あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

デジモンサーヴァント-01


「はあはあ……」

俺は走る。
無我夢中で。
気がついたら、俺は何故かこの姿になっていた。
気がついたら、俺はリアルワールドにいた。
気がついたら、俺は見たことも無い機械を手に持ち、何故かそれの名前を知っていた。
人間たちが、俺を恐れている。
恐れていない人間たちは、他のデジモンたちと連携して、俺を捕まえようとする。
彼らは俺に呼びかける、「危害を加えるつもりは無い」と。
それを聞き、止まろうとして、突如として正面に現れた鏡のような物体に俺は突っ込んでしまった。

その日、一人の究極体が錯乱状態で都内を彷徨い、突如としてその姿を消した。
分かっているのは、我々の呼びかけに反応し、止まろうとしたことだけである。
俺がサイバードラモンと出会った方のデジタルワールドから来たのか、賢と出会った方のデジタルワールドから来たのか……。
ひょっとしたら、どちらでもない全く別のデジタルワールドから来たのだろうか?
真相は闇の中だ……。 秋山リョウ

第一節「ナイト・オブ・ザ・ミョズニトニルン」

視界が晴れると、そこは草原だった。
そこには、さっきまでいたリアルワールドのそれとは明らかに違う服を着ている人間たちがいる。

自分が召喚した者を見て、ルイズは戸惑った。
漆黒の鎧をまとい、マントを羽織った、目の前の存在に。
他の生徒たちは、メイジを召喚したのかと、どよめく。
だがルイズは、何となくではあるが、目の前にいるのは人外ではないかと思った。

「ここは何処だ? 教えてくれ」

彼が声を発し、それにルイズは自然と応えた。

「ここは、トリステイン魔法学院よ」
「聞いたことが無いな……。俺は……アルファモン。君の名は?」
「ルイズよ」
「ルイズか……。ルイズ、俺は、何故ここにいるんだ?」

何故か憔悴しているアルファモンを落ち着かせようと、自分が召喚したと告げようとした直後、隣にいるコルベールに遮られた。

「ミス・ヴァリエール、他の生徒たちを待たせてはいけません。先に契約を済ませてください」

コルベールに促され、ルイズは渋々先に契約を済ませることにした。

「ごめんなさい、事情は後で話すから」

アルファモンに謝罪し、コントラクト・サーヴァントを詠唱して、口付けした。
アルファモンは驚くより先に、凄まじい熱さを額に感じ、思わずうめく。
その額には、純白のルーンが刻まれていた。

「い、今のは!?」
「大丈夫、ルーンが刻まれただけよ」


その日の夜、ルイズは自室で、アルファモンにこの世界のこと、サモン・サーヴァントとコントラクト・サーヴァントについて、アルファモンに教えていた。
アルファモンは、自分がルイズによって召喚され、そしてあのときのキスで使い魔になったことを知る。
落ち着きを取り戻したアルファモンは、不思議とその事実を受け入れていた。
究極体である彼に、ルーンの洗脳効果は効かない。
彼は自分の意思だけでそれを受け入れた。

ルイズは、今度は問い質した。
何処から来たのか、何者なのか、そして召喚された時に手に持っていたものは何かを。
アルファモンは、淡々と答える。

「俺は、こことは違う別の世界から来た、「デジモン」という人外の存在だ。そして、これに関しては「デジヴァイス」という名前以外全く分からない」
「別の世界から来た!?」
「そうだ。俺はデジタルワールドと呼ばれるデジモンたちが住む世界から、人間たちが住むリアルワールドに迷い込み、そこで君に召喚された」
「そうなの……」

そして、アルファモンはルイズにデジヴァイスを手渡した。
驚くルイズを尻目に、アルファモンは続ける。

「これを君に」
「いいの?」
「何となくだが、君が持っていた方がいい気がするんだ」

そう言って、アルファモンは更に続けようとするが、思いとどまった。
広場から、女子寮へと行く際、違和感を感じた。
ルイズだけ、歩いていたことに。
何故ルイズだけ歩いていたのかを聞こうとしたのだ。
(俺は今、聞いてはいけないことを聞こうとした……)
気を取り直し、アルファモンはそっと話題を変えた。

「ルイズ、使い魔とは、何をすればいいんだ?」
「使い魔には三つの役目があるの。感覚の共有に秘薬の材料の調達。そして主の身を守ること」

ルイズの説明に、フムフムとうなずくアルファモン。
ルイズは試しに目を閉じる。
そこには、アルファモンを見上げながら両目を閉じた自分の姿が移った。

「感覚の共有は可能みたいね」
「秘薬の材料の調達だが、俺はこの世界に来たばかりだから無理だな。そして最後の一つ……、俺にうってつけ、だな」
「あなた、強いの?」
「あまり嬉しくはないが、強い」

そう言って、アルファモンはうつむく。
悪いことを聞いてしまったと勘違いしたルイズは、思わず謝りそうになったが、アルファモンに先手を打たれた。

「君は悪くない。悪いのは、勝手に感傷に浸った俺の方だ」

アルファモンはそう言って立ち上がり、ドアに手をかける。

「何処へ行くの?」
「散歩も兼ねて、学院内を探検してくる。安心しろ、逃げたりしないさ」


夜の学院を、アルファモンが歩き回る。
アルファモンは、学院の内部をある程度見てまわったところで食堂に入り、小さな人形たちが踊る光景を目の当たりにする。
アルファモンにとって、それは不思議以外の言葉が当てはまらない光景だった。

「魔法で動いているの、か?」

アルファモンを尻目に、アルヴィーたちは踊り続ける。
彼らの踊りをしばらく眺め、やがて飽きてきたアルファモンは食堂を出ようとした。
しかし、背後に気配を感じ、右腕を振り回しながら物凄い勢いで振り向く。
そこには誰もいない。
よく見ると、ネズミが月明りに照らされていた。

「ネズミか」

そう言い残し、アルファモンは食堂を出た。
アルファモンの足音が徐々に遠くなる。
聞こえなくなった直後、ネズミは暗がりへと逃げた。
直後、そこから人のようなものが現れる。

「空白の席の主……、まさかこの目で見れようとはな。我(われ)がオスマンの使い魔となりて百と五十年。これだから人間の側にいるのは止められぬ」

平時はネズミに化け、モートソグニルと呼ばれる、オールド・オスマンの使い魔。
七大魔王が一人、リリスモン。

「弄りがいがなさそうだから、代わりにルイズの方を弄ってやるかの」

リリスモンは月明りに照らされながら微笑んだ。



次回、「アイ・アム・ナッシングネス」まで、サヨウナラ……


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