わったら、マニマルコに相談してみよっと」

ルンルン気分で駆け出すイザベラ。クロムウェルに背中から抱きつき勢い余って押し倒したりする、
お転婆なガリアのお姫様であった。



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